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【声明】9月市会を終えて 2024年11月15日

本日15日、党議員団として、9月市会の評価などについて「【声明】9月市会を終えて」を発表しました。その本文は、下記の通りです。
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声明 9月市会を終えて
     日本共産党京都市会議員団 団長 西野さち子

一、はじめに
 9月市会は9月24日に開始、44日間の審議期間を終了しました。自民党の裏金問題と経済失策に対する国民的怒りの広がるなかでの市会となりました。急きょ実施されることとなった衆議院議員選挙に伴い、日程を一部変更して行いました。党議員団は9月市会に先立ち「米の不足・価格高騰に対する緊急対策を求める申し入れ」(8月29日)「高等教育無償化への緊急対策を求める申し入れ」(9月13日)を行い、くらし・なりわい・子育て応援の願いをとどけて徹底論戦しました。

一、市長提出議案について
 今市会には市長から42件の議案と16件の決算が提案されました。党議員団は、Park―PFI手法で公的責任を後退させる南岩本公園条例の制定、木津市営住宅を廃止し住宅管理戸数を減らす市営住宅条例の一部改正等、9議案に反対。実績のある継続法人を指定する児童館の指定管理者の指定等33議案に賛成しました。地球温暖化対策条例の一部改正については、規定整備であるため賛成しましたが、化石由来のアンモニアを非化石とする法改正は問題があることを結了委員会で申し述べました。
 決算では、2023年度一般会計・国民健康保険事業特別会計・介護保険事業特別会計・後期高齢者医療特別会計・中央卸売市場第一市場特別会計・水道事業特別会計・下水道事業特別会計・自動車運送事業特別会計決算8件は認定せず、高速鉄道事業特別会計決算等8件は認定しました。党議員団以外の自民、維新・京都・国民、公明、民主の全ての会派と、井﨑議員以外の無所属議員は、市長提案の全議案に賛成しました。

一、 論戦の特徴
<一般会計補正予算>
 一般会計補正予算は、前年度の2023年度決算で88億円の黒字が確定したもとで、その黒字分34億3400万円を財源として編成されました。党議員団は、第1に、過去負債の返済を優先し、市民のくらし応援、中小業者への賃上げ支援などの取組みや「行財政改革計画」によって削減された福祉・市民サービスの回復がはかられていないこと、第2に、一般財源による文化芸術予算が減少傾向になる中で、その穴埋めのような形で寄付に依存した文化振興策となっていること、第3に、抜本的対策を欠いた今回の交通社会実験は、混雑・渋滞の移し替えになりかねず、見直しが必要であることから反対しました。また、GIGA端末のパソコン更新は必要な措置であるものの、その活用は教育現場の教職員の教育実践を優先するよう求めました。

<2023年度決算関連議案等>
 決算年度は門川「行革」集中改革期間3年の最終年度であり、松井市長にその評価が問われる議会となりました。市長は「門川行革は苦渋の決断」「敬意を払うべき」と述べ、「行財政改革計画」を評価する姿勢を示しました。敬老乗車証について学生通学定期と比較し「高齢者厚遇」と、世代間の分断をあおる答弁を行いました。保育所補助金削減や各種市民サービスのカットによる市民の痛みは極めて大きく、財政危機をあおり、サービス後退を進めた決算は認められません。また、88億円の黒字決算(3年連続黒字)のもとでも市民サービスの復元に背を向けていることは重大です。消防職員の2交替制については見直しの方向は示されましたが、「『狭義の公共』が、民間事業者や地域とともに『広義の公共』を担う」(市長)とし、職員削減路線を転換しませんでした。
 一方、前市政の「市政点検結果」の反省すべき点として「過少投資」をあげ、170億円の投資的経費の上限見直しが示されました。京都駅新橋上駅舎・自由通路、鴨川東岸線第三工区など大型公共事業も推進しています。北陸新幹線京都延伸計画についても「将来の京都にとって価値のある投資なのか非常に慎重な検討が必要」(市長)としつつも、「進め方について何か言うのは市の矩(のり)から外れたこと」「事業の詳細がわからないので賛成反対を表明できない」(副市長)と中止を求めない姿勢です。また、1号線・9号線バイパスや洛西、山科・醍醐の拠点開発などを進めています。市内総生産の減退・20代30代の人口流出などについても「内需だけで成り立つものではない」「外部から呼び込んで流出をとめたい」と従来どおりの「呼び込み型」市政推進を表明しました。党議員団は、開発資本の利益を増やす開発圧力で住民が住みにくくなるとして、過剰な規制緩和や税財政優遇に頼った首都圏企業や海外企業誘致をすすめるよりも、既存の中小企業を支援し、暮らしを立て直すことこそ進めるべきと追及しました。西陣産地の危機的な状況に対する具体策を求めました。「持続可能な施設運営に向けた保有量の最適化方針」の削減目標について再考する方向が示され、公共施設の廃止・縮小ありきの検討はやめるよう求めました。当局は「数値目標の扱いは現段階では白紙」と答弁しました。
 また、子育て支援の遅れこそ反省すべきとして、子ども医療費支給制度の18歳までの拡充と、小中学校給食費の無償化の早期実施を求めました。京都市は「(子ども医療費支給制度について)府市協調の成果をしっかり見ていただきたい」(市長)「(給食費無償化について)かなり本市単独で行うのは厳しい」(副市長)と、消極的な姿勢に終始しました。全員制中学校給食について、「今後のイニシャルコスト、ランニングコストを考えて給食センターがベスト、ベター」(副市長)と述べる一方、「正直に言うと、工場のような感じで・・機械的につくられるということが一番いいかというふうには思っておりません」(自民党議員に対する市長答弁)との無責任な姿勢を示しました。巨大給食工場方式ではなく、子どもたちの健康と豊かな食育のために学校に給食施設を設置するべきと求めました。民間保育園等人件費補助金について補助上限の見直しを求めました。「勤続年数が我々の想定よりも長いということで要望を受けている。・・何らかの考慮は行いたい」(副市長)との答弁がありました。
 国民健康保険については、次年度の引き上げを公言しており問題です。高すぎる国保料の引き下げこそ求められます。不安が広がっているマイナ保険証についても「資格確認書」を被保険者全員に発行することを求めました。介護保険については訪問介護の介護報酬引き下げへの対策を求めました。理事者は「全国一律の制度で持続的運営のために仕方ない」「京都市に影響が出ていない」との危機感のない対応に終始しました。
 気候危機打開のために二酸化炭素排出量を2030年に5~6割、2035年には75~85%削減とする目標に引き上げるよう求めました。「目標引き上げて経済・社会活動が成り立つのか」「まずは今の計画値の実現に全力を挙げるべき」(市長)と消極的な姿勢を示しました。危機的な状況を招いているなか「まだ大丈夫」との幻想を持つべきではないことを指摘しました。
 公営企業決算について、市バスの運転手不足に対し労働環境を改善することを求めました。市バス運賃の値上げはしないと表明しながら、調整区間について値上げをしていることを批判。国に独立採算制を変えるよう求め、任意の繰り入れを確保することを求めました。地下鉄事業については、運賃値上げを回避し、女子トイレへの生理用品の整備、転落防止柵の全駅設置にむけての努力を評価し、認定しました。上下水道事業について、「根幹業務は守る」と言いながら民間委託を推進していることや福祉減免制度を拒否している姿勢を転換するよう求めました。

一、 住民運動・請願
 関係者のねばり強い働きかけが市議会を動かし、全会派・議員の提案でケアラー支援条例を提案・可決しました。今後、条例の具体化が求められます。今市会において「北陸新幹線延伸計画の断念表明を求める」請願、「北陸新幹線京都延伸計画の中止の要請を求める」請願、「バス事業者への支援強化を求める」請願、「調整区間における市バス運賃値上げの撤回を求める」請願が採決され、いずれも、党議員団以外の会派が反対し、不採択とされました(無所属・井﨑議員は請願採択を主張)。討論に立ち、「バス運賃を値上げしないでほしい」との署名が短期間で3100人を超えて寄せられたことを交通局も市長も重く受け止め、「バス運賃値上げ回避」の支援策を講じることを強く求めました。

一、小島議員の辞職勧告決議について
 小島議員が自身の選挙区において、区内在住者である故人の親族に対し、初盆参りの供物として菓子を提供していたことをうけ、公職選挙法違反は議員辞職が当然であり、辞職勧告決議を自民・公明・共産・無所属※3で提案。賛成多数で可決しました。維新・京都・国民、無所属2人※1※4は退席し、民主は1人が賛成し、1人が退席しました。無所属※2は反対しました。                    ※1井﨑議員※2片桐議員※3繁議員※4平田議員

一、 最後に
 2025年度 京都市予算編成に対する要求書を市長に提出しました(11月7日)。また、11月市会には、子育て支援条例―子ども医療・給食費「2つの無償化」条例を提案します。総選挙で寄せられた切実な願いを実現し、くらしを徹底して応援する市政実現に向けて、引き続き、全力を尽くします。

(更新日:2024年11月16日)