去る2023年9月22日京都市予算特別委員会で補正予算の審議が行われました500億円の財源不足どころか、収入が大幅に上振れし77億円の黒字に。行財政改革により市民負担増の見直しに手を一切つけることなく借金の前倒し返済に動くのはどうなんでしょう。質疑に立ちました。
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とがし豊議員(共):2022年度決算で77億円の黒字が出て、これを主に活用して編成されたのが今回の補正予算ということであります。2023年の実質102億円の黒字に続いて2022年度の決算は 77億円の黒字と。しかも2年連続で、前倒しで「過去の負債の返済」ということで「公債償還基金」への積立が行われます。決算を受けた今回の補正予算も含めてですけれども市民からは「京都市の財政は大変なのか?それとも余裕があるのか?どっちなのか?」という声が出てきているというのが率直な現状です。当初、市長や財政当局は、毎年500億円の財源不足で令和6年2004年には基金が枯渇し財政破綻と主張してこられましたけれども、その説明からはあまりにも乖離している現状にあるんじゃないかというふうに思います。京都市財政が厳しいことは確かでありますけれども、毎年500億円の財源不足というのは、やはりかなり誇大宣伝だったんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
室長:当時、行財政改革計画を策定する段階におきまして有識者会議を開いて議論をさせていただいたわけでございますけども、その議論を始める最中と言いますか、その直前に、コロナ禍に見舞われたということでございます。財源不足500億円毎年ということでございますけども、やはり、そのコロナでの影響というものが非常に大きい状況でございました。これはこの見込み方につきましては、令和3年度の他都市の予算の状況を見ていましても、市税収入大幅に減少見込まれる。また、国が地方の財政の見通しを毎年立てているわけでございますけども、その中でも5%を超える減少が見込まれる中、本市ではそれをよりもまだ少し影響が低いという風な見方をする令和3年度予算を編成さところでございますけども、そうしたことが非常に大きかったかというふうに思っておりますが、これにつきましてはそうしたことにならないためにそんな見込みがある中でも国において的確な財政出動され、また、京都市におきましても国・府と歩調を合わせる中で市民中小企業の皆様の支援をする、また、市民の方、事業者の方が懸命にご努力をなされる中で我々が見み込んでおりましたリーマンショックのような時のような状況にはならずに進んだということでございます。
とがし豊議員(共)まあ今ですね、直前にコロナ禍だったということで、そういう中で財源不足ならないようにという話だったんですが、結局、国はコロナ対策でしっかり手当して京都市はその臨時交付金の枠内で対策を打ち、地方財政についても国は同水準を維持するというルールを守って財源もしっかり確保してきたという状況だったと思うんですね。ですからあのリーマンショック級の税収の落ち込みという行財政改革計画を見通しが大きく外れて大幅は生まれる上振れによって今回77億円の黒字となったわけであります。で、大幅に見立てがくるっているという状況のもとで、今回市長が補正予算編成の考え方として「今なお急激な物価高騰等にお困りの市民事業者皆さんへの更なる支援」というふうに述べられてるんですけれども、京都市の場合にはそのコロナ物価高騰に加えて行財政改革計画による福祉削減によって痛めつけられている市民生活というものがあります。ここに対する手当てというものを今回の補正予算の中で組まないっていうのはやはり市民の実情を見てないってことになるんじゃないかと。その点で、私はですね、この予算編成の考え方の中に行財政改革計画による負担増の見直しっていうのも入れられて然るべきだったんではないかと思うんですが、この点の検討はいかがだったでしょうか。
室長:この間行財政改革の取り組みの中で事業施策の見直しを行ってきたことについてということでございます。今回のこの見直しにつきましては施策を持続可能なものにするという観点から行ったものでございます。例えば使用料手数料につきましては施設を利用する方、しない方の公平性の観点も踏まえながら適切な公費負担割合になっているかどうかということについて点検をして適正化をしたものでございます。また、その他都市を上回るようなとこ実施施策の理念を引き継ぎながらも引き続き他都市水準を上回るサービスを将来にわたって維持をしていくために人口動態、社会経済情勢それから制度の課題を踏まえて再構築を行ったものというものでございますので、こうした考え方で再構築をしたということでございますので、黒字になったからということで元に戻すということではないというふうな考えでございます。これらにつきましては、その単に元に戻すとか戻さないというそういう議論ではなくて、今現状あるこの事業政策を現状に照らし合わせてどうなんだと、課題があるのかどうか、そういう観点で見ていく必要があるものというふうに考えておりまして、議会からのその付帯決議も踏まえた指摘も踏まえましてこれまでからも事業の検証し、また、見直す際におきましても適用範囲を拡大する新たなサービスを付加して利用しやすくするというような取り組みを加えたり、また検証する中で、経過措置を設けるもしくはより重々させるというような見直しもすでに行っているところでございますので、引き続きそうした観点で事業・政策については検証していく必要があるというふうに考えてございます。
とがし豊議員(共):引き続き検証していく必要があるというふうにおっしゃるわけなんですけれども、詳しくはですね決算審議の場に譲るわけですけれども、例えば敬老乗車証で言えば負担金倍増で2万5000人の方が敬老乗車証を諦めると。で、民間保育園の13億円の補助金削減によって、これの13億円にとどまりませんでした実際は、補助金削減よって15の保育園で給与カット、58の保育園で賞与カットという事態を生み出しているということが 2022年の12月の市議会に報告されております。で、世間で賃上げが叫ばれている時に賃下げなどありえないというものです。この未来世代を育てる保育現場の先生方と粗末に扱う京都市であってはならないと思うんですね。こういう事態が現に起こっているという状況の中で、例えば今回の補正予算を検討するにあたって、保育予算の増額を盛り込んで本格的なこの保育予算削減についての軌道修正を行うべきではなかったのか、行財政局と子ども若者ははぐくみ局との間でそうした意思疎通っていうのは本当にあったのかどうか。この点について確認したいと思います。
室長:今回の 補正予算につきましては大きく2つの視点での考えで予算を編成させていただいております。今回、冒頭ございましたように令和4年度では77億円の黒字を達成する
ことができる中でその財源を今と未来のために活用していくという中で、1点は過去の負債、これは500億円が残っているということでございますので、それを着実に返済をしていくこれ重要な視点だと思っております。一方で 今の方に対して課題に対してどう対応するかということで物価高等への対応また経済が正常に戻りつつある中でも、生産力の向上ですとか消費関係等ですね事業者の後押しをするようなそういう視点で編成をさせていただいたというところでございます。
とがし豊議員(共):今と未来を考えて編成したと言うんですが、今の保育の現場も守れないという現状がある中で、例えばその子ども若者はぐくみ局との間でどういうやり取りがあったのかということを聞きたかったので極めて残念に思います。同時にそうした今と未来と言いつつも、その今が極めておろそかにされているもとで 未来が果たして守れるのかという根本的なこの予算編成の考え方についての疑問も呈しておきたいと思います。
とがし豊議員(共):次に今回の補正予算の最大の費目が公債償還基金への積立ということになりまして。平たく言えば借金の前倒し返済35億円ということになると思います。これは京都市が自由に活用できる一般財源53億円のうちの7割を占めております。2021年の決算で187億円を借金のこの前倒し返済交際基金の積立に使ったことと合わせますと2年間で222億円に及ぶものとなっています。京都市の財政が慢性的に厳しい状況であるとは事実であり、この公算償還基金を一定の考えで積み立てることも必要な措置ではあるんですけれども、その回復との規模とスピードというのは市民生活との両立がなければならないという風に考えます。その点で、当初あと10年で達成するとしていた収支均衡とその特別の財源対策からの脱却というものをすでに達成している下において、この上この 2年間で222億円の前倒し返済っていうのはバランスを欠いているのではないかというふうに考えますがいかがでしょうか。
室長:過去負債の返済を優先して行うという姿勢でございますけども、これは返済を後回してもいいというようなことは決してないというふうに考えております。一方で両輪、両立させる必要があるのではないかというご指摘でございましたけども、今回の中でもですね、返済のみを行うということではなくて、今の課題に対応するところにも財源を振り向け予算を提案させていただいているところでございますので、決して返済のみを優先をさせて行うということではないということでございます。
とがし豊議員(共):返済のみを優先させるわけではないと言うんですけれども、先ほどから35億円の返済の根拠として高齢化がピークを迎える令和20年、その24年がピークで、その直前の24年にまでにこの13年間その13年間の間に505億円返済するということで、この単純に割り算をして算出されているわけであります。コロナ禍、物価高騰の今に一挙 返済する必要あるのかというふうに率直に思うわけですね。そもそもこの京都市財政が厳しくなった原因である地下鉄東西線の工事にあたってゼネコンに言われるがまま契約変更を繰り返して2倍に工事費を膨張させたことや平成初期に身の丈に合わない規模・スピードで大型公共事業やってしまったこと、その借金の返済のピークがこれから迎えるというところに今の京都市財政の苦しさがあるわけであって、その返済の原資っていうのは、やはり、投資を過大にしすぎたということであれば投資的経費の抑制によって確保すべきではないかと思うんですがいかがでしょうか。
室長:市債の返済がピークを迎えることについては事実ではございますけどもこれまで行ってきた投資につきましてはいずれも必要な投資であったというふうな認識でございます。
それからすいません。先生ちょっと、ご指摘を、ちょっと現地を通して経費を充てるんじゃないかという確か質疑だったと思います 。
とがし豊議員(共):京都市財政が苦しい原因はそれ共有できる話だと思うんですけれども、その先ですね、その結果生まれているこの財政の苦しさなわけですから、今後については やっぱり投資的経費をより抑制するということによって捻出してこうした公債償還基金の計画的な返済ということも考える必要があるんではないかということでお聞きいたしました。
室長:すいません大変失礼いたしました。投資的経費につきましては行革計画、現行の計画の中でもですね、今後その施設の維持修繕のために多額の大規模改修等ですね必要になる中でそれを一般財源べースで言いますと170億円に抑えると いう中で 計画をしているところでございます。行ってその抑制をするということも鑑みて、今後の公債費が大きく膨らまないようにもしくは低減をさせていくようにという中で計画をさせていただいているところでございます。投資事業全て悪いかのように言われるところもございますけども、決してそうではなくて今ある施設を維持していくためにも必要なものであるというそういう認識でございます。
とがし豊議員(共):私は投資が全てダメって言ってるのではなくて身の丈にあった規模とスピードでやらなければいけなかったにもかかわらず、それを考えない過大な投資がやられてきたんではないかでそのペースあまりにももし必要な事業であったとしてもペースが 身の丈を超えるペースでどんどん作っていったら財政が厳しくなると誰が考えても明らかなわけで30年後までに返済しなければいけないって話になってくると、より一層その将来世代に負担がかぶるということを将来世代との負担の公平性という名のもとにやってこられたわけであって、その過去の皆さんが職員だったじゃなかった時代も含めてですけどもその過去のツケを今払うということであればその視点はやっぱり 過去の失敗の原因というところに着目したお金の使い方の見直しっていうのがいるんではないかと。私も過去にですね。京都会館の問題だとかにしても、北泉橋の問題にしても、区役所問題にしても様々のお金をかけずに移転しない方法やとか、改築の方法やとか含めて京都市当局の内部の資料なんかも示しながら、対案を示して言ってきましたけども、そういうことも全然聞かずに進んできたわけで、その結果今京都市の借金があるということですので。やはり、その点では今後の投資経費の見直しについてはより踏み込んだものを求めたいと思います。最後にですね、私はこうした中で今回補正予算が組まれるということで、77億円もの財源が出てきたという状況の中で、先ほどもちょっと冒頭申し上げましたように、行財政改革計画の中で 削ったものについて、どこかでも見直しをして、負担軽減をすると。あるいは課題を検証すると言われましたけど検証するまでもなく結果出てきている課題が現実にあるわけで、それはやっぱり、具体的に解決するような補正予算に組み替えていただきたいということを求めて質疑を終わります。以上です。
(更新日:2023年10月02日)