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京都市地域コミュニティと市民参加に関するビジョン案 文教はぐくみ委員会 摘録
○委員長 委員会を再開いたします。それでは休憩前に引き続き質疑を行います。とがし委員、よろしくお願いいたします。
○とがし委員 私からも、京都市地域コミュニティと市民参加に関するビジョン案の意見募集に関わって質疑させていただきます。よろしくお願いします。
1. 各区基本計画の廃止とビジョンへの統合について
○とがし委員 まず、今回、各区基本計画を廃止というか統合し、その通底部分をこの中に組み込んでいくというお話ですが、2001年(平成13年)当時の京都市基本計画に合わせて各区基本計画が立てられて以来、2期、3期と続いてきました。 私は、例えば左京区の計画などを拝見しますと、かなり区の特色を踏まえたものが作られていると思っています。今回は街柄や課題を通底部分として一つにされていますが、やはり地域の特色を掴む上では、行政区ごとに分けないと掴みきれないのではないか。その点では、これまで15年間、各区基本計画があったことには、かなり合理的な根拠があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○地域自治推進室長 ご指摘の通り、各区基本計画の通底部分については、このビジョンにまとめております。「分かりやすく、簡潔に、市民の方がより理解しやすい形で」ということについては、各区からもそのような声をいただいておりますので、このような形でまとめさせていただいております。 また、各区の取り組みにつきましては、本ビジョンの11ページに記載しております通り、「まちづくり運営方針」という形で進めてまいります。これについては京都市のポータルサイトにおいてもデータを公表しておりますが、そういったデータや、あるいは各区が独自に把握したデータ、あるいは足で稼いだ定性的な情報、区民の方とも議論をした上で、運営方針というものを作っていくべきものと考えております。
○とがし委員 一応、今回はそういう考え方で出されていますが、例えば左京区であれば、産業分野別の従業者数など地域の特性を分析する上で、どのような生業で生活されているかという、一見しただけでは分からないところも含めて明らかにされています。なおかつ、周辺の村を統合・吸収しながら発展してきたという経過、自然的・地政学的な要素も含めて明らかにされ、その風土の中に前回の基本計画が定められていました。これを共通の土台として、区民の意見を吸収しながら計画を立てられてきたわけです。 北区を拝見しますと、ワークショップなどを通じて350人もの方に参加してもらい、1,000件に及ぶ意見を集めてまとめたとあり、これも左京区とは全く違います。SDGsの指標を軸に「これまでとこれから」を打ち出し、人口減少部会、防災部会、高齢化部会、文化観光部会なども作りながら取り組まれています。 さらに西京区で言えば、今も大変議論となっている特有の公共交通の充実、これは本当に悲願であると思いますが、こうした点も人口分析を含めて突っ込んだ検討がされています。 実は第1期計画の時には、8行政区での基本計画の中に小型バスやコミュニティバスを作る計画が出されており、各区民の皆さんの思い、京都市全体ではなかなか踏み込めないことも含めて書かれていました。私はかなり積極的な意味があったと思います。 先ほど中野議員から、区役所に人と財源と権限がもっと必要だという話がありましたが、私も全くその通りだと思います。権限・財源・人をしっかり配置して区の基本計画を立てることで、内容のより充実した計画も立てられるはずです。 これまでの各区基本計画は約40ページほどありましたが、それらが本当に継承されるのか。今回の「運営方針」が、そこまで突っ込んだ分析を行った上で定められるのか、今のご説明だけではなかなか確信が持てないのですが、いかがでしょうか。
○地域自治推進室長 今ご指摘いただきました各区の数値的・定量的なデータや、あるいは各区の歴史といったことにつきましては、当然ながらしっかりと踏まえて、各区で運営方針を作ってもらうべきと考えております。 特に歴史につきましては、しっかりと次の世代にも語り継いでいかなければならないものです。運営方針そのものにすべてを載せることはイメージしておりませんが、そういったことをベースにしながら、運営方針を考え議論していく必要があると考えております。
2. 京都の「まち柄」の現状認識と表現について
○とがし委員 そうあってほしいですが、この15年間、少なくとも各区が知恵を寄せ、案を出し、市民からの指摘を受けながら充実させてきた結果があります。それが本当に担保されるかどうか、大変不安に思っています。そこはやり方も含めてぜひ検討いただきたい。 次に、このビジョンの1ページに「京都のまち柄」として集約されていますが、先ほども言ったように、一括りにできない多様性が京都市にはあります。この「街柄」として、地蔵盆にたくさんの子供たちが参加している写真などが表現されています。左側には地域の取り組み、左下はおそらく居場所のイメージ、右側は通学の見守り活動などが「街柄」として表現されています。 ただ、実際は地蔵盆でも子供たちがどんどん減少し、行事そのものが縮小・廃止されたり、宅地開発の関係で町内会の共有地にあったお地蔵さんを撤去せざるを得なくなったり、お寺に返却したりという現実も起こっています。見守り活動も担い手不足で非常に苦戦している状況です。 もしこれを書くのであれば、京都の町でこういうことが大事にされてきたという「変容」も含めて書くるべきではないか。これを見た時に「だいぶ過去の話だ」「昔はそうだったけど」と思われる方もあると思います。これが「今の京都のまち柄・現状だ」と言うのはどうなのか。 現実に過去やってこられたけれども、3ページで書いているような人口減少や高齢化などの課題が起こっている。そこが一体で書かれているなら分かりますが、間に京都市の取り組みが入ってくる構成では、「本当にそうか?」となってしまう。工夫が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○地域自治推進室長 冒頭に街柄を持ってきたのは、審議会や市民参加推進フォーラムの中の議論で「このビジョンがどこの町のビジョンか分からんようなもんではいかん」ということで、まずは京都市がどんな街なのかをみんなで共有したいという思いで記載したものです。 また、写真についてもそんなに古いものではなく、ここ数年の間の写真です。コロナ禍を経て地蔵盆をやめたところもあるというご指摘ですが、逆に復活させている取り組みもございます。そういった取り組みを後押ししたいという審議会の皆様の思いも含めて、地蔵盆はぜひ掲載したいということで載せております。
3. 区役所の役割と「大区役所制」の理念について
○とがし委員 そういう思いであるならば、課題克服に向けた取り組みも含めて伝わるような工夫がいるのではないかと思います。 例えば、初めに「街柄」があり、次に「課題への対応」があり、京都市としてこう取り組んできた、という流れの方がいいのではないか。足りない部分は、本来であれば区の基本計画でもっときめ細やかに、各区・各学区の個性を踏まえて網羅すべき視点ではないかと思い、お聞きしました。 次に、11ページ、12ページの「区役所の役割」についてです。 「地域コミュニティをリードする」というところで、「庁内組織や地域の多様な主体間との垣根を超える結節点(ハブ)」ということが打ち出されています。しかし、かつては「大区役所構想」として、区役所に保健所や税業務など様々な部門があり、出先も含めて区単位で強化していくビジョンがありました。 その時代と比較すると、今の区役所には実動する専門部隊がいない状況に見えます。このような状況で、本当にハブとしての機能的・機動的な役割が果たせるのか。理想は掲げられていますが、実効性があるものになっているのでしょうか。
○地域自治推進室長 かつての区役所については、様々な機能を内側に取り込んでいくという考え方だったかと思います。現在打ち出している考え方としては、区役所がむしろ外側に開いていき、地域に対しても、また庁内においても「区役所が本庁を動かしていくんだ」という気概を持って取り組んでいるところです。 地域自治においても、区役所が本庁との間に入り、連携がスムーズにいくような結節点となって取り組みを進めております。
○とがし委員 区役所が市政運営でもっと主導的な役割を果たしていくということですが、やはり「人・財源・権限」が必要だと思います。運営方針を定めても、結局は各局に予算が配分されている状況で、区役所が大きな発言力を持って主導できるのか。 私としては、かつての「大区役所制」は市民にとって非常に分かりやすい発想だったと思います。左京区も大区役所前提で機能を一箇所に集約した経過があります。やはりその原点に立ち返ってこそ、このプランは生きてくるのではないかと思います。
4. 業務の外注化と職員による直接対話について
○とがし委員 また、12ページの最後には「人づくり・人材育成」が書かれています。時代の変化に対応し続けるとありますが、最近のワークショップや各種計画、基本設計など、京都市は外注するケースが多くなっています。 あくまで手助けだと言いますが、多くのプランがコンサルタントにお願いされており、本来は職員がやるべきではないか。市民の意見を直接聞く貴重な機会であるワークショップまで民間事業者に委託する状況があります。 私は、そういう場こそ公務員だからこそできる、やりがいを感じられる場所になると思います。憲法で「全体の奉仕者」と書かれていますが、それを実感できる場です。市民も、区役所や土木事務所の職員さんと肩を並べて話し、直接交流することで、市政を身近に感じることができます。 外注ではなく、直接的に京都市の職員が市民との対話をやっていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○地域自治推進室長 ご指摘のように、市民との対話が公務員としてのやりがいであるというのは、私もその通りだと思います。若い職員にもぜひ体験していただきたい。 その上で、例に挙げられた基本計画や基本設計については、かなり専門的な知識が必要となります。ファシリテーションのノウハウや技術についても、外部の人と一緒に取り組むことで職員にとっても学びになることがあります。基本設計などは専門知識が必要ですので、外部の設計関係の方に入ってもらうのは非常に意義があると考えます。 一方で、外部の方も市の職員と一緒に対話に参加することで、「一緒に街づくりをしているんだ」というやりがいにもつながります。市役所の内側と外側に高い垣根を設けるのではなく、その垣根を低くして、一緒に取り組んでいく形を目指していきたいと考えております。
○とがし委員 ただ、現実はそこまで綺麗なグラデーションがある感じではありません。洛北の基本設計の話や、公園整備のワークショップにしても、職員さんが直接加わらずに任せてしまっているのは非常にもったいない。 都市計画や建設の専門職員の方にお聞きすると、かなり高度な専門知識や資格を持っている方もたくさんいらっしゃいます。その能力が生かしきれていない、力を発揮できないということは、やりがいを感じるチャンスを逃していることになります。 職員さんが「この公園は自分が市民と一緒に話をして計画を作り上げたんだ」「この公共施設は私がやったんだ」という実感を持てるよう、積極的に専門職の力を生かす形でやっていただきたい。民間の力を否定はしませんが、あくまで職員の力を最大限発揮させることに力を尽していただきたいと求めておきます。
5. 「いきいき市民活動センター」の活用と場づくりについて
○とがし委員 最後に、市民参加に関わって、7ページのアプローチ3「身近な公共空間における気軽に参加できる機会・場づくり」、9ページのアプローチ8「夢中になれる学びの機会」、10ページのアプローチ10「多様な主体の混ざり合い、対話や連携・協働の拡大」について。 これらは非常に大事なポイントですが、これらを総合的に行っている施設こそが「いきいき市民活動センター」だと私は思っています。指定管理者の力も借りて、自主事業を含め多彩に取り組まれています。左京東部いきいき市民活動センターでは文化祭を開いて利用団体の協力を促すなど、経過があります。 この方向性を進めるのであれば、いきいき市民活動センターの機能を「施設の暫定利用」に留めず、より本格的に位置づけていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○地域北部振興担当部長 いきいき市民活動センターにつきましては、従来から説明させていただいております通り、利用可能な期間の暫定利用ということで進めさせていただいております。 現在存続しているセンターについては、ご紹介いただいたように貸館や市民活動の支援を行っておりますが、施設の老朽化や土地の利用条件により、廃止などの方針を定めているところです。その方針に基づき進めてまいりたいと考えております。
○とがし委員 以前もやり取りしましたが、本ビジョンの14ページ、資料の「自治会運営の課題」の中で「会議や活動する場所がない」という切実な課題が挙げられています。それを担っているのが「いきいき市民活動センター」です。 区役所は各行政区に1箇所しかありません。その周辺の方はいいですが、そうでないところは各地の市民活動センターを使わざるを得ません。そうした場は、京都市中にたくさんあってもいいと思いますし、教育委員会が公民館をもっと作る方針を持ってもいい。 とにかく、お金を払わずに、あるいは低廉な料金で気軽に使える場を増やしていかなければ、コミュニティ全体が活力を失っている中で、若い世代も含めて社会課題解決に動こうという芽を育てることにはなりません。 ぜひ、そういう芽を育てるという観点に立って、このビジョンに基づき、地域コミュニティ活性化のための場づくりを、インフラ整備も含めて各局と検討いただきたい。これを求めて終わります。以上です。
(更新日:2025年12月19日)


