〇データ制限で全文掲載できませんでしたので、分割して掲載していきます。なお、全文は⇒とがし代表質問 代表質問全文と答弁要旨HP
4月7日投開票の統一地方選挙で、定数8の左京区において、日本共産党は2議席から3議席へと前進させていいただき、加藤あい議員、樋口英明議員に加えて、私・とがし豊を再び市議会へと復帰させていただきました。ご支援・ご協力に心から感謝を申し上げます。選挙戦では、安倍政権による格差と貧困が広がる中で「無駄を削って暮らし応援の京都市政をに変えてほしい」「東京や海外資本による京都壊しを許さず京都の良さを守りぬいてほしい」という市民の皆さんの切実な願いが託されたと実感しています。その期待に応えるべく、与えられた4年間の任期を全力で走る抜く決意です。
1、住んでよし、訪れてよしのまちづくりを
(1)「オーバーツーリズム」、いわゆる「観光公害」の解決を
まず、はじめに、「まちづくり」について4点、お聞きします。
1つ目に、いわゆる「観光公害」「オーバーツーリズム」の問題です。
「もうホテルばっかりいらんわ」「閑静な住宅街の真ん中に57室の大型ゲストハウスなどとんでもない」「リピーターの外国人や日本人の方はもうぜんぜん来なくなって、外国人がいっぱい店の前を通り過ぎるだけ。そら、観光地があんなにいっぱいすぎたらげんなりするわ」「ホテル建設ラッシュでホテル業界が人手不足となり、留学生頼みになって、サービスの質の低下が心配」と市民や観光に携わる方からもこんな声が漏れてきます。
市長は「観光消費額が市民の年間消費額の5割に匹敵」と強調しますが、増えているのは宿泊料が中心です。その宿泊料のうち十数パーセントは仲介手数料としてインターネットサイトを運営する海外の企業にとられ、わずかな利益も東京や海外の資本に吸い上げられているというのが実態です。これではたして地域経済が潤うのでしょうか。空き家が出れば、入居・定住したい人よりも民泊にどんどんいい物件がとられていって、町内会の担い手は先細るばかり。暮らしの中に根付いた地蔵盆などの誇るべき地域の伝統もどんどん消えていくのです。ホテル・簡易宿所の建設ラッシュが地価高騰を招き、京都の中心部から若い世代をどんどん外へと遠ざけています。京都市は、これを逆手にとって、高さ規制の緩和を狙っていますが、かえってさらなる地価高騰を招き、固定資産税があがり、今住んでいる方さえも追い出すことになりかねません。
このパネルをご覧ください。(20190527宿泊室数パネル)
ホテル誘致策のもとで、京都市が当初2020年の目標とした4万室をはるかに超え、3月現在で4万6千室を超え激しい勢いで宿泊施設が増えています。もうこれ以上の宿泊施設はいりません。「京都市宿泊施設拡充・誘致方針」を撤回するとともに、住宅密集地、細街路、袋路・路地奥、連棟・長屋、マンション等でのホテル・簡易宿所・民泊の営業は厳しく規制すること。近隣住民の合意が得られない計画は認めないこと、各行政区・支所での相談、調査指導体制を復活させ、監視・指導担当職員の増員等、体制の強化をはかることを求めます。いかがですか。
(答弁→市長) 「宿泊施設拡充・誘致方針」は、京都経済と地域の活性化を図ることで、市民の皆様の豊かさに繋げることを目的としており、安全安心の確保及び地域との調和が大前提である。この間、宿泊施設が大幅に増加し、施設数としては満たされつつあると認識しているが、市内中心部に集中するといった地域的な偏在や、質の面ではいまだ十分とは言えないという課題がある。22日に立ち上げた新たなプロジェクトチームでは、こうした課題についてもしっかり検証し、今後必要な施策の実施に繋げていく。違法・不適正な民泊に対しては、法律限界ギリギリまで挑戦した全国一厳しいと評価された条例など本市独自のルールを制定し、「近隣住民への事前説明」「10分以内の駆けつけ要件」「住居専用地域での住宅宿泊事業は冬の2ヶ月に限定」といった地域との調和を図る取り組みを徹底している。違法民泊の疑いのある市民からの通報のあった施設は、平成30年度末までに2454施設だったが、本市の強力な指導の結果、99%にあたる2430施設は営業中止等に至っている。しかし、未だ指導中の24施設を含め、違法・不適正な民泊の根絶に向けた取り組みをさらに強化するために、今年度新たに専任職員を5名増員し、46名もの体制を確保したところであり、各区役所・支所とも連携し、全庁を挙げて周辺住民の生活環境を守っていく。
(2)京都の街並み壊しを許さず、景観を守れ
2点目は、京都の街並みをこれ以上壊さないでほしいという問題です。
京都御所の東側・梨木神社へのマンション建設、下鴨神社糺の森への富裕層向けセカンドハウスとなるマンションの建設につづき、南禅寺参道の景観さえも壊すホテル計画の動きがあります。「これ以上京都のええとこを壊さんといて」という声が市民や京都を愛する全国の人々から寄せられています。糺の森を売りにして糺の森を壊すマンションを建てる、南禅寺・岡崎の別荘庭園群の文化的な景観を売りにしてその景観を壊すホテルを建てるという道に、京都の未来はありません。
今から120年前。初代京都市長・内貴甚三郎(ないき・じんざぶろう)は、京都市会で100万人都市を想定した都市開発構想の提案の中で「東方は風致保全の必要あり」「名勝旧跡の保存は京都として決して放棄すべからざる事業なり」と表明しました。その4年前には、南禅寺・岡崎界隈の別荘庭園群の第一号としての無鄰菴が完成し、岡崎一帯の美しい景観が形成されてきました。2015年には「京都岡崎の重要文化的景観」として地域全体が文化財保護法による指定を受け、無鄰菴はその中核的な存在の一つとしても位置付けられました。ところが、今、まさに東京資本ヒューリックの4階建てのホテル建設計画によって、無鄰菴の回遊式庭園からの眺めや南禅寺参道の景観が壊されようとしています。
こちらのパネルをご覧ください。(20190527ヒューリックパネル)
これは、「市民が残したい京都を彩る建物や庭園」として京都市自身が認定し、日本の和食文化にも大きな貢献をしている「瓢亭」という料亭を南禅寺参道から見た写真です。ヒューリックによるホテルの建設予定地は、もともと2階建ての数寄屋造りの美しい日本建築と庭園が広がり、隣にある無鄰菴や「瓢亭」とも調和した趣のある姿をしていました。ところが、このホテルが建つことによって、南禅寺参道から眺めた「瓢亭」のすぐ後ろにホテルの壁が立ち上がり、400年もの長い間守り続けてこられた風情が損なわれてしまいます。
京都市美観風致審議会も、当初の京都市の風致保全課の指定した箇所からのシミュレーションでは不十分と調査地点を増やすことを求め、許可にあたっても「より一層周辺の景観と調和するよう、さらなる検討を行うこと」と条件を付けたという経過があります。ところが京都市は、南禅寺参道の景観や無鄰菴の庭園からの眺めにもっとも重大な影響を与える視点場からのシミュレーションについて、美観風致審議会への提出を見送る判断を行いました。そのことによって、審議会では不十分な情報のもとでの議論でゴーサインが出されるに至りました。京都市自身が文部科学省に約束した「京都岡崎の重要文化的景観」保存計画をないがしろにしていると言わざるを得ません。そもそも、ヒューリックによる開発計画が持ち上がる前の段階から、無鄰菴や南禅寺参道の景観を守るための規制をしっかりと確立する努力をしておれば「京都岡崎の重要文化的景観」を守れたわけであり、京都市行政の重大な失態であります。今からでも遅くはありません。
地域住民は、眺望景観創生条例に基づく市民提案を正式に提出し「無鄰菴の庭園からの眺め」を保全するための高さ規制に踏み切ることを求めています。京都市はこの提案を受け入れ、事業者に対して働きかけ、せめて3階建ての和風建築への計画変更を要請すべきであります。京都のこれからの10年先、50年先、100年先を見据えた市長の英断を求めます。いかがですか。
(答弁→都市計画局長) 本市では、世界の人々を魅了し続ける景観づくりを進めるべく、高さ、デザイン、眺望等に関する総合的な仕組みにより、全国的に例をみない景観政策を進めている。無
(更新日:2019年05月30日)