活動日誌・お知らせ

岩倉南小学校の新型コロナ対策を視察 2020年8月6日

洛北中のあと、岩倉南小学校の新型コロナ対策の視察。

ここは京都市内でも屈指の大規模校です。
なんと約900人。

校長先生について学内をあるいていると、学童の子どもたちが「何してるの?」「◯◯先生来てる?」と次々集まってきたのが印象的でした。

さて、900人の児童が29学級に通うという大所帯です。人口急増で、一学年4~5クラス。それでもだいたい30人前後と学級ごとの人数は少なめ。3年生だけ37人4クラスとのことですが、やはり30人をきる教室内にはすこし余裕が感じられました。しかし、それでも1メートルとるのは厳しい。育成学級は6個の大きめの机がのびのびとおかれており、ここだけはなんだかフィンランドみたいや!と思いました。

大規模校なので保健の先生は2人いらっしゃいますが、体調不良の子どもと普通の怪我などの子どもの入口をわける工夫。

給食当番の健康チェックは、食べ物や食器を受けとる当番さんが調理室に入るときにも行われ、コロナ以前から衛生管理が徹底されてきたとのことでした。従来は教室内におかれて配膳につかわれた給食台は廊下に配置するように変更され、そこでつぎわけて、そこから教室内へ児童が配膳する仕組みになっているということでした。教育委員会によると多くの学校がこの方式に変更しているとのこと。

先生の負担は大変だそうですが、午前中のみの非常勤の先生の勤務時間がコロナ対策のため延長されるなど、人的な支援強化(七月補正予算)は大変助かったとのことでした。

休み時間のグラウンドはこれまでも子どもたちが自主的に学年ごとにうまい具合に使い分けしていたけど、密になりがちであるため、昼休みと中間休みを日によって学年で住み分け。

学びの保障をめぐっては、7時間目の日をつくるなどしているが、それがないときはミニ学習を入れて学習の振り返りにあてたり、補修の時間をとったりしている。9月からは5・6年の部活がスタート(4年は今年はしないことに)するが、週1回程度に縮小。運動会は1・2年生、3・4年生、5・6年生にわけて実施を検討中。

多目的ルームは、健康診断や月に一回の教職員45人全員の会議で活用されるそうですが、その頻度を減らすために各セクションの代表からなる学校運営部会というものをつくってそこと各学年が意志疎通して学校を動かしているとのこと。そして、コロナ禍でできないことではなく、コロナ禍でもどういう工夫をしたらできるかを考えることを、体育や遊びなどを検討する部(チーム)をつくって相談され、現在学内ではしっぽとりゲームがはやっているとか。子どもにも何ができるか考えようと呼びかけたとか。こどもの遊びのことも徹底して考える姿は、こどもの権利条約にも通じるなあと感じました。

その多目的ルームですが、児童が増えたら三教室を確保できる大きさだそうですが、現実には職員室から死角であることや3クラス限定にならざるを得ないという中途半端な「まとまり」であること、検診などで必要な場所であることから、そこに通常の教室を新たに確保するのは厳しい状況でした。

文部科学省は、6年生の分割授業ができるように加配をつける予算をおろしましたが、人の確保もさることながらこの場所問題はかなり大変な課題です。

体育は更衣室の密をどうするか、考えて、従来の更衣室に加え、プール用の更衣室や家庭科室を代用。足元には目印して、利用人数を制限し社会的距離を一定保つ配慮。

人口推計でもまだまだ児童が増えるところですが、それに宅地開発がくわわるのでどこまで増えることになるやら。
もう一つ学校をつくるしかないと思います。

しかしまあここでも思いました。
政府は、少人数学級へ舵を切るべきだし、
京都市も、学校統合路線から学校分散路線へ
転換をすべきだということです。

視察にご協力くださった校長先生、養護の先生、そして教育委員会のみなさまありがとうございました。

(更新日:2020年08月07日)

洛北中学校のコロナ対策を視察 2020年8月6日

洛北中学校のコロナ対策を視察。
全校生徒は830人、正規の教職員が47人・非正規含め67人の大規模校。
校長先生、教務主任の先生、養護の先生が現場で熱心に説明してくださいました。
(1)密になる時間と回数を減らす
(2)授業中の換気・マスク・工夫
  →グループや対面になる頻度が高い理科の実験には踏み切れない
   音楽は壁に張り付いて、マスク着用のままハミング程度
(3)手洗い、消毒
 ・手洗いを徹底する中で、250人の生徒が昼休みにわずか6個の水道蛇口に並ぶと十分な手洗いに20分以上かかり密になり給食時間がなくなる問題では、各クラスにアルコール消毒液を配布して混雑を緩和。
 ・個人の机椅子は互いに触らない約束にして週1の消毒に。手すりやロッカーなど毎日消毒。
かなり、考え抜いた対応・工夫がされていました。
(4)生徒が感染した場合に備えた人権教育
 ・中傷ダメ、コロナをつかった悪口もダメ
(5)学力保障ーー
  週1~2回から、週1~3回へ、7時間授業を増やす方向
  7時間の日、わりと生徒は平気(5分短縮授業のため)だが先生が大変

<実際現場で感じたこと>
教室内での距離の確保では実際に1メートルの間隔をとることがいかに大変かがよくわかりました。分散登校の時の配置だとなんとかなるかなという感じですが、文科省の作ったモデルケースの図面と比べるも現場はそんなに余裕はないなと感じました。
全体として、学校としてはハード・ソフト組み合わせた工夫がかなりされており、14の約束などの教育的な徹底(写真)を通じて、特に中学生の場合には子どもたちの自覚な感染予防行動になんとかささえられているという印象です。
30人以下学級の3年生と、1年生37人学級・2年生39人学級とを比較するとぜんぜん教室内のゆとりがちがうという印象でした。
さらに、教壇にたってみると30人以下でも厳しくて、やはり欧米並みの20人程度の学級にしないと子どもたち一人一人の様子は把握できないなと感じました。
ちなみに、先生方は最大6時限の授業があるそうですが、マスクをつけての授業は疲労度がすごくて「地獄のよう」だそうで、ものすごく実感がこもったお話も聞けました。長期にわたると一層の配慮がいると痛感しました。
来年度は通常のクラス編成でも2クラス増えそうとのことですが、率直にいって、もう一個学校がいるんじゃないか、と思いました。
部活でイキイキとがんばる子どもたちの姿はまぶしかったですが、熱中症対策と感染予防のバランスを考えた対応をすべく大変苦心されていました。対外試合は当面できない状況ですが、京都市内の動向を考えると子どもたちのこうした活動を継続できるようにするためにも、感染を封じ込める徹底した検査体制の構築が急がれると痛感しました。
※子どもへの感染は現時点では家族からの感染が発端となっており、当たり前ですが、京都市内全体での感染そのものを減らすことが重要となっています。

(更新日:2020年08月07日)

京都市のPCR検査の陽性率

現在京都市独自の陽性率については直接は計算できないようになっているので、とりあえずは、この間の京都市が発表している累計資料を比較して出すしかありません。そこで、この15日間の状況を見てみると、京都市の陽性率は6.6%ということで、じりじりとあがってきており、いっそうの検査体制の充実が必要です。

(更新日:2020年08月05日)

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