◇陳情1、2号 敬老乗車証制度の交付基準の見直し
◉とがし豊:よろしくお願いします。敬老乗車証は、昨年の9月の更新交付から本人負担が2 から3倍に値上げになりました。今年はさらに3倍から4.5の値上げが予定されており対象年齢は段階的に75歳まで引き上げられる予定で、昨年は第1段階として70歳から71歳に引き上げとなりました。敬老乗車証の交付数は実数では 2万4935人の減少。交付率では44.67%から37.67%に大幅に下落をいたしました。申請者の65%を占める負担金3000円の市民税非課税世帯は6,000円の2倍に値上げをされ、次いで多い22%を占める所得額200万円未満の世帯は5000円から1万円の2倍に値上げをされましたが、それぞれ交付率が7.6%も減少するということとになりました。今回交付を断念された高齢者の方にお話をお聞きいたしますと、「もう高くて払えない」と、「よっぽどのことがないと外出できなくなる」ということでした。また、今回なんとか申請できた117,711人の方の中にもですね、今後さらに3倍から4.5倍に値上げとなれば交付申請を諦めるとおっしゃっている方が多数いらっしゃいます。これh、社会参加を促進するとした敬老乗車証制度の趣旨に反する事態が生まれてるんじゃないかと考えますが、この認識はいかがでしょうか。
☞(答弁)健康長寿のまち京都推進室・介護ケア推進担当部長:敬老乗車証制度の見直しについてでございます。これまでからご説明もしておりますけれども、この制度につきましては昭和48年に創設されたということで、その当時、発足から50年が経過しているという状況でございます。当時に比べまして、平均寿命が11歳伸び、対象者も8万人から32万人に増加をしているということで、本制度を取り巻く社会情勢というのは大きく変化しているということでございます。また、開始当時の市税負担は3億円であったものが令和3年度では52億円になるといった状況で社会情勢の変化、それから高齢化の状況、そういった状況が非常に変わってきているといった状況でございます。こういった変化の中で、従前の制度のままでは制度が破綻する恐れがございましたことから、本市におきましては、他の政令市等が廃止、それから制度をもともとないと言った状況の中でも、本市は将来にわたって続けていくために見直しを実施するということとしまして、令和3年9月の市会において条例改正のご議決を頂戴したところでございます。社会参加を促進・支援していくという趣旨でございますけれども、社会参加につきましてはこの敬老乗車証制度を使って市バス・地下鉄等にお乗りになられる、これだけで社会参加ができるというものではございません 。徒歩で社会参加されるという場合もございますし、また、自転車と使われるといった場合で、敬老乗車証につきましては社会参加の一つのツールとしてご自身の生活スタイル、ライフスタイルに応じて使っていただくものかというふうに考えております。この負担金につきましては、先ほど議員からご紹介もありましたけれども、6割以上の方が見直し前では年額3,000円ということで月250円のご負担で乗り放題という状況になっておりましたが、受益と負担のバランス、それから世代の負担のバランス、こういったことを踏まえまして、令和5年10月以降については6割以上の方の負担金額が年間9000円と月750円でフリーパスでお乗りになれるといった制度という形になってまいります。今後ともいただいた付帯決議を踏まえまして見直しの趣旨の周知でありますとか、この令和5年10月からの敬老バス回数券等の新しい取り組み、これをしっかりと周知をしてまいって、未来に向けて引き続き続けていける敬老乗車証制度になるように、引き続き、取り組んでまいります。以上でございます。
◉とがし豊:敬老乗車証だけが社会参加ではないというふうにおっしゃるんですけれども、現実に敬老乗車証があるから買い物に出かけることができるという方いらっしゃって、本当にね、高齢者にとっては、この自転車も乗れないような状況にある中で、バスだったら安心して乗ることができるということになるわけなんで、私は間違いなくですね、この京都市が今回行った措置によって社会参加を損なわせているというふうに指摘しておきますし、この点については皆さんも否定できないと思いますが、その点はやっぱり実際しっかりと受け止めていただきたいと思います。で、今の敬老バス回数券の導入によって今後交付率が上がっていくという話があったかと思います。で、一定の負担金を支払って交付された段階になっても無料という敬老乗車証とは根本的に異なるものだというふうに考えますし、これでもってこの敬老乗車証の負担金の値上げ、あるいは年齢の引き上げによって奪われたこの市民の皆さんの足を取り戻す代替になるものではないということを指摘しておきたいと思うんです。あの敬老乗車証制度においては実際に利用した人数・頻度に応じてその総額を京都市の一般会計から交通局や民間バスなどの事業者に補助金として支払う形を取っています。敬老乗車証制度の改悪によって利用者が減少すると減収、その分の運賃収入が減少して市バス・地下鉄・民間バスの経営に直接影響が出てきます。そのため最終的にですね、今回、敬老乗車証制度改定が完了した、今から言うと8年後になるかと思いますが、単年度収支への影響について、京都市交通局は昨年12月23日の産業交通水道委員会での委員会質問への答弁として、市バス地下鉄合わせて21億円の減収になり、新たに今年から導入されたされる敬老バス回数券と現金・ICカード利用に移行する方で9億円の増収はあるものの、差し引きで12億円の減収になる見込みだという風に答弁をいたしております。で、つまり、この12億円の減収というのを片道のバス料金230円で割りますと 521万7千人の減ということになります。365日で割ると1万4000人の利用者の減となると。それだけ多くの利用者の利用の萎縮効果が出てしまうということでありますので、敬老と高齢者の社会参加を後退させるという今回の負担金の値上げ方針は撤回すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
☞(答弁)健康長寿のまち京都推進室・介護ケア推進担当部長:今回の敬老乗車証制度の見直しについてでございます。今回フリーパス証等の負担金の引き上げ等の行いますとともに、先ほどもご紹介をいたしましたけれども 敬老バス回数券等の新設というのを行ってまいります。これにつきましては、フリーパス、敬老乗車証は市バス・地下鉄等をお乗りになられないという方については、これまでから敬老乗車証をお持ちでない方もいらっしゃったかと思いますし、敬老乗車証、これまで持っていたけれども例えば今年はもらわなかったという方々については、フリーパスの負担金ほど乗らないという方がいらっしゃるかと思います。そういった方の選択の幅を広げるという意味で回数券を導入することで、あまり乗らない方の選択肢の幅を広げるという意味ではこれも社会参加の一助として敬老乗車証制度の一つの枠組みという形だと、私どもは認識をしております。交通局等の負担金というご指摘もございましたけれども、この敬老乗車証制度につきましては、既存の公共交通機関、交通局をはじめとした公共交通機関これの交通網の枠組みを利用して、それぞれの公共交通の協力を得て実施をしているものでございます。交通局への補助という形で実施しているものではございませんで、協定に基づいて決めた協定の交付金というのをお支払いをするという形になっておりまして、公共交通そのものが今後その京都市全体としてどうしていくかにつきましては、我々保健福祉局を含めて京都市全体においてそういうふうに考えて取り組んでいくことだというふうに考えておりますので、公共交通の全体の問題については、我々も交通局さんそれから都市計画局さんと関係の局とも連携をしながら引き続き取り組んでまいりますし、敬老乗車証制度につきましては、いただいた議決をしっかり踏まえつつ、また、付帯決議もしっかり踏まえながらこの 見直しというのをしっかり進めていくのが我々の責務だというふうに考えております。以上でございます。
◉とがし豊:他局ともよく協議したいという話があったんですけれども、敬老乗車証という制度が実際に果たしてきている役割っていうのを見る必要があるというふうに思うんですね。京都市内の市バス・地下鉄そして主に京都市内周辺部の交通を担う民間バス・コミュニティバスの経営を支える縁の下の力縁の下の力持ちとしての役割を果たしてきたっていうのが実際の姿です。敬老乗車証でバスに乗って地域交通が支えられ、その地域交通があるから高齢者の方が京都の様々なところで公共交通を利用して、敬老乗車証を利用して公共や民間の サービスにアクセスして生き生きと暮らす展望を見えるようにしてきたというのが実際の姿なんですね。で、これまさに今、気候危機打開、歩くまち京都の基本方針とも合致するものだというふうに考えます。そして敬老乗車証があるから、外出機会が作られ53億円の税金投入に対して507億円の経済効果が生まれているというのも、またこれも事実です。私はその意味で、敬老乗車証制度の充実など福祉の向上と成長戦略というものは軌を一にするものと確信しております。「健康長寿のまち京都推進」という理念、非常に素晴らしいものですから、その観点からぜひ各局と協力をして敬老乗車証の負担が軽くなる方向で工夫が考えられないか。今一度、保健福祉局の取り組みを求めたいと思いますが、答弁を聞いて終わりたいと思います。
☞(答弁)健康長寿のまち京都推進室・介護ケア推進担当部長:はい。地域公共交通の問題については、高齢者だけではなく、支援が必要な高齢者以外の若い方そういったいろんな方の問題かというふうに考えておりますので、地域公共交通どうするかにつきましては、先ほどご答弁も申し上げましたように、関係局と連携してどうあるべきか、というのを考えていかなければならないというふうに考えております。また経済効果のご指摘もございましたけれども、結果としてそういう経済効果があるのかもしれませんけれども、敬老乗車証制度につきましては高齢者の社会参加を支援するといったことで経済効果、それを求めた上で行っているものではございません。しっかりと見直しをさせていただきますけれども、利便性を高める見直しをこの10月から実施をしてまいります。そういったことも、今年度しっかり取り組んでまいりまして、敬老乗車証制度が将来にわたって継続していけるように引き続き取り組んでまいります。以上でございます。
◉とがし豊:あの、経済効果の話若干出ましたが、あの、私ここで紹介した趣旨というのはやっぱりね、これは高齢者に対するサービスにではありますけれども、しかし、これ自身、福祉充実させること自身が実は若い人にもプラスになっているのだと、京都で暮らしてられる方、観光に来られる方にとっても実はプラスになってるんだということが実際にあるわけなので、そういう観点からも保健福祉局として自信を持ってこの敬老乗車証の制度の負担軽くする必要があるんだという立場で頑張っていただきたいということを申しあげたかったという趣旨ですので、ぜひ受け止めていただきたいと思います。
(更新日:2023年06月09日)