2025年9月24日に開催された京都市会文教はぐくみ委員会で、民間保育園で働く方々や園長先生方から出された要望をもとに、保育現場からの声を紹介し、処遇改善と配置基準のさらなる充実を求めました。
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2025年9月24日文教はぐくみ委員会(摘録・とがし作成)民間保育園への支援と保育士の確保対策について摘録(20250929冨樫分)
■民間保育園への支援と保育士の確保対策について(とがし豊一般質問)
とがし委員:よろしくお願いします。私から民間保育園への支援と保育士の確保対策についてお聞きをいたします。先日、左京区の保育園長の皆さん、保育士会の皆さんとの懇談を超党派の議員でさせていただきました。そこで出された声を紹介しながら民間保育園の予算措置の充実と保育士確保対策についてお聞きをしたいという風に思います。左京保育士会の皆さんが行われた31園 でのアンケートを調査には153人の方が回答されたということですが、この回答の結果を拝見させていただきまして、率直に言いまして、衝撃的な結果でした。「今後も保育士として働き続けたいかどうか」という問いに、「条件が良くなれば続けたい60.7%」「辞めたい9.3%」「転職したい6%」ということで3/4の方が働き続けることに後ろ向き、あるいは、条件の改善を訴えられている、と。本当に深刻な状況で、左京区だけではないと思うんです。京都市として、こうした民間の保育園で働く皆さんの声をどのように受け止められていますでしょうか。
幼保総合支援室長:保育士の先生方、職員の処遇に関するお尋ねかと思います。本市ではこれまでからも、市の人権補助金や市独自の条例の上乗せ基準を設けて、職員の方の負担軽減あるいは子どもの処遇の充実にこれまでから勤めてきたところでございます。おっしゃっていただいているように、先生方が、大変、人材確保が困難な中で、処遇に対しても不安を持っておられるというような声は現場の園長の先生方からも、お聞しておるところでございまして、我々もこの間、制度を見直しながら、関係団体の方からの要望等も踏まえて、あるいは各園の実情を踏まえて見直しを行ってきたところでございます。例えば昨年度につきましても、保育園の課題の解消あるいは望ましい京都らしい保育のあり方、こういったものを実践につなげる観点から、平均経験年数の上限の引き上げとか、あるいは、3歳児加配の創設とかですね、これまでから処遇改善に努めてきておるところでございますし、引き続き現場の実情については把握に努めてまいりたいと思っております。
とがし委員:今ご説明あったように、京都市として努力をしてるんだ、と。高い給与水準を維持してるんだっていうのがこれまでの説明なんですけれども、今ご紹介したのはそういう対策を行った今年度に調査された結果なんですよ。深刻に受け止めなければいけないという風に思うんです。もっと思い切った処遇改善を求める切実な声がたくさんこのアンケートには詰まっておりました。これを受け止めていただきたいと思うんですね。で、保育士確保する上でも離職対策っていうのは重要で、辞めずに続けて欲しいっていうのが非常に大事なポイントとなると思いますけれども、その離職を防ぐために最も必要な改善策は何かっていうことで、複数回答で求められておりまして、「給与の引き上げ90.8%」になっています。保育現場で働く皆さんの給与水準を引き上げる措置が、必要なんじゃないかと。離職を防ぎ新しい方にこの京都の保育現場に就職いただくためにも、さらなる処遇改善が必要だと考えますが、いかがでしょうか?
幼保総合支援室長:保育の人材の確保についてまた処遇については、全国的に今、人材不足が叫ばれる中で、国においてこれまでから令和5年度には、給費の5.2%、6年度には10.7%とこれまで給付費の向上図られてきてるところでございます。一義的にはやはり、保育士全体の処遇という観点で言いますと国において責任を持たれることであろうと思いますけども、繰り返しになりますが、我々としましては、国の処遇をさらに引き上げるために、市独自で支援を継続してきているところでございます。引き続きその点については現場の実施を把握しながら、しっかり、支援には取り組んでいきたいと思っております。
とがし委員:国が 2023年に公定価格5.2%増やして、2024年10.7% 引き上げているということで処遇改善の努力をしてるんだっていう話があったんですけど、引き続きさらなる改善が必要だっていう認識は同じだと思うし、国に求めなければいけないという風に思うんです。ただ京都市の場合には、民間保育園等人件費補助金の制度において人件費の上限設定がされていて、それを上回る園については補助金が削減されるという仕組みになってしまっておりますので、国の給付費の充実っていうのがこの人件費には直接反映しないということなっしまってまして、これが保育現場が求めている処遇改善を進めてく上での足枷(あしかせ)になってしまってるんじゃないかと。ですから、この上限そのものを引き上げるっていうことを京都市としても決断しなくちゃいけないんじゃないかと思うんですけどいかがでしょうか。
幼保総合支援室長:人件費等補助金制度についてのお尋ねでございますけども、まず、そもそも人件費等補助金制度につきましては、各園で、一定の補助上限のもとで、人件費にかかる支出と収入の差額を補助する制度ということでございますので、国の給付費が、今極めての上昇している中であっては、補助金の支払いが減少するというのは、想定される状況なのかなと思っております。ただ、議員ご指摘いただきましたように実際に、人件費の給付費が上昇して人件費補助金が減って、結果として、さらに処遇を高めようとする場合に補助上限っていうものがある、ある場合には、そこに引っかかる園につきましては、やはり、議員ご指摘の通り、なかなかお支払いすることが難しいというような状況があるってことは我々も承知しております。そういった声も踏まえまして、この間の状況も踏まえまして、令和6年度においては、先ほど申し上げましたように、経験年数を20年以上に引き上げるとか、3歳児加配の創設とか、補助上限に拡充と言いますか、上昇につがるような見直し、こういったものにも取り組んできたところでございます。引き続き、各園のご要望等も踏まえながら、そういったものを、必要な対応については検討してまいりたいという風に考えております。
とがし委員:保育現場の職種ごとの上限、基準額と言いますか、上限額っていうのが、物価が上がってるにもかわらずそれがやっぱり上げられてないっていうのが問題だと思いますし、この間急激な物価上昇が起こっている中で、やっぱり賃上げっていうのが本当に差し迫った問題になってきていて、4分の3の方が改善されなければやめていくかもしれないっていう、裏返して言うと。で、逆に言うと、処遇改善すれば今こうやってこう辞めることっていうのを視野に入れてる方が「いや、やっぱり続けていこうかな」と思っていただける環境ができるんじゃないかと。で、先輩の保育士さんあるいは調理士さん、事務職員さん、様々な職種の方が希望を持って来年も再来年もいや、ずっとこの保育園に働き続けたいという風になっているようなところであったればこそ新しい方も、ここの保育園に就職したいなという風に 思っていけるという風に思うんです。その根幹をなすこの人件費等補助金制度の中心と言ってもいいというのがこの単価の設定であるという風に思いますので、この改善っていうのは本当に真剣に考えていただきたいという風に求めておきます。
とがし委員:京都市としても給与面以外の支援っていうことで、保育士さん等のこの住宅の借上げの支援だとか様々取り組まれていますけれども、またこれもですね、家賃補助制度に切り替えるだとか、もっと柔軟なものにしていくだとか。あるいは、神戸市さんなんかでは、何年目でいくらということで総額 170万円でしたかね、支援していくとか、いろんな形で、給与面以外でのサポートとかもされているので、そういった他都市の状況なんかも含めまして、本当に 総合的に保育現場でこの京都で働き続けるという環境を整えていただきたいとこと。これは要望しておきます。
とがし委員:それで職員の配置数につきましても、切実な要望が寄せられておりました。京都市では国基準に上乗せして、条例に基づく、配置を強化するということもされていますし、そこに補助金による予算措置による上乗せもしてるということで、この点では一緒に努力をしてきているところです。ただ現場からはどんな声が出されているかというと、さらに充実してほしいと。で、保育士会からの要望をちょっと見てみますと、フリーで自由に動けるような立場の職員さんの確保っていうのが必要だという要望があります。急な休みだとかある重大な事態が起こった時にやっぱり臨気応変に対応できるっていう体制がいるっていうことだと思います。で、それから園長会の方からは、先生方からは「実利用数」ではなくて、「利用定員」までの加配っていうのが要望されておりました。途中入だとかも含めて希望者を途中から入れるということを考えた時に、定員に余裕がなければ当然受け入れられませんし、余裕がない場合は人を増やして対応しなければいけませんけれども、ま、その点で言ったら、利用定員というものに対する、職員の確保ということであれば、見通しを持って年度 当初から職員さんを採用することができるっていうことで職員確保もしやすいので はないかと。で、あるいはこう、今ちょっとこう保育園の先生とか体制の関係で難しいから、受け入れることできないんだっていうことで、断られ るっていうことも、途中入所希望される方で、そういう方の安心にも断らずに きちんとあの、速やかに入れるっていうことで、え、安心して子育て できるっていうことにもつがるんではない かと思いますけれども、こうした定員、職員の定員ですね、配置基 君についての改善について、ま、こうした行為についてどうお伺いでしょうか。
幼保総合支援室長:ご紹介いただいたあの部分ですね、条例において、基準を上回る、国基準を上回るってあの職員を配置できるような、条例を設定しているとかですね。あるいは、あのおっしゃっていただいたように3歳児加配や、あるいは、1歳8ヶ月加配など、別の加配においても補助金を加算ができるような制度っていうものを設けております。また、こういったあの取り組み以外にも、今年度につきましてはICT化の推進といった形で、物的な環境も含めてですね、保育士の方が、現場の負担軽減になるような 取り組みというものも行っておるところでございます。引き続き、現場の状況を見据えながらですね、対応は考えて いきたいと思っております。また、利用定員についてのお尋ねもございましたけども、現在、大きく児童数が減少している中で、やはり利用定員と実働数の乖離っていうのは現場において、深刻な課題やと思っております。で、その点につきましては、利用定員に対して職員を配置するのではなくて、児童数に合わせて利用を見直していくというような形での見直しが適切と我々考えておりますんで、そういった方向で、ルールの運用も含めてですね、取り組んでまいりたいという風に考えております。
とがし委員:ぜひ、改善については求めておきたいんですが、最後に、障害児加算・補助制度についてちょっとお聞きしたいんですけど 、今ですね、障害の状況に応じて5つの区分に分かれております。けれども、これやっぱり、それぞれお子さんの特性に応じて非常に決め細やかな対応が必要になってくるし、専門的な対応も必要になってくるということで、やはりこうそれなりに経験ある職員も含めてしっかりこうあって、そこに人を当てなければならないということがあります。ただ現実にはこれ、0.2人分の下配とかいうこととかで配置されましても、あの0.2っていう採用できませんので、現実にはやっぱり、そこの部分で非常に苦しいということで、気になる子、お子さんが、入園される見込みだっていうことで一定額補助するっていう新しい措置も取られたりはしておりますけれども、ただやっぱりそれでも非常に厳しいっていうのが現場から出されている実情の声です。一層の充実をしていただかなければ、この障害児の受け入れっていうのはなかなか困難であるということで、保育園の園長先生なんかはその入園を希望された方があったにもかわらず、体制が取れてないっていうことで泣く泣く受け入れることできないっていうことで、待機っていうことをお願いせずら得ないというケースなんかもあったという風にお聞きしております。その点で言うと、この間の改善はあったんですけれども、さらに現場の実情を踏まえてさらなる改善っていうのを考える必要あると思いますけど、いかがでしょうか?
幼保総合支援室長:障害児保育についての支援の充実についてのお尋ねでございます。今先生ご紹介いただきましたように 、昨年度においても、障害の認定区分の申請を行った園に対しては、非常勤職員1人分の補助上限の引き上げを図るなど、単価の充実も含めてこれまで取り組んできたところでございます。 障害児保育に関しては、各現場の園長先生からも、確かに区分と実態というものに対して、負担の程度も含めて、いろんな声をお聞きして いるところでございますし、やはり障害のある子どもが、保育所の中で健やかに育つ環境 整備ということは極めて重要な取り組みだと思っておりますので、引き続き現場の実態を把握して必要な支援は行ってまいりたいという風に考えております。
(以上)
(更新日:2025年09月30日)