活動日誌・お知らせ

京都市会9月補正予算質疑:保健所体制の強化を

 京都市の保健所職員の8月の超過勤務が平均130時間/月(最長の方は228時間/月)である実態を指摘し、今回の人材派遣会社からの24人の保健師等の体制補強だけでは過酷な時間外労働の実態は解消できないのではないかと質しました。保健福祉部長は、9月は幸いに感染が少ないため落ち着いた状況になってきていると述べましたが、派遣職員の採用によって感染拡大期に柔軟に対応しつつ、事務のきりわけで保健師の事務負担軽減、臨時任用職員の採用を進めると答弁しました。
 また、私から来年度以降も感染が収まる見通しがないもとで、一時的な人材派遣にとどまらず、正規雇用として増員を図るべきとも迫りました。保健福祉局長は、これまで保健師が感染経路を徹底して追いかけることで感染拡大防止に大きな役割を果たしてきている、市長の指示で行財政局・人事委員会とも相談して、資質のある方については最大限採用する方針で来年度の職員採用に臨んでおり、その中から条件ある方については前倒し採用している旨の答弁しました。
 最後に、私から、新型コロナ感染症の拡大を機に、日本の国・地方における医療・公衆衛生のぜい弱性が明らかになっており、行革・職員リストラ路線とは決別し、医療・公衆衛生体制の充実をはかる道に踏み出すべきであると指摘して、質疑を終わりました。
 そのあとを引き継ぐように、公明、民主、京都、自民、維新、無所属の各議員も保健所体制の強化について質疑。ようやく、委員会質疑において、すべての政治勢力が保健所体制の充実にふれざるをえないところまできました。この間、少しずつですが、保健所体制が補強されてきましたが、まさに、現場の皆さんが泣き寝入りせずに声をあげ、労働組合や市民団体、実態を報道してくれたメディア、無数の市民の協力・・・まさに、世論と運動の力によってこそ事態を変えることができる、その変化が市議会の論戦にも変化を与えるのだと実感しました。

PCR検査拡充についての質疑の模様については別途お伝えします。

(更新日:2020年09月24日)

京都市、複数の感染が確認された学校で、早期収束のため、教員・生徒の全員PCR検査を実施

京都市内の検査の状況(0803-0919)とがし作成

 新型コロナウイルス感染症をめぐり、本日夜、京都市保健所や教育委員会より連絡があり、すでに前日までに教員1人・生徒4人に感染が判明していたある学校について、すべての生徒(家族の事情等で別日に検査する者を除く)および教員に対してのPCR検査を実施し、その中でさらに12人の感染が確認されたことが報告されました。
 ※すでに京都新聞の報道等でご存じの方もあろうかと思います。
 従来の対応では、接触者・学級・部活単位での対応にとどまっていましたが、早期収束のために、最終的にはその枠を広げての対応がおこなわれました。日本共産党市議団としては一人でも感染者が判明した場合にはその施設の全員検査を求めてきましたが、それは、今回のウイルスの特性がインフルエンザとはことなり症状が出る前から感染を拡大させる、無症状の方でも感染させる力を持ちうるとからという科学的根拠によるものです。幸い、軽症や無症状の方だけということですが、家族感染などのリスクを考えると慎重に対応せざるを得ないのがこのウイルスの難点です。検査陽性となり入院・療養中の方も、陰性といわれながらも不安な気持ちでいる方も多いと思いますが、一日もはやいご回復をお祈りします。昼夜をわかたぬ対応をいただいている方や関係者に対しても心から感謝を申し上げたいと思います。
 10月中のどこかの時点からは、大きく検査体制がかわることになりますが、感染された方が不自由しなくてもよいようにするための支援や社会的孤立を招かないための手立てをとることも含め、検査・療養体制がしっかり構築されるように、市議会でも議論して対応していきたいと考えます。

(更新日:2020年09月20日)

京都市・決算議案から見えるもの ~気候危機対策を忘れてもらっては困る


#気候危機対策を忘れてもらっては困る
決算の議論が始まりました!
今日から3日間にわたって、
各局から決算議案(予算の執行状況)と、追加の補正予算の議案の説明などをうけます。
今日は、そのうち環境政策局からも説明をうけましたが、昨年の京都市の再生エネルギー政策の予算の執行状況はひどいものです。
予算は、 2億4430万円
執行額は、1億2033万円
  つまり、1億2397万円 も、使い残した。
コロナでも土木事業は大事だといって
「翌年度繰り越し」をしてでも支出していくのに、
こういう予算は何が何でも執行しようという工夫がない。
宣伝などの工夫をしたというが、
小さな穴なら宣伝したらなんとかなるかもしれないが、
制度に魅力がなければ大きな穴は埋められない。
太陽光エネルギーの価格が低い設定にされたから・・・
が理由だというけれど、
その政府の失策のもとで、
自治体独自の上乗せを行うことで政策効果を生み出そうというのが
太陽光パネル設置助成制度の本質だろうといいたい。
そう考えたら、もっと補助金の要件を改善するなり、もうひとひねり考えて、全額執行して、何が何でも京都市内の太陽光発電の比率を挙げようと努力すべき、危機的な状況じゃないですか?
口では気候危機という市長が、
行動面では全く危機感が見えてこないことに大変な危機感を覚えます。
コロナと気候危機、どちらも重要な問題です。
この決算議会、しっかりがんばりぬいて、
一歩でも前に進めるようにがんばります。

(更新日:2020年09月15日)

京都市の新型コロナ感染の状況

京都市の累計データより日計をわりだし、とがしが作成した資料

京都市が発表した資料をもとにとがしがグラフ化


昨日朝までに京都市が公開した情報をもとに、京都市の新型コロナウイルス感染症の感染の動向についてグラフ化しました。だいたい250件で推移してきた検査数からすれば、現状は大きな余力を残しているといえ、今後の動向を見極めながら、その余力をどうつかうか真剣な検討がいると考えます。また、京都市自身の検査能力は、新たな機器の購入と実戦投入になれば80件ふやせますので、これまで広げてきた民間との協力と京都市、京都府の検査の能力とあわせ、その余力をどう生かすのか真剣な検討がいると考えます。

京都市が2回目の新型コロナウイルス感染症の動向についての報告を発表しました。https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000274028.html
週の動向については、2回目の発表になります。わが党市議団としても、感染状況を分析・公表することを求めてきたことや、他党からもわかりやすい発信がもとめられてきたことなどを踏まえた京都市の対応の改善といえます。ありがとうございます。ただし、京都市のデータの紹介としつつも、京都府全体の陽性率が記載されているのは、やはり納得がいきません。なので、引き続き、私自身の独自の情報開示は続けていきたいと思います。

当たり前のことかもしれませんが、この報告で紹介されているクラスターも、出発点は感染経路不明です。無症状の感染者を積極的に見つけて、保護療養するという戦略に転じていかないと、いくら個人が対策を講じても限界があると思います。京都方式でもおいついていないのですから、クラスター対策の対象の拡大と、戦略的な大規模PCR検査を検討していただきたいと思います。

(更新日:2020年09月09日)

京都市が大規模PCR検査をやっている??市長の京都新聞広告の真相


京都市が9月6日付「京都新聞」、9月5日付「リビング」に、「京都の未来を語ろう大作戦!」と題する門川市長の登場する意見広告を掲載しました。

「大規模PCR検査を開始」というなら市長は行動で示してください

その記事の中で、市長は京都市において「大規模な抗体検査とPCR検査も7月から開始」と言うのですが、実は、この7月からのPCR検査というのは、京都市立病院の院内感染対策で、京都大学病院に支援いただいた事例をさすものと思われます。実は、京大病院は8月6日に京都市と京都府に向けて提言※を出しています。感染が集中する業種や地域への大規模PCR検査を京都府と京都市がやるなら協力しますという提言です。その提言については京都市は8月19日の教育福祉委員会で、申し出には感謝しつつも現段階では実施については「考えていない」と答弁しました。今回の意見広告で市長が「大規模PCR検査を開始」とおっしゃった以上は、その責任において、京大病院が提唱するような戦略的な大規模PCR検査を実施していただかなければなりません。

※詳しくは、9月6日付京都民報をご覧ください。京大病院・宮本享院長が登場。

「PCR検査拡充『提言』京大病院宮本享院長に聞く

『提言』は私たちの悲鳴 検査広げなければ地域医療守れない」

8月は感染経路不明が4割、防疫的な大規模PCR検査に踏み切るべき理由

市長は「感染経路の約7割近くまで把握していますが、最近厳しくなってきています」という認識を示したことも重要です。実は、8月の感染経路不明は41%あって、513人のうち213人に上るのです。「見えない感染経路」が4割にあたる「213」も存在しているということは大変深刻ではないでしょうか。京都市では国が定める「濃厚接触者」の枠にとどまらず、病院・福祉施設・職場・家庭については「接触の疑いのある人」全員を対象に拡大して検査がされているので、国よりも踏み込んだ対策を行っています。ところが、その京都市方式でさえも、感染を抑えきれないことが7月・8月の感染拡大が示しています。だからこそ、私は京都大学病院の提案は当然だと思うのです。

ハイリスク・集団感染対策が必要な職種への定期的PCR検査の実施を京都市でもやってください。

「抗体検査」を「医療、福祉、教育、保育、市民サービス等のリスクの高いスタッフ約2000人に2~3か月ごとに検査を繰り返し行い、感染対策に役立てていきます」とありますが、これはあくまでも過去に感染したことがあることがわかるだけであって、現在の感染者を発見する検査ではありません。つまり、この業種は感染リスクが一般より高いか低いかをはかることしかできません。今後の政策立案には役立ちますので、この京大病院の研究結果を大変期待をして待っております。が、世田谷区や千代田区で開始されるハイリスク・集団感染の心配される職種への定期的なPCR検査というものとは全く違い、ここでは京都市は遅れをとっています。まるで、千代田区や世田谷区のような取り組みをやるかのように誤解された方もおおいようです。やってほしいという期待感があるからそう誤解するのです。ですから、その気持ちをうけとめて、ぜひ京都市においても、世田谷や千代田区のように取り組んでいただきたい。

市長は記事の中で「正しい情報をわかりやすくお伝えします」と述べているのですから、対策・施策については、誤解の余地なく市民に「正しく理解」いただけるように丁寧な発信が必要と思います。その点では、もっと積極的な情報開示をしていただいて、市民が自分の頭で考え、分析できるようにしていただきたいと思います。それこそが、「正しい理解」と「協力」を広げる力になると考えます。

(更新日:2020年09月07日)