聚楽保育所廃止条例の継続審議を求める陳情についての審査の様子を文字起こししました。
私は、市営保育所における豊かな保育実践が子どもにかかわる福祉行政全体を質的に底上げし、民間保育園にとっても直接・間接にとっても大切な存在であることを浮き彫りにしようと議論しました。また、公民にわたる保育行政全般の「公的責任の後退」を徹底批判しました。最後のところで、なぜか答弁者が、私が「公的責任の放棄」という言葉をつかったかの勘違いしています。そう聞き間違えるくらいに今回の条例が「責任放棄」に相当する酷いものだということを自覚されているのではないかと思いました。市の職員さんたちに、こんなひどい仕事をさせる門川大作市長の暴走を一刻も早く終わらせる必要があります。
以下、私の質疑の文字起こし全文です。
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冨樫:午前中に議案の質疑がありまして、今の質疑もふまえて質疑をさせていただきます。やはりですね。あらためて思いましたのは、6年後の廃止というのを、この今の段階で決めるというのは、あまりにも乱暴な議論ではないかなという風に思うんです。
で、段階的にボリュームを絞っていく、ダウンサイジングという言葉ありましたけども、という話ではないくて、一切入所を認めないという方向で、まあ、85人で存続していくような前提でえーと募集をかけて(民間移管先の)応募を呼び掛けておりながらですね、その直後に議会にこういう形で提案があって廃止ということが出てくるというのは、とんでもない極端で乱暴な議論ではないかなという風に思います。で、しかもですね。結局聞いていたら、今年の四月の当初の人数で判断されているということで、それが予測よりも下回っているだろうということが、結局はあの変更に理由になっているわけであります。ただ、先ほども室長の答弁でありましたように、年度ごとに予測をしたとしても凸凹があるという話が合って、これへこんでいるところかもしれませんね。しかも今コロナで従来とは全く変則的な状況で、どの職場で働かれている親御さんもですね。全く今までと違うし、コロナ後になったらどうなるかも全く予想がつかないという状況にあります。そういうことで言うと、今年度、昨年もですね、このコロナによって保育の需要というのが伸びが少なかった、あるいは一時的に減っただけであって、コロナ禍が収束したあとの経済回復局面でどういう授業が発生するか、これ予測されているんですか。
幼保支援室長:コロナの保育需要への影響ということでございますが、新型コロナウイルスにつきましては、ちょうど一年前につきましては、一回目の緊急事態宣言が出ていた中で、保育の出席率も一時30%ぐらいという状況もございましたけれども、現在におきましてはまあほぼ平常と変わらないという利用率になってございます。保育需要ということでは、先ほども報告で申し上げましたけれども、就学前児童数に対する保育の利用の割合が、52.5%過去最高という風になっておりますので、コロナが保育需要に与えた影響というのはほとんどないのかなという風に認識しています。
冨樫:今言われたけど、利用率の話で言ったら、前回の時は自粛を呼びかけられて、利用自粛した方には保育料を返還しますよとかがあったと記憶あるんですけど、今回に関しては保育園とか学童とかはそういうのはないので、それは全然根拠にならないんじゃないかなと思います。働き方についてはまったくちゃうんで、コロナ前と今で違いますから、それは簡単に比較できる話ではない。従業率に占める割合とかにストレートに見えてくるものではないと思います。で、先ほども、マンションの実態については、会派から要求されたにもかかわらず提出されなかったと問題となっておりましたけども、地域で歩いて回ってマンションの建設状況を確認したといわはりますけど、しかし、これからの土地利用がどうなっていくかなんていうのは、今の段階の土地利用で予測がついている範囲での話であって、これから6年間でどうなっていくかなんてのは予測ができない話です。ですから、人口減少していくといわれていた予測されていたような地域とか学区とかでも所有者が変わる時に、土地が分譲されたりとかいろんな形でですね、人口が急激に増えて予測以上に子供が増えるということは、それはよくある話なんですね。この間、京都市の人口予測が本当に当たっているかという話でいったら、市長自身が、いつでしたかね、本会議やったか市長総括やったかなあ、あの、6万人減るといわれていたけどそんなに減らなかったんだと胸張って言っておられましたけども、その意味ではまさに、どういう結果として減らなかったのかということはしっかり分析しなければいけない話なんですけど、結局、人口統計からの分析で人口動態が減っていくというのは単に今の傾向がすすんだらどうなるかという話にすぎないので、実は政策いかんによってこれもかわっていくと、集落的に消滅するといわれたところが街づくりで人が増えて行ったりということも起こっているので、やはり、私は人口統計だけではなくて、政策的にしっかり考えていく必要があると考えています。そういうことで言うたら、先ほど、基本計画の中で、若い人が入ってくることを、しっかり増やしていこうといっているけど、それと整合性がないんじゃないかという話があったんですが、今回の提案というのは矛盾するという風に思うんですんが、この点はいかがですか。
幼保支援室長:先ほども申しました少子化対策との関係ですけど、少子化対策、子育て支援につきましては、まあ、あの保育だけではなく、総合的に進めていく必要があると考えております。そのなかで、その中で、その時その時のニーズによりまして、よりニーズの高いことに力をいれていく。一方で、そういうことをしていくためにも、見直すべきところは見直すということでやっていく必要があるかなと思っております。で、この聚楽保育所につきましては、地域ニーズのまあ、あの観点から、聚楽保育所が仮になかったとしても、地域の保育施設で、その保育需要を満たすことができるというような分析をしました結果、今回提案さしていただいたところでございまして、少子化対策を総合的に進めていくということと矛盾はしていないという風に考えているところでございます。
冨樫:あの、午前中の質疑でもですね、井上議員からですね、民間と公民一体で一緒にがんばっていくといっている一方の方の公立、要は京都市立のね保育園がなくなっていくとについて、それでは協力する相手がなくなっていくじゃないかと指摘さしていただいたんですけど、じゃあですね、総合的に進めていくというけどね、私ね、やっぱりね、この京都市聚楽保育所を残すということの方が総合的に進めていくうえで大事だと思うんですね。そこで、陳情の中身にかかわってお聞きしますけどね。238号の保護者会の方の陳情、大変わかりやすいなと思うんです。第3項目のところに近隣に同規模の園庭をもつ保育園がないこと、要するに広い園庭ということですと、これはわたくしも見たことがありますし、そういう評価されている方がいることを聞いたこともありますし。で、バリアフリーの環境など、他園にはない魅力が紹介されています。で、京都市として、この聚楽保育所の設備も含めたこれまでの保育実践についてどういう風に評価されていますか。
幼保支援室長:聚楽保育所、他の園と同様に保育施設の特性を生かして特色のある保育をしているという風に認識しております。ただ、それはどの施設でも素晴らしい施設で素晴らしい保育を実施をされておりますので、それはあの、他の施設でも、同じではないかなという風に認識しております。
冨樫:わたくしは特性の話をしているんです。どこの保育園でもどこの市営保育所でもそれぞれ努力されているというのは承知しているんですけど、聚楽保育所で実践されている特性についてご答弁お願いします。
幼保支援室長:聚楽保育所、公営全般ですけど、一人一人を大切にする保育を実践しているというところでございます。ただ、一人一人を大切にする保育は公営だけでやっているかといいますと、民間でも同じような取り組みをしているのではないかなという風に思いますけども、市営保育所ではそういう保育を実践しているということころでございます。
冨樫:その程度の把握で、これを廃止するというたはるんですか。これまでの保育実践、蓄積、積み重ねてこられて、そういう中で営々と築いてこられたものあると思うんですけど、そういうのをちゃんと把握されていないんですか。保護者の方からもいろいろな定評をお聞きしていますし、さっきの園庭の話もありましたけども、これいってみたら設備の特徴ですね。バリアフリーの話もお聞きしていて、そういう意味でいったら障害がある子どもたちも安心していけるようなところがあるという話やと思うんですけど、それとですね、市営だからなかなか素晴らしいと思うのは、市営の保育所の保育士さんというのが、保育園だけで働いているのではなくて、人事異動とかもされるんですよね。子ども育みやとか、児童相談所やとかいろんなことしはると、ねえ。だから、いろんなところに移動して、いろんな職種、京都市のいろんな専門職だとか当然事務職の方も含めていろんな交流をするし、その職員自身がいろんな経験をすると、そういう職員が人事異動を通じて保育の現場にも来てそこでそこでいろんな経験をした保育士さんからも学ぶと、まあ、子どもたちからも学ぶということでいうと、これは、民間保育園じゃできない話です。民間保育園ではなかなか、転職してというのはあるかもしれないけど、実際にはこれ、京都市営保育所でしかできひんことやと思うんです。そういう中でまあ、親が子供のことで相談して、あるいはいろんな児童相談所とかいろいろな経験を通じて子供たちの様子とか親の様子とか見ながら発見、気づきをすると、いう点で言ったらこれは非常にレベルが高い取り組みだと思うですが、そういう市営保育所があると。いろんな行政区にたくさんあったほうがいいだけど、そういう状況の中で民間保育園とも、横のつながりでも、交流をしていくし、実際の保育の実践、園長先生同士見に行ったりとか、交流したりもされますけど、そういうことを通じて京都市の豊かな保育はつくられてきたんじゃないかなとと思うですが、この点はいかがですか。
幼保支援室長:公営保育所で、京都市が採用している保育士に関してましては、公営保育所だけではなく、はぐくみ室ですとか児童福祉センターも含めて、勤務をしております。その中で専門性を高めてそれぞれの分野で活躍しているところでございます。ただまあその中でも、保育所で配置をされるということでございますけども、ただ、保育所での様々な支援につきまして、当然保育所だけでそういう支援するのではなくて、保育所以外の専門職種もおります児童福祉センター、はぐくみ室のバックアップ、連携のもとでそういった支援を行っていますので、単体でそういう機能を果たしているわけではありません。で、そういった連携して、支援をするということにつきましては、これまあ、公営保育所だけでなくて民間保育園でも同様にそういうバックアップもうけられる支援をしているということでございますので、唯一そういう機能を公営保育所だけがもっているということではないという認識をしているということでございます。
冨樫:なぜ、結論だけそこになるのか、不思議なんですけど。今の展開でいうたらですねえ。民間保育園も児童福祉センターと連携する、これは当たり前ですわね、それは。当たり前なんだけど、そこには市営保育所で経験した保育士さんがいはるわけでしょ。ねえ。経験していない保育士さんもいはるかもしれないけども、している保育士さんもいはると。で、そういう経験している人も保育の現場にいるということで、その意味で言うと、まあ、あの、京都市の市営保育所があるからこそ京都市全体の子どもにかかわる福祉行政を底上げしている部分もあるわけですね。で、そういう安心感というのも、民間保育園にとってもこころづよいんじゃないかなという風に思うんです。ですから、私はですね。皆さん、廃止することにそれに、そこに向けた情報はいっぱい集められるけども、今まで市の職員さん、保育士さんたちが築き上げてきた大切な保育実践の到達点とか、教訓とか、財産というのをしっかりとちゃんと把握されないと、そういう把握もなしに、なんかとにかく廃止だというのははやり乱暴な議論かなと思います。で、陳情の第四項目、見ておりますとね。障害の有無や宗教、思想、信条など問わずどんな子どもも受け入れてもらえるセーフティネットとしての保護者と子どもの居場所が奪われるという問題が指摘をされています。で、これは保護者会の方の実感込めた思いがここに込められているわけなんですけども。京都市はこれ、今回、行財政改革の一環としてこれはやられようとしているわけなんですけども。ただ、当のね、民間保育園もがんばっているからといわはったけども、その民間保育園の補助金さえも今リストラの対象とされている段階にあると。民間への支援の充実ということじゃなくて、削るという話がされていると。その上ですね、セーフティネットとしての市営保育所も減らしてしまうと、これ重大な保育への公的責任の後退じゃないかと。思うですがいかがですか。
幼保支援室長:民間保育園も含めた保育行政ですけども、先ほどの議論でもあったかなと思うんですけど、保育に対する国の給付費につきまして、この間充実されてきております。その中で、施策なり民間施設に対する補助を持続的に実態を踏まえまして持続的に運営をしていくということについては、これは必要なことかと考えております。今後継続してそういうことを実施していくために必要なことでございます。で、その中で、公民、必要な見直しをしながら公民一体となってどうやってセーフティネットの役割を果たしていくか、継続的に果たしていくということをしていくためには、様々な点検なり、見直し、それについては全般的に必要かなという風に考えているところです。
冨樫:まあ、全般的な見直しといわはるんやけど、結局、公の部分削るし、民への支援の部分も充実違って削るという話が今どんどん進められているということでありまして、障害児の受け入れをめぐってもね、京都市は民間保育園に加配する、予算も人もつけるんだといわはるけど、しかし、実際にはですね、人はそれぞれ生活持っていますから、そんなに簡単に増やしたり減らしたりできるものじゃないんですよね。だから、民間保育園からすると、現状においては、公立の保育所がしっかりとセーフティネットとして、どんと構えといていただくということが民間保育園が安心して運営していくうえでも、そして、結果としてですね、どの子どもも取り残されることなくですね、保育を必要とする子供たちがきちんと入ることができると、いう環境ができてくると思います。ということでですね。私やはり公の部分でも民の部分でもどんどんどんどん、この公的責任を後退させていくという今の京都市の方向性というのは、先ほどいわれていた総合的に政策をすすめていくと、若い人入ってきてもらうという京都市の基本方針の、言ってみらた根幹的なところも全く矛盾すると、改めて今の議論で、思いましたので、その意味では、基本計画にも反するようなものはやめるべきではないか。という風に思います。すくなくともですね。これは保護者会の皆さん、あるいは、陳情さされた皆さんも含めて、やはりこれ慎重に議論していただきたいという要望でていますので、少なくともこんなあの6か月しかたっていないこの段階で議会で採決しないというその点で多くの会派の皆さんにもご検討いただいて共同できるんではないかなという風に思いますので、ぜひですね、慎重な審議ということで求めておきたいなと思います。以上です。
幼保支援室長:先ほど公的責任の放棄とご発言ありましたけれど、施策全般に関する点検見直しに関しては、将来にわたって、そうしたあの、子育て施策、保育施策を将来にわたって持続的に実施していくためにやっているところでございます。決して公的責任を放棄しているということではございませんでの、それは申し上げておきます。
冨樫:放棄はしていないといわはるんだけど、後退は間違いない。その点は指摘しておきます。以上です。
(更新日:2021年05月30日)