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京都市が、京都市美術館への寄贈作品を「切断」することは許されない!!

京都市が、フランス文学・文化研究者の故・桑原武夫氏の遺族から寄贈された蔵書約1万冊を無断で廃棄していたことは記憶に新しいが、今度は寄贈モニュメントを5分割に切断し解体するというとんでもない暴挙に出た。

しかも、陳情が市議会に諮られいよいよ審議をされる矢先に工事強行というのだから悪質さはものすごいものがある。

しかも当該箇所は、30億円も予算が超過することから当面は建設中止となったレストラン建設予定地脇であって、中止になったのだからいじならくてもよい箇所でもある。

やっぱり、追加で30億円かけででもどこかの資本のためにレストランをつくりたいのだろうか。

そもそも、下鴨神社や二条城の世界遺産コアゾーン・バッファゾーンの破壊さえ積極的に推進してきた京都市なので、寄贈図書や寄贈作品を傷つけても全く何も感じないのかもしれない。

京都市長は、文化首都、文化首都と口をすっぱく語っておられるのであれば、もうちょっと文化を大事になさったらどうだろうか。

あくまでも地元民としては、このモニュメントの破壊に抗議するし、美術館の改修計画は根本から見直してほしい。

そして、「京都市美術館」の名前を取り返してもらいたい。

((((((((((日本共産党市議団の抗議声明 以下紹介)))))))))

京都市美術館敷地における寄贈モニュメントの切断撤去工事着工に抗議する。

5月9日、京都市は、京都市美術館の再整備にあたり敷地内の汚染土壌の除去を理由に、美術館敷地の南西角に展示されているモニュメント「空(くう)にかける階段’88-Ⅱ」の移設工事の着工を強行した。
京都市は移設作業にあたって「安全性」と「モニュメント自体の耐震性の課題(震度6で倒壊の恐れ)がある」として、モニュメントを切断し「約2mごとに5つに分割」して美術館敷地内に移設して一時保管し、再整備完了後に新しい市美術館での展示・保存を検討するとしている。
8日に急きょ開催された「事前説明会」は美術関係者の強い抗議の中で5時間にも及んでいる。にもかかわらず本日、工事着工したことに厳しく抗議する。

一、当該モニュメントは、富樫実氏が制作し、本人の寄付によって運搬設置されたものであり、阪神大震災後の補修の経費も富樫氏が提供したものである。このような作品を切断することは寄贈者の思いを踏みにじり、作品そのものの命を奪うものである。さらに今回の行為は京都市美術館自らが収蔵作品を破壊するという前代未聞の暴挙であり、到底認められるものではない。

しかも京都市は「寄贈者とも相談して了解を得ている」としているが、昨日の説明会において富樫氏本人の「身を切られるよりつらい。悔しい」との声も紹介されている。また京都市は「分割する工法しかない」としているが、移設工事委託業者の言い分そのままであり、「分割しない工法」を含めて美術関係者から提案されても「工期が間に合わない」と聞く耳を持たない姿勢に終始している。

一、議会には美術関係者から移設撤去に反対する陳情が提出され、5月市会本会議に上程・委員会付託され常任委員会において審議する予定となっている。にもかかわらず、陳情審査を無視して工事着工することは重大な議会軽視と言わざるを得ない。

京都市は、切断撤去工事をただちに中止し、関係者の意見を十分に聞いて検討した上で、寄贈モニュメントを現地保存するよう強く求める。

(更新日:2017年05月09日)