活動日誌・お知らせ

「元新洞小体育館の耐震化を」(2019年9月1日くちこみ錦林への投稿より)

京都市会議員 とがし豊 です。

2019年9月1日付の「くちこみ錦林」に投稿した「元新洞体育館の耐震化を」を以下、紹介します。

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京都市が耐震性能を満たしているとしてきた元新洞小学校体育館の体育館の耐震性が実は不足していたことが、今年の5月発覚。そのうえ、京都市がこの体育館の耐震化を拒否していることに対し、住民からは怒の声があがっています。早急な耐震化を求める声が圧倒的であり、党市議団として、すみやかな耐震化を市議会で求めました。

耐震診断結果に重大な不備 京都市は1年2か月間隠蔽

京都市は2017年3月、学校体育館の耐震診断業務(2002年に「建築研究協会」に委託実施)に重大な「不備」があったことをつかみます。北区・小野郷小学校で行われた京都市の体育館の釣り天井撤去工事の際に担当した市職員が耐震診断の数値に不審な点を発見したことが発端です。京都市の内部調査が始まりました。小野郷小学校と同時に行われた28校の体育館のうち20校はすでに改修工事などを済ませていたため、残る8校について、受託していた事業者の責任を追及・再調査を要請。最終的には京都市自身が耐震診断を実施、2019年2月には8棟すべてで耐震性能が不足していることが判明したのです。ところがこの時点でも京都市は地元も市議会にも隠します。時まさに市会議員選挙が激しく闘われている時期です。隠密裏に、大原小中学校、二条中学、桂中学、日吉ケ丘高校、塔南高校、元月輪小、元梅逕中学そして、新洞小学校について耐震化の検討が行われます。市議選から1ヶ月後、京都市は新洞小学校以外の7校については5月の市議会に耐震化を進めるための予算を計上、この時点での新聞報道で初めて地域住民・議員に事態が伝わります。

体育館の耐震化は可能 京都市の本音こそ問題

京都市教育委員会は、元新洞小学校の体育館について、「コンクリート強度が耐震改修に適さないことが判明」「将来的な学校跡地活用方針を定めていく中で対応を検討」と市議会で説明しました。しかし、改めて京都市の公共建築改修の担当者に確認すると「(耐震化の国基準との比較で)コンクリート強度が不足していることから出発点から厳しい」としつつも「京都府建築物耐震診断改修計画等判定委員会などの専門組織に諮りながらする」という方法もあることを認めたのです。

京都市は、「震度6強以上の地震に対し『倒壊する危険性が高い』というレベルの下で対策が必要」といいながら、「最大震度7の熊本地震を含め阪神淡路大震災以降、全国的にも同様の構造の体育館の倒壊事例がないことから、一定安全」「利用停止は行わない」としています。ならば、前述の方法だけではなく、なぜ同様の施設が倒壊せずに残っているのかをしっかり解明して新たな耐震化の手法を考えるべきです。

結局京都市の本音は、ホテルなどの事業者に50~60年の長期貸与をおこなう学校跡地活用方針の中でその体育館をつぶすことになるかもしれないから、そんな苦労はしたくないといわんばかりです。

「京都大震災」へ備え 新洞含む元学校6体育館耐震化が急務

花折れ断層が動けば、市内2万9700戸が層破壊(建物全体や一階部分が完全に倒壊)となり、29万2900人の避難民が生まれると京都市は想定しています。これに対して指定避難所は424施設16万4513人分のみ。13万人近くの住民が路頭に迷い、駅周辺にはビジネス・観光で外部から来た帰宅困難者が溢れます。

今回耐震性不足が発覚した施設以外に、実は、すでに5ヶ所(上京・元西陣小、中京・元教業小、中京・元生祥小、東山・元有済小、下京・元安寧小)で予算不足から耐震化できない状況が続いています。いずれも被害が集中する場所にあり、早急な耐震化によって、いざというときの避難所(1200人余を収容)と防災活動拠点として守らなければなりません。そこに今回新たに元新洞小学校の耐震化の課題が新たに加わったと言えます。

元新洞小学校の体育館は、地域のスポーツ振興のみならず、年間何度も行われる様々な行事のコアのような場所となっており、地域になくてならない場所です。私自身も、子どもたちの通うだん王保育園の生活発表会の舞台としても長年親しんできた場所でもあります。ひとたび大規模な地震が起これば、避難所としても安心して活用できる場所でなければなりません。耐震化の実現へご一緒に声をあげましょう。

(更新日:2019年09月09日)