活動日誌・お知らせ
中学校の今後の部活動について~2025年12月18日文教はぐくみ委員会
中学校の今後の部活動について
地域展開の進捗とワーキンググループの検討状況
○とがし委員 引き続きよろしくお願いします。この中学校の部活の今後については、子供たちはもちろんですけど、今の小学校4年生ぐらいからがかなり大きく影響するということですので、大変保護者の方からも「一体どうなってるんや」という声が寄せられておりまして、情報発信をもっとしていただかなければいけないと思っているところです。 そういう意味合いも込めて、今の進捗についてお聞きしたいと思います。今年の7月には「京都市学校部活動及び地域クラブ活動推進方針」を策定し、令和10年度以降、学校管理内の放課後活動へと移行するということが明らかにされました。その後、スポーツ関係や文化芸術関係のワーキンググループ会議なども開催されて検討がなされているとお聞きしていますが、この検討がどういうメンバーで構成されて、またどういうご議論・ご意見が出されているのか、この点についてご説明いただけますか。
○体育健康教育室担当部長 部活動地域展開におけるワーキンググループの設置についてでございます。方針策定までにつきましては、有識者を中心としたあり方検討会議の方で議論を進めてまいりました。今後、より具体的な内容、実施計画を定めていきたいと思っているんですけども、その際にはより実務者の方に率直な意見もお伺いしたほうがいいのではないかということ。また、スポーツと文化芸術については詳細な部分で違う部分も出てくることが想定されましたので、スポーツの分野、文化・芸術の分野、それぞれに分けましてワーキンググループを設置したところでございます。 現在それぞれ1回ずつ会議を開催しております。スポーツ関係で言うと、各競技の協会の方ですとか、現場の中学校の体育連盟の方々、また大学関係者の方にご参加をいただいております。また文化芸術関係につきましては、こちらも大学関係の方ですとか、お茶(裏千家)の方や生け花の関係の方にご参加いただいておりますが、そこでは何かを決定するというよりも、実務者の方からの率直なご意見を頂戴しているというところでございます。以上でございます。
指導者の質の確保と安全対策(日本版DBS等)
○とがし委員 議論を拝見しながら思ったのは、今後の部活動の担い手が基本的には学校から民間に移っていくという状況の中で、これまでは学校の先生が教育者として、また指導者として当たってこられたことで、教育としては一定の質が確保されてきたと思います。活動場所も基本的にはその学校でやられるということで、中学生にしても保護者にしても安心して活動ができる前提となってきたと考えます。 ただ今回は民間にお願いすることになっていきます。あるいは個人にお願いするというケースも出てくるかと思います。そうなりますと、教育上の配慮やハラスメント対策などを含めて、質の確保と中学生たちの安全を確保する仕組みが不可欠になってくると思うんです。この辺りについての議論はいかがでしょうか。あるいはその議論を踏まえて、教育委員会として現時点でどのようにお考えでしょうか。
○体育健康教育室担当部長 今後の指導者の確保ということかと思います。やはり、我々がパブリックコメントで聞いた時についても、そういった面のご不安の声というのは届いていたところです。今後その質を確保していくために、今現在部活動のガイドラインというのがありますが、新たに「地域クラブとしてのガイドライン」が必要であろうと考えておりまして、その中でどういった条件をつけていくのか、「日本版DBS」等についても盛り込む必要があるのではないかということを検討しているところです。 ただ、そのガイドラインというのは国の方からも一定の目安が示されると聞いておるんですけども、そちらの具体的な提示が現状まだという状況でございまして、今後そういった国のガイドラインも踏まえながら、本市としてのガイドラインをどうしていくか検討していく予定にしております。以上です。
財政的支援と受益者負担のあり方
○とがし委員 国の議論ももっとスピードアップしていただきたいと率直に思うところなんですけども。質を確保しようと考えた時に、やはりこれまで以上に指導者に対して適切な報酬が支払われるべきだと考えます。これまでは学校の先生が主としてやっておられて、それを補助的に外部コーチの方などがサポートする形でしたが、主体が外部の方にお願いすることになってまいります。 国においては「指導者の確保育成」「生徒の安全安心」「運営団体の整備」「障害がある生徒の活動機会の確保」などのガイドラインが掲げられていますけども、その一方で、体制を保障するための経費などについては「受益者負担」ということが言われております。結局、どの程度の費用負担が子供や保護者に求められていくのか。具体的な指導者に対しての財政的な保障がどこまでされるのか。国からまだという話でしたが、市内の検討内容などは言えないでしょうか。
○体育健康教育室担当部長 指導者の方には適切な報酬が必要であると考えておりますし、一定の受益者負担をお願いしないといけないというところですが、やはり経済的な支援が必要な子供たち・ご家庭もあると思いますので、子供たちがやりたい活動をそういったことで諦めることのないように、財政面の支援については必要であると考えております。以上です。
○とがし委員 子供の権利条約においては、子供たちの最善の利益を確保しなければいけないし、大人の責任として最大限努力する義務があると私は思っております。子供たちがスポーツや文化に親しみたいと思った時に、親の経済力の格差などに関係なく、「やりたかったらやっていいんやで」ということを、子供たち自身が何のストレスも感じることなく取り組める環境が必要です。 今で言えば、外部コーチの方は市の単独で2,000万円の予算で200人、1人当たり10万円ぐらいですよね。吹奏楽の指導者は50人で総額450万円、1人年9万円みたいな話になりますし、部活動指導員は300人超で1億7,500万円。金額は大きく見えますけど、1人当たりにすると年58万円、月にしたら4万8,000円とか9,000円という風になるので、そんなに本格的な予算が組まれているわけでもない。 これまで以上に皆さんに大きな負担をお願いすることになりますし、子供たちに接する仕事というのは専門性や資格、社会的責任も伴ってきます。それなりの処遇が必要になってくるし、スポーツや文化活動のあり方そのものも、オリンピック選手だけでなく裾野の広い活動に取り組んでいる人たちが後継者育成で活躍できるような循環もいるのではないかと思います。 部活動が移行(廃止)されたとしても、子供たちの要求に応えて様々な文化やスポーツに触れることができるよう、しっかり保障していく必要があります。国の支援が不十分であったとすれば、京都市としてその分穴埋めをして、子供たちの負担が生じないようにしていただきたいという風に要望して、質疑を終わります。よろしくお願いします。
(更新日:2025年12月19日)

中学校給食の実施について~2025年12月18日文教はぐくみ委員会~
中学校給食の実施について
PFIアドバイザリー契約に係わる調査資料の提出状況
○とがし委員 よろしくお願いいたします。まず、中学校給食の実施についてお聞きをしたいと思います。この間も議論させていただいておりましたけれども、給食センターの契約の前段階で、昨年12月に実施されたアドバイザリー契約に基づく、PFI手法の導入についての調査ですね。これが結局、結果として契約した金額との大きな乖離があるということで、先日質疑をさせていただきました。 12月の調査が適切だったのか、あるいはその契約金額そのものが適切だったのかということで、入念な検証が必要だという風に思いまして、質疑の後、このPFI契約に関する12月の調査について個人資料で要求をしていたんですが、未だお示しがない。本来であれば今日したかったところなんですけども、なかなか資料が出てこない。個人市民の方が情報開示請求すれば出てくるような資料がなかなか出てこないということで、本日に至ってるわけなんですけども。これも個人資料で要求しておりますけども、まずちょっと早急に対応いただきたいと思います。この点いかがですか。
○体育健康教育室長 失礼いたします。ご指摘の給食センターの契約金額に係わる資料でございますけれども、基本的には非常に企業の専門性の高い業務の範疇にあたる内容でございますので、お示しできる内容は非常に限られております。その中で、お示しできる部分を少しでも広げる確認を今業者と詰めておるところでして、担当からもお伝えしてるかもしれませんが、今時間を頂戴してるところでございます。以上です。
13校における民間調理場方式の採用経緯と課題
○とがし委員 わかりました。是非よろしくお願いいたします。それで、本体の給食センターについてはまた今後議論したいと思うんですけども、今回中学校給食を実施するにあたって、その多くについては今言っていた、センターで調理をしていくんだという方向です。 一方ですね、それ以外の13校について。左京区で言うと洛北、修学院、高野、下鴨、岡崎の各中学校。山科区で言いますと安祥寺、山科、醍醐、勧修、花山(※注:音声等に基づき「春ヶ丘」とあるが、文脈上勧修・花山等と思われる)。北区は西鴨中学校、鴨川中学校。そして上京区の烏丸中学校ということで、以上13校については民間調理場での実施という方針で進められております。この13校が民間調理場で実施することとなった経緯について再確認したいと思います。いかがでしょうか。
○体育健康教育室長 はい、民間の併用の議論の経過についてでございます。当初中学校給食を実施するという決断、あるいは議論に入った時に、できるだけ早い時期に全校一斉に開始したいという強い思いと、また実現可能性、様々な組み合わせあるいは手法を調査をさせていただいた上で、当初は2万6,000食を1箇所のセンターで配送可能だという風な結論に委員会として至りまして、一度ご提案をさせていただきご議論をいただいたところでございます。 その中で、様々なご議論の中で、やはり2時間喫食に向けた配送の距離、あるいは一番大きかった意見としては、1箇所で作ることの懸念ということで、複数にリスク分散するべきではないかというご意見を頂戴したところでございます。 その対応といたしまして、まずは給食センターを完全に物理的に2つのラインに分けるという「1棟2方式」を採用することに加えて、民間調理場も一部活用をして、より分散を図る、要は給食センターのダウンサイズを図るというような判断に至りまして、令和6年5月22日の文教教育委員会で、一部民間調理場の活用についての方針をお諮りした、ご報告をしたという経緯でございます。
○とがし委員 これから13校についてどういう風に実施していくかっていうことが検討されてるということだと思うんですけれども、私、今からでもですね、学校調理方式にすれば、これは期間としては間に合うんじゃないかという風に思うんですが、この点いかがでしょうか。
○体育健康教育室長 はい。当初からこうしたご要望あるいはお声をいただいてることは事実でございますが、まず学校教育に影響のない範囲で、校内にあるいは敷地内に給食の調理室を作る、あるいは親子方式で別の学校から運ぶことができる。こうした学校が非常に限られる、校地としても限られるということ。あるいは、物理的にできてもその親子の元になる学校の敷地の用途の問題、そうした手続きで非常に時間を要する恐れもあるというところで、確実に令和10年の2学期に実施するために、そして同じ衛生管理及びアレルギー対応のものを全市一律に中学生に届けるという視点から、今回は民間調理場の活用に至ったというところでございます。
民間調理場の選定と配送条件
○とがし委員 完全に同じものっていうのは多分無理だという風に思うんですけれども、私はやはり少なくとも13校については、学校調理、学校で調理するという方式をやっていただきたいし、食育も重要な学校教育の一環ですので、学校地の活用方法ということで言うと意義があるんではないかなという風に思います。 それで、昨年7月時点ではこのサウンディング調査で2社の応募しかなかったわけですけども、結局これはこの2社に随契でお願いするという方針なのか、何らか入札を行うという方式なのか、いかがでしょうか。
○体育健康教育室長 はい。民間調理場の活用につきましては、できる限りセンターと同じような衛生管理あるいは献立の実現、そして温かい給食の配送ということは譲れない一線でありますので、そこをまず仕様に落とし込みまして、最終的には公募をした上で契約を締結したいという風に考えております。以上です。
○とがし委員 その民間調理場ですけども、これは今の給食(センター)よりも13校には近いという理解でよろしいでしょうか。
○体育健康教育室長 あくまでサウンディングの2者の現状は、一部の一つの選択肢として持ってるわけですけれども、最終的に公募という手続きをさせていただいた時に、どのような事業所が出てくるか、それはまだ現時点では判断がつかないところでございますが、「2時間喫食」という点は重視する一つの視点になると考えております。
○とがし委員 今、2時間喫食については重視するんだという話でしたが、これはやはり献立ごとの調理が終了した時間から、配送、校長先生による検食、そして子供たちに実際給食開始される時刻というところまでで、2時間以内に確実に届くっていうことが条件になるという理解でよろしいでしょうか。
○体育健康教育室長 ご指摘の通りでございます。
○とがし委員 それで、この13校の民間調理場については、そこで調理したものについての配送の部分はどなたが担う予定でしょうか。
○体育健康教育室長 配送にあたりましても、民間の方で手配をする予定でございます。
○とがし委員 全体の給食センターにいたしましても、民間調理場にいたしましても、この配送の人員確保っていうのはかなり大変なことになるんじゃないかなという風に思っております。その点でやはり学校調理方式っていうのは食育上も合理的だと思いますので、是非私は、この給食センターも見直していただきたいと思ってますけども、少なくともこの13校については、特別な仕様を民間の調理場の方にお願いすることになると思うんですけど、かなり無理があるんではないかと直截に思っているところです。是非その点については、学校調理方式へと軌道修正していただきたいということを要望して終わります。以上です。
(更新日:2025年12月19日)

京都市の「地域コミュニティと市民参加に関するビジョン案」の市民意見募集について~2025年12月18日
AIの助けもかりて以下の摘録を作成いたしております。ご参照ください。
京都市地域コミュニティと市民参加に関するビジョン案 文教はぐくみ委員会 摘録
○委員長 委員会を再開いたします。それでは休憩前に引き続き質疑を行います。とがし委員、よろしくお願いいたします。
○とがし委員 私からも、京都市地域コミュニティと市民参加に関するビジョン案の意見募集に関わって質疑させていただきます。よろしくお願いします。
1. 各区基本計画の廃止とビジョンへの統合について
○とがし委員 まず、今回、各区基本計画を廃止というか統合し、その通底部分をこの中に組み込んでいくというお話ですが、2001年(平成13年)当時の京都市基本計画に合わせて各区基本計画が立てられて以来、2期、3期と続いてきました。 私は、例えば左京区の計画などを拝見しますと、かなり区の特色を踏まえたものが作られていると思っています。今回は街柄や課題を通底部分として一つにされていますが、やはり地域の特色を掴む上では、行政区ごとに分けないと掴みきれないのではないか。その点では、これまで15年間、各区基本計画があったことには、かなり合理的な根拠があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○地域自治推進室長 ご指摘の通り、各区基本計画の通底部分については、このビジョンにまとめております。「分かりやすく、簡潔に、市民の方がより理解しやすい形で」ということについては、各区からもそのような声をいただいておりますので、このような形でまとめさせていただいております。 また、各区の取り組みにつきましては、本ビジョンの11ページに記載しております通り、「まちづくり運営方針」という形で進めてまいります。これについては京都市のポータルサイトにおいてもデータを公表しておりますが、そういったデータや、あるいは各区が独自に把握したデータ、あるいは足で稼いだ定性的な情報、区民の方とも議論をした上で、運営方針というものを作っていくべきものと考えております。
○とがし委員 一応、今回はそういう考え方で出されていますが、例えば左京区であれば、産業分野別の従業者数など地域の特性を分析する上で、どのような生業で生活されているかという、一見しただけでは分からないところも含めて明らかにされています。なおかつ、周辺の村を統合・吸収しながら発展してきたという経過、自然的・地政学的な要素も含めて明らかにされ、その風土の中に前回の基本計画が定められていました。これを共通の土台として、区民の意見を吸収しながら計画を立てられてきたわけです。 北区を拝見しますと、ワークショップなどを通じて350人もの方に参加してもらい、1,000件に及ぶ意見を集めてまとめたとあり、これも左京区とは全く違います。SDGsの指標を軸に「これまでとこれから」を打ち出し、人口減少部会、防災部会、高齢化部会、文化観光部会なども作りながら取り組まれています。 さらに西京区で言えば、今も大変議論となっている特有の公共交通の充実、これは本当に悲願であると思いますが、こうした点も人口分析を含めて突っ込んだ検討がされています。 実は第1期計画の時には、8行政区での基本計画の中に小型バスやコミュニティバスを作る計画が出されており、各区民の皆さんの思い、京都市全体ではなかなか踏み込めないことも含めて書かれていました。私はかなり積極的な意味があったと思います。 先ほど中野議員から、区役所に人と財源と権限がもっと必要だという話がありましたが、私も全くその通りだと思います。権限・財源・人をしっかり配置して区の基本計画を立てることで、内容のより充実した計画も立てられるはずです。 これまでの各区基本計画は約40ページほどありましたが、それらが本当に継承されるのか。今回の「運営方針」が、そこまで突っ込んだ分析を行った上で定められるのか、今のご説明だけではなかなか確信が持てないのですが、いかがでしょうか。
○地域自治推進室長 今ご指摘いただきました各区の数値的・定量的なデータや、あるいは各区の歴史といったことにつきましては、当然ながらしっかりと踏まえて、各区で運営方針を作ってもらうべきと考えております。 特に歴史につきましては、しっかりと次の世代にも語り継いでいかなければならないものです。運営方針そのものにすべてを載せることはイメージしておりませんが、そういったことをベースにしながら、運営方針を考え議論していく必要があると考えております。
2. 京都の「まち柄」の現状認識と表現について
○とがし委員 そうあってほしいですが、この15年間、少なくとも各区が知恵を寄せ、案を出し、市民からの指摘を受けながら充実させてきた結果があります。それが本当に担保されるかどうか、大変不安に思っています。そこはやり方も含めてぜひ検討いただきたい。 次に、このビジョンの1ページに「京都のまち柄」として集約されていますが、先ほども言ったように、一括りにできない多様性が京都市にはあります。この「街柄」として、地蔵盆にたくさんの子供たちが参加している写真などが表現されています。左側には地域の取り組み、左下はおそらく居場所のイメージ、右側は通学の見守り活動などが「街柄」として表現されています。 ただ、実際は地蔵盆でも子供たちがどんどん減少し、行事そのものが縮小・廃止されたり、宅地開発の関係で町内会の共有地にあったお地蔵さんを撤去せざるを得なくなったり、お寺に返却したりという現実も起こっています。見守り活動も担い手不足で非常に苦戦している状況です。 もしこれを書くのであれば、京都の町でこういうことが大事にされてきたという「変容」も含めて書くるべきではないか。これを見た時に「だいぶ過去の話だ」「昔はそうだったけど」と思われる方もあると思います。これが「今の京都のまち柄・現状だ」と言うのはどうなのか。 現実に過去やってこられたけれども、3ページで書いているような人口減少や高齢化などの課題が起こっている。そこが一体で書かれているなら分かりますが、間に京都市の取り組みが入ってくる構成では、「本当にそうか?」となってしまう。工夫が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○地域自治推進室長 冒頭に街柄を持ってきたのは、審議会や市民参加推進フォーラムの中の議論で「このビジョンがどこの町のビジョンか分からんようなもんではいかん」ということで、まずは京都市がどんな街なのかをみんなで共有したいという思いで記載したものです。 また、写真についてもそんなに古いものではなく、ここ数年の間の写真です。コロナ禍を経て地蔵盆をやめたところもあるというご指摘ですが、逆に復活させている取り組みもございます。そういった取り組みを後押ししたいという審議会の皆様の思いも含めて、地蔵盆はぜひ掲載したいということで載せております。
3. 区役所の役割と「大区役所制」の理念について
○とがし委員 そういう思いであるならば、課題克服に向けた取り組みも含めて伝わるような工夫がいるのではないかと思います。 例えば、初めに「街柄」があり、次に「課題への対応」があり、京都市としてこう取り組んできた、という流れの方がいいのではないか。足りない部分は、本来であれば区の基本計画でもっときめ細やかに、各区・各学区の個性を踏まえて網羅すべき視点ではないかと思い、お聞きしました。 次に、11ページ、12ページの「区役所の役割」についてです。 「地域コミュニティをリードする」というところで、「庁内組織や地域の多様な主体間との垣根を超える結節点(ハブ)」ということが打ち出されています。しかし、かつては「大区役所構想」として、区役所に保健所や税業務など様々な部門があり、出先も含めて区単位で強化していくビジョンがありました。 その時代と比較すると、今の区役所には実動する専門部隊がいない状況に見えます。このような状況で、本当にハブとしての機能的・機動的な役割が果たせるのか。理想は掲げられていますが、実効性があるものになっているのでしょうか。
○地域自治推進室長 かつての区役所については、様々な機能を内側に取り込んでいくという考え方だったかと思います。現在打ち出している考え方としては、区役所がむしろ外側に開いていき、地域に対しても、また庁内においても「区役所が本庁を動かしていくんだ」という気概を持って取り組んでいるところです。 地域自治においても、区役所が本庁との間に入り、連携がスムーズにいくような結節点となって取り組みを進めております。
○とがし委員 区役所が市政運営でもっと主導的な役割を果たしていくということですが、やはり「人・財源・権限」が必要だと思います。運営方針を定めても、結局は各局に予算が配分されている状況で、区役所が大きな発言力を持って主導できるのか。 私としては、かつての「大区役所制」は市民にとって非常に分かりやすい発想だったと思います。左京区も大区役所前提で機能を一箇所に集約した経過があります。やはりその原点に立ち返ってこそ、このプランは生きてくるのではないかと思います。
4. 業務の外注化と職員による直接対話について
○とがし委員 また、12ページの最後には「人づくり・人材育成」が書かれています。時代の変化に対応し続けるとありますが、最近のワークショップや各種計画、基本設計など、京都市は外注するケースが多くなっています。 あくまで手助けだと言いますが、多くのプランがコンサルタントにお願いされており、本来は職員がやるべきではないか。市民の意見を直接聞く貴重な機会であるワークショップまで民間事業者に委託する状況があります。 私は、そういう場こそ公務員だからこそできる、やりがいを感じられる場所になると思います。憲法で「全体の奉仕者」と書かれていますが、それを実感できる場です。市民も、区役所や土木事務所の職員さんと肩を並べて話し、直接交流することで、市政を身近に感じることができます。 外注ではなく、直接的に京都市の職員が市民との対話をやっていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○地域自治推進室長 ご指摘のように、市民との対話が公務員としてのやりがいであるというのは、私もその通りだと思います。若い職員にもぜひ体験していただきたい。 その上で、例に挙げられた基本計画や基本設計については、かなり専門的な知識が必要となります。ファシリテーションのノウハウや技術についても、外部の人と一緒に取り組むことで職員にとっても学びになることがあります。基本設計などは専門知識が必要ですので、外部の設計関係の方に入ってもらうのは非常に意義があると考えます。 一方で、外部の方も市の職員と一緒に対話に参加することで、「一緒に街づくりをしているんだ」というやりがいにもつながります。市役所の内側と外側に高い垣根を設けるのではなく、その垣根を低くして、一緒に取り組んでいく形を目指していきたいと考えております。
○とがし委員 ただ、現実はそこまで綺麗なグラデーションがある感じではありません。洛北の基本設計の話や、公園整備のワークショップにしても、職員さんが直接加わらずに任せてしまっているのは非常にもったいない。 都市計画や建設の専門職員の方にお聞きすると、かなり高度な専門知識や資格を持っている方もたくさんいらっしゃいます。その能力が生かしきれていない、力を発揮できないということは、やりがいを感じるチャンスを逃していることになります。 職員さんが「この公園は自分が市民と一緒に話をして計画を作り上げたんだ」「この公共施設は私がやったんだ」という実感を持てるよう、積極的に専門職の力を生かす形でやっていただきたい。民間の力を否定はしませんが、あくまで職員の力を最大限発揮させることに力を尽していただきたいと求めておきます。
5. 「いきいき市民活動センター」の活用と場づくりについて
○とがし委員 最後に、市民参加に関わって、7ページのアプローチ3「身近な公共空間における気軽に参加できる機会・場づくり」、9ページのアプローチ8「夢中になれる学びの機会」、10ページのアプローチ10「多様な主体の混ざり合い、対話や連携・協働の拡大」について。 これらは非常に大事なポイントですが、これらを総合的に行っている施設こそが「いきいき市民活動センター」だと私は思っています。指定管理者の力も借りて、自主事業を含め多彩に取り組まれています。左京東部いきいき市民活動センターでは文化祭を開いて利用団体の協力を促すなど、経過があります。 この方向性を進めるのであれば、いきいき市民活動センターの機能を「施設の暫定利用」に留めず、より本格的に位置づけていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○地域北部振興担当部長 いきいき市民活動センターにつきましては、従来から説明させていただいております通り、利用可能な期間の暫定利用ということで進めさせていただいております。 現在存続しているセンターについては、ご紹介いただいたように貸館や市民活動の支援を行っておりますが、施設の老朽化や土地の利用条件により、廃止などの方針を定めているところです。その方針に基づき進めてまいりたいと考えております。
○とがし委員 以前もやり取りしましたが、本ビジョンの14ページ、資料の「自治会運営の課題」の中で「会議や活動する場所がない」という切実な課題が挙げられています。それを担っているのが「いきいき市民活動センター」です。 区役所は各行政区に1箇所しかありません。その周辺の方はいいですが、そうでないところは各地の市民活動センターを使わざるを得ません。そうした場は、京都市中にたくさんあってもいいと思いますし、教育委員会が公民館をもっと作る方針を持ってもいい。 とにかく、お金を払わずに、あるいは低廉な料金で気軽に使える場を増やしていかなければ、コミュニティ全体が活力を失っている中で、若い世代も含めて社会課題解決に動こうという芽を育てることにはなりません。 ぜひ、そういう芽を育てるという観点に立って、このビジョンに基づき、地域コミュニティ活性化のための場づくりを、インフラ整備も含めて各局と検討いただきたい。これを求めて終わります。以上です。
(更新日:2025年12月19日)

文教はぐくみ委員会における「世界遺産保護条例」議案説明2025年12月3日とがし豊
2025年12月3日に開催された京都市会文教はぐくみ委員会におきまして「市会議第27号京都市世界遺産保護条例の制定について」以下の内容での議案説明を行い、その後、自民党市議団・森田市議、維新京都国民市議団・もりもと市議、公明党市議団・増成市議、改新京都市議団・片桐市議、無所属・井﨑市議より、質疑があり、日本共産党からは答弁者として玉本市議、山根市議、平井市議、くらた市議、そして私がたちました。
■文教はぐくみ委員会における議案説明(全文) とがし豊
市会議第27号として「京都市世界遺産保護条例の制定について」をご提出させていただいております。この条例は、世界遺産「古都京都の文化財」を確実に後世へと引き継ぐことを目指すものです。御審査いただきますよう、よろしくお願い致します。
それでは、議案説明資料に基づきまして、ご説明を致します。
議案説明資料1ページをご覧ください。
◆条例制定の趣旨についてです。
世界遺産条約(世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約)は1972年に、ユネスコ総会で採択され1975年に発効し、日本は、1992年に締結いたしております。「古都京都の文化財」(京都市、宇治市、大津市)」は、1994年に世界遺産として登録されました。
世界遺産保護のための国際的なルールである「世界遺産条約履行のための作業指針」では、加盟国は遺産を守るために、国および地方レベルにおける立法措置、規制措置を求められています。2012年に京都市で開催された世界遺産条約採択40周年記念最終会合で採択された「京都ビジョン」では、「コミュニティの関心と要望は、遺産の保存と管理に向けた努力の中心に据えられなくてはならない」と明記し、同作業指針においても、地域コミュニティの参画を中核とする世界遺産の「効果的な管理体制」を示しています。今回の条例制定はその具体化となります。
3ページをお開ください。
参照資料(1)世界遺産条約履行のための作業指針よりの一部抜粋です。
地方における立法措置については、作業指針の98番目のパラグラフに記載されています。効果的な管理体制については、111番目のパラグラフで、多様な世界遺産がある中で共通する要素として、a~hの8項目にわたって明らかにされております。
そうした中、我が国においても、従来の文化財保護法や、景観法などの法体系による保護に加え、各自治体においても多彩な世界遺産保護のための条例が制定されています。
議案説明資料4ページをご覧ください。
参照(3)なんらかの世界遺産保護のための条例をもつ国内13の世界遺産の一覧です。それらの遺産においては、計33の条例が制定されています。
とりわけ、本条例案同様の世界遺産保護のための基本となる条例を制定している世界遺産は4つございます。
3行目、文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」
4行目、自然遺産「知床」
7行目、文化遺産「富士山―信仰の対象と芸術の源泉―」
9行目、「神宿る島」宗像・沖ノ島)と関連遺産群」
以上、4つの世界遺産で7自治体におきまして世界遺産保護のための基本条例が制定されています。
政府が来年登録を目指している「飛鳥・藤原の宮都」については、今年8月に基本条例である橿原市世界遺産条例が制定されております。そのほか、詳しい条例制定状況については、7ページから9ページの別紙1をご参照ください。
各自治体においては、条例によって、世界遺産条約の実効性を高め、世界遺産保護の取り組みの充実を図られています。
1ページにお戻りください。
4段落目をご覧ください。
本市においては、世界遺産登録時に示した緩衝地帯と歴史的環境調整区域の線引きに示された面的な利用・開発規制などの措置に加え、2007年の新景観政策の策定、2018年の景観デザインレビュー制度の創設などによって世界遺産を保護してきました。しかしながら、構成資産、緩衝地帯、周辺環境の保全については、かならずしも、顕著な普遍的価値を守る上で、十分とはいえず、しばしば紛争が生じています。
そうした中、現行法で「合法」な開発であっても、場合によっては裁判闘争も含め地域コミュニティが粘り強く説得する中で事業者が計画を見直し、断念するケースもあり、その結果、当局自身が「顕著な普遍的価値への負の影響は軽微なものにとどまった」と評価しています。これは、現在の世界遺産の保存および管理の法体系だけでは、OUV(顕著な普遍的価値)が守れないことを示しています。そうした下で、現在進行している大規模な都市計画の見直しを認めていけば、古都京都の文化財の顕著な普遍的価値を大きく損なう恐れがあります。
本条例を制定することによって、世界遺産条約の精神に基づき、構成資産所有者や京都市はもちろんのこと、市民、専門家、事業者および来訪者を含む全ての人々が協力し、「古都京都の文化財」の保護と継承に主体的に参画する制度的な枠組みをつくってまいります。
◆次に、条例の概要についてご説明します。
議案説明資料2ページをお開きください。
まず、目的と基本理念についてです。
京都市として、国内外・地域の内外に対し、より強い世界遺産保護の意思表示を行うとともに、人の心の中に平和のとりでを築く世界遺産条約の理念を広く市民に知らせるため、前文を設けております。
第1条では、目的を定め、千年以上にわたる日本文化の中心地として顕著な普遍的価値を有する「古都京都の文化財」を後世に引き継ぐことを掲げております。
第3条には、基本理念として、構成資産の適切な保存管理やそれらを包みこむ周辺環境に関し、良好な景観形成や自然環境の保全など掲げ、構成資産所有者である宗教法人や国、関係地方公共団体、関係団体などとの緊密な連携のもと、古都京都の文化財の保全に関する施策を行うことを掲げています。
つぎに、各主体の責務と役割、保護すべき世界遺産の範囲についてです。
京都市の責務として、第4条に、施策の総合的な策定と実施、推進体制の整備、そして第7条に財政措置をとることを明記し、条例の実効性を確保しております。
第5条では、市民および来訪者、第6条では事業者等の役割として、顕著な普遍的価値への理解を深め、市の施策に協力するよう努力いただくことを明確にし、京都にかかわるすべての人々の協力を促進します。
構成資産およびその緩衝地帯にとどまらず、それらを広範囲に包み込む歴史的環境調整区域を明記しています。
11ページをご覧下さい。別紙2「世界遺産「古都京都の文化財」の推薦書にっか上げられる歴史的環境調整区域について」です。
これは文化市民局より、委員会要求資料として、ご提出いただいたものです。
世界遺産登録に当たって、示された歴史的環境調整区域の領域を示した図です。歴史的風致景観と都市開発などの調和を図る区域と説明されています。
12ページ、13ページは、それらの線引きをより分かりやすく説明された図です。
2ページにお戻りください。
つぎに、京都市が取り組む具体的な施策についてです。
第8条から第14条につきましては、古都京都の文化財の保全に関する各施策の基本となる事項を定めることで、現在行われている取り組みを条例によって裏付け、さらなる取り組みの充実をはかる上での法的な根拠となります。
良好な景観の形成等に関しては、「緩衝地帯のみならず都市全体の景観を保全し、有形無形の文化遺産を幅広く保護することで、世界遺産「古都京都の文化財」の価値を高め、それがまた都市全体の価値を高める」とした包括的保存管理計画を条例において裏付け、その立場からの充実を求めるものです。
構成資産の適切な保存等をめぐってはすでに文化財保護法のもとで遺産所有者との緊密な連携が行われていますが、世界遺産の顕著な普遍的価値を守るという見地からも、一層の制度拡充への努力が求められます。
来訪者の集中による影響の防止に関しては、オーバーツーリズム対策を進める上での一つの根拠となる条項となります。
古都京都の文化財の保全に関する学習機会の提供とともにやさしい日本語での発信を行うことで、難しい表現をまだ学んでいない子どもも、日本語話者以外の方も含め、世界の宝としての世界遺産の価値を共有し、その保存への理解・協力の輪を広げます。市民等の自発的な活動への支援についても、その充実を図るために、明記しております。
巡視の実施及び調査研究を含め体制の充実は、世界遺産の保全についてのあらゆる施策の根幹をなすものと考えます。
次に、議会の関与、審議会、市民参加の仕組みです。
条例の実効性を確保し、世界遺産保護の取り組みを充実させていくため、以下の重要な取り組みを制度化します。
議案説明資料、5ページをご覧ください。
(5)本条例で新たに設置する世界遺産保護審議会などの相関図です。青の矢印が現行制度や実態的な様々な手続きの流れを示しており、赤い矢印が新たに定めるものです。
図の中ほどにあります、京都市、これは、条例においては市長をさしますが、構成資産や緩衝地帯・歴史的環境調整区域の保全状況について、市会および新たに設置する審議会に定期的に報告し、その検証を受けることで世界遺産の現状と課題を広く市民が共有できるようにします。
左端は、世界遺産をとりまくコミュニティであり、条例本文では「市民等」となっておりますが「古都京都の文化財」の構成資産や緩衝地帯・歴史的環境調整区域の保存、管理等がついて、市長に申し立てできるようにするものです。市長は申し立てに基づき必要な措置を講じますが、それらに不服があるとき、市民等は世界遺産保護審議会に申し立て、世界遺産保護の観点から検証できる仕組みを設けます。審議会は、必要に応じて、市民等や有識者などから意見を聴取する公聴会を開催できるようにします。市民等の追加登録の要望についても検証するとしております。世界遺産保護審議会は、場合によっては市長や国に対し建議を行います。
これは、行政の対応が不十分な場合に、市民の声を反映させ、世界遺産保護行政の充実を図る重要な仕組みとなります。
また、これらの機能は、先ほど議案説明資料3ページでご紹介している作業指針111(a)に記載があるとおりに、「地域コミュニティや先住民族を含むすべての関係者が、資産およびその普遍的、国家的、地域的価値、さらには社会生態学的文脈についての理解を十二分に共有」する状況にしていく上で、極めて有効に機能すると考えます。
議案説明資料2ページにお戻りください。
◆最後に施行期日について、ご説明します。
世界遺産保護審議会などの仕組みを整えるためには、少なくとも1年程度の準備期間が必要であることから、第15条から第18条までの規定については、令和9年1月1日からの施行とし、それ以外の条項については公布日からの施行といたします。
結びに、本条例は、市民、専門家、行政の知恵と力を結集し、京都の歴史と個性を守り抜くための新たな一歩です。世界遺産条約履行のための作業指針が掲げる「効果的な管理体制」を早急に構築し、「古都京都の文化財」の顕著な普遍的価値を揺るぎないものとするため、本条例の制定について、ご審査のほど、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
(更新日:2025年12月04日)

京都市会本会議で世界遺産保護条例について提案説明2025年11月25日

本日行われた11月市会の開始本会議において、党議員団は、「京都市世界遺産保護条例」案を提案しました。代表して私が、条例議案の提案説明を行いました。その内容は、以下の通りです。
■とがし豊議員(左京区)提案説明 全文
ーーー
ただいま上程されました「市会議第27号・京都市世界遺産保護条例の制定について」、日本共産党京都市会議員団を代表し、その提案理由を説明します。
この条例は、千年以上にわたる日本文化の中心地として輝き続け、その顕著な普遍的価値が国際的に認められた世界遺産「古都京都の文化財」を、私たち現世代の責務として、確実に後世へと引き継ぐことを目指すものです。
まず、条例制定の背景についてご説明します。
世界遺産保護の枠組みは常に発展を続けています。2012年に京都市で開催された世界遺産条約採択40周年記念最終会合では「京都ビジョン」が採択されました。「コミュニティの関心と要望は、遺産の保存と管理に向けた努力の中心に据えられなくてはならない」と明記し、地域コミュニティの参画を中核とする新しい世界遺産保護のあり方を国際社会に明確に示しました。
こうした中、日本国内においても、世界遺産を抱える各自治体が独自の条例を制定し、その実効性を高める努力を積み重ねています。現在、国内の26の世界遺産のうち、半数の13の世界遺産において、各自治体が独自に世界遺産保護に関連した33もの条例を制定しています。これは、国の文化財保護法や景観法などといった既存の法制度だけでは、世界遺産の顕著な普遍的価値を守り、その地域固有の課題に対応するには不十分であるという認識に基づくものです。京都においても、先行する自治体の経験に学び、この国際的な潮流に応える形で、世界遺産保護行政をさらに一歩前に進める必要があります。
次に、なぜ今、世界遺産保護条例が必要なのか、以下、ご説明します。
第一に、本条例の制定は、単に世界遺産「古都京都の文化財」を保護するにとどまらない、より大きな、人類普遍の理想に資する意義があります。
世界遺産条約制定の背景となったユネスコ憲章は「戦争は人の心の中に生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」と宣言し、国際平和と人類の共通の福祉という理想を掲げました。その具体化として、世界の遺産を保護するための国際条約を結ぶように諸国民に呼びかけ、世界遺産条約に結実しました。世界の人々が協力して、世界遺産を守り、受け継いでいくことは、自身と他者の歴史と文化に敬意を払い、多様性を受け入れることにほかならず、平和の礎を強固にする営みでもあるのです。数々の世界遺産とそこに暮らす人々を巻き込んだ戦争や破壊が繰り返される中だからこそ、条例制定を通じて今一度この崇高な目的を日本中、世界中の人々と共有したいと考えます。
第二に、現在の法制度や京都市の行政の仕組みだけでは、世界遺産の顕著な普遍的な価値を守ることができず、住民参加の新たな仕組みづくりが必要だからです。
京都市は、1994年の世界遺産登録以降、構成資産そのものの保護に加え、それらを包み込む緩衝地帯、さらには歴史的環境調整区域という線引きによって、歴史都市全体としての面的な利用・開発規制を講じてきました。しかしながら、構成資産の保護、緩衝地帯や周辺環境の保全については世界遺産の顕著な普遍的価値を守る上で十分とは言い難い状況が続いています。例えば、銀閣寺緩衝地帯における半鐘山や哲学の道の住宅開発、仁和寺緩衝地帯における仁和寺門前のガソリンスタンド・コンビニエンスストアの建設計画などが挙げられます。これらの開発計画は、現行法上は「合法」であっても、世界遺産という人類共通の財産、そして地域固有の景観に負の影響を及ぼすものでした。特筆すべきは、これらの紛争において、最終的に計画の見直しや断念を促したのは、地域コミュニティによる粘り強い運動と事業者を説得する努力であったという点です。京都市が加わって作成された世界遺産「古都京都の文化財」包括的保存管理計画においても、これらの事例は、「住民の尽力と行政の努力の双方があって、OUV(顕著な普遍的価値)への負の影響は軽微なものにとどまる結果となっている」と評価されています。これは、現行の世界遺産保護行政だけでは不十分であり、市民がより深く、制度的に参画できる仕組みこそが、今後も世界遺産への負の影響を最小限に抑える力になることを明確に示しています。
第三に、現在進行している大規模な都市計画の見直しが、世界遺産に及ぼす影響が極めて大きいからです。
都市計画のあり方について、多様な意見があることは当然でありますが、世界遺産条約履行のための作業指針の水準から見たとき、世界遺産保護の観点からの検討が十分になされているか、非常に大きな疑問を抱かざるを得ません。例えば、2007年の新景観政策で、高さが最大45mから31mに規制強化されたエリアについて、これを60mまで引き上げるという動きが一部で出ています。京都駅周辺に位置するこのエリアは、世界遺産の構成資産である東寺や西本願寺などが近傍にあり、歴史的環境調整区域にあたります。すでに多くの区域で面的な規制緩和や特例的な規制緩和が繰り返されてきた中で、無限定な規制緩和による都市開発を許してしまえば、京都のまちの個性が失われ、歴史都市全体としての保全という目標が失われる恐れがあります。世界遺産条約履行のための作業指針は、「資産範囲を超えて緩衝地帯」、さらにはより広い範囲である「周辺環境」についても視野に入れ、「地域コミュニティや先住民族を含むすべての関係者が、資産およびその普遍的、国家的、地域的価値、さらには社会生態学的文脈についての理解を十二分に共有していること」、「包括的かつ参加型の計画プロセス及び利害関係者協議のプロセスを用いること」などを求めています。この指針が掲げる、地域コミュニティが参画する「効果的な管理体制」を早急に構築してこそ、世界遺産保護の観点も含んだ開発と保全のバランスが保たれるのではないでしょうか。
以上の通り、これまで蓄積された知見と、先行する自治体の経験に学び、その顕著な普遍的価値を将来にわたって継承するため、本条例の制定が必要と考えます。
次に、条例の概要について、4つの柱にわけて説明します。
まず、第一の柱は、目的と基本理念についてです。
千年以上にわたる日本文化の中心地として顕著な普遍的価値を有する「古都京都の文化財」を後世に引き継ぐことを目的としています。基本理念において、構成資産所有者である宗教法人や国、関係地方公共団体、関係団体などとの緊密な連携のもと、古都京都の文化財の保全に関する施策を行うことを掲げています。
第二の柱は、各主体の責務と役割、保護すべき世界遺産の範囲についてです。
京都市の責務として、施策の総合的な策定と実施、推進体制の整備、そして財政措置をとることを明記し、条例の実効性を高めます。市民・来訪者・事業者等の役割として顕著な普遍的価値への理解を深め、市の施策に協力するよう努力いただくことを明確にし、京都にかかわるすべての人々の協力を促進します。構成資産およびその緩衝地帯にとどまらず、それらを広範囲に包み込む歴史的環境調整区域を明記しています。
第三の柱は、京都市が取り組む具体的な施策についてです。
古都京都の文化財の保全に関する各施策の基本となる事項を定めることで、現在行われている取り組みを条例によって裏付け、充実をはかります。施策の実施にあたっての配慮、良好な景観の形成等、構成資産の適切な保存等、来訪者の集中による影響の防止、古都京都の文化財の保全に関する学習機会の提供ややさしい言葉での発信、市民等の自発的な活動を支援するための措置、巡視の実施及び調査研究を内容とする各条項からなります。
第四の柱は、議会の関与、審議会、市民参加の仕組みです。
条例の実効性を確保し、行政のチェック機能を強化するため、特に重要な以下の仕組みを制度化します。市長は、世界遺産の保全状況について市会および新たに設置する審議会に定期的に報告し、その検証を受けることで世界遺産の現状と課題を広く市民が共有できるようにします。世界遺産「古都京都の文化財」の顕著な普遍的価値に重大な影響を及ぼすような課題が生じたとき、市民が申立てを行い、世界遺産保護の観点から検証を行う仕組みを設けます。これは、行政の対応が不十分な場合に、市民の声を反映させ、世界遺産保護行政の充実を図る重要な仕組みとなります。
最後に施行期日について、ご説明します。
世界遺産保護審議会などの仕組みを整えるためには、少なくとも1年程度の準備期間が必要であることから、第15条から第18条までの規定については、令和9年1月1日からの施行とし、それ以外の条項については公布日からの施行といたします。
結びに、
古都京都の文化財は、世界の人々にとってかけがえのない宝であり、私たちはその保護と継承について、国際社会に対して責任を負っています。本条例は、市民、専門家、行政の知恵と力を結集し、京都の歴史と個性を守り抜くための新たな一歩です。世界遺産条約履行のための作業指針が掲げる「効果的な管理体制」を早急に構築し、「古都京都の文化財」の顕著な普遍的価値を揺るぎないものとするため、本条例の制定について、ご審査いただき、先輩・同僚議員のご賛同をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
ーー
#世界遺産保護条例
#日本共産党
#とがし豊
(更新日:2025年11月25日)

G7エネルギー・環境大臣会合へ~環境市民団体から発せられた警鐘~
日本の環境市民団体などでつくるCAN-japanが重要な声明を発表されていたので、そのまま転載してご紹介したいと思います。
端的で、かつ、気候危機打開に向け、私たちが一致結束すべき道をしめしてくれています。
私も私にできることを最大限頑張りたいと思います。
ーーーー以下引用ーーーー
G7エネルギー・環境大臣会合を受けて
ーーCOP30に向け、リーダーシップの回復が求められるーー
2025年11月4日
Climate Action Network Japan(CAN-Japan)
カナダのトロントで開催されていたG7エネルギー・環境大臣会合は議長声明を発表し、11月1日に閉幕した。
この会合に先立つ10月15日には、世界気象機関(WHO)が、大気中の二酸化炭素濃度が産業革命前より52%も高い423.9ppmに上昇したことを筆頭に、主要な温室効果ガスが観測史上最高を記録したと発表した。
国連のグテーレス事務総長はこの結果を受けて、「世界の平均気温が1.5度を上回ることは避けられないが、今世紀末までに1.5度目標を達成することはなお可能だ」と述べ、1.5度目標に整合した削減目標の提出を各国に求めた。
さらに10月28日には、国連気候変動枠組条約事務局(UNFCCC)が9月末時点で64か国から提出された2035年削減目標を集約した「NDC統合報告書」で、1.5度目標の達成にはさらなる努力が必要であることを明らかにした。
トロントに集まったG7の環境大臣には、1.5度目標の実現が危ぶまれるなかで、自ら野心的な気候変動政策を掲げ、世界に向けて目標達成への決意を示し、1週間後に迫ったCOP30の成功を呼びかけることが求めれられていた。
過去数年のG7環境大臣会合では、1.5度目標達成への意思を再確認し、世界の脱炭素化を先導する役割を果たすため、化石燃料からの脱却や、電力部門の2035年までの脱炭素化など野心的な成果文書をまとめてきた。
しかし、今年は、6月の首脳会合に続いて環境大臣会合でも、気候変動に言及することさえせず、これまでG7が積み上げてきたコミットメントを大きく後退させた。
「化石燃料からの脱却」がCOP28で採択され、昨年のプーリアサミットで再確認されたにもかかわらず、今回の会合の成果となる議長声明は、天然ガスの安全保障を謳い、原子力や実用化されていない核融合エネルギーの推進を掲げたことは、気候リーダーシップの放棄にほかならない。
「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」を掲げる高市政権が、気候外交において議論を主導することもなかった。
希望はある。世界には率先して脱炭素化を推進する国々があり、自治体や企業、市民社会などの非国家アクターは国境を超えて連携し、行動を加速させ、COP30では「行動アジェンダ」の実施に向けた議論を行うことになっている。G7への失望は、こうした国々や非国家アクターを奮起させ、取り組みを強化させることだろう。
10月29日には、WHO(世界保健機関)は熱中症による死者は90年代から60%増加し、世界全体で年間55万人にのぼるなど、労働損失や経済損失を招いていると報告した。気候危機がいっそう深刻化するなかで、取り組みの停滞は許されない。G7は気候変動を引き起こした歴史的責任を認識し、自ら放棄したリーダーシップを回復することが求められている。
(更新日:2025年11月05日)

2025年10月21日市長総括質疑 松井孝治京都市長×とがし豊
とがし豊議員
■多文化共生のまちづくりについて
●2024・25年京都国際高校へのSNS上でのヘイトスピーチに対し、京都市は京都府と協力して削除要請をされた。このような差別事件は根絶させなければならない。
●ところが、参議院選挙を前後して、短期滞在の外国人が国保を乱用している、外国人が優遇されているなど、事実に基づかないデマにより外国人への差別や偏見を煽るヘイトスピーチが蔓延した。厚生労働省の2023年の調査では、国民健康保険被保険者のうち、外国人の占める割合は全体の4%。外国人総医療費は全体の1・39%、高額療養費は1・21%であり、厚労省も「外国人被保険者に対する国内の診療実績の数値は、必ずしも被保険者に占める外国人の割合に比して大きいとは言えない」と述べている。そもそも、国連人権規約社会権規約第12条では「締約国は、すべての者が到達可能な最高水準の身体及び精神の健康を享受する権利を有することを認める」としており、各国は互いにこの責務を果たしており日本も例外ではない。島根県の丸山知事は「日本人が外国で生活するときに不合理な扱いを受けないためにも、日本という国は外国の方々をできるだけ内国民、国民として扱う」と述べ、「近視眼的に、外国人を排除していけばこの社会がよくなるっていうふうに受け取られかねない言説、主張がなされている」と警鐘を鳴らされた。同時に、現に、このような排外主義の風潮が多くの人の心を傷つけていることは見過ごすことができない。日本人ファーストという言葉も同様だ。この言葉は、国内外の多様なルーツある人々が同じく協力しあい京都のまちを形づくり支えているにもかかわらず、その多様なルーツのある人々を排除する言葉の暴力でもある。それにどれだけたくさん人々が傷つけられたか、我々はその痛みをわがこととして受け止めければならない。
●市長は、先の本会議で「互いの文化や習慣に敬意を払う」「相互の尊重のもと誰もが安全安心に生活できる多文化共生社会の実現」をと答弁されたが、全国知事会は青森宣言において、相互の尊重にとどまらず、「排他主義、排外主義を否定し、多文化共生社会を目指す」と立場を鮮明にした。局別質疑では「政令指定都市においてはまだその動きはない」との答弁だったが、世界文化自由都市宣言をしている京都市の市長として、このタイミングで排外主義を否定するガバメントスピーチを発すべきだ。いかがか。
【答弁→市長】
ご指摘の通りで世界文化自由都市宣言はまちの憲法であり、その精神を尊重しなければならない。たくさんの海外の旅行者が来ている。一人一人の観光客の問題ではないが、たくさんのインバウンドで、京都の文化とまちの生活が危うくなっているという考えもある。何をもって排外主義と定義するのかという問題もあるが、いろいろインバウンドを迎えトラブルがあり、生活上の課題を抱えている市民の気持ちにも配慮しなければならない。海外からの方には京都の文化を尊重していただき、われわれもそういう方を排除しないという相互関係が必要。排外主義とレッテルを貼るのではなくお互いに尊重できる関係を築きたい。
●わが党も文化の相互理解の立場だが、現局面はそれにとどまらず、人権の問題との認識が必要。人間にファーストもセカンドもない、川崎市に続いてヘイトスピーチ規制条例を制定すべきことを求めておく。
■気候危機打開、地球温暖化について
●市長からは代表質問で「地球温暖化対策は人類共通の喫緊の課題」との認識が示された。ただ重大なことに、国も京都市も温室効果ガス排出量の削減目標が2030年までに2013年度比46%以上にとどまり、目標値も具体策も実績も、国連1.5℃報告書や第六次評価報告書の水準に至っていない。日本政府が2月に国連に提出した日本のNDC(国が決定する貢献)として示された温室効果ガス削減目標でも、2013年度を基準に2035年度には60%、2040年度には73%削減にとどまる。環境・市民団体や若者たちからあまりにも不十分、目標を引き上げよという声が上がっている。わが党としても、気候危機を打開するためには、2013年よりも8%少なかった2010年度を基準年として2030年までに温室効果ガス排出を50~60%削減、2035年までに2013年度比で75%から最大80%削減を目指すべきと提案している。環境団体などの試算では、エネルギー消費全体で6割減らし、電力消費量は3割削減、再生可能エネルギーで電力の80%をまかなえば十分可能な目標である。京都市としても、世界で気温上昇を1.5℃までにとどめるという立場に立ち、政府よりも踏み込んだ削減目標を掲げ、国内における議論を引っ張るべきだ。
【答弁→市長】
目標の数値達成に最大限取り組んでいる。環境審議会において次期削減目標についてご議論いただくが、本当にあらゆる努力が必要であり、例えば産業観光局においても。そして政策メニューとして予算に示していく。もともと46%の目標についても、本当にできるのかと私自身が考えていた。精神論で行けるのか、経済が回るのか、市民生活が回るのか、責任ある立場が必要だと。しかし、この長い夏を経験し、温室効果ガスの影響を身をもって体験し、10年前、20年前の懐疑的な考えは全体として少なくなって、本当に取り組むべき課題と認識されてきている。R8年度の予算に反映させる。それを現実化するのがプロの行政官と自覚している。
●気候危機は経済基盤自体を掘り崩すもの。7年前に目標が示されてからも、世界の政治が政策を現実化できていない。容易ならざる事態。一企業や個人のレベルの問題ではない。これ以上の深刻化を防ぐうえで乗り越えなければならない水準は非常に厳しい。だからこそ、政府・自治体の姿勢が問われている。局別質疑で、省エネをとことん徹底し再エネ100%を実行する最高水準の100%ZEBを求めたことにたいし、環境政策局からは「費用対効果」で判断して「できる限りZEB水準の高いものに目指す」との答弁にとどまった。ソーラーシェアリングも相談があったら対応するという答弁にとどまった。都市計画では環境の視点が非常に弱い。これでは気候危機に対抗できない。そこで3つに絞って伺う。1点目、公共建築脱炭素仕様の更なる改定を行い、公共建築については最高水準のZEB、再エネ100%を目指すべき。2点目、ソーラーシェアリングにもついても農家まかせではなく、農業振興センターが積極的に地元農家や農協と経験をつくり、普及促進を図る。3点目、業務部門での温室効果ガス排出増加とヒートアイランド現象の深刻化の悪循環をもたらす過剰なオフィス・マンション・ホテル供給のための規制緩和は見直す、再エネを口実にした乱開発を未然に防止する土地利用規制などの都市計画施策の展開などに取り組むなど、やるべきことまだまだあると考える。いかがか。
【答弁→市長】
提案の点は一つひとつコスト面での課題がある。しかし、ソーラーシェアリングにしてもZEBにしても、新しく取り組むにはコスト面などネガティブになる面もあるが、しかし全庁挙げての取組が必要。例えば市民セクターを前に進める必要があり、省エネ家電の買い換え支援など市民の意識を変えていただく。また交通局など各部局の取り組みも必要。コスト・財政面もあるが、どう支援するか総力挙げて知恵を絞って進めていく。
●我々も協力していきたい。
■農業振興について
●本来、農地として守られるべき市街化調整区域における向島の優良な農地が、未来投資促進法を使った京都市政策変更により物流倉庫への転換がすすめられている。しかも、局別質疑を通して、単に農地が減るにとどまらず、「緑の基本計画」において「緑の軸―主要河川における生態系ネットワーク」および「緑のふち」と位置付けられる場所が喪失されること、アセスメントではレッドデータブックに載っているシギ・チドリ類はじめ貴重な生物多様性が失われることが明らかになった。
●総合企画局の質疑では「行財政改革計画の成長戦略」で重要指標とされた「産業用地創出46㌶のうち43㌶は向島農地」であること認められ、同時に「いったん終了している」との答弁だった。産業としての農業を切り捨てることで産業用地を創出するという発想自体が食料自給率38%の国において本末転倒だといわざるを得ないが、その総合企画局でさえ「指標としてはいったん終了」とのべ、農林振興室は「農地を産業用地とする方針はない」と答弁した。だったらこれ以上の農地の産業用地化はやめて、農業振興に舵を切ると言明すべきと考える。いかがか。
【答弁→市長】
京都市において農地の産業用地化の考えはない。地権者の意向や、個々の事情はあるが、市全体のバランスにおいて考えるべきもの。そのような政策目標はなく、営農の意思を尊重するし、営農が継続できない場合も相談にのっている。農業の振興を図っていくのでご理解を。
●農地の産業用地化は市の方針として議会に説明されてきたもの。ご理解をと言われても整合性が問われる。営農困難な方への相談も農地を残すためであるべき。
●先般、日本共産党として「京都市の都市農業と農地を守り活かす」政策提案をさせていただいたが、農業をもっと位置付けてもらいたい。
(更新日:2025年10月27日)

京都市不登校前年比157人増~子どもたちのSOSに応えた学校の改善を~2025年9月24日京都市会文教はぐくみ委員会
文教はぐみ委員会2025年9月24日
一般質問「不登校支援について」
とがしの責任で文字起こししました。
正確な中身についてはYOUTUBEや後日公開される議事録でご確認ください。
なお、このやりとりののち、京都市議会本会議で京都市は不登校児童生徒へのアンケート調査を表明!
当事者や保護者のこの間の教育委員会への粘り強い働きかけが市政を少しずつ動かしています。
――――――
◎とがし委員
不登校支援についてお聞きをいたしますけれども、不登校っていうのは、この10年で休増してきたわけですけれども。まず視点としてはやっぱり今不登校にある状況あるいは行きしぶりであるっていう1人1人に寄り添った子供たちや保護者・親が安心できる取り組みということで1つ1つ丁寧にやらなければいけないという面と、もう1つはやっぱこれだけ不登校が増えてきているという状況の中で、今の教育のあり方を問う子供たちのSOSの声だっていうことで、正面から受け止めていく必要があるという風に思います。その意味でね、不登校34万人という風に全国で言われていますけれども、これも、それ以外の30日未満の項目も含めますとものすごい数になりますけれども、そういう状況で数の議論っていうのはちょっと場合によってはその一人ひとりを見ないっていう風に見えてしまう可能性もあるんですけど、ただやっぱりそれだけの人が増えたという状況をやっぱり深刻に受け止めて、教育のあり方そのものをどういう風にしていくのかっていうことを関係者が総力を上げて、分析をして改善をしていくっていうことが必要だと、そういう立場から質問したいと思います。市長の議案説明の際に、新規の不登校児童生徒数が30人減少したというに報告をされまして、子供支援コーディネーターを配置した学校では全体で24人減少したという報告がありました。ただちょっと詳細お聞きをいたしておりますと、30日以上不登校の状況にある児童生徒数は、全体では、前年の2023年3151人から、2024年・令和和6年度については3308人ということで157人増加しているということであります。様々な取り組みで行って、効果、改善した部分もあるという風に思いますけれども、他の今の、そうした努力も含めてですけれども、この現状についてはいかがお考えでしょうか?
◆教育相談総合センター所長
はい。不登校、全体についての、受け止め、また特に、令和6年度の数値というか人数についての受け止めということでございます。不登校、今委員おっしゃましたように、1人1人抱えてる背景違いますので、いかにその子に寄り添っていくかということも、きめ細かな対応と非常に大事だと思っております。一方で、不登校だからということでないんですけれども、明治の最初から行ってきたこの150年の中で作られてきた学校教育のあり方が今この時代に来て、ボランタリティというか、あの不確実性、将来がなかなか見通せないこの時代において、学校教育とはどうあるべきかということは、もう不登校のことによらずですね、しっかりと我々教育委員会としても考えていかなければならない課題だという風に考えてるところでございます。その中で今ご紹介ありました、不登校の数、市長の方からご説明があったことも含めてですけども、まず、不登校の毎年度の数におきましては、継続されてる方、継続して不登校になっておられる方に、学校復帰された方の分を引きまして、そこに、新たに、新規に、その年度に不登校なれた方を加えた数で算定をしているところでございまして。市長の方から報告させていただいたのはこの令和6年度に新規に、不登校になられた数というのが、令和5年度の新規に比べて、総数として減ったという中で、特に、特に中学校の方なんですけども、この子ども支援コーディネーターという、そこに専門的にかかわれる教員のOB等の人員を配置させていたところで、一定効果が見られたということをご説明させていただいたところでございます。しかしながら、継続の方も含めてですね、数としては、3000人を超える状態で高止まりをしておりますし、子供たちの数全体が減る中でも、この数がいう状況については、いわゆる在籍率についても少し特に小学校の方では上昇している傾向もございますので、我々としては引き続き、これまでの取り組みに加えて、さらにどういったことができるのかしっかりと考えていかなければならないという風に受け止めているというところでございます。
◎とがし委員
不校の子供たちは、決して怠けていたりとか、弱さがあるだとか、親のせいだっていうことではなくて、やっぱりそれぞれ様々な事情があって、その社会、学校や社会の中で違和感抱えて、いろんな形でをつきながら、我慢に我慢重ねて、頑張って学校行ってたけれども、もう行けなくなったということで、そういう形で心が折れているといというケースも非常にありますので、学校に復帰することが全てではないという風にも思いますし、同時にこれしっかり休んで休息するってことも極めて重要なことだという風に思いますから、その点ではこう長期化している方についてもそうした子供1人1人にふさしい受け皿が必要であるという風に思いますので、その点では校内サポートルームやあるいは、地域に様々ある居場所を振スクールなどの、えっと、支援っていうのもあるいはその新たな受け皿っていうのもしっかりと教育委員会あるいは民間と協力して確保していただきたい。これは要望しておきます。の上であの子供支援コーディネーターが11学区(正しくは17学区)でしたっけ、27人配置をされていてそれぞれの中学校の周辺のいくつかの小学校にも出向いて、支援されてるという風にお伺いをいたしております。64の中学校区ありますから全体カバーできてないっていうのは非常に残念なんですけれども、そこら辺は、あの人数的にももっと充足していただきたいという風に思いますから、この点での教育委員会の認識はどうか。あとは、この子供支援コーディネーターっていうのがいう方がその子供たちにとっては、どういう存在として、認知されているのか、ちょっとその辺も含めてですねそれぞれのあの拠点となる中学校や訪問先での小学校でのどんな、取り組み子供たちと過ごされているかとか、先生方と連携されているかっていうことについて、ご説明いただけたらと思います。
◆教育相談総合センター所長
まずあの不登校の実態について少しあの先ほどの答の続きも含めて触れさせていただきたいんですけれども、一言で不登校、規定としては、年30日以上休みになられて休まれる場合を不登校と呼んでおりますけども、これも、年30日から70日未満、大体週に1日から2日という場合も要は週の半分以上学校に来れてるけれども、何日か来れないという子供さんもられば、190日以上というか、ほとんど来れない方もある。非常にこれはあの幅がある。一言、不登校という申し上げても、子供の様子も幅があることかと思いますし、そういった条件に応じて、どうそれぞれの段階で教員になり、また周りの大人の方保護者の方も含めてですけども関わっていくのかということが大切かと思いますし、今現状としては、委員おっしゃりました、無理に、学校行かなくてもいいよ。休むことも大事だよという考え方も認知が広まってきていると思いますけれども、ただ、それが長引きますとやはりなかなか次学校に足が向かないということもありますので、それぞれの状態をどう見ていくのかっていうことが非常に難しいと思いますし、それにおいてはやっぱりご家庭での考え方もあると思いますので、そうしたところなかなか学校だけで解決できる問題ではないという風に認識も立っておりますし、2度についてもしっかりと取り組んでいきたいという風に思っております。その上で、この子供支援コーディネーターですけれども、ご紹介いただきました。今17の中学校ブロックで、小中学校合わせで56に配置をしております。基本的には中学校単位ですので、中学校をメインとしながら、校区の小学校を回るということで、大体、2校ぐらいに1人ぐらいの割合で配置をして動いているというような形になっておりまして、教育関係、この子ども支援コーディネーターではなくて、特別支援が必要な子供へのサポート的なスタッフでありますとか、いろんな角度でいろんな人員の方に学校教育に入っていただきたいということで、
財政当局にも要求をしているところでございますので、今、ここだけはなかなか拡充ということには言ってないわけですけども、今回令和6年度の部分で少し、そうした効果的な、いわゆる、エビデンス的なところも見えたかなという風に思いますので、我々としては、こうした人員との充足についてもまた財政当局の方にしっかりと要望していきたいという風に思っております。長くなりますが、その上で、子供たちからの見立て、また、開始して歴が浅いですので、これもしっかりとした知見が積み重っているわけではないんですけれども、特に中学校って言いますと、教員いわゆる教科担任の教員ではない、また保護者でもない立場の第3者ということで、子供たちが色々相談がしやすかったりとか、ですね、今以外の立場で家庭訪問を言っていただく場合もあるんですけども、保護者にとってもそういう色々話がしやすいということがありますし、専属でそういった子供に関われるということで、子供へのきめ細かなケアもできるという風に、そういったところが、効果として現られてるのかなと思っておりますし、子供ともそういう安心感、周りからそういう大人がいるということの安心感に繋がっている分があるんではないかなという風に、ま、今見立てているところでございます。以上でございます。
◎とがし委員
子供に寄り添って支援していく上では、もう本当に非常に大事なのがやっぱりそういう話を聞いてくれるというね、子供、保護者もですけれども、話を聞いてくれるだけで随分保護者は救われるという部分があると思います。本当に、懐になると、日常生活も一変してしまうっていうこともありますけれども、何よりちょっとあの、自分たち自身も経験してきたことがないような状況にあるっていう中で、ま、他の子供が通っているに自分の子供が通っていないということに対する焦りとかもあります。これに対してやっぱりそれを受け止めて、聞いてくれるだけでも随分違うなという風に思いますし、同時に、この支援継続的にできるっていうのは非常に重要だと思ってまして、ま、今ちょっと、ま、会計年度任用職員っていう形で募集されているというに思いますけれども、やはりその子供にとってやっぱり馴染んだ先生が続けていただくっていうのは1番ありがたいし、保護者としても非常にやりやすい。先生が他人の先生変わるたびに1から全部説明するっていうのが、繰り返されるわけなんですけど、それ自身もかなり疲弊をするという面がありまして、その誰か、見れるっていう状況、子供支援コーディネーターなんかもできるようにできいただけたらなと思いますし、学校でもちょっと職員配置の移動とか色々事情あるにしてもいきなり先生が全部変わるようなことだけはないようにして、ちょっと誰か子供の知ってる先生が残るようなことなんかも、あの、工夫ができたらという風に思います。と、そういうことなんですけれどもその点でですね、あの、これ今ちょっと子供支援コーディネーターなんかも知見ちょっと今、あの、蓄積し始めてところですけれども、拡充に向けて財政局に働いかけていただいておる、いただいてるということでありまして、大変心強いご答弁いただいたんですけれども、今もあのお話ありましたように、不登校というも、そだれ統合も含めて本当にあの幅広い広くこう様々なケースっていうのがありますけども、ま、それぞれに応じたあの寄り添った対応っていうのが必要であろうなという風に思っておもいます。ただやっぱり同時に今あるその学校のあり方そのものも問われておりまして、ま、学校に合わせ、子供たちを学校に合わせるという発想から脱却をして、子供たちに合わせて学校が変わっていくべき時に来てるんではないかなという風に思います。現在、文部科学省で学習同領なども見直しがされてるという風にお伺いしておりますけれど、ちょっと京都市教育委員会としてもやっぱり現場の子供たちの要塞で現場の先生から聞く声なんかも参考にして子供たちが、学校に安心して変えるような学校作りということについても是非取り組んでいただきたいですけど、最後にその点だけりたいと思います。
◆教育相談総合センター所長
不投校、ま、様々な情報があるということ、ま、私ここで答弁としては、1人1人に有り添ってということで、あの、答弁させていただいていますけど、本当に現場では本当にご苦労され、ま、ご苦労されているというか、1人との様子本当に違うと思いますし、あの、今日の先生方には大変ご苦労をいているところだと思っております。なかなかあの言葉で言うのは簡単で実態はあの難しい部分があるかなと思っていますので引き続きその部分はあのしっかりと委員会としてできることは現場にあの還元ちょっとおかしいかなあのしっかりと政策を打ちながらですねあの取り組んでいきたいという風に思っております。あの、ご承いただきまして、国の方でも今、教育学習指導の改定に向けた議論が進んでおりまして、一定の取りまとめ案、方向性の案っていうのが今、つい先日、え、9月に入って、公表されております。その中でも、教育課程の柔軟化っていうことが1つのキーワードとして出ておりますし、学校の方で、子供たち1人1人の様相ですね、例えば、特別支援が必要な子供、いわゆる通常の学級に望まない子供、馴染まない子供、それぞれに応じてどういう教育家程を組んでいくのかということが、今後の学校に求められる大きな政策の1つかなと思っております。これについてもしっかりと教育委員会としてもですね、今の指導の中で示された報酬を踏まえながら先進的にというか検討を進めていきたいという風に考えてるところでございます。以上でございます。
(更新日:2025年10月04日)

保育現場のSOSに応えよ~京都市会文教はぐくみ委員会で追及!2025年9月24日~
2025年9月24日に開催された京都市会文教はぐくみ委員会で、民間保育園で働く方々や園長先生方から出された要望をもとに、保育現場からの声を紹介し、処遇改善と配置基準のさらなる充実を求めました。
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2025年9月24日文教はぐくみ委員会(摘録・とがし作成)民間保育園への支援と保育士の確保対策について摘録(20250929冨樫分)
■民間保育園への支援と保育士の確保対策について(とがし豊一般質問)
とがし委員:よろしくお願いします。私から民間保育園への支援と保育士の確保対策についてお聞きをいたします。先日、左京区の保育園長の皆さん、保育士会の皆さんとの懇談を超党派の議員でさせていただきました。そこで出された声を紹介しながら民間保育園の予算措置の充実と保育士確保対策についてお聞きをしたいという風に思います。左京保育士会の皆さんが行われた31園 でのアンケートを調査には153人の方が回答されたということですが、この回答の結果を拝見させていただきまして、率直に言いまして、衝撃的な結果でした。「今後も保育士として働き続けたいかどうか」という問いに、「条件が良くなれば続けたい60.7%」「辞めたい9.3%」「転職したい6%」ということで3/4の方が働き続けることに後ろ向き、あるいは、条件の改善を訴えられている、と。本当に深刻な状況で、左京区だけではないと思うんです。京都市として、こうした民間の保育園で働く皆さんの声をどのように受け止められていますでしょうか。
幼保総合支援室長:保育士の先生方、職員の処遇に関するお尋ねかと思います。本市ではこれまでからも、市の人権補助金や市独自の条例の上乗せ基準を設けて、職員の方の負担軽減あるいは子どもの処遇の充実にこれまでから勤めてきたところでございます。おっしゃっていただいているように、先生方が、大変、人材確保が困難な中で、処遇に対しても不安を持っておられるというような声は現場の園長の先生方からも、お聞しておるところでございまして、我々もこの間、制度を見直しながら、関係団体の方からの要望等も踏まえて、あるいは各園の実情を踏まえて見直しを行ってきたところでございます。例えば昨年度につきましても、保育園の課題の解消あるいは望ましい京都らしい保育のあり方、こういったものを実践につなげる観点から、平均経験年数の上限の引き上げとか、あるいは、3歳児加配の創設とかですね、これまでから処遇改善に努めてきておるところでございますし、引き続き現場の実情については把握に努めてまいりたいと思っております。
とがし委員:今ご説明あったように、京都市として努力をしてるんだ、と。高い給与水準を維持してるんだっていうのがこれまでの説明なんですけれども、今ご紹介したのはそういう対策を行った今年度に調査された結果なんですよ。深刻に受け止めなければいけないという風に思うんです。もっと思い切った処遇改善を求める切実な声がたくさんこのアンケートには詰まっておりました。これを受け止めていただきたいと思うんですね。で、保育士確保する上でも離職対策っていうのは重要で、辞めずに続けて欲しいっていうのが非常に大事なポイントとなると思いますけれども、その離職を防ぐために最も必要な改善策は何かっていうことで、複数回答で求められておりまして、「給与の引き上げ90.8%」になっています。保育現場で働く皆さんの給与水準を引き上げる措置が、必要なんじゃないかと。離職を防ぎ新しい方にこの京都の保育現場に就職いただくためにも、さらなる処遇改善が必要だと考えますが、いかがでしょうか?
幼保総合支援室長:保育の人材の確保についてまた処遇については、全国的に今、人材不足が叫ばれる中で、国においてこれまでから令和5年度には、給費の5.2%、6年度には10.7%とこれまで給付費の向上図られてきてるところでございます。一義的にはやはり、保育士全体の処遇という観点で言いますと国において責任を持たれることであろうと思いますけども、繰り返しになりますが、我々としましては、国の処遇をさらに引き上げるために、市独自で支援を継続してきているところでございます。引き続きその点については現場の実施を把握しながら、しっかり、支援には取り組んでいきたいと思っております。
とがし委員:国が 2023年に公定価格5.2%増やして、2024年10.7% 引き上げているということで処遇改善の努力をしてるんだっていう話があったんですけど、引き続きさらなる改善が必要だっていう認識は同じだと思うし、国に求めなければいけないという風に思うんです。ただ京都市の場合には、民間保育園等人件費補助金の制度において人件費の上限設定がされていて、それを上回る園については補助金が削減されるという仕組みになってしまっておりますので、国の給付費の充実っていうのがこの人件費には直接反映しないということなっしまってまして、これが保育現場が求めている処遇改善を進めてく上での足枷(あしかせ)になってしまってるんじゃないかと。ですから、この上限そのものを引き上げるっていうことを京都市としても決断しなくちゃいけないんじゃないかと思うんですけどいかがでしょうか。
幼保総合支援室長:人件費等補助金制度についてのお尋ねでございますけども、まず、そもそも人件費等補助金制度につきましては、各園で、一定の補助上限のもとで、人件費にかかる支出と収入の差額を補助する制度ということでございますので、国の給付費が、今極めての上昇している中であっては、補助金の支払いが減少するというのは、想定される状況なのかなと思っております。ただ、議員ご指摘いただきましたように実際に、人件費の給付費が上昇して人件費補助金が減って、結果として、さらに処遇を高めようとする場合に補助上限っていうものがある、ある場合には、そこに引っかかる園につきましては、やはり、議員ご指摘の通り、なかなかお支払いすることが難しいというような状況があるってことは我々も承知しております。そういった声も踏まえまして、この間の状況も踏まえまして、令和6年度においては、先ほど申し上げましたように、経験年数を20年以上に引き上げるとか、3歳児加配の創設とか、補助上限に拡充と言いますか、上昇につがるような見直し、こういったものにも取り組んできたところでございます。引き続き、各園のご要望等も踏まえながら、そういったものを、必要な対応については検討してまいりたいという風に考えております。
とがし委員:保育現場の職種ごとの上限、基準額と言いますか、上限額っていうのが、物価が上がってるにもかわらずそれがやっぱり上げられてないっていうのが問題だと思いますし、この間急激な物価上昇が起こっている中で、やっぱり賃上げっていうのが本当に差し迫った問題になってきていて、4分の3の方が改善されなければやめていくかもしれないっていう、裏返して言うと。で、逆に言うと、処遇改善すれば今こうやってこう辞めることっていうのを視野に入れてる方が「いや、やっぱり続けていこうかな」と思っていただける環境ができるんじゃないかと。で、先輩の保育士さんあるいは調理士さん、事務職員さん、様々な職種の方が希望を持って来年も再来年もいや、ずっとこの保育園に働き続けたいという風になっているようなところであったればこそ新しい方も、ここの保育園に就職したいなという風に 思っていけるという風に思うんです。その根幹をなすこの人件費等補助金制度の中心と言ってもいいというのがこの単価の設定であるという風に思いますので、この改善っていうのは本当に真剣に考えていただきたいという風に求めておきます。
とがし委員:京都市としても給与面以外の支援っていうことで、保育士さん等のこの住宅の借上げの支援だとか様々取り組まれていますけれども、またこれもですね、家賃補助制度に切り替えるだとか、もっと柔軟なものにしていくだとか。あるいは、神戸市さんなんかでは、何年目でいくらということで総額 170万円でしたかね、支援していくとか、いろんな形で、給与面以外でのサポートとかもされているので、そういった他都市の状況なんかも含めまして、本当に 総合的に保育現場でこの京都で働き続けるという環境を整えていただきたいとこと。これは要望しておきます。
とがし委員:それで職員の配置数につきましても、切実な要望が寄せられておりました。京都市では国基準に上乗せして、条例に基づく、配置を強化するということもされていますし、そこに補助金による予算措置による上乗せもしてるということで、この点では一緒に努力をしてきているところです。ただ現場からはどんな声が出されているかというと、さらに充実してほしいと。で、保育士会からの要望をちょっと見てみますと、フリーで自由に動けるような立場の職員さんの確保っていうのが必要だという要望があります。急な休みだとかある重大な事態が起こった時にやっぱり臨気応変に対応できるっていう体制がいるっていうことだと思います。で、それから園長会の方からは、先生方からは「実利用数」ではなくて、「利用定員」までの加配っていうのが要望されておりました。途中入だとかも含めて希望者を途中から入れるということを考えた時に、定員に余裕がなければ当然受け入れられませんし、余裕がない場合は人を増やして対応しなければいけませんけれども、ま、その点で言ったら、利用定員というものに対する、職員の確保ということであれば、見通しを持って年度 当初から職員さんを採用することができるっていうことで職員確保もしやすいので はないかと。で、あるいはこう、今ちょっとこう保育園の先生とか体制の関係で難しいから、受け入れることできないんだっていうことで、断られ るっていうことも、途中入所希望される方で、そういう方の安心にも断らずに きちんとあの、速やかに入れるっていうことで、え、安心して子育て できるっていうことにもつがるんではない かと思いますけれども、こうした定員、職員の定員ですね、配置基 君についての改善について、ま、こうした行為についてどうお伺いでしょうか。
幼保総合支援室長:ご紹介いただいたあの部分ですね、条例において、基準を上回る、国基準を上回るってあの職員を配置できるような、条例を設定しているとかですね。あるいは、あのおっしゃっていただいたように3歳児加配や、あるいは、1歳8ヶ月加配など、別の加配においても補助金を加算ができるような制度っていうものを設けております。また、こういったあの取り組み以外にも、今年度につきましてはICT化の推進といった形で、物的な環境も含めてですね、保育士の方が、現場の負担軽減になるような 取り組みというものも行っておるところでございます。引き続き、現場の状況を見据えながらですね、対応は考えて いきたいと思っております。また、利用定員についてのお尋ねもございましたけども、現在、大きく児童数が減少している中で、やはり利用定員と実働数の乖離っていうのは現場において、深刻な課題やと思っております。で、その点につきましては、利用定員に対して職員を配置するのではなくて、児童数に合わせて利用を見直していくというような形での見直しが適切と我々考えておりますんで、そういった方向で、ルールの運用も含めてですね、取り組んでまいりたいという風に考えております。
とがし委員:ぜひ、改善については求めておきたいんですが、最後に、障害児加算・補助制度についてちょっとお聞きしたいんですけど 、今ですね、障害の状況に応じて5つの区分に分かれております。けれども、これやっぱり、それぞれお子さんの特性に応じて非常に決め細やかな対応が必要になってくるし、専門的な対応も必要になってくるということで、やはりこうそれなりに経験ある職員も含めてしっかりこうあって、そこに人を当てなければならないということがあります。ただ現実にはこれ、0.2人分の下配とかいうこととかで配置されましても、あの0.2っていう採用できませんので、現実にはやっぱり、そこの部分で非常に苦しいということで、気になる子、お子さんが、入園される見込みだっていうことで一定額補助するっていう新しい措置も取られたりはしておりますけれども、ただやっぱりそれでも非常に厳しいっていうのが現場から出されている実情の声です。一層の充実をしていただかなければ、この障害児の受け入れっていうのはなかなか困難であるということで、保育園の園長先生なんかはその入園を希望された方があったにもかわらず、体制が取れてないっていうことで泣く泣く受け入れることできないっていうことで、待機っていうことをお願いせずら得ないというケースなんかもあったという風にお聞きしております。その点で言うと、この間の改善はあったんですけれども、さらに現場の実情を踏まえてさらなる改善っていうのを考える必要あると思いますけど、いかがでしょうか?
幼保総合支援室長:障害児保育についての支援の充実についてのお尋ねでございます。今先生ご紹介いただきましたように 、昨年度においても、障害の認定区分の申請を行った園に対しては、非常勤職員1人分の補助上限の引き上げを図るなど、単価の充実も含めてこれまで取り組んできたところでございます。 障害児保育に関しては、各現場の園長先生からも、確かに区分と実態というものに対して、負担の程度も含めて、いろんな声をお聞きして いるところでございますし、やはり障害のある子どもが、保育所の中で健やかに育つ環境 整備ということは極めて重要な取り組みだと思っておりますので、引き続き現場の実態を把握して必要な支援は行ってまいりたいという風に考えております。
(以上)
(更新日:2025年09月30日)

左京警察署等整備住民説明会に参加(下鴨署、川端署はどうなる?)
去る9/29川端警察署を廃止し、下鴨警察署敷地に #左京警察署 を統合・整備するという説明会が左京西部いきいき市民活動センターで開催され参加しました。
(概要)
・現下鴨署敷地に左京署(署長公舎含む)を新築
・南側の下鴨署敷地および市営住宅敷地に駐車場と防災施設を建てる
(説明会でのやり取りから)
○左京警察署および署長公舎は現下鴨警察の敷地で建てられるとのことで、駐車場に関しては少しはみ出すので南側の敷地が必要ということ。
○管理職が統合で減った分、現場への配置を増やすというが交番の職員を増やすのではなく、本署の「現場」の人員を増やす。北白川交番廃止してその人員を銀閣寺交番に移すと。
○統合してパトカーは1.5倍と説明。下鴨署との比較なのでやっぱり総数は減らすことになるのでは?地域へのポトロールの回数などサービス低下はさせないとの言明はあったが体制の保障は見えず。
○何に使うかわからないけど、南側に延べ床3000〜4000㎡の4階建て防災のための庁舎を建てたいという説明。警察ではなく、京都府の危機管理部門が説明すべき話では???「前回説明会では京都府土木事務所がくると言ったが、何が来るかはまだ決まっていない」と訂正。行政目的がますます不明確に。
○南側敷地について、京都市ハザードマップでは堤防決壊で建物が倒壊するエリアになっているが大規模災害のための拠点には不向きと指摘されるも、「耐震化する」とずれた回答があり、再確認すると「何かの対策」をして建てたい・・・と曖昧。
○統合せずに、建て替えたらいいんじゃないかというご意見も。
○川端署は廃止後も、川端署跡には何らかの警察施設は残す、という説明もあった。
○川端署管内での説明会については「検討」にとどまった。仮庁舎建設が行われ真っ先に影響をうける川端署管内で説明会がないのはおかしい話。京都府および京都府警にはもっと誠実な対応をお願いしたい。
(更新日:2025年09月30日)