活動日誌・お知らせ

京都市2020年度予算審議・行財政局~2020.3.3公契約条例に賃金条項を、ネーミングライツどう考える

●現場労働者の賃金の最低限度額を保証するため、公契約基本条例に賃金条項を

〇日本共産党市会議員団として、公契約基本条例に、いわゆる一人親方をむくむ現場労働者の報酬額の最低限度額を定める賃金条項を設けることを求めている。また、委託事業の現場で働く皆さんにとって切実な雇用継続についても求めている。これに対し、京都市からは熟慮の上導入しないとして「公契約のもとで働く労働者の良好な労働環境全般が確保並びに維持及び向上されるように努め」ると、回答された。とはいえ、設計労務単価が決まっているような公共事業や様々な委託業務においても、実際にはそこで働く方の賃金さえも分からないのではだめだ。市民の税金による契約であり、適正な賃金が支払われているのか把握すべきだがどうか。
(答弁→財政部長)国で調査しているので、独自調査する必要性はない。厚労省の賃金統計調査では、府内建設業の男性全労働者の賃金は、平成24年に比べ、平成30年は15.4%増加。設計労務単価も引き上げられ、賃金・処遇は一定向上している。京都市独自に、予定価格5千万以上の工事契約について最も低い賃金価格の報告を求めて把握している。
〇この設計労務単価をめぐっては、適正に保障されなければいけない。必ずしも下請け孫請けに至るまで徹底されているわけではない。一定上っていると言われたが、そういう制度設計で守られていない方もおられるので、改善が必要だ。例えば、設計労務単価の90%は、必ず現場の労働者すべてにいきわたることを契約に組み込むだとか、業種によって最低限のラインを引いている他都市の事例を参考にするなど、踏み込むべきではないか。


(答弁→財政部長)制度導入時に「労働条件は労使で決めるべき」などかなり否定的な意見が多かった。他都市での導入事例は、1700自治体の1%、それが顕著な成果を生み出しているとは聞いていない。我々の判断は正しいと考えている。○設計労務単価が守られていたら問題にはならない。導入している所で問題は発生していないし、効果を発揮していると聞く。賃金格差が10%から1%に縮んだというなら、柔軟にとられて、どちらがより効果を発揮するのかというところから実施していただきたい。

●ネーミングライツ制度によって愛着ある名前が変更される問題について

〇ネーミングライツについて聞く。詳しくは直接の対象施設所管局である文化市民局で質
疑する。今回の議第303 号から312 号までの命名権対象施設対象をあらかじめ議決すると
いうのは、これまでのネーミングライツ契約からは、大きな変更となるが、その考え方を
打ち出した行財政局に対して、その認識を問いたい。ネーミングライツをめぐっては、西
京極運動公園陸上競技場の銘板を残すことが話し合われたように、ネーミングライツを与
えたとしても一定の条件を加えることが極めて重要であることが議論となり、銘板が残す
こととなった。昨年、今回の議案で示された考え方が、総務消防委員会において出された。
「付与必要事項」において一定の制約が加えられることとされていたが、今回の議案では、
あくまでのネーミングライツ期間3年から10年だけになってしまっているのではない
か。そこには、制度設計として、もともとの施設の名称の重要部分を残すだとか、どのよ
うにして新しい名前を加えるという条件を入れることは想定せずにこの制度設計をしたと
いうことか。
(答弁→資産活用推進室長)ネーミングライツが期待できる施設はまだまだある。厳
しい財政状況をみると、引き続き促進させる必要がある。事業者からの提案に加えて、本
市が提案する手法も有効だ。「付与必要事項」の基本的な考え方は変わらない。
○制度設計の際、「付与必要事項」に、名前に関わるものは入れずに募集するのか。
(答弁→資産活用推進室長)どういう通称を付すかということは議決の対象ではない。
〇この要綱がつくられる背景にある、京都市美術館を巡っては、京都市美術館別館が実際
に現在も存在しているが、京都市京セラ美術館とされた京都市美術館のコレクションも、
展示するときには所蔵は「京都市美術館」を明記されることになっている。にもかかわら
ず、そうした正式名称を示すものはコレクションの紹介の時にしか示されず、躯体のどこ
にも書かれないということになっている。スポーツ施設にせよ、文化施設にせよ、西京極
公園陸上競技場のように、(名前は)愛着を持っていわれてきたものだ。これが根本的に
変わってしまうことに大変違和感を覚える。今回は、対象を決めるだけだと言われるが、
ネーミングライツの制度そのものの問題点が、本当に改善されるのか大変疑問だ。特定の
企業が善意で応援くださるのは大変ありがたいことで、これまでも普通にやられてきたし、
それを顕彰することはあってしかるべきと思うが、やはり、施設の名前までも変更するこ
とに、私は納得がいかないことを表明しておく。

(更新日:2020年03月09日)