活動日誌・お知らせ

■請願第396号「すべての子どもたちに行き届いた教育の実現」について とがし豊

私は最終の本会議で日本共産党を代表して討論にたち、少人数学級や中学校給食の改善等を求めるこの請願の採択を主張しましたが、他会派の反対で不採択となりました。討論では、深刻な不登校増に対し「30人以下学級」で教員と子どもが向き合う環境作りや、学校調理方式による豊かな食育、教育無償化の必要性を切実に訴えました。市民の願いに背を向ける不採択という結果は非常に悔しいですが、すべての子どもに行き届いた教育を実現するため、今後も全力で取り組みます。

請願第396号「すべての子どもたちに行き届いた教育の実現」について~とがし豊本会議討論より~

日本共産党京都市会議員団は請願第396号「すべての子どもたちに行き届いた教育の実現」を求める請願の不採択に反対し、採択すべきという態度を表明しておりますので、その理由を述べます。

まず、小学校・中学校・高校の全学年における30人以下学級の早期実現についてです。

現在、30日以上の不登校の児童生徒数は京都市内で3,308人と深刻な規模に達しており、もはや現在の学校環境は子どもたちにとって限界を迎えています。その限界の一つが現状の学級規模です。文部科学省が12月に公表した調査でも、学級規模が大きいほど精神的健康や人間関係、学力向上に負の影響を与え、その悪影響は年々蓄積されることが指摘されています。教育委員会自身も小人数教育の効果を認めており、本市会においても2020年10月27日に「義務教育における30人学級の推進を求める意見書」が全会一致で可決されています。

30人以下学級が実現すればどんな風景が広がるでしょうか。

例えば35人の学年は、学級が二つに分割され18人程度のクラスに、70人の学年は現状2クラス・35人学級から3クラス・23人学級の編成に改善されます。93人の学年は3クラス31人学級から4クラス23人学級の編成へと改善されます。コロナ禍の分散登校時のような、教員と子どもがゆとりを持って向き合える環境がつくれます。費用面でも、少子化の影響もあり、全学年なら50億円で可能であり、小学校低学年のみであれば1学年3億円~4億円程度で実施可能です。かつて40人学級時代に、国待ちにならずに独自で35人学級を断行した京都市の気概を今こそ発揮し、新潟市のような32人学級といった柔軟な工夫も含め、まずは低学年からでも踏み出すべきです。

次に、全員制中学校給食の自校・親子方式での実施についてです。

小学校や小中一貫校で実績のある「学校調理方式」による豊かな食育を、すべての中学生に等しく保障すべきです。京都市は「敷地の制約」を理由に挙げますが、1980年と比較して小学生は13万4千人から6万1千人へ、中学生は5万8千人から3万4千人へと、児童生徒数は合計で約9万7千万人も減少してしまいました。工夫をすれば、親子方式を含め、既存の学校施設内に調理スペースを確保する余地は十分にあるはずです。開発資本の利益のためには市長権限で規制を緩和する一方で、食育という公益目的のための都市計画変更や特例措置を認めないのは、極めて不自然な姿勢です。子どもたちに最善の食育環境を整える本請願の主張は全くその通りです。

次に、学校施設における空調整備およびトイレの洋式化についてです。

これは京都市としても努力しているところでありますが、空調の整備やトイレの洋式化については道半ばであり、本請願を採択し、市会の意志として示すことに意義があるのではないでしょうか。

最後に、教育の無償化についてです。

高校においては授業料のみならずタブレット端末も含めた保護者世帯の負担の軽減、とりわけ、義務教育である小中学校における副教材費なども含め本人・保護者の負担がなくしていくより一層の努力がいるのではないしょうか。

以上、ご説明いたしました通り、これらの請願項目は一つ一つ切実な課題であり、早急な改善が求められています。この請願にご賛同いただきますことを心から呼びかけて討論とします。

(更新日:2026年03月24日)

理事者報告(1)京都府労働委員会命令の不履行を理由とする損害賠償請求事件(差戻審)の判決言渡しと今後の対応について|2026年3月16日文教はぐくみ委員会

2026年3月16日京都市会文教はぐくみ委員会

理事者報告 京都府労働委員会命令の不履行を理由とする損害賠償請求事件(差戻審)の判決言渡しと今後の対応について

3月17日の判決を前に、敗訴した場合に備えて当局より、「京都府労働委員会命令の不履行を理由とする損害賠償請求事件(差戻審)の判決言渡しと今後の対応について」の報告があり、それを受け質疑を行いました。自民党、共産党(私)、無所属の3人の委員からの質疑がありました。当局の説明と併せ、以下ご紹介します。


子ども若者未来部長による説明

それでは、お手元の文教はぐくみ委員会資料に基づきましてご説明させていただきます。資料1ページをご覧ください。

令和5年2月、全国福祉保育労働組合京都地方本部(以下「福保労」)が本市を相手として、京都府労働委員会命令を履行せず団体交渉に応じないことを理由に損害賠償を求め提訴していた本件事件につきまして、京都地方裁判所における審理が終了し、判決言渡しが行われます。今後の対応等についてご報告させていただきます。

1、判決言渡し日時につきましては、令和8年3月17日15時30分の予定でございます。

2、事案の概要でございます。

(1)児童館・学童保育所等の職員が組合員として加入している福保労からの団体交渉の申入れを本市が拒否したことについて、福保労はこれを労働組合法第7条第2号の不当労働行為に該当するとして、京都府労働委員会(以下「労働委員会」)に対して救済申立てを行い、令和4年6月1日付で労働委員会から命令書が交付されました。

(2)本件命令の内容は、福保労のうち京都市学童保育所管理委員会(以下「管理委員会」)が雇用する組合員に係る賃金体系の見直し等については、本市は福保労との団体交渉に応じなければならないとするものです。

一方、児童館等に勤務する組合員のうち管理委員会以外の団体が雇用する組合員については、本市は労働組合法第7条第2号における使用者に当たるとはいえず、団体交渉申入れ等を求める申立ては却下するというものでございます。

(3)本市は上記(2)を、福保労は上記(1)をそれぞれ不服として、本件命令の一部取消しを求め、令和4年6月28日付及び同年7月14日付で京都地方裁判所へ訴えを提起し、両訴訟は京都地方裁判所において併合審理が行われました。

この件とは別の訴訟である救済命令取消訴訟として、令和7年7月24日に京都地方裁判所で労働委員会の命令どおりとする本市一部敗訴の判決があり、本市と福保労双方が控訴し、現在大阪高等裁判所において係争中でございます。

(4)本市はその後の福保労からの団体交渉申入れに対しては、別の訴訟が係争中であることを理由に応じておりません。

(5)福保労は、本市が労働委員会の本件命令に従わず団体交渉に応じないため、本市に対して280万円の損害賠償を求め、令和5年2月1日付で京都地方裁判所へ訴えを提起しました。

(6)令和5年12月8日、京都地方裁判所から本市に30万円の損害賠償を命じる判決があり、令和5年12月20日に本市は大阪高等裁判所に控訴しました。

(7)令和7年2月21日、大阪高等裁判所において判決言渡しがあり、原判決が取り消され、京都地方裁判所へ差し戻しとなりました。

冒頭申し上げましたとおり、令和8年3月17日に京都地方裁判所において判決言渡しが行われる予定となっております。

3、本市の今後の対応についてでございます。

判決において本市敗訴となった場合は、高裁理由にもありますとおり、別の救済命令取消訴訟において現在大阪高等裁判所で本市の使用者性等について係争中である中、福保労に対する損害を認める京都地方裁判所の判断を容認できないことから控訴を提起する方針としております。

また、控訴に係る対応といたしまして、損害額が50万円を超える場合につきましては議会の議決が必要となり、損害額が50万円以下の場合につきましては地方自治法第180条第1項の規定による市長専決事項に該当することから、市長専決で控訴したいと考えております。

なお、次のページに参考として訴訟の経過を掲載しております。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。


森田守議員(自民党)の質疑

森田委員
よろしくお願いします。この件もだいぶ長引いてまいりましたので確認したいと思います。判決が明日17日に予定されているとのことですが、まず初めに確認しておきたいのが、差し戻し前の京都地裁の損害賠償請求事件の判決内容がどういうものだったのか、ご説明願いたいと思います。

子ども若者未来部長
差し戻し前の判決内容ですが、令和5年12月8日に京都地方裁判所の判決がございました。主な内容といたしましては、京都府労働委員会の救済命令が発せられたことのみをもって、本市が副労との関係において労働組合法上の使用者であることを確定的に認めることまで意味するものではないこと、そして救済命令に従わないことをもって直ちに副労側の団体交渉を求める権利を侵害するものではないことが示されました。

一方で、本市と副労との関係においては、団体交渉という呼称で協議する機会が約30年間にわたって持たれてきたことを理由として、本市が副労と団体交渉に応じることに対する副労側の期待は合理的なものであり、司法上の保護に値する利益であると言うべきであり、本市が団体交渉に応じないことはこの利益の侵害に当たると判断されました。

そして国家賠償法に基づく損害賠償としては、現福保側の280万円の請求に対し、副労関係の3団体に対して各30万円の支払いを命じたものでございます。

森田委員
ありがとうございます。合理的期待ということですが、以前我が会派の寺田委員もこの件についてさまざま議論しました。京都市としては争ったわけですが、京都地裁から差し戻しということになりました。大阪高裁はどのような理由で差し戻したのか、この点についても確認したいと思います。

子ども若者未来部長
大阪高裁による差し戻しの理由ですが、大阪高裁においては、団体交渉の申し入れに応じていないことが国家賠償法上違法であると認められるためには、本市が申し入れに応じないことによって副労のいかなる私法上の権利が侵害されたかという点が認定される必要があるとされました。

その審理においては、本市が労働組合法上の使用者に当たるかどうか、またこれまでの協議が労働組合法上の団体交渉に該当するかを含め、双方が主張立証を行うべきところ、その手続が十分に行われておらず、原審における訴訟は弁論主義に違反して違法であるとの内容が示されました。

そして原判決には手続上の違法があり、さらに審理を尽くさせる必要があることから、原判決を取り消し、京都地方裁判所へ差し戻すとの判断となったものでございます。

森田委員
今の説明のとおり、京都市の労働組合法上の使用者性、それからこれまでの協議が労働組合法上の団体交渉に該当するかといった点が争点になったということでした。この差し戻し審でどのような審理があり、本市がどのような主張をしてきたのか伺います。

子ども若者未来部長
差し戻し審での本市の主張ですが、本市及び組合が提出した準備書面を基に審理が行われ、令和7年12月に口頭弁論が行われました。裁判所からは、それをもって主張が尽くされているとして、令和8年3月17日に判決を言い渡すとの宣言がございました。なお、関連訴訟である救済命令取消訴訟については、令和7年7月24日に京都地裁の同じ部において、本市に管理委員会に対する使用者性があるとして一部敗訴の判決が出ております。本市はこれまで一貫して、児童館事業について算定基準を定め委託料を支払っているが、職員の賃金を決定し、その財源を確保して支払う責任は運営団体自身にあり、本市は運営団体に雇用されている職員の労働条件を決定または支配する立場にはないことを主張してまいりました。また、遅くとも平成21年4月には管理委員会との間にあった特別な事情が解消されており、それ以降に組合との間で実施してきたものはあくまで協議の場という実務上の関係に過ぎず、法的義務を伴う団体交渉ではないと主張してきたところでございます。

森田委員
運営団体の職員に対する本市の使用者性については、別訴訟である救済命令取消訴訟の控訴審でも争っているところですが、この取消訴訟の地裁判決がどのようなものだったのか確認させてください。

子ども若者未来部長
7月24日にあった取消訴訟の地裁判決の内容ですが、まず児童館等に勤務する組合員のうち、京都市学童保育所管理委員会以外の団体が雇用する組合員について、本市が労働組合法上の使用者に当たるかという論点と、管理委員会が雇用する組合員について本市が労働組合法上の使用者に当たるかという二つの論点がございました。まず管理委員会以外の団体については、市が各運営団体の賃金について実質的に支配し決定してきた事情は認められず、使用者に当たるとはいえないと判断されました。次に管理委員会についてですが、管理委員会は公設学童クラブの管理及び運営を目的とする団体であり、その目的に従って公設学童クラブの運営を行う以上、利用料収入のほかは市からの委託料及び補助金に依存せざるを得ないこと、また市は以前、管理委員会が雇用する組合員との団体交渉に応じていたことから、自ら労働組合法上の使用者性を認めていたと評価できることが挙げられました。さらに管理委員会には形式的な賃金決定の裁量があるとはいえ、実際には職員の賃金決定には市の強い影響力が及んでおり、その後の事情の変化によっても市と管理委員会との特有の関係が根本的に変更されたと評価することはできないとして、本市に使用者性を認める判断がなされています。本市としては、平成元年以降、管理委員会の事務所を市外に移転し、本市職員の兼務も解消するとともに、従来どおり管理委員会の職員の賃金を市が支給する必要はない旨の説明を行うようになり、管理委員会の独立性を疑わせる事情は解消したと考えておりますが、地裁判決ではこれらが使用者性の判断において適切に評価されていないことから、大阪高裁に控訴し、現在係争中でございます。

森田委員
管理委員会に対する本市の使用者性を認める地裁判決となっていますので、この判決内容を踏まえると、差し戻し審で扱われる賠償請求の判決も厳しくなるのではないかと考えられますが、見通しについて説明してください。

子ども若者未来部長
今回の訴訟の見通しですが、議員ご指摘のとおり、取消訴訟の地裁判決を踏まえますと、損害賠償訴訟の差し戻し審においては、管理委員会に対する本市の使用者性を認めた上での判断となることが予想されます。その場合、単なる団体交渉への期待に対する損害賠償ではなく、明確な団体交渉に応じる義務を拒否したことによる損害として認定され、より厳しい損害の支払いを命じられる可能性もあると考えております。本市敗訴となった場合については、控訴して引き続き争っていく考えでございます。

森田委員
仮に管理委員会に対する本市の使用者性を認めた場合、どのような影響が出てくるのか伺います。

子ども若者未来部長
管理委員会に対する本市の使用者性を認めた場合の影響ですが、その場合、過去の状況が改善されているにもかかわらず、30年前と同様に将来にわたって管理委員会の組合員との団体交渉に応じなければならないことになります。また交渉が不調に終われば、労働委員会への救済申立てや訴訟も可能となり、これらへの対応という負担が残るとの認識でございます。さらに本市では、管理委員会以外の運営団体と同条件で学童保育所の運営委託を行っている中で、管理委員会の組合員のみに本市の使用者性を認め団体交渉に応じることは、運営団体の公募の際などにおいて他の運営団体との公平性を欠くのではないかという認識でございます。また、管理委員会に特別な事情が認められたとしても、同様に委託契約を行っている他の分野や他の自治体にも影響を及ぼしかねないとも認識しております。

森田委員
分かりました。控訴する場合には、本市の主張が認められるよう取り組んでいただきたいと思います。本市の弁護団の体制について確認させてください。

子ども若者未来部長
議会からの指摘も踏まえ、令和4年の訴訟開始以降、労働紛争を多数担当されている弁護士を1名増員し、2名体制で対応しております。今後も2名の弁護士と連携して訴訟を行ってまいりたいと考えております。

森田委員
分かりました。訴訟には毅然とした態度で臨んでいただきたいと思います。それから、児童館等の現場で働く職員の労働環境についても、より良くしていくことが重要だと思います。事業実施主体である行政として、今後も事業の安定的な運営と人材確保に向けた支援を行っていく必要があると思いますが、その点も含めて最後に京都市の考えを述べてください。

子ども若者未来部長
訴訟については、引き続き本市の主張を立証していく決意でございます。一方で、学童クラブ事業においてより良い支援を行うためには、働く職員の勤務条件の改善が重要であり、運営団体や職員の方々から声を聞く必要があると考えております。このため、労働組合法上の団体交渉ではありませんが、現在働く職員の皆様、福祉保育労働組合も含めて意見を伺う協議の場を設けているところです。また、国の補助基準改定等に合わせて委託料の算定基準を改定することにより、運営団体において質の高い職員を確保できるよう委託料の確保に努めてまいりました。令和8年度についても人件費単価の引き上げなど委託料算定基準の見直しを行っており、今後も国にさらなる財政支援の充実を要望しつつ、事業の充実に努めてまいりたいと考えております。

とがし豊委員(共産)の質疑

まず、京都市は労働組合との団体交渉に応じるべきだという労働委員会の命令が出たにもかかわらず、その命令を不服として団体交渉拒否をされており、その不当が問われて現在の訴訟が争われているということであります。まず、この労働委員会の命令に従わない根拠とされているこの訴訟そのものの正当性について確認をしたいと思います。救済命令訴訟についてです。この控訴を行うかどうかの議論がされた昨年7月特別会での議案審査の際に、京都市がこの30年間にわたる労働組合との団体交渉に応じて妥結もしてきたこと、その都度すべての職場にその妥結の結果を遡及していくという措置も図ってきたという実態についてやり取りさせていただき、答弁でも明らかとなりました。この積み重ねを全く無視して、突然令和2年に通知を出して、労働組合との長年の妥結で積み上げてきた事項を反故にするというのは許されないのではないかと思います。そのような不利益な変更を行うのであれば、それこそ労働組合と団体交渉すべきであったのではないかと考えますが、この点について確認したいと思います。

子ども若者未来部長

管理委員会につきましては、平成元年当時、市職員が管理委員会の事務に従事していたこと、また管理委員会自体が市の庁舎にあったこと、過去に本市の関与があったことを受け、本市が団体交渉に応じてきたという状況です。しかしながら、平成21年に本市の管理委員会の委員の就任がなくなり、本市と管理委員会との関係は解消されました。過去からの経過を踏襲し、団体交渉という名称のまま協議を行ってきたということです。現在においては雇用の事情は解消していることから、直接の雇用関係にはないということで団体交渉に応じるべきではないという立場で裁判を継続しています。平成21年度の時点で整理していれば、このような形にはならなかったのではないかと考えています。

とがし委員

交渉という名称を使っていたとおっしゃいましたが、妥結という言葉も使っておられましたよね。その点だけ確認します。

子ども若者未来部長

今すぐその部分について分からないところもありますが、当時の状況として団体交渉と妥結という言い方を使っていたというのは事実だと考えています。

とがし委員

それは明確に言っているんです。団体交渉と呼んでいたというより、名実ともに団体交渉だと考えていたからそう言っていたわけです。京都市の内部文書でも団体交渉や妥結という言葉を使っておられました。また、労働委員会の審問の際に京都市の元現場職員の方が証言されており、これは隠しようのない事実です。それを「呼んでいた」という曖昧な表現にされるのはおかしいと思います。労働団体交渉を行っていたのですから、素直に認める必要があると思います。それを突然やらなくてよいようにするということで出されたのが令和2年の通知であり、これは大きな不利益変更だったのではないかと思います。その結果として労働委員会への救済申立てがされたのは当然のことだと思います。私は団体交渉に応じるべきだと思います。その上で、今回の訴訟についてですが、地裁判決が高裁で差し戻しとなり、現在は明日判決という状況です。京都市に不利な判決であっても、素直に受け入れるべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。

子ども若者未来部長

明日の判決についてはどうなるか分かりませんが、仮に本市が敗訴になった場合でも、現在、本体となる救済命令取消訴訟については議決をいただき大阪高裁に控訴しています。その状況の中で、今回損害を認める京都地裁の判決については容認できないと考えています。

とがし委員

これまでの答弁を見ると、京都市当局自身は京都府労働委員会の命令は有効だが、訴訟をしているから団体交渉はできないという説明をされていると思います。しかし、訴訟を行うにしても交渉に応じながら争うという方法もあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

子ども若者未来部長

労働委員会からの救済命令についてのご指摘だと思いますが、救済命令は発出時から効力が生じるものと認識しています。ただし不服申立ての機会があり、本市は救済命令取消訴訟を提起しています。したがって救済命令は確定しておらず、団体交渉に応じないことが直ちに組合の司法上の権利を侵害した違法とは言えないと考えています。また、損害賠償請求訴訟における前回の京都地裁判決でも、救済命令は本市が方法の義務を負うものの、これにより直ちに組合が団体交渉を求める司法上の権利が認められるものではないとされています。そのため、確定していない救済命令に従わなくても違法ではないと考えています。


井﨑敦子委員(無所属)の質疑

よろしくお願いします。保育・学童保育制度の拡充を求める請願も同時期に出ており、その質疑の中で京都市は政令市の中で最も高い委託料を払っているという答弁があったと思います。団体交渉が止まって以降、現場で働く人たちの声はどのような形で聞いてこられているのでしょうか。

子ども若者未来部長

個別に児童館から聞くこともありますし、全体については所長会などの場面で聞いています。また保護者からも、団体交渉という位置付けではありませんが、毎年要望を聞いています。

井﨑委員

所長などから上がってくる声と、現場で働く方からの要望はやはり違ってくると思います。要望書が出ている場合は請願などになりますが、団体交渉は働く人にとって保障された大事な権利です。私自身もパートで障害者施設で働いていたとき、団体交渉を申し入れた経験がありますが、使用者側が圧倒的に強かったという体験があります。どれだけ要望しても使用者側が強い状況はありましたが、訴訟にまで飛躍することはありませんでした。その限られた中でも処遇改善だけでなく、利用者や子どもたちの環境をどう良くするかといったことも団体交渉の中で議論される大切な内容だと思います。これ以上、何度も労働者側の権利が認められている問題について税金を使った控訴は控えていただきたいということをお願いして、終わります。

(更新日:2026年03月22日)

請願396号 全ての子供たちに行き届いた教育の実現(2026年3月16日京都市会文教はぐくみ委員会)

紹介議員による趣旨説明

玉本なるみ委員(紹介議員)
紹介議員として、趣旨の説明をさせていただきます。
請願者から趣旨説明を預かっておりますので、代読して説明いたします。

全国で不登校児童生徒が増え続けています。京都市としても同様に高止まりの状況が続いています。
何よりも子どもたちに丁寧に寄り添うことが強く求められています。

しかし、学校現場では病休に入る教員が後を絶ちません。育休・産休の代替がなかなか配置されない実態もあります。
学校内のやりくりで現場は疲弊しています。

また、時間外勤務の問題もなかなか改善せず、教職員も苦しんでいます。
子どもたちの心身の状況に寄り添い、丁寧な教育活動を行うためには、教職員を増やすこと、小人数学級にすることが必要です。

現在、各学校には非常勤講師・非常勤職員が多数配置されるようになってきました。
しかし、担任が密に連絡を取ろうとしても、非常勤では時間の確保が難しく、結果として時間外勤務を助長することになります。

子どもたちにしっかり関われるようにするためには、正規の教職員を増やすことが不可欠です。

育児短時間勤務を取りながら学級担任をしている教員が、月50時間もの長時間勤務となり、育児部分休業に変更して担任を続けることを選択した例もあります。
これも教員が十分に配置されていないことの現れです。

それぞれが教育の意義を感じ、懸命に子どもたちと向き合っています。

学校設備についても、体育館へのエアコン設置やトイレの洋式化など、行政が責任を持つべき課題は多くあります。
すぐに対応できないこともあるとは思いますが、何よりも子どもに直接関わる教職員の増員を強くお願いしたいと思います。

子ども基本法が施行され、子どもの声を聞き取り、学校づくりに反映させることが行政の重要な役割となっています。
教職員の悲鳴、不登校となっている子どもたちの声を受け止め、学校が本来の役割を果たせるよう、教育条件の整備をお願いします。

本請願には3094筆の署名が添えられています。
ぜひ重く受け止めていただき、ご議論いただきますようお願いいたします。以上です。


当局説明

教育委員会総務部長

それでは、請願第396号についてご説明いたします。

まず、小学校・中学校・高等学校の全学年における30人以下学級の早期実現についてです。

本市では、中学校3年生において30人学級を独自予算で実施しているほか、高等学校においても教育活動の特色を踏まえ、法定基準を上回る教員配置を行うなど、小人数教育の推進に取り組んでおります。

しかしながら、教職員定数の改善は教育施策の根幹であり、本来は国の責務として実施されるべきものと考えております。

この認識のもと、本市独自の取り組みに加え、指定都市市長会や指定都市教育委員会協議会を通じて、小中学校における35人学級の実現や、さらなる定数改善について要望を重ねてまいりました。

その結果、令和3年度から約40年ぶりに学級編成標準が引き下げられ、小学校での35人学級が段階的に実施され、令和7年度に小学校6年生まで完了いたしました。

さらに令和6年12月には、令和8年度から中学校での35人学級実施が示され、令和8年度予算案には中学1年生分の経費が計上されています。

今後も国の動向を注視しつつ、小人数学級の取り組みを推進してまいります。

なお、本市独自で小中全学年に30人学級を導入する場合、毎年度約50億円の予算が必要となります。
また、教員不足をさらに深刻化させる恐れもあり、現状では現実的ではないと考えています。


次に、全員制中学校給食の自校方式・親子方式での実施についてでございます。

本市では、全員制中学校給食の実施に向け、これまで検討を進めてまいりました。専門の調査会社による調査や、学識経験者、PTA代表等からなる検討会議での議論、また議会からのご意見も踏まえ、給食センター方式を中心に、一部民間調理場も取り入れる形で、令和10年度の夏休みから全市一斉に開始することといたしました。

その中核となる給食センター整備事業につきましては、令和6年11月にPFI法に基づく債務負担行為を設定し、また令和7年10月には市会において株式会社みやこの学校給食サービスとの事業契約締結をご議決いただき、現在、給食センターの設計を進めているとともに、各中学校における配膳室の改修工事に向けた現地調査および設計を進めているところでございます。

請願にございます自校調理方式につきましては、これまでの検討の中で、約9割以上の中学校において校内に給食調理室を整備する敷地の確保が困難であることが判明しております。

また、親子調理方式につきましても、約7割以上の中学校において、小学校の調理能力の限界により必要な食数を調理できないことが明らかとなっております。

このように、実現可能性も含めて総合的に比較検討した結果、給食センター方式を採用したものであり、今後、一部の中学校にのみ自校方式や親子方式を導入する予定はございません。

引き続き、高度な衛生管理やきめ細かなアレルギー対応、全員制実施が可能であり、スケジュール面やコスト面でもメリットの大きい給食センター方式の利点を最大限活用しつつ、本市がこれまで積み上げてまいりました小学校給食や選択制中学校給食のノウハウを生かし、安全・安心はもとより、だしにこだわった和食や手作りを重視した調理、地域食材の活用など、季節感や京都の食文化が感じられる給食の実現に取り組んでまいります。


次に、学校施設における空調整備およびトイレの洋式化についてでございます。

小中学校の空調整備につきましては、平成16年度から17年度に中学校、平成18年度にPFI方式により小学校の普通教室への設置を完了し、全国に先駆けて整備を進めてまいりました。

特別教室につきましても、平成25年度に音楽室、図書室、コンピュータ教室への設置を完了し、その後も整備を進めた結果、設置率は80.5%となり、国や京都府の平均を上回り、指定都市の中でも上位に位置しております。

一方で、普通教室の空調設備は設置から約20年が経過し、老朽化が進んでおります。さらに近年の猛暑や換気を伴う運用により設備への負荷が増加し、不具合の発生も増えている状況です。

今後、教育活動への影響が生じる前に更新を進めるため、PFI方式による大規模更新に向けた事業者公募・選定手続きなどを進めてまいります。

体育館の空調につきましては、これまでは立地条件により通風が確保できない場合などに限って設置してきましたが、近年の猛暑や避難所としての役割を踏まえ、その必要性が高まっていると認識しております。

国の交付金制度も創設されたことから、令和8年度から令和15年度までを目途に、空調未設置の体育館および武道場への設置を進めてまいります。

まず、令和10年度までの3年間で中学校・高等学校等を先行整備し、その後小学校についても前倒しを含めて整備を進めてまいります。

学校トイレにつきましては、安全で快適な教育環境に不可欠であるとの認識のもと、老朽化対策やバリアフリー、感染症対策、避難所機能の向上などを踏まえて整備を進めてまいりました。

特に洋式化については重要課題として取り組み、令和元年度末に洋式化率60%を達成し、その後も向上を進め、令和7年度末には76.6%に達する見込みです。

現在残っている和式トイレのうち、普通教室付近や体育館など使用頻度・防災上重要な箇所については、令和10年度末までに原則すべて洋式化する計画です。


最後に教育の無償化についてでございます。

小学校給食につきましては、国の交付金制度を活用し、令和8年度から無償化を実施するための予算を計上しております。

市立高校の学習用端末については、国のGIGAスクール構想の対象外であるため保護者負担としておりますが、令和4年度から新入生を対象に補助制度を実施しております。

具体的には、住民税非課税世帯には上限4万円、年収約472万円未満の世帯には上限2万円として、端末購入費の3分の2を補助しております。

また、教材費については、教育効果と保護者負担のバランスに配慮するよう各学校に働きかけておりますが、完全無償化には多額の財源が必要であり、現状では困難です。

一方で、デジタル教材やアプリの活用による代替など、負担軽減に向けた取り組みを進めており、今後も保護者負担の軽減に努めてまいります。以上でございます。


請願審査

とがし委員

まず、30人学級についてですが、予算の質疑でも小人数学級について質問させていただきました。
先ほどの説明では、全学年で30人学級を実施する場合、約50億円が必要とのことでしたが、学年ごとではどの程度になるのか教えていただきたいと思います。

特に、小学校1年生・2年生については、京都市は以前、40人学級の編成基準の中で35人学級を先行実施していました。同様に、小学校1・2年生のみ30人学級を実施する場合、どの程度の費用になるのかご説明ください。


教育委員会総務部長

先ほど申し上げた50億円は、令和8年度から小学校1年生から中学校3年生まで、すべてで導入した場合の費用です。

小学校のみで、正規教員を配置した場合は約23億円です。これを単純に6学年で割ると、1学年あたり約4億円弱となります。


とがし委員

ありがとうございます。
ただ、小学校1・2年生は特に児童数の減少が進んでいると感じていますし、保育園や幼稚園からの接続学年でもあります。

より丁寧な指導が必要な学年として、重点的に30人学級を導入する考え方については、どのようにお考えでしょうか。


教育委員会総務部長

小人数教育については、京都市としても全国に先駆けて取り組んできましたし、その教育効果も認識しています。

ただし、学級編成基準については、まず国において措置されるべきものと考えています。
財政的にも市単独での対応は難しいため、現在進んでいる35人学級の流れの先に、国での対応を期待しています。


とがし委員

しかし、財政状況が変わってきている中で、今こそ教育に投資すべきではないかと思います。

不登校児童生徒の増加もあり、学校全体が厳しい状況にあります。
教員と子どもが丁寧に向き合える時間を確保することが重要です。

35人学級と20人規模では、コミュニケーションの質が大きく異なります。
実際に現場でも差があると感じています。

少なくとも35人学級の解消など、一歩でも前進する取り組みが必要ではないでしょうか。
国への要望だけでなく、京都市独自の努力もお願いしたいと思います。


教育委員会総務部長

教員体制の充実は重要と認識しています。

令和6年度からは、欠員に備えて講師を50人確保するなど、教員不足対策を進めており、一定の効果も出ています。

学級編成基準だけでなく、いじめ・不登校、ICT対応など様々な教育課題がありますので、総合的な教員体制の充実に引き続き取り組んでまいります。


とがし委員

よろしくお願いします。

次に教育無償化について伺います。
高校でのタブレット端末の保護者負担軽減について、非課税世帯に4万円、一定所得以下に2万円の補助がありますが、それを超える世帯でも負担は大きいです。

京都府とも連携し、公立・私立を問わず支援を拡充すべきだと思いますが、協議はされていますか。


教育委員会担当部長

端末補助については、京都市は現在の制度で実施しています。
京都府は府立高校に対して別の制度・基準で実施していると認識しています。


とがし委員

子どもにとっては公立・私立の違いは大きくありません。
同様の支援が受けられるよう、連携をお願いしたいです。

授業で必須となっている以上、負担軽減は必要です。
私立高校についてはいかがでしょうか。


教育委員会担当部長

教育委員会としては市立高校が対象です。
私立高校の運用については詳細を把握していませんが、国の無償化の動きは認識しています。


とがし委員

最後にトイレの洋式化について要望します。

学校だけが改善が遅れている印象があります。
学校こそ優先的に整備されるべき場所です。

子どもたちの教育環境として、大人社会以上の環境整備を目指すべきです。
引き続き取り組みをお願いします。

(更新日:2026年03月18日)

【文教はぐくみ委員会質疑】遠距離通学補助の「空白」を埋め、「学びの多様化学校」やいじめ等による指定校変更にも柔軟な対応を。ふれあいの杜などの公的受け皿の充実と民間居場所への財政支援で不登校支援の網を広げる

2026年3月16日開催の京都市市会文教はぐくみ委員会。とがし豊委員は、不登校児童生徒の経済的負担軽減に向け、学びの多様化学校を遠距離通学費補助の対象に加えるよう強く要求。仙台市の事例を挙げ、就学援助世帯以外への支援の必要性を訴え。また、民間のフリースクール利用者への財政支援や、保護者への情報発信、専門職による寄り添い支援の強化も提言。教育委員会からは「実態把握を進め、制度整備を検討する」「保護者への情報発信を充実させる」との答弁がありました。

■遠距離通学の支援について

とがし豊委員

よろしくお願いいたします。遠距離通学等補助事業実施要綱を拝見たしておりますと、学びの多様化学校がこの制度の対象外となっております。不登校となった子供たちと保護者は先の見えない真っ暗なトンネルの中を手探りで歩いているような心境にあります。学校などで様々な事情で傷ついた心を家や居場所で時間をかけて癒して動き出そうとした時に中学校、洛友中学校に行きつく子供たちがたくさんおります。教育委員会もそのためにこの2つの学校を作り、京都市全域から生徒を受け入れているという風に思います。そうであるならば是非対象に入れていただきたいですがいかがでしょうか?

総務部長

まず、不登校児童生徒への支援につきましては、その必要性、重要性につきましては、私ども十分認識しているところでございまして、そうしたもとで、これまでから相談センター「パトナ」でありましたり、今委員からありましたけども、学びの多様化学校など先進的な取り組みをしてきたところでございます。一方で、遠距離通学等補助金でございますけども、これにつきましては来年度予算で幅の拡充を予算上げさせていただいております。これにつきましては本市が通学区域を設定して、修学先を指定している学校において、徒歩通学が困難となる場合の交通費負担を保護者負担を軽減しようと、そうした制度趣旨のもとこれまで行ってきたところでございまして、そうした中で、通学区域という、制度的前提のない「学びの多様化学校」でありますとか、西京附属もそうでございますけども、そうしたところは一定、個別の必要性、これとは切り離した形で制度の運用をこの間してきたところでございます。また、これまでの制度の延長線上で、今回予算を上げさせていただいているところでございますけども、おっしゃいました、そうした学校も対象にするとにつきましては、今しばらく予算面での整理でありましたり、今、学びの多様化学校のことをおっしゃいましたけども、西京附属との制度的な整理でありますとか、そうした面がまだ課題として残っているのかなという風に思っているところでございます。以上です。

とがし豊委員

西京高校附属中学校についても、私はやはり、京都市全域から通えるという前提で生徒を募集しているということからすると別に対象に入れてもいいんではないかっていう風に思いますし、ま、それを求めているというところです。

ただですね、やっぱりとりわけその学びの多様化学校っていうことで言うと、そこだったら通えるかもしれないと思って、5回のお試し登校みたいなですね、ちょっと頑張ってみて「ここで行けそうかな」と思った子供が入学していくということなんですけど、そういう形で行くこと自身も結構いろんなハードルを超えてくる子供たちなんですよね。で、その時に経済的ハードルがあるっていうところが、やはり私は。近くの子やったら歩いていったらいいんですけども、そうでない子供については、どうしてもバスとかえ鉄道使わなくちゃいけないとなってきますので、是非その点で整理が必要だっていうことで、別になんか否定されてるわけではないと思うんですけど、取り組んでいただきたいなと思うんです。

不登校児童生徒の保護者ということで言うと、やはりあの、子供を家で見なければいけないケースなんかもたくさんあるという状況がある中で子供たちが安心して家で過ごせるようにするために仕事をやめたり、パートになったりとかして、家庭の収入自体が減るケースが多いです。以前、不登校児童生徒の保護者の方が集めたアンケート調査もお示ししましたけど、もう確実に、統計的に、経済的打撃を受けているというふうな状況にあります。そうした中で、居場所とかいろんな形で経済的負担を追いながらもなんとか子供たちのためにやろうとしてるんですけど、やはりそれでもお金が無尽蔵にあるわけではないので、やっぱ経済的な障害っていうのは、非常にこうした不登校児童生徒を巡る保護者の状況で言うと、かなり厳しいものがあるという風に思いますので、その点で是非、考え方を整理していただいて入れていただけたらという風に思うんです。

仙台市さんの「学びの多様化学校への通学補助についてのお知らせ」っていうのがありまして、自宅から学びの多様化学校までの距離が3km以上の生徒で、スクールバス利用の場合は利用料月額半額を10ヶ月分上限で補助しますと。保護者などによる送迎の場合は出席及び通学距離に応じた額を補助するという風になっております。遠距離通学費補助事業実施要綱を改定するか、新たな仕組み設けるということも含めてですね、実質的に同程度の支援が受けられるような措置を是非考えていただきたいと思いますが、ちょっと重なりますが再答弁いかがでしょうか。

総務部長

はい。学びの多様化学校が対象外ということ先ほど申し上げましたけども、私どもも経済的困難によって通学ができないと、そうした事態は避けなければならないという思いもありますので、これまで遠距離通学補助は対象外としながらも就学援助世帯につきましては全額補助、そうしたこともしてきたところでございます。また私どものとして保護者負担のさらなる軽減でありますとか、不登校児童生徒への支援、これはもうどんどん進めていきたいという基本的な立場もございますので、今おっしゃいました、また仙台市の事例出していただきましたけども、今回私どもの大幅な拡充によりまして、政令市の中でもこの通学補助につきましてはかなり踏み込んだ制度であるという風に思っております。そうした中で今おっしゃいました、あの学びの多様化学校で今対象外となっている生徒につきましては、そうした実態把握もしながら、制度の整備を引き続きしていきたいという風に考えているところでございます。以上です。

とがし豊委員

ありがとうございます。就学援助世帯については、支援してるんだという話がありましたけれども、是非、それ以外の世帯につきましても、考えていただきたいと思いますし、今回の遠距離通学費補助の充実自体は大変歓迎いたしておりますので、これ自身は本当に喜ばれる取り組みだという風に思いますので、より充実させていただきたいと思います。その議論の中でちょっとここの部分がどうも納得できないなということで今回質問させていただいております。

とがし豊委員

それから、同じくですね、この遠距離通学費補助金要綱を拝見しておりまして、気になったのが第3条2項の規定において「学校教育法施行令第8条に規定する指定の変更を認められた児童、もしくは生徒、または同令第9条に規定する区域外就学を認められた児童、もしくは生徒についてこの事業の対象としない」と書かれております。文部科学省のホームページ拝見するとこの第8条とは何かっていうことで見ておりましたら「いじめ等への対応」「通学の利便性などの地理的理由」「部活動等学校独自の活動」などの理由により指定校の変更が認められるケースを指します、ということでした。とりわけ「いじめ等への対応」っていうのは非常に切実な問題でありまして、通学距離が長くなるケースは、過去にはなかったのかもしれないんですけど、今後なきにしもあらずだという風に私思ってまして、公共交通の利用も認めるっていう必要が場合によっては出てくるんではないかという風に思います。こうした事例が起こってから対応するのではなくて、あらかじめ対応できるような要綱にしておくっていう必要があるという風に思いますので、もう少し柔軟に運用できる規定などを設けることができないかと思ったんですけど、いかがでしょうか。

総務部長

はい。ただいまご指摘いただきました部分につきましては、一応、そうしたものも含んでおりますけども、多くは年の途中の転居でありましたり、いわゆる区域外就学、そうしたものにつきましては対象外としているところでございまして、今委員からもありましたけども、いじめ等特別の配慮が求められる場合には、もちろんその通学しやすい学校と言いますか、学校変わる場合でも、そうした学校を提示をさせていただいているところでございまして、この間そうした対応もしてきたところでございます。これ直ちに現在その要綱を見直し、そうしたことは考えていないところでございますけども、児童への個別の対応につきましてはしっかりやっていきたいという風に考えておるところでございます。以上です。

とがし豊委員

是非、必要が生じた時にも柔軟に対応できるような要綱っていうのはあってもいいんじゃないかなという風にしていただきまして、今回大変充実されました「遠距離通学費等補助事業」っていうのが、より多くの子供たちにしっかりと手が届くようなものになっていくようにしていきたいなということを要望しておきます。以上です。

■不登校支援について

とがし豊

引き続き今度はあの不登校支援についてお聞きをいたします。

以前にですね、フリースクールや居場所への利用へのこう財政的な支援についてお聞きをしましたところ、「京都市としては、ふれあいの杜の増設だとか、校内サポートルームの取り組みの強化で取り組んでいくんだ」というお話でありました。ただ、しかし現実にはやっぱりそれだけでは必ずしも対応できず民間のフリースクールとか居場所っていうのは依然として、子供たちにとって大変切実な昼間の居場所だとか、学び場という風になっております。もちろん、京都市自身の学校内外での受け皿の一層の充実が必要なんですけれども、ただ現実にやっぱりそういうフリースクールとか、居場所を利用している子供たちがたくさんいるという状況の中で、こうしたところへの支援をする自治体も大変増えてきているんではないかと思いますので、そうした取り組みの強化っていうについても是非検討いただきたいんですけど、いかがでしょうか。

教育相談総合センター所長

はい。フリースクールと民間のそういった子供の学校外の居場所を運営される方への補助ないしは、その利用される方への補助というご質問だという風に受け止めさせていただいております。まず、本市の状況としましても、他都市に比べましても、学びの多様化学校など積極的に公的な部門でのその居場所作りを進めてきたという風に考えております。もちろん他市で、こういったフリースクール等へ補助されてるところもありますし、いくつか出てきているわけですけども、そうしたところの都市と比べましても、本市は積極的な公的な政策を進めてきていると、そういった意味ではやっぱりそれぞれの都市の、政策の特徴があるのかなという風にはまず第一義的に思っています。その上で、先般の市長総括においても議論がありまして、その中で、国においての補助をしっかり求めていくべきではないかということで、他の委員の先生からの指摘とか提案があったところでございます。現状は指定都市教育委員会協議会においてもその国におけるこういったフリースクール等への財政的な支援の制度設計を求めてきているところでございまして、これについては引き続き取り組んでいきたいと思っておりますし、来年度に向けては、京都市独自でもこういった要望を上げていきたいなという風に考えているところでございます。

さらにその上で、本市はどうなのかという部分でございますけれども、来年度、不登校にかかる全体的な調査ということも行わさせていただきますけども、そうした中でいわゆる民間の施設の方にも色々現状とお意見を聞きながらまずは実態把握に努めてまいりたいという風に思います。そうした中で、冒頭申しました、今後京都としてどういった政策に重点的に力を入れていくのか、どういったところを進めていくことが必要であるのかという総合的な観点を検討する中で、今ありましたフリースクール等利用されている方とかですね、そういった方へのその支援のあり方についてもですね、必要に応じて検討してまいりたいという風に考えております。以上でございます。

とがし豊委員

フリースクールにいたしましても、居場所にいたしましても、その子供たちの状況っていうのが、例えば登録してるからと言って、毎回来れるのかと言ったらそうでもなかったりとかするという状況の中で、運営自体も、大変不安定な中で、半ばボランティアに近い形でやっておられるという状況があるところが多いです。そういうことを考えますと、やはり何らかの支援がいるんではないかなと思います。教育委員会でやっている「ふれあいの杜」って僕はもう本当に素晴らしいと思うんですけれども、非常に大事なんですけれども、やはりちょっと居場所っていうところについては、フリースクールで現実にやっぱりそういうのがあっている子供たちもいるということがあるので、是非支援について考えていただきたいという風に思います。これ要望しておきます。

それで、今、「ふれあいの杜」の話をさせていただいたんですけども、確かサテライトを充実いただいたのが2024年の時です。2年前になると思いますけれども、今、確か多分10人ぐらいの登録で1週間に1回ですかね、なんかやっておられると思うんですけれども、実際、サテライト教室を設置してみての現状はいかがでしょうか。

教育相談総合センター所長

サテライト教室だけでなく全体になりますけど、この間、閉校の空き教室を利用したサテライトでありますとか、利用される方について、小学校からも利用できるような拡大の検討でありますとかも進めてきておりますし、できるだけそういった意味では柔軟な形で、ふれあいの杜という形、原籍校に籍を残しながら違う場所で学ぶと、あと学び方も毎日登校もあれば午前だけの、週に1回だけ、いろんな形の形態と言いますかですね。あと教科学習だけではなくて、いわゆる居場所としてゆっくり過ごせるプログラムでありますとか、そうした多様化を色々進めてきておりましてですね、そういった意味では、いろんなお子様が通っていただける環境の柔軟に取り組んできているとこでございますし、そうした意味では、少しずつこういった取り組みを広めていきたいという風に考えているとこでございます。以上でございます。

とがし豊委員

本当にですね、1個ずつ見てたらすごく様々なケースで参加できるような形で非常にプログラムというか、非常に苦心しながら作っておられるんやなっていうのを、見てるだけでも、それ思うんですけれども、そういう中で、本当にこれで救われたという子供たちもたくさんいるわけで、是非、この取り組み広げていきたいと思います。今ちょっと小学生にも広げるって話で、低学年とか今はまだないっていう話ありますけども、そんなんも含めて、子供の状況によってだいぶ違いがありますので、個別の状況なんかを見ていただきながら、そういうのも非常に柔軟に取り組んでいただけたらという風に思います。

とがし豊委員

最後に、不登校支援のに関わりで言うと、不登校児童生徒の保護者の方、もっと早く教えて欲しかったっていう情報が結構あったりとかするんですよね。だいぶ経ってから、それを2年前に知りたかったとか、3年前に知りたかったって話とかが、よくある話で、あるんですけども、そういうやはりその本当に不登校になった時に、担任の先生もちろん相談していただけますけれども、ただやっぱりその担任の先生によって情報量の差とかもあったりもしますし、寄り添ってこう、保護者の方に寄り添いながらその子供たちにも寄り添いながら支援していくっていうことで言うと、もうちょっとスクールソーシャルワーカーだとかそういう方が直接支援いただくとか、子供支援コーディネーターっていうのは新しくこの間配置充実させていただいておりますけども、その方がその子供にあったこの支援コーディネートをするっていうところまでやれないかという風に思うんですけれどもそういったその保護者に対する寄り添いの支援っていうのをま充実していただきたいと思うんです。この間、ある中学校なんかでは養護の先生なんかが中心になって親の会を開かれたりとかして、保護者の方がそれぞれ孤立されていた方が何人か参加をされて、非常に喜ばれたという話も聞きますし、そういった取り組みも大いに各地で広げていただきたいと思います。実際に寄り添い支援するあの取り組みなんかも強化していただきたいんですけど、その点はいかがでしょうか。

教育相談総合センター所長

保護者への情報発信という意味では、今年度の保護者の方向けのAOワンという会を実施させていただきましたけれども、こうした取り組みは全保護者様、スグールに登録いただいている方に直接届くような形にしておりますし、来年度もこの事業実施する予定ですけれども、この発信に合わせて、京都市のいろんな情報を、スグール等で配信するというようなことで、様々の政策に、保護者もアクセスしていただけるように取り組んでまいりたいという風に考えております。また、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、また子育て支援コーディネーター、様々な形で保護者に関わっていただく方も含めてですね、学校の教職員が寄り添うということは非常に大切だと思いますので、これからも取り組んでまいりたいと思っております。以上でございます。

(更新日:2026年03月17日)

請願審査「保育・学童保育の充実」の審査で”保育士の処遇改善と定員払い制度の導入を強く要求”|とがし豊委員の2026年2月19日文教はぐくみ委員会での質疑より


(請願質疑)

 1万6千筆超の請願を背景に、保育現場の切実な課題を追及しました。国の公定価格引き上げに伴い市補助金が減る構造を指摘し、上限額の引き上げによる確実な処遇改善を要求。また、年度途中の入所ニーズに応え、保育士を安定雇用できるよう「定員払い制」の導入を提案しました。当局は現状の制度で機能していると強弁しましたが、私は学童保育の過密解消や配置基準のさらなる改善も併せて強く求めました。

とがし豊委員

○とがし豊委員

よろしくお願いいたします。まず、保育園の定員払いについてお聞きしていきたいと思います。今回の請願に関わって質疑をしたいと思います。

国による公定価格の引き上げに伴って、その分、人件費補助金で負担する部分が減少する仕組みになっているということで、先ほど説明もありました。国の公定価格が上がり、人件費を支出している園においては、給付費が増えても処遇改善に充てる原資が確保できなくなるという構造もあるということであります。

やはり、実際に原資が確保できないケースもあれば、あるいは原資が確保できなくなるのではないかという恐れから職員の採用に二の足を踏んでしまう、これが足かせになっているのではないかと思います。

国の公定価格が、令和5年5.2%、令和6年10.7%、令和7年5.3%と引き上げられておりますが、それに見合った人件費補助金の上限の引き上げが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。


○幼保総合支援室長

人件費補助金制度についてのお尋ねでございます。

まず制度の状況についてですが、1月の委員会でもご報告させていただきましたとおり、人件費等補助金制度上、令和6年度は保育所等の大部分を占める保育士等の職について、6割を超える園が既に上限に達している状況でございます。

そのため、6割の園が実態としては収入超過の状態となっており、補助金制度上の状況にかかわらず、給付費が増えればそのまま園の収入が増加する実態があると認識しております。

また、人件費補助金の上乗せ拡充についてのお尋ねでございますが、旧制度の課題として、国の給付費と市の補助金を別々に運用していたことから、国制度の充実が確実に反映されないという問題がございました。

こうした課題の解消を目的として制度を再構築した経過を踏まえますと、国が引き上げたからそれに合わせてという対応は、なかなか難しい面があると考えております。

一方で、本市におきましても、保育現場の課題の解消や、望ましい京都らしい保育の実現という観点から、令和6年度には平均経験年数加算の上限引き上げや3歳児加算の新設、令和7年度には障害児配置の充実、さらに令和8年度に向けて一時預かりの充実など、さらなる処遇改善にも取り組んでいるところでございます。


○とがし豊委員

ありがとうございます。

いわゆる国の基準に見合った人件費が現場の保育士に十分に降りていない構造があるという話でした。国の基準よりも上回っている園では人件費補助金の効果が発揮されると思いますが、現場から聞く声としては、京都市が定める上限が足かせとなり、原資が確保できなくなるのではないかという懸念があるということであります。

この新しい人件費補助金制度については、スタート当初から執行残・不用額を生み出す構造になっていると、私はこれまでも質疑の中で指摘してまいりました。

年度途中での見直しも重ねられてきましたが、令和6年度には3億円、令和7年度には3.7億円の見直しが行われております。

小刻みな見直しではなく、より大胆な見直しが必要ではないかと思います。国の給付費によって保育現場に関わる費用が底上げされていく状況の中で、京都市としても国の動向を踏まえながら、前倒しで処遇改善に踏み込んだ取組が必要ではないかと思いますが、この点についての認識はいかがでしょうか。


○幼保総合支援室長
国の給付費が年々増加している背景には、人材確保の困難さがあると認識しております。

人件費等補助金制度が機能しているかという点につきましては、平均人件費は着実に増加しており、各保育園において支払われている人件費は増加している状況にございます。

また、人件費収支や事業活動収支につきましても、黒字となっている園が増えているなど、積立金の状況も改善傾向にございます。

こうした状況を踏まえますと、人件費補助金制度が機能していないというご指摘は当たらないのではないかと考えております。


○とがし豊委員

しかし、京都市が行った実態調査においても、全ての園で給与の引き上げができているわけではありません。

処遇改善をしっかり底上げしていくことは非常に重要であります。以前はモデル給与の提示もされていましたが、平均経験年数が増えたことによる定期昇給なのか、ベースアップなのか、あるいはボーナスなのかという点については、丁寧に見ていく必要があると思います。

こうした点について、京都市として把握されているのでしょうか。


○幼保総合支援室長

給与の実態調査などでは、多くの園で賃金の引き上げが行われていることは確認しております。

ただし、個々の職員の役職や各園の考え方、給与体系が異なるため、一律に把握することは難しい面がございます。

実態調査の中で確認できる事項については、今後も確認していきたいと考えております。


○とがし豊委員
ボーナスは一時的なものであります。将来にわたって働き続けるためには、やはりベースアップが重要だと思います。その点を政策として誘導することが必要ではないかと思います。

次に定員制についてです。自治体によっては、例えば広島市では4月から9月の間のみ定員払いを行うなどの方法をとっているところもあります。

保育士を急に雇うことはできませんので、見通しを持って採用できてこそ定員枠を確保することができると思います。

そうした観点から、一定の定員払い制度も一つの選択肢としてあり得るのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


○幼保総合支援室長
定員払い制度についてのお尋ねでございます。

定員払い制度を導入している都市につきましては、直近まで待機児童があったなどの事情を背景として導入されているケースが多いと認識しております。

一方、本市におきましては、待機児童ゼロが12年連続となっており、今年度につきましても10月時点で待機児童ゼロという状況でございます。

このような状況を踏まえますと、空き枠を事前に確保しておく必要性は低下していると考えております。

利用児童数が減少傾向にある中では、あらかじめ定員枠を設けるのではなく、利用定員を実態に合わせて見直していくことが基本的な対応になると考えております。


○とがし豊委員

途中入所のニーズは必ずあります。勤務先や自宅との距離などによって保育園を選ぶ事情もありますので、どこでも満遍なく途中入所枠を確保することが必要ではないかと思います。

一定の定員払い、あるいはそれに類する措置について、京都市として検討していただきたいと思います。

また、配置基準についても、今回1歳児について取り組まれるとのことですが、国の基準自体が低いという問題があると思います。給付費の充実などによって京都市の財政的余力も生まれていると思いますので、さらなる配置基準の改善に充てていただきたいと思います。

最後に、学童保育の過密の問題です。

大規模な学童になると、子どもを順番に帰すだけでも多くの時間を要し、子どもにとっても職員にとっても大きな負担になっています。

目の届く範囲の規模で保育できる環境を整えることが、子どもにとっても職員にとっても良い環境になると思います。

児童館や学童保育所の増設を進め、子どもたちが安心して過ごせる環境を確保していただきたいことを強く要望して、終わります。

(更新日:2026年03月16日)

請願395号「保育・学童保育制度の拡充」について、紹介議員による趣旨説明と理事者説明(2026年2月19日文教はぐくみ委員会)

請願に関する趣旨説明および理事者説明

※YOUTUBEの文字起こし×チャットGPTにより整理したものです

とがし豊議員(日本共産党)趣旨説明

よろしくお願いいたします。

それでは、紹介議員には井崎議員、赤阪議員、玉本議員、河合ようこ議員が名を連ねておりますが、私から説明させていただきます。

今回の請願は、保育園や学童保育をもっとよくしてほしいという、1万6191筆もの切実な署名とともに京都市会に提出されたものです。

請願者の母体である「保育・学童保育がいいな!京都市実行委員会」は、保育園、学童、児童館、療育の職員や関係者、保護者、学者など、子どもたちの育ちに関心を持つ市民が幅広く集まってつくられている団体です。

議員として、その理由をご説明します。

世界には子どもの権利条約という約束があります。もちろん日本政府もこの条約に参加しています。そこには、何かを決めるときには「子どもにとって一番良いことは何か」、つまり子どもの最善の利益を第一に考え、すべての子どもが安心して育つ権利を守ることが書かれています。

しかし、今の京都市の仕組みは、子どもたちの権利を十分に守れているとは言えません。そこで以下のポイントについて改善を求められています。

まず1点目は、保育園の予算の仕組みを変えることです。
実際にいる人数だけではなく、受け入れ枠に応じて予算を出す「定員払い」の導入です。

広島市、仙台市で定員払いが実施され、大阪市、静岡市、福岡市でも類似する措置がとられています。

今のルールでは、保育園に空きがあっても、実際に子どもが入るまで先生の給料などの予算が出ません。しかし先生は急に雇うことはできません。園の側は、いつ入園してもよいように無理をして先に先生を確保していますが、その負担が経営を苦しくしています。

2点目は、保育料や給食費を引き下げることです。

3点目は、国の基準が改善されてきていることを踏まえ、京都市としても予算を増やし、配置基準を改善することです。

4点目は、民間保育園や認定こども園、小規模保育所で働く先生の給与などを、市営保育所の先生と同程度まで引き上げることです。

5点目は、災害や困りごとのときに頼りになる支援保育所を増やすことです。

6点目は、学童保育の利用料を引き下げることです。

7点目は、児童館や学童保育の詰め込みをなくすため、施設を増やして適切な規模にすることです。雨の日などは室内がいっぱいになり、のびのび遊ぶどころか、安全を守るだけで精一杯になることもあります。学童保育をさらに増やす必要があります。

また、放課後ほっと広場を単独の学童保育所にすることで、働く環境としても改善してほしいという要望です。

8点目は、学童や児童館で働く方々の労働条件を改善するため、労働組合との団体交渉を再開することです。

子どもたちが安全に笑顔で過ごせる環境をつくるためには、そこで働く先生たちが生活を守り、余裕をもって子どもたちと向き合える仕組みが必要です。労働組合との団体交渉は直ちに再開していただきたいと求められています。

最後に9点目です。

今回始まる5歳児健診を含む子どもたちの定期健康診査について、早期発見・早期療育の観点から検証することを求めるものです。

未来を担う子どもたちのために、この請願にご賛同いただきますよう心からお願い申し上げ、説明とさせていただきます。
どうぞよろしくご審査のほどお願いいたします。


委員長

ただいまの委員の説明について、何か質問があればどうぞ。
ございませんか。なければ次に理事者から補足説明を願います。


理事者説明

子ども若者はぐくみ局 総合支援室長

着席して説明させていただきます。

まず、請願項目1 保育園・小規模保育所等の定員割れ対策の実施についてでございます。

ご紹介いただいた政令市のうち、静岡市、大阪市については待機児童対策等のために、仙台市、広島市、福岡市については定員割れ対策のために定員払いが実施されているものと認識しております。

しかし、待機児童対策の観点からは、平成26年度から12年連続で待機児童ゼロを継続している本市において同様の取り組みを実施する必要性はないと考えております。

また、定員割れ対策の観点からも、定員払いは市単独で多額の公費負担が必要となることから、対応は困難であると考えております。

そのため、本市では、より実態に見合った柔軟な定員設定を可能とし、利用実態に応じた国の給付費が支給されるよう対応していくことが重要であると考えております。

この点については、保育関係団体や文教はぐくみ委員会の先生方からもご意見・ご指摘をいただいてきたところであり、令和4年度以降3回にわたり、

  • 当年度や来年度の見込みに基づく定員引き下げを可能とする
  • 定員変更の機会を年1回(9月)から年2回(4月・9月)に増やす

など、定員変更ルールの見直しを行ってまいりました。

現在、4月からの定員変更に向けた申請をいただいた施設について手続きを進めているところです。

引き続き、就学前児童の減少が施設運営に与える影響を適切に把握し、必要な対応を講じてまいります。

次に、請願項目2 保育料および給食費の軽減についてでございます。

保育料につきましては、国、都道府県、市町村および保護者で分担して負担する仕組みとなっており、本来は国の責任において統一的な取り扱いが行われるべきものであります。

しかし本市では、令和7年度から実施しております認可施設における第2子以降の保育料無償化をはじめ、これまでも子育てにかかる経済的負担の軽減を独自に図ってきているところです。

令和7年度予算においては、約28億円の独自財源を投入し、全体として国基準の約45%まで軽減しております。

次に給食費についてですが、自宅で子育てを行う場合でも生じる費用であることから、国において、園で使用した主食材料費および副食材料費については保護者から各園に直接支払っていただく取り扱いとなっています。

なお、副食材料費については、国において低所得世帯等の負担軽減のため、年収360万円未満相当世帯同時入所第3子以降の児童について徴収を免除する規定が設けられています。

本市では、府市協調により国制度に上乗せする形で、令和元年10月から年収640万円未満相当の世帯のうち、子どもが同一世帯に3人以上いる場合の第3子以降について副食材料費の徴収を免除するなど、低所得世帯や多子世帯に配慮した取り組みを継続して行っています。


次に、請願項目3 国の動きを踏まえた本市のさらなる制度改善についてでございます。

本市では、職員処遇の維持・向上を図るため、これまでから国の給付費に加えて本市独自の補助を行ってきました。

令和4年度の制度改正後も、全体として処遇の維持・向上を図ることができる仕組みとしております。

国の制度改善により給付費等の園収入が増えることで、一定の補助上限のもと、人件費にかかる収入と支出の差を補助する人件費補助金は減少することになります。

しかし現在の状況は、本市が独自で実施してきた処遇改善に国制度が追いついてきている状況であると認識しております。

こうした状況においても、本市では関係団体からの要望等を踏まえ、保育現場の課題解消や望ましい京都らしい保育の実践につなげる観点から、人件費補助金等についてさらなる充実を図ってきました。

令和7年度における障害児保育補助金の充実に続き、令和8年度に向けては一時預かり事業の充実のための経費を当初予算に計上し、本市会に提案しております。

引き続き、京都の子育て環境の充実にしっかり取り組んでまいります。


次に、請願項目4 民間保育園等の職員の処遇・労働条件についてでございます。

前提として、民間保育園等における個々の職員の雇用形態や労働条件、処遇については、職務内容や役割、各園の特色や実情を踏まえ、運営する設置主体の責任において判断されるものであり、本市は補助金の交付を通じて後押しする立場にあると認識しております。

その上で公民比較について申し上げますと、公営保育所の保育士は、保育所以外にも、

  • 夜勤勤務のある職場
  • 子ども家庭支援室
  • 児童相談所等の相談支援業務
  • 本庁職場における事業業務

などにも従事しており、民間保育園等とは業務内容が異なるため、単純に労働条件を比較することは難しいと考えております。


次に、請願項目5 市営保育所の各行政区への設置についてでございます。

市営保育所が今後果たすべき役割については、京都市はぐくみプランにも示しているとおり、

  • 多様化する保育ニーズへの対応
  • 時代の状況に応じた取り組みを直営の保育現場で実践
  • 行政が自ら知見を蓄積し、本市の保育施策に還元
  • 災害など予期できない突発的事象への対応

など、公の保育所として本市の保育環境を支えていくことであると考えております。

その配置については、少子化が進行する中で、子どもの成長発達に重要となる集団活動の経験の確保などの観点も含め、引き続き検討していくこととしております。

しかし、各行政区において市営保育所の設置を拡充していく考えはございません

引き続き、公民が一体となって保育の質の向上や未就園児を含めたすべての乳幼児の子育て支援に取り組み、子どもの育ちに寄り添うことのできる環境を実現してまいります。

請願項目1から5の説明は以上です。

請願項目6から8については、子ども若者未来部長から説明いたします。


子ども若者未来部長

それでは、請願項目6から8について説明いたします。

まず、請願項目6 学童クラブ事業の利用料金の引き下げについてです。

令和4年度に実施した学童クラブ事業利用料金の改定は、増加する運営費など現在の学童クラブ事業の実施状況を踏まえ、公費負担と利用者負担のバランスや利用時間ごとの実態を十分に反映していないという課題を解消し、将来にわたり持続可能な仕組みとするために行ったものです。

また、他の政令指定都市とは、

  • 職員の雇用形態
  • 運営形態

などが異なり、事業実施に要する経費も異なるため、利用料金のみで単純比較できるものではありません

なお、配慮を要する世帯については、所得等に応じた各種減免を講じており、現時点で利用料金体系の見直しを行う予定はございません


次に、請願項目7 学童クラブの詰め込み・大規模化の解消についてです。

本市では、国基準である児童1人当たり1.65㎡以上の面積を確保しています。

利用児童の増加により新たな実施場所の確保が必要となる場合には、利便性や移動の安全性を考慮し、できる限り小学校の校内で確保することで基準を満たすなど必要な対応を行ってきました。

大規模の学童クラブについても同様に基準を満たしているため、大規模学童を分離するために新たな学童保育所を設置する考えはありません

なお、本市の公的な学童クラブがない

  • 西陣中央学区
  • 藤森学区

については、令和8年度から新たに本市の学童保育所を設置し運営する予定です。

また、「放課後ほっと広場」については、これまでも国基準を満たしたうえで事業を実施しており、今後も継続する予定であるため、単独学童保育所として設置する予定はありません


次に、請願項目8 児童館・学童保育所職員の労働組合との団体交渉についてです。

児童館や学童保育所の運営は、指定管理制度や委託事業として実施しており、職員の勤務条件は各運営団体において対応いただくものと認識しています。

また、児童館・学童保育所職員が加入する労働組合のうち、京都市学童保育所管理委員会に雇用されている組合員についてのみ、本市が使用者として団体交渉に応じなければならないとする京都府労働委員会の命令については、現在取り消しを求めて係争中であるため、団体交渉には応じておりません。

本市としては、質の高い職員を確保できるよう、市職員の給与改定等を踏まえて委託料算定基準を改定し、各運営団体における処遇改善を支援しております。

今後も国に対してさらなる財政支援の充実を要望し、委託料の確保に努めてまいります。

請願項目6から8の説明は以上です。

請願項目9については、子育て支援担当部長から説明いたします。


子ども若者未来部 子育て支援担当部長

それでは、請願項目9 乳幼児健診の実施時期・健診内容の妥当性の検証についてです。

乳幼児健診の実施時期や健診内容の妥当性については、これまでも本市において検証しており、適切な乳幼児健診の実施につなげています。

具体的には、今回開始する5歳児健診については、

  • 医師会
  • 小児科医会
  • 保育園・幼稚園
  • 区役所の子ども家庭支援の現場

など、健診や子育てに関わるあらゆる機関の意見を聞きながら制度化したものです。

また、既存の健診についても、京都市医師会を中心に、保健師や心理職などとともに制度管理を行い、京都市子ども・子育て支援審議会などの機会を通じて意見をいただくなど、常に最新の知見を取り入れて実施しています。

さらに、新たに始まる5歳児健診については、京都市障害者自立支援協議会児童専門部会において発達面に関する意見を伺うなど、子どもの特性を早期に発見し、特性に合わせた適切な支援につなげるための取り組みを進めてまいります。

説明は以上です。

(更新日:2026年03月16日)

少人数学級のさらなる推進と不登校児童生徒への実態調査・支援の拡充について(2026年3月6日予算特別委員会第二分科会での教育委員会への質疑より)

2026年3月6日、京都市会予算委員会で、少人数学級の推進と不登校支援の拡充を求めました。文科省の調査を引き、中2・中3への35人学級の前倒し実施や20人程度の少人数化を提案。教育委員会は財源等の課題から国の動向を注視すると回答しました。また不登校対策では、行き渋りを含む実態調査の実施や、標準授業時間数を見直すなど「子どもに合わせた学校づくり」を要望。教育委員会は、新事業を通じて多様な声を反映させる意向を示しました。 続きを読む »

(更新日:2026年03月13日)

誰もが自分らしく学べる学校へ――不登校支援の拡充と隠れた教育費負担の軽減を求める(2026年2月19日文教はぐくみ委員会質疑より)

2026年2月19日の文教はぐくみ委員会にて、不登校支援と義務教育の無償化について質疑を行いました。不登校児童生徒や保護者を支える「親の会」やスクールカウンセラーの配置拡充を評価しつつ、専門職の常勤化と全中学校区へのコーディネーター配置を強く要望。また、独自アンケートに寄せられた「子供たちの生の声」を紹介し、魅力ある学校づくりへの転換を迫るとともに、算数セット等の副教材費の公費負担による保護者負担軽減を求めました。

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(更新日:2026年03月13日)

【京都を特徴のない都市に変貌させる京都駅前の高層化計画に反対|京都弁護士会】

「京都駅周辺の高層化計画に反対する会長声明」が届く

京都を特徴のない街にしていいのか?
世界遺産を擁するまちの玄関にふさわしい景観なのか?
根本的な疑問をつきつける内容の京都弁護士会より声明文が京都市会議員宛に届きました。
「京都駅周辺の高層化計画に反対する会長声明」です。

声明では「京都の玄関口でのこのような高さ規制の緩和提案をすることは、京都駅周辺にとどまらず、将来的には更に規制緩和の範囲を拡大し、京都の街並みをどこにでもある特徴のない都市に変貌させるおそれのあるものであり、日本有数の世界遺産を擁する都市の誇りを奪うものである」と指摘しています。

全くその通り。
こんな規制緩和はやめるべきだ。

ーーー以下、本文引用ーーー

声明|京都弁護士会 https://share.google/U0lFqWmpUHxL6xsW2
京都駅周辺の高層化計画に反対する会長声明

当会ではこれまで京都市における高さ規制問題に関して、意見書・会長声明を繰り返し発出してきており、京都の景観保護のために高さ規制緩和政策に対しては反対の意見を表明してきたところである。
直近では、2025年(令和7年)11月4日に「京都中央郵便局建替え計画(京都プロジェクト(仮称))に対する意見書」(以下「当会意見書」という。)を発出している。当会意見書は、京都中央郵便局の建替え計画の中で、新景観政策(2007年9月施行)による31メートルの高さ規制を大幅に緩和し、約60メートルの建物を建築することに反対したものである。当会意見書において問題にしたのは、単一の建物の高さの問題にとどまらず、新景観政策の根幹である高さ規制を、都市再生特別措置法の適用により実質的に潜脱する制度構造そのものであった。合わせて、当会意見書では、新景観政策の見直しを含む都市計画の変更については、非公開・少人数の有識者会議方式ではなく、各分野の専門家及び住民・市民(団体)で構成する審議会を設置したうえで、複数案の提示を含めた丁寧な市民意見の聴取を図ることを求めた。
しかしながら、「京都駅前の再生に係る有識者会議」(以下「有識者会議」という。)は、昨年(2025年)12月、上記京都中央郵便局の建替え計画にとどまらず、京都駅周辺の東西約450メートル、南北約300メートルの広い範囲において、建築物の高さ規制の上限を60メートルないし45メートルに大幅に緩和するという意見書案を公表した。
有識者会議は、審議会のような法的な根拠を有するものではなく、市長の選任した6名の研究者により構成され、新景観政策の経過を経験した委員は不在で、開催された6回の会議の半数にあたる第3回から第5回の会議は、非公開で行われるなど、当会意見書が求めた手続きとは大きく異なる手続きであった。
同意見書案は、先に当会が指摘した規制緩和の問題を個別案件の域を超えて、面的かつ恒常的な制度変更へと拡張するものであり、新景観政策の実質的な空洞化につながりかねないものである。
そして、2026年(令和8年)1月23日から2月24日までパブリックコメントを実施し、その結果を踏まえて3月25日に意見書を取りまとめる予定とされている。これを受け、今後京都市は同意見書案を踏まえ、都市計画法に基づき、京都駅周辺の高さ規制の変更を伴う都市計画の変更を行う可能性が高い。
同意見書案には、京都における高さ規制を根幹として位置付けている新景観政策(2007年9月施行)との整合性については全く検討の形跡がみられず、もっぱらオフィスの集積などの経済合理性の観点から、京都駅周辺を東京・大阪のように高層化することを目指すものである。
京都駅のすぐ北には世界遺産の本願寺(西本願寺)、南には京都のランドマークとされている木造建築物としては日本一の高さ(約55メートル)を誇る五重の塔を有する東寺(教王護国寺)が位置し、京都駅周辺は世界遺産の「歴史的環境調整区域」に含まれている。
「古都京都の文化財」が世界遺産に登録されるにあたり、平成5(1993)年に国がユネスコに提出した推薦書において『「歴史的環境調整区域」は、三方を取り囲む山々の自然的・歴史的環境の保全、及び、市街地の工作物等の高さ制限がなされる区域として、京都の歴史的風致景観と都市開発との調和を図り』と記載されており、京都の世界遺産を保全するためのものであるといえる。
しかしながら、同意見書案には、これら世界遺産の保全との関係も全く触れられておらず、歴史的・文化的都市である古都京都の魅力を大きく損なう提案となっている。
京都駅周辺は、日本有数の世界遺産を擁する歴史的・文化的都市の玄関口であるからこそ、既に駅周辺が高層化された東京・大阪等の大都市とは差別化された魅力ある景観を保全・再生することが求められている。このことは、新景観政策策定時の市長談話に「日本の文化首都である京都にとって、優れた景観はむしろ京都の都市格、言い換えれば京都ブランドに一層の磨きをかけ、都市の活力や魅力を向上させ・・・」と述べられているとおりである。
京都駅前を魅力的な空間にしようとする同意見書案のコンセプトについては一定の理解が可能であるものの、京都の玄関口でのこのような高さ規制の緩和提案をすることは、京都駅周辺にとどまらず、将来的には更に規制緩和の範囲を拡大し、京都の街並みをどこにでもある特徴のない都市に変貌させるおそれのあるものであり、日本有数の世界遺産を擁する都市の誇りを奪うものである。
よって、当会は、このような高さ規制の緩和提案に対しては、断固反対の意思を表明し、撤回を求める。

2026年(令和8年)3月2日

京都弁護士会
会長 池 上 哲 朗

(更新日:2026年03月10日)

【京都市会】「もう限界」と保育現場の声。京都市はいつまで保育予算を削り続けるのか?予算委員会で質疑(2026年3月5日子ども若者はぐくみ局への局別質疑♦とがし豊)

京都市の保育現場から、かつてないほど切実な叫びが届いています。2021年の行財政改革により、民間保育園への人件費補助金が13億円も削減されました。その結果、ベテラン保育士が「大好きだった仕事を辞めるしかないのか」と悩み、現場では人手不足から子どもたちに「待ってね」と連発せざるを得ない厳しい状況が続いています。
市は「財政難を脱した」と言いますが、他事業の予算が戻る一方で、なぜ保育予算だけが削られ続けるのでしょうか。国の処遇改善に頼るだけでなく、市独自で積み上げてきた「京都の保育」の質を今こそ取り戻すべきです。専門職が誇りを持って働き続けられる環境をどう守るのか。3月5日の予算特別委員会での質疑を報告します。

2026年3月5日 京都市会予算特別委員会 第二分科会

子ども若者はぐくみ局 局別質疑

保育現場の給料を専門職にふさわしい水準に引き上げよ

〇とがし豊委員 え、私からは、民間保育園の運営に関わってと、こども誰でも通園制度についてお聞きをしたいと思っております。

まず、民間保育園で働く皆さんの賃上げと保育条件の改善について質問いたします。京都市としては2021年の行財政改革計画で、民間保育園の人件費補助を大幅に削減するということが行われ、予算ベースでも13億円削減されました。現場からは批判や指摘などもあり、その都度手直しを続けてきたという経過を辿ってまいりました。

国の処遇改善の取り組みもこの間進められてきましたけれども、現下の保育士不足にあって、京都市として現状の取り組みで十分という風に認識されているのか、さらなる改善が必要という認識なのか。この点についてまずお答えください。

〇幼保総合支援室長 保育士の処遇についてでございます。これまでから申し上げておりますけども、制度を再構築し、新制度として人件費補助金が再構築されて以降も、我々としましては様々な拡充に取り組んできたところでございます。また、各現場の要望や声も聞きながら的確に、今ある課題に対して対応してきたところでございますので、引き続き必要な支援についての検討は進めてまいりたいという風に考えております。

〇とがし豊委員 昨年の決算審査でも、京都市保育会のアンケートを紹介させていただきました。「このままでは離職を食い止められない」という切実な思いで表されたアンケート結果でございました。

このアンケート結果を拝見しておりますと、離職を防ぐために最も有効だと思う改善策として、現場の保育士さんたちが挙げた対策は何だったのか。複数回答だったのですが、1番は「給与の引き上げ」が90.4%。2番は「保育士配置基準の見直し」78.9%。3番は「有給休暇制度の整備」69.7%。4位、5位同数で「国の設定する保育標準時間の見直し」「業務の分業化」44.7%。6位が「保護者対応の制度的サポート」26.3%。7位が「メンタルケア相談体制の整備」25.7%ということでした。

9年目の保育士さんのコメントも添えられておりました。「今まで大好きな子どもたちと関われる夢みたいな仕事に誇りを持って、辞めたいなんて思わずやってきた。しかし現在の社会状況下で、今の給与を見るたびにお金を選んでいるわけではないが、違う仕事を探すことも必要かと思うようになった」というお声です。

保育の仕事が好きでたまらない方にこのような思いをさせている現実がありますが、私はこれは京都も含め全国の保育士さんの率直な思い、実情ではないかと思います。これらのたくさんの声を集約されまして、市保育会としては、1番に「給与の引き上げと処遇の底上げ」、2番に「人員配置の改善、常時余剰人員の確保」、3番に「週休2日・休息休暇取得の保証」、4番に「事務作業や書類業務の簡素化・時間の確保」という4点を提案されています。現場からの声を正面から受け止めた、思い切った改善が必要だと考えますが、いかがでしょうか?

〇幼保総合支援室長 京都の保育士の労働条件、給与条件に関するお尋ねと思います。 まず前提としまして、各園の保育士の労働条件につきましては、個々の園において経営的な観点も含めて考えられるべきであって、本市が給与等全てを保証するものではないという前提がございます。その上で、保育士等が働き続けることに対して不安を感じていたり、離職を考えたりされている現状、こういったものに対してはやはり定着という意味では課題であるという風に考えております。

ご指摘の保育士等の処遇改善につきましては、やはりまず一義的には国の責任において対応するべきものと考えておるところでございますけども、保育士が働き続けられる環境を整えることが重要であることは、本市の認識も同様でございます。そのため、これまでから国の給付に加えて独自の補助を行ってきているところということでございます。

繰り返しになりますけども、令和4年度に人件費補助金として制度再構築した後も、全体として処遇の維持向上を図ることができる仕組みとしておりまして、さらに関係団体から頂いたご意見等も踏まえ、人件費補助金におきましては人件費算入の向上割合の拡充、経験年数加算の上限年数の引き上げ、3歳児配置の新設など、必要な対応を積み重ねてきたものでございます。

また令和7年度につきましては障害児補助金の充実、令和8年度には先ほどご紹介いただきました1歳児配置の充実など、こうした予算も計上しておるところでございます。必要な対応は実施してきていると認識しており、この間の充実額というのは総額で21億円を上回る規模となっている認識でございます。

〇とがし豊委員 21億円を上回る充実を図ったとおっしゃるのですが、実際には今、余剰人員がいないということで、現場の保育士さんの声として「子どもたちに『待ってね』という言葉を連発せざるを得ない」と。散歩やプールをやりたいと思っても人手不足で、今日予定していたけれど人が足りなくてできないということもあり、なおかつ有休消化ができなかったり、休み中の人を呼び戻さなければいけないこともあるというのが今の現場です。

京都市は少しずつされていますが、元々あった補助金を大幅にカットしたところから、もう1回積み戻しているという世界に留まっています。給与面のさらなる引き上げ、人件費算定の上限の底上げ、これをしっかりやっていくこと。常時余剰の人員がいる余裕を持った保育現場にしてほしいという声にしっかり応えることが、保育士の皆さんがやりがいを感じ、休みもしっかり取れて、子どもたちの命と育ちを支える専門職にふさわしい職場になるんじゃないかと思います。もっと踏み込んだ思い切った支援がいるのではないでしょうか。

〇幼保総合支援室長 踏み込んだ支援ということのお尋ねでございますが、国を挙げて人材不足というのは、保育業界だけではなく福祉業界全般、日本国内全般であるかと思います。その中でも保育に関して言いますと、公定価格の引き上げが令和6年度は10.7%、令和7年度につきましては5.3%の充実ということで、人件費の底上げが図られているところでございます。

やはり一義的には国においてそういった取り組みを要望していくことが大事だと思っておりますし、我々としましてもそうした国の給付費の充実に加えて、先ほど申し上げました人件費補助金などによる充実には取り組んでおるところでございます。引き続き、現場の負担を軽減することを含めた人材確保には取り組んでまいりたいと考えております。

〇とがし豊委員 保育所運営費の予算決算の詳細な内訳及び負担割合について、資料を作っていただきました。これを拝見いたしますと、支出ベースでは市独自事業が令和6年度決算で52.8億円だったものが、令和7年度は47.3億円、令和8年度は41億円となっております。この2年で9億円の削減となっております。

財源ベースで見ましても、令和6年度52.3億円だったものが、令和7年度45.7億円、令和8年度は40.1億円と減ってきている。この2年間で12.2億円の減となっているわけです。国の給付費が増えても、こうした形で京都市が支出する保育の充実に回す予算が削られているという実情があります。

さらに令和8年度には国において、調理体制の充実のための単価見直しや、療育支援加算の見直しなど、公定価格や基準の見直しがさらに検討されているということであります。こういう状況を見ますと、京都市としては財政的余力がこの分野では生まれている。令和8年度に予定されている改善も含めて、処遇改善のための踏み込んだ改善に取り組む余地が十分あると考えますが、いかがでしょうか?

〇幼保総合支援室長 国の給付費の充実に伴って、市の財源が生まれているのではないかというご指摘でございます。おっしゃるように国の給付費が上がりますと、園の収入が増えるわけですから、人件費補助金については通常はマイナスの方向に働くというのが基本的な考え方であろうかと思います。

ただ一方で、国の給付費につきましても増額する中で市の負担(1/4)は当然ございますし、また先ほど申し上げました通り、この間、単独予算でさらなる充実を重ねてきたという経過もございまして。総額ベースで言いましたら児童数が減少しているわけですから、下がる傾向があるんだろうと思っておりますが、児童1人当たりに対しての給付費、あるいは市の単独の補助を考えますと、決して子育て環境を後退させているものではないという風に認識しております。

〇とがし豊委員 後退しているわけではないと言われるのですが、行財政改革の議論の中でも後退している事例はいっぱいありましたし、賃下げになった方もたくさんいらっしゃるということはご承知のことだと思います。賃下げになるようなことを生み出して、国全体で処遇改善が必要だと言っている時に賃下げをするようなことを誘導してしまったわけですね。やはり上限の設定の仕方が間違っていたんですよ、人件費補助金の。

せっかく長年の保育の現場の皆さんが京都市と一緒に積み上げてきた良い部分を、かなり削ってしまったのではないかと思います。保育園の第2子以降の無償化措置なども含めて、京都市の一般財源の支出で見ますと、保育関係で行財政改革前との比較で見ても6.4億円削られてしまっているんですよ。

「財政破綻するかもしれない」と言っていたところから「フェーズが変わった」と言って、他の事業はどんどん変わっているのに、なぜ保育の現場だけフェーズが変わったにならないのか、極めて疑問に思うわけです。国も改善をやるということはありますが、それに頼らずに、もっと保育士さんに本当に聞いてもらって、どうやったら定年まで頑張って働き続けられる職場になるかということを考えていただきたい。

京都市の補助金は行財政改革で14.4億円削られ、今回さらに12.2億円削られている。十分余力があるから、そのお金をしっかり使って現場の処遇改善をいただきたいと思います。

それで、保育士人材確保の取り組み事業ごとの予算内訳をいただきまして、12事業計2億3000万円が示されておりましたが、保育士さんを直接支援するという点では「保育士宿舎借り上げ支援事業」のみであります。これも国の支援メニューの範囲の中で、京都市独自の上乗せはないということであります。これも京都市としてより充実したものにしていただきたいし、直接現場の皆さんを支援するメニューを拡大していただきたいと思いますが、いかがでしょうか?

〇幼保総合支援室長 市の人材確保に対する支援メニューについてのお尋ねでございます。 まず令和6年度の給与の実態調査などを行っておりますところ、平均人件費については各園の平均値は基本的に上がっておりまして、決して処遇悪化をしているということはないということを補足させていただきます。

人材確保に対する支援に関しましては、京都市が行っている政策、国庫補助金を使っているものもありますし、また京都府が行っている政策をご案内しているものもございます。また京都市においては、繰り返し申し上げておりますが、人件費補助金という多額の単独予算を投下してもございます。こうしたものがトータルで、京都市の強みあるいは定着支援につながるものと思っております。現時点で我々は、全国に対して京都市の保育の環境が劣るとか強みがないと思っているわけではございませんので、しっかりそういった前向きな発信をしていくことで、人材の確保には取り組んでまいりたいと思っております。

〇とがし豊委員 皆さんはそうおっしゃるのですが、実際には行革の影響で賃金が下がった方がたくさんいらっしゃったわけです。そこから持ち直したとおっしゃるのかもしれませんが、やはり京都市が積み上げてきたところから考えると、もっと処遇改善に力を入れなければいけないと思います。

「全国よりも優れている」とおっしゃる、もちろん頑張っている部分もあります。それは保育関係者の皆さんが京都市と一緒に積み上げてきたからです。その努力は評価していますが、その積み上げたものが崩されているから今意見を申し上げています。むしろ今こそ京都市が引っ張っていくぐらいの気持ちで、国の給付費が増えた分、市の持ち出しを減らすのではなく、それをさらなる処遇改善に回すことで、保育士が専門職としてこの日本社会で尊重される道を開いていただきたい。このことを求めておきます。

子ども誰でも通園制度について

次に、こども誰でも通園制度についてお聞きいたします。2年の試行実施を踏まえて、新年度からいよいよ本格実施となりますが、各保育施設においてどのような職員体制でやられるかお聞きしたい。時間の関係があるので簡単に質問から入ります。

基本的には保育従事者2人以上となっていて、その半分以上は保育士資格を有する方、それ以外の方も研修を受けた方になるということですが、配置基準の関係で見ますと、0歳が3対1、1歳児が6対1、2歳児6対1になっています。京都市の独自の配置基準で言うと、0歳は3対1、1歳児は4対1(加算分)、2歳は6対1となります。

「余裕活用型」や「在園児との合同型」で保育の現場と一体にやっていくことや、本体からの応援が含まれていることを考えると、少なくとも(独自の配置基準と)同じ基準にしなければいけないと思います。また、今回月10時間から12時間に2時間上乗せして使いやすいようにされますが、週1回3時間預けるにしても、子どもたちが馴染んでいくことを考えた時に保育士さんの負担は重たい。通常以上の体制がいるんじゃないか。少なくとも京都市の独自配置基準ぐらいまでのところでやる必要があるのではないかと思いますが、今回の補助の方の配置の考え方、なぜこうなったのかということ、それから月12時間で果たして子どもたちが本当に馴染むことができるのか。市としてはより一層、一時保育の充実が求められているのではないかと思いますが、合わせてお答えください。

〇幼保総合支援室長 まず配置基準についてでございますが、こども誰でも通園制度の配置基準は、0歳が3対1、1・2歳児が6対1が基本的な考え方でございます。これは国基準に準じているということと、一時預かりの制度に準じているということでございます。

ただ、ご指摘の通り、京都市の保育所につきましては独自の条例に基づき、1歳児については5対1まで上乗せしております。従いまして、例えば「余裕活用型」という在園児と合同で行う類型につきましては、保育所においては5対1の基準を求めているということでございまして、そこを軽減しているものではございません。

それから一時預かりとの制度の充実についてですが、一時預かりは基本的には保護者の就労形態や要件に基づいて使う制度という立て付けになっております。こども誰でも通園制度は、保護者の就労要件を問わず全てのこどもの育ちを応援する制度となっております。制度の目的が異なるという点と、長く預かることがこどもの成長を促すということではなく、それぞれの目的に沿ってニーズに沿って、提供体制を整えて充実を図っていくことが必要なのではないかと考えております。

(更新日:2026年03月06日)

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