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岡崎公園一帯の景観と環境を守ろう~「岡崎再開発」の本当の狙いは?~

岡崎公園一帯の景観と環境を守ろう
~「岡崎再開発」の本当の狙いは?~

2011年11月 党左京地区委員会として以下の見解を発表
※年数などは分かりやすく若干修正しています。

岡崎公園一帯の「再開発」に疑問の声

京都市は2010年9月、国に提出した「総合特区提案」の中で、岡崎公園内に「にぎわい施設(カフェ・レストラン・ショップ・宿泊など)を誘致」など岡崎一帯の再開発構想を打ち出しました。この構想に対し、「公園内に宿泊施設など認められない」との強い批判が市民の間に起こり、市長は「宿泊」については事実上の撤回表明に追い込まれました( 2011年2月28日市議会本会議)。しかし、構想全体については今なおあきらめず、内容を絞り込む形で国に「総合特区申請」を正式に行いました。

狙いは富裕層の誘致、進出企業の金儲け

この再開発の背景には、富裕層の誘致を狙った観光戦略と「MICE戦略」があります。総合特区提案では、岡崎公園一帯をMICE・観光の拠点と位置づけ、現在の「市民のための総合公園」から「国際交流・文化観光公園」に変え、公園内への進出企業については、税制や融資の上での優遇措置を狙っています。富裕層や特定企業のための再開発はごめんです。

「M I C E 」って?

「企業等の会議、企業等の行う報奨・研修旅行、国際機関・団体、学会等が行う国際会議、イベント、展示会・見本市の総称」
京都府が事務局としてとりまとめを行っている「関西広域連合・観光文化振興計画中間案」では「MICE の取り組み」として、関西規模のMICE 実現を掲げるとともに、「関西統合型リゾート」として、「内外からの集客力、経済波及効果に大きなインパクトがあるエンターテインメント機能(例えば、カジノなど)の検討やコンベンション機能の充実などをメインとした関西全体としての拠点づくり構想」を検討するとしている。

「再開発」の第一弾 市が規制緩和に着手

京都市は、京都会館などの高さ規制・用途制限などの規制緩和の手続きも開始しました。高さやデザインなどの厳しい規制をかけることで京都の景観を守ろうとはじめた新景観政策からわずか4年。京都市自ら決めたルールを破ることは重大です。総合特区申請では、市民のための公共ホールとしての京都会館の性格をゆがめ、「世界一流のオペラ」の開催や「MICEが可能な施設」としての京都会館の再整備をすすめるとしています。平安神宮東側では、突如「賑わい施設」を作りやすくする規制緩和(用途制限の変更)が提案されました。これで果たして「岡崎らしさ」を守ることにつながるのか、京都市の動きには警戒が必要です。

岡崎のシンボル・京都会館壊さず、
市民ホールとしての再生を

京都会館をめぐっては当初、市民アンケートや専門家でつくる検討委員会答申をうけ、外観や躯体は生かして、音響・客席・舞台装置の改修やトイレ増設する改修案(当初は事業費50~60億円程度の案も)が検討されていました。  ところが、ロームとの命名権交渉と前後して、「世界一流のオペラ」を行う構想が持ち込まれ、高さの大幅な引き上げ、総額90億円の第一ホール全面建て替え案が急浮上。現行案のままでは、過大な維持管理費によって使用料値上げなど文化活動の圧迫につながるとの可能性も指摘されています。京都会館は、その良さを壊さず、市民ホールとして再生することこそ、市民のための岡崎公園に相応しいのではないでしょうか。

京都会館・ローム命名権五十億円の実態
京都の文化活動の圧迫に


「ロームが京都会館の命名権を50年間・50億円で購入・一括納付」といいますが、あくまでも命名権契約で、ローム側の都合でいつでも契約解除できます。契約では、「時々の時勢」に応じた「著名」な催しを開催・名声の確保、「時々の時勢」に応じた「機能」への改善などの「努力義務」が課せられます。たとえば、努力を怠ったとして10年で契約解除されたら、京都市は残る40年分・40億円をロームに返還しなければなりません。「収益性の高い興行が優先され、市民・学校の発表会などの機会が奪われることになるのではないか」という危惧の声があがっています。

防災と憩いの岡崎公園へ 市民参加のまちづくりを

岡崎公園は京都市民の憩いの場として大切な空間です。また、広域避難場所としての重要な役割を担っています。日本共産党は、京都市が住民の声に幅広く耳を傾け、住民参加のまちづくりをすすめるように強く求めます。

(更新日:2011年12月30日)