活動日誌・お知らせ

民間保育園への補助金の削減について~2022年3月8日予算委員会局別質疑より~

3月8日に行った予算特別委員会での民間保育園補助金削減についての私の質疑の大要です。
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とがし:京都市が「再構築後の補助金」の試算結果を各保育園に示した。265園のうち81%にあたる215園で補助金削減となり、その額は11万2千円~4173万9千円の削減となる。3千万円超の削減は6園、2千万円超過の削減は21園、1千万円超過削減は65園、500~999万円以上削減は65園、499万円未満が58園。増えるのは50園のみ。3200万円以上削減幅となるある園は、障害児などを積極的に受け入れ、経験年数の多い保育士も一定数おり平均経験年数が18年と一定高い水準にありこれまでのポイント制の下で確保されてきた人件費が大幅に削られた結果と推測されるとのこと。調理師関係だけでも現状常勤5人と非常勤1人の体制で本園と分園のそれぞれの給食を提供しているがその部分で650万円の人件費削減。ある園長先生は、これまで積み上げてきた保育そのものを否定するような削減幅であり、涙を流しながら予算編成しているそうです。国全体が保育士などの処遇改善といっているときに、処遇改善どころか処遇の維持さえもままならないという状況にある。試算結果の総額では20億8531万4千円の削減の26億2452万円となる。この新しい補助金制度のAに該当、30.8億円ないし32.5億円確保するとしていた制度設計から見ると、4億5548万円~6億2548万円、削減しすぎとなる。制度設計自体間違っていたのではないか。これが実行されれば多くの保育現場に破壊的な影響をもたらす。撤回をもとめ、少なくとも2022年度については臨時的に従来の補助制度を継続することを求める。


(答弁→はぐくみ創造推進室長)いくつか数字ある。各園への提示額は、R2年度の配置状況、支出実績に基づいて新制度に適用してシミュレートしたもの。26億円はその通り。実績に基づく額で、制度上算定可能数まで支出した額は63億円、これが上限額。予算額は、シミュレーションから各園で充実する伸びしろがあるので、6億円ほどの伸びしろを算定して、32.8億円。人件費が一定増えるのではと想定していて、削減はしていない。最大で63億円を見込んでいる。

とがし:伸びしろと言うが、従来から市を上回ることをやっている場合もあって、そのゆとりが完全に奪われ、計算上うまくいかなくなっていると聞く。京都市はこれまで22億円の収支差があるから、補助金を13億円削減しても、保育園が対応できると説明されてきたが、それらのお金は、人件費積立金、修繕積立金、備品購入のための積立金、保育施設設備整備積立金、借入金の返済、京都市や国から年度またぎでくるお金が名目的に残ったもの、ように見えるなどした部分であって、決して無駄にあったお金ではなく、京都市も国も認めてきた使い方である。そして、3200万円減った施設の事例でいえば、京都市がそういう不足分の財源として言っている国給付費の保留分と物件費はあわせて1000万円程度の余地しかないとのことで到底穴埋めできないとのこと。1000万円をこえて減額となるある保育園では、積立金をすべて吐き出しても現状の給与の維持は1年も持たないとのこと。園によって金額に大きな開きもあり、理論値だけでも保育現場に深刻な影響が想定され、しかも、これまで旧プール制やその後のポイント制のもとで営々と積み重ねられてきた保育体制と保育の質そのものに、破壊的な影響をもたらす可能性がある。各保育現場につきつけられているこの深刻な事態をどう説明するか。正規職員になるのをあきらめてもらうとか、未就学児童の受け入れ決定を今からひっくりかえせとでもいうのか。追い詰められた声が寄せられている。


(答弁→はぐくみ創造推進室長)理論値と実際のシミュレーションの両面では、理論値では、各園の活動収支の総額、収支差は31億円で収入多い。積立108億円、残り22億円の収支差がある。今回の補助金の削減は経費ベースで11.3億円、一般財源で13億円、それだけの収支差がある中での削減額。各園で、補助金減額になるところ確かにある。要素としては、算定可能数があるがそこまで配置していないなどで、補助金としては現制度から減る。各園で支出されていた額が補助金に満たないと、内部留保や積立金で、補助金に見合うように経営の見直し。直ちに経営が成り立たないということにはならない。状況に応じて相談には応じたい。
とがし:積立金を崩して充てたらいいと言うが、どこが持続可能なのか。1年経って持たなくなった後はどうなるのか。経験年数多いかと思うが、それがだめなのか。
(答弁→はぐくみ創造推進室長)現制度でもそうだが、各園で支出される額を全額補助するものではない。人件費がすべての職種で行き渡る制度として再構築した。様々な影響は生じてくる。補助金に応じた形で運営を見直してほしい。直ちに資金ショートするとか、そういう状況にはならない。
とがし:保育園の皆さんがこの議論をどう思うのか。それなら最初から丁寧に議論を積み上げればよかった。構造に問題がある。平均経験年数が11年で加算率が頭打ちになっている。これが制度的に京都市の実態にそぐわない。京都市内の保育士の平均経験年数が11年だからと京都市は説明してきたが、平均値というのは平均よりも上・下の階層があるから成り立つのであって、その平均の水準を上限にする時点で、とんでもない制度破綻になるのは明らかではないか。しかも園ごとの平均経験年数の中央値はどこかというと、12年~15年の保育園。12年以上の保育園が61%を占めるのに、実態をまったく考慮せずに、国の基準をそのまま準用することにかなりの無理がある。それぞれ人を配置したらうまくいくというが、生きた経験年数を積み上げて、収入が保障されているから辞めずに頑張ってくれている。そういう保育士がいるから、京都市の保育園で働きたいと思うはず。11年で加算率の頭打ちは構造的な失敗と認めたらどうか。

(答弁→幼保総合支援室長)一つ一つの園の決算状況、積立金や内部留保など吟味している。直ちに経営が立ち行かなくなることはないという見立て。相談には丁寧に応じたい。制度設計の上で平均経験年数もってくることは間違いではない。処遇改善の加算率、国がそうしている。加算率が11年で頭打ちにはなるが、それ以上の給与アップを否定しているものではない。職種ごとに設定する上限額、独自性を発揮してもらう3.8億円、安定運営のために国給付費から予め控除する13億円、それを活用して対応してもらいたい。経験年数浅い、若い人で設定している単価には届かない、その剰余分を11年以上の人にまわしてもらうと、枠の中に収めてもらえればと考えている。

とがし:控除分13億円、物件費4億円、3.8億円の上乗せあるとか言うが、これでは足りない。現状は事務員を2人以上配置している園が123園あるのに、新制度では事務員は1人分しか補助されない仕組み。調理師についても5人以上雇用している園があるにもかかわらず、4人までしか認めず、その上、うち1人は非常勤分しかお金が出ない。0歳児の減少で、調理師4人以上を雇用している157園でも本当に現状の職員数を維持できるか厳しい状況。また、保育士が事務員として働いている場合もあるし、療育や給食のハラール対応・アレルギー対応なども含め専門性も高くなっており、園にとって大変重要な職種となっている。各職種の補助対象となる職員数をもっと実態に合わせて引き上げる必要があるし、職種間に賃金格差を持ち込むのもおかしいのではないか。

(答弁→幼保総合支援室長)事務員については、これまで対象外だった。新たに事務員1名補助対応で充実させている。調理員もこれまでの3人から4人。厳しい財政状況の中でも見直し一辺倒ではなく、安定運営のために充実したところもある。

とがし:行財政局からの圧力ある中でここは改善していると認めてほしいのかもしれないが、これでは足りない。国の福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金の説明では、月9000円の保育士の処遇改善のための補助金は「補助額の2/3以上は福祉・介護職員等のベースアップ等」に使う要件が課されている。今回の京都市の補助金削減によって各園においてベースアップが図れなくなり、この処遇改善臨時特例交付金に基づく補助金を使えなくなってしまうのではないか。京都市の場合、条例基準による加配の職員分や各園が独自に配置・手当てしている職員分については国からのお金はないので独自の財源確保が必要。ところが、それを補うべき京都市の補助金は大幅削減。9000円の処遇改善は本当にできるのか。この各園における現実をどう考えているのか。この試算結果をふまえて、追加措置を検討すべきではないか。

(答弁→幼保総合支援室長)ベースアップは、国の配置基準に基づく金額で支給される。独自財源で大幅に加配を認めてきたので、やむを得ない。各園で工夫してほしい。

とがし:全国的に賃金アップをしようとしている時に制度的にやむを得ないなどと言うのか。今回の試算をふまえて、すべての園で実際に保育士のベースアップできるようにするために手を尽くすよう求める。「職種ごとに構築する新たな人件費補助制度」と国給付費、追加で国が措置した処遇改善の補助金も含めて、これらの総額に京都市として上限をかけて固定化してしまうというとんでもないことがやられようとしている。ケアワークの処遇改善を目指す全国的な流れへの逆行となる制度変更ではないか。この上限のかけ方は撤回すべき。キャップを設定する考え方はやめてほしい。

(答弁→はぐくみ創造推進室長)上限額として、保育士は勤続年数11年目で553万4千円、単価として設定。これは調査における人件費を15万円上回る。大前提として、この額は国の単価である394万円、全国平均・全産業平均を上回る。実績も大きく上回る精一杯の単価。そこまでは確保したいが、これ以上の支援は本市の財政状況では困難。

とがし:今後、国が追加の予算措置をとったとしても、京都市としては現場の処遇改善には一切まわさず、京都市財政に吸収するという枠組み。こんな重大な逆行は断じて認められない。p18「今後ブラッシュアップしていく」とあるが、制度を再構築するというのであれば、今後ではなく、各園の実情などもしっかり把握しながら、きちんと制度を検討し抜いてから適用とするのが本来の筋であり、従来の予算を保育園に保障する措置をとるとともに、制度のあり方については検討委員会を設置し、公開された場で検討すべき。
(答弁→幼保総合支援室長)先ほど致しかたないと申し上げたが、訂正する。国からの処遇改善9000円、配置基準に基づく金額がくるが、キャップを設定しても処遇改善は十分可能と考えている。補助金の見直しのきっかけはR2年度の調査での課題で、他職種への充当が可能であったこと、国と市の給付の優先順位を決めていなかった。国制度が追いついてきても、十分反映させるものではなく、税金の使い方として、透明性を確保していくために再構築しようとするもの。公開での検討については、プール制再構築の時、連盟から配分の仕方など制度そのものを問われたため検討委員会を設置した経過はあるが、今回は中身が異なるので検討委員会の設置はそぐわない。昨年9月の教育福祉委員会で調査結果お示しした後も協議を重ねてきた。関係団体、各区の園長会などで説明し、意見を聞き、寄せられる質問にも回答し、丁寧に対応してきたと考えている。行財政改革計画のパブコメも参考にしてきた。開かれた場で対話を重ねてきて、対応ができていると考えている。

とがし:最後に資料を求める。再構築後の民間保育園補助金54.7億円の園ごとの詳細についての一覧表(新制度となった場合の現行制度との差額、ABCDの内訳、4月~9月の処遇改善のために配分される国からの処遇改善補助額、国給付費(人件費相当)の実績もつけて)、園ごとにわかりやすく明らかにしていただきたい。

→資料提出する

(更新日:2022年03月21日)

姉妹都市キエフ市をはじめとする各都市へのロシアによる軍事侵攻に抗議する決議

#StopRussianAggression
#kyoto #Київ #NoWar
#StopWarInUkraine

本日、京都市会は全会一致で「姉妹都市キエフ市をはじめとする各都市へのロシアによる軍事侵攻に抗議する決議」を決議しました。
NHKでも報道されました!
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20220301/2010013683.html
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姉妹都市キエフ市をはじめとする各都市へのロシアによる軍事侵攻に抗議する決議

(2022年3月1日提出) 
今般,ロシアがウクライナの首都キエフ市をはじめ各都市への軍事的侵攻を行い,ウクライナ情勢は予断を許さない状況となっている。
 力による一方的な現状変更は国際法に違反する行為であり,平和都市宣言をしている本市として到底容認できるものではない。
 キエフ市と本市とは,1971年の姉妹都市提携以降,市民や民間団体を中心に様々な交流を積み重ね,相互理解と友情を育み続けてきた。また,今年度は提携50周年という節目を迎えたところである。
 京都市会として,姉妹都市キエフ市を含むウクライナへの侵攻に対し強く抗議するとともに,ロシア軍が即時撤退し,早期に平和的解決が図られることを求める。
 以上,決議する。

(更新日:2022年03月01日)

2022年2月4日~新型コロナ対策緊急申し入れ~日本共産党京都市議団

 新型コロナウイルス感染症の爆発的な感染拡大が進み、保健所体制を「562人体制」とした1月28日以降においても、陽性者への保健所からの最初の連絡(ファーストタッチ)が大幅に遅れる事態は解消するどころか、さらなる感染拡大によって困難を極め、感染された方や濃厚接触者の方からの相談が相次ぎました。
京都市当局とも連絡をとりながら改善を働きかけてきましたが、このまま保健所からの最初の連絡が4日目以降になるという現状を放置すると今後の感染拡大によって一層深刻な事態となりかねないため、緊急の対応に絞って党市議団としての正式な申し入れを5点に絞って、2月4日行いました。
市担当者は「連絡が遅くなってしまっている現状はある」と認めたうえで、「保健福祉局が改善に向け取り組んでいる」「三種の神器と言われるワクチン・検査・薬が重要」「濃厚接触者等の期間短縮は知見に基づいたものであればいいが、(検査キット等)モノがなくてそうなるのではダメ。国に総合的に求めていきたい」と回答しました。
高齢者施設への定期的PCR検査を訪問系まで拡大、保健所からの連絡が遅れる中での京都市の情報発信や窓口対応の改善など、少しずつですが前進は図られていますが、抜本的転換にむけ、2月の予算市会での取り組み、4月の知事選挙、7月の参議院選挙は非常に大事になってきています。全力で取り組んでまいります。
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京都市長 門川大作様
新型コロナウイルス感染症対策についての緊急申し入れ
2022年2月4日
日本共産党京都市会議員団
団長 井坂博文
新型コロナウイルス感染症の爆発的な感染拡大が進み、保健所体制を「562人体制」とした1月28日以降においても、陽性者への保健所からの最初の連絡(ファーストタッチ)が大幅に遅れる事態は解消するどころか、さらなる感染拡大によって困難を極めています。保健所からの最初の連絡が4日目以降になるという現状を放置すると今後の感染拡大によって一層深刻な事態となりかねません。緊急の対応に絞って申し入れを行います。
1, 新型コロナウイルス感染症の陽性者への保健所からの最初の連絡は、遅くとも陽性判明の翌日までに行われるように体制を強化すること。感染者への健康観察は、あらゆる手をつくして、専門職による体制を構築すること。
1, 陽性者へのパルスオキシメーターの貸し出しは、医療機関と連携し、どの医療機関においてもできるようにすること。
1, 行財政改革計画による人員削減をただちに停止し、コロナ対応にあたる職員体制のさらなる確保を図り、区役所・行政区ごとで対応する体制を構築すること。
1, 定期的PCR検査について高齢者施設にとどめず、医療機関、障害者施設、保育・教育関係機関など、集団感染のリスクの高い施設において実施すること。
1, 国に対して、保健所体制を強化するための予算措置、ワクチンの安定供給、PCR検査能力の抜本的な拡充を求めること。本市としても独自の予算措置をとること。
以上

(更新日:2022年02月06日)

新型コロナウイルス感染症に感染と診断された方、濃厚接触者となった方へ

新型コロナウイルス感染症で「感染」「濃厚接触者」となった方への京都市保健所からのメッセージが2月3日付で出されました。
—————HPより————-
保健所では,医療機関から提出される発生届を受けた後,感染された方へ順次,連絡を行っておりますが,現下の急激な感染者の増加に伴い,高齢者や基礎疾患のある方,症状が重い方など,重症化リスクの高い方を最優先に連絡を行っております。
このため,それ以外の連絡については,数日間(医療機関から発生届受理後3日間程度。一部の検査所を利用された場合,他都市の保健所経由で発生届が出されるため更に遅れることがあります。)要しております。
保健所から連絡が来る前に,呼吸が苦しいなど自宅での療養に不安がある場合は,御連絡をお願いします。
(問合せ先)
・ 平日午前8時45分~午後5時30分 京都市保健所 
  075-746-2520(保健所から未連絡の場合)
  075-746-2600(保健所から連絡を受けた後)
・ 24時間対応 きょうと新型コロナ医療相談センター 075-414-5487
※体調が急に悪化し,緊急の場合は,救急車を呼んでください。

https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000294318.html

(更新日:2022年02月04日)

新型コロナ◇京都市2022年1月31日朝までの情報

2022年1月31日朝までの情報
#京都市 #新型コロナ
検査は一層ひっ迫し、京都市内陽性率は34%に達している。
京都市以外の京都府内の自治体のひっ迫はより深刻。

昨日までの一週間で8812人の新規感染者数が生まれており、この3日間は先週比で160%超の増加傾向が続いている。

保健所体制は1月28日に592人体制(6号体制)に増強されたものの、感染者数の増加速度に追い付かない事態が今なお続いている。

病院からは感染判明の翌日には保健所から連絡あるといわれるが、実際には、3日遅れが平均的な状況とのこと。現状の体制で解消の見通しがあるのか確認するも、現場からは感染者が急増する下で見通しが示せない状況だとお聞きしたので、一層の体制補強を求めた。

現在、中等症など症状や高齢者や基礎疾患のある方など限り、優先的に翌日までに連絡がいくようにしているとのこと。

また、東京や大阪など他都市に登録している医療機関で、京都市内にサテライト的に診療所を構えている場合には、保健所への報告が他都市保健所経由となるため、当該保健所の状況次第では京都市への連絡が遅れるケースもあるとのこと。問い合わせをいただいた方で、京都市に連絡が来ていない場合にも、聞き取りを行うなど対応しているとのことでした。

体調に変調をきたしたり、しんどくなっている方は、かかりつけ医やコロナ対応窓口に相談するか、救急車を呼んで病院を受診するなど、保健所まちにならないように対応されるように呼びかけたいと思います。

(更新日:2022年01月31日)

2021年11月市会補正予算への賛成討論~賛成の理由と課題・問題点について~

2021年12月9日京都市会本会議とがし討論

2021年12月9日京都市会本会議とがし討論

11月閉会本会議で討論にたちました。ぜひ読んでください。

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日本共産党京都市会議員団は、議第125号および議第161号・2021年度京都市一般会計補正予算案について賛成の態度を表明しておりますのでその理由を述べます。
 本補正予算は、新型コロナウイルス感染症の第6波も視野に置きながら、臨時交付金等を活用し補正するものであります。新型コロナ対策の検査体制の強化や年末年始の診療・検査体制を強化するとともに、伝統産業に従事する事業者・職人を支援、商店街などの消費を喚起、各学校園に自由度の高いコロナ対策の予算を配分するものでもあります。必要な予算であり、賛成するものですが、いくつか課題や問題点があるため、以下申し述べます。
 第一に、保健所を一ヶ所に集約化した無理な体制を継続しているという問題です。今回の補正予算は来年3月まで雇用している派遣職員に対する費用に充てているものの抜本的な体制の拡充とはなっていません。これまでの不十分であったことを直視し、感染状況が落ち着いた今こそ思い切った再編を行うべきです。区役所に保健所を戻して地域密着での公衆衛生の機能を充実させてこそ、感染急拡大時にも無理のない応援体制を組むことが可能になります。
 第二に、敬老乗車証制度の改悪を進めるためのシステム改修が含まれているという問題です。市長は、毎年500億円の収支不足を制度改悪の前提にしてきましたが、予算編成にあたって、不足額は大幅に減り、京都市の見通しは大きく外れました。前提が崩れた以上、制度改悪は見直すべきです。すくなくとも、実施を凍結し、今年度の決算を見極めて再度判断すべきではないでしょうか。
 第三に、厳しい生活を余儀なくされている学生への支援が盛り込まれていない点です。この点は大学のまち京都として、ぜひとも検討を求めます。
第四に、伝統産業と商店街については、その従事者の高齢化が進行し世代継承が求められていますが、より踏み込んだ実態調査と支援が必要です。伝統産業では、京都市が認定する74品目ごとに経験年数や年齢なども含めすべての従事者の実態を直接掴み、その規模に見合った施策となるよう求めます。商店街については、肉屋、魚屋、八百屋の生鮮3品の有無を含む商店数などの基礎調査が必要です。実態に見合った予算を確保し、京都市が地元商店街からの調達を行うなど、施策の拡充が必要です。大規模店の立地規制に踏み出すことを求めておきます。
第五に、コロナ禍において廃業・休業の危機にたたされながらも国や京都府・京都市の支援がまだまだ届いていない事業者があるということです。区役所に事業者への相談窓口をつくるとともに、さらに踏み込んだ支援策を検討することを求めておきます。

以上で賛成討論といたします。ご清聴ありがとうございました。

(更新日:2021年12月09日)

子育て世帯への臨時特別給付金~全額すみやかに現金で!日本共産党京都市議団が提案

子育て世帯への臨時特別給付金~京都市での配分方法をめぐる議論~

子育て世帯への臨時特別給付金~京都市での配分方法をめぐる議論~

#子育て世帯への臨時特別給付金

日本共産党京都市議団は、
全額をすみやかに現金で配布すべきと
予算組み替え動議を提出しました。

自民・公明のみならず、
民主・京都・維新にいたるまで反対したために
動議は否決に。

しかし、現金給付すべきという声は
どんどん高まっています。

つづいて、採決にふされたため、
給付金そのものについては賛成したうえで、
井上けんじ市議(共産)が賛成討論。

全国で事務費を節約し、
子育て世代以外の生活困窮者の支援にまわす
財源にすべきだと求めました。

SOSを求める切実な国民の声にこたえる政治を。

(更新日:2021年12月09日)

1億円で耐震改修できるのに48億円で移転・新築?~おかしい京都市の税金の使い方①~

児童福祉センター今日も、いろいろな方から呼び止められ、「京都市のあの税金の使い方何?」と市政への怒りの声が寄せられました。

9月市会で可決(11/5)された契約議案、三施設一体化整備事業です。市会での議論を簡単にまとめてみました。

今、市政改革に必要なのは、「もったいない」精神で「ハコモノ」(建物)への投資をなるべく減らして、住民福祉の「中身」を充実することやと思うのですがいかがでしょうか。

(更新日:2021年11月22日)

2021年11月10日 京都市保育料値上げや保育園への補助金カットはやめてほしいという請願審査の模様

保育園への補助金の削減や保育料の値上げはやめてほしいという請願・陳情審査で質疑しました。

(とがし質疑)保育料の軽減措置=配慮の見直しに関して
「真に必要な配慮か検討している」と答弁しているが、
どう判断して削ろうとしているか。

(幼保支援室長答弁)軽減に16億円の単費(京都市独自予算)を投入しているもとで、安定的な財源確保のめどがつく中で実施していかなければならない。真に必要かどうかについては、負担と給付との関係で妥当なのか。保育料の間で公平なのかどうか。軽減策の程度、内容も含めて検討している。

(とがし質疑)国の出す財源だけでは不十分なので各地方自治体が上乗せして保育料を軽減するというのが日本全体の保育料の枠組み。その時に、財源のめどを付けて判断といわれるが、財政当局からはどういう目途を付けて判断しろと言われているのか。

(幼保支援室長答弁)現時点で16億円に対していくらという明確なものはない。本市においてすべてについて精査をしながらトータルとして検討している。

(とがし質疑)トータルで見て削減とずってお言っておられるが、消費的経費14%削減というのが言われていえるが、16億円に関してもそういうキャップがかかるのか。

(幼保支援室長答弁)キャップと申しますか、全施策について精査している。

(とがし質疑)配慮が必要かどうか判断するというよりは、保育料を低く抑えるという枠組み全体についての財源を削れと言われていて、削れと言われている金額に応じてどういう風に削るか検討するということになると思うが、結局そこのところは誰がどこで判断するのか。
(幼保支援室長答弁)現時点でいくら削れと言われているから、そういう議論をしているわけではなく、保育料の施策、それ以外の施策すべてにわたって妥当かどうかというところを精査している。

(とがし質疑)それでは角度をかえるが、国基準に対する保育料の徴収割合について、井上議員(共産)の方からも昔は6割だったけど今は7割になっているという指摘があった。答弁でもこれはトップという状況ではないといってはった。大都市の中では真ん中に位置する。この徴収割合7割というのを堅持するのか、ここにも手を付けてしまうのか。
(幼保支援室長答弁)7割という数字ですが、様々な所得に応じた料金体系とか、ひとり親家庭への配慮や、様々な配慮を行ったうえで結果として70.7%という割合になっている。この額ありきといいますか、今後どういった配慮をしていくかで、結果としてこの割合は出てくる。

(とがし質疑)7割を堅持するかどうかもはっきりしていない。7割の中で配慮がどうなのか、公平なのかなど検討されるわけではなく、全体的な保育料を軽減するための財源を削ったうえで、その削られたしわ寄せをどのような形でかぶせていくかという検討をなされているということですね。今の話で言うと。今そういいうことをやるべきなのか。皆さんの所で思われているのか大変疑問。保育の無償化がこの間進んできて、教育も無償化しなければいけないという議論がされていて、いろんな形でコロナ対策で給付もしなあかんという話になっている。こういう時に負担を増やす話をするということは極めて不適切。国基準に対する保育の徴収割合の後退はあってはならない。そういう意見を京都市全体で議論するところに返していただきたい。少子化が各局で言われている時に、少子化の要因の一つである子育てにかかわる費用負担というのを重くするというのは京都市全体の議論からもさすがに逆行している。保護者の負担を増やすという方向性については撤回すべきではないか。

(子ども若者はぐくみ局長答弁)確かに全体としていろんな施策を打つべきだという議論は承知しています。ただもう一方で負担を将来世代に残さないというのが国の議論でもありますので、それを考えることになった場合には片一方だけで判断することにはならない。社会福祉経費はh29年から200億円近く伸びている。その中で他局が協力していただいて全体の市予算が減るあるいは微増の中で、200億円以上私どもの局と保健福祉局で増えているので、各局の協力の結果本日に至っている。そういう中で聖域なく、保健福祉局もそうです、私どもの局(こども若者はぐくみ局)についても見直して、全体の必達目標に定められている目標に足りなければ踏み込んだ見直しを私どもの局も検討するという立場ですので、一律に聖域にしてくれという財政状況ではないという認識です。

(とがし質疑)私の思いがなかなか伝わっていいない。これからの京都のまちの持続可能性にかかわる重要な問題なんです。社会が高齢化、医療の進歩によって寿命が延びるのは当たり前。しかし大事なのは今の社会の少子化の問題。子どもを産む産まないはその人の自由ですが、ただ産みたいと思っていても経済的な負担でうめない、経済的負担が不安でほんまは2人ほしいけど一人でがまんしとこかという家族設計せざるを得ないという事態が現実に起こっている。その時に、子育て世代に負担をかぶせるのは間違っているといっている。少子化というのは聖域というよりも方向性として重要な柱にしなければいけないと思う。「若い世代に選んでもらう100年都市というのだったら、まさにそこの部分で努力しなあかん。京都で住みながら働きやすい環境を作っていくという点で、負担を増やすという考え方は撤回していただきたい。
あと補助金についても確認しておきたいんですけども、先般、人件費の名目の補助金がすべて人件費に回っていないという資料が提出されました。ただ、実際にはもともとそのような区別のある補助金ではなかったものまでも一緒にされている点はいかがなものかと思う。京都市が補助金の削減を進める中で、統一給与表に基づいて配分されていたプール制の体制を崩す中で、ポイント制に移行した。ポイント制は人の配置だけでなくて、保育内容に及ぶような施設面も含めて算定基準になって補助金が執行されてきたというその点についても斟酌していく必要があるとおもんですけど、この補助金については考え方はどうか。

(’幼保支援室長答弁)保育園等給与等運営補助金につきましてはH21年度に見直して各園での給与の自主性を高めるということで補助金の算定ルールはありますけども、実際に各園で支払われる給与については各職員の業務内容責務に応じて設定される。この考え方自体については私ども正しいと考えている。その中で補助金の使い方として、後追いができていなかったという部分については今後、制度を再構築していきたい。

(とがし質疑)補助金事態が設備なのか人件費なのかわかりにくい内容というところに入ってくるのでわかりにくいところがあるので、この前出された資料、直近のデータでの比較もされているとのことだけど、私はその点が考えに入らないというのは納得がいかないなと。現場の方からは、保育士の確保がなかなか厳しいという話を聞きます。全国的にも厳しいが、京都でも処遇改善の努力をしている中でもなかなか確保が難しい。給与面のことはもちろんのこと、休暇や職員体制など労働条件面が非常に重視される。条例に基づく(職員配置の)基準は守るということだけど、補助金による加配、1歳児から1歳7か月児にかかわる補助や障害児にかかわる補助については今の保育園運営になくてはならないものになっている。人の処遇にかかわる問題、子どもたちの保育の処遇にかかわるものである。守っていただきたい。

(幼保支援室長答弁)保育士にかかわっては条例で国基準を上回る配置基準を設けています。条例に定める配置基準につきましては9月8日の委員会に置きまして維持をすると申し上げた。補助によって加配をしているものについては、制度の再構築、精査の中でどのような扱いにしていくか、重要性とか効果を検証しながら、検討してまいりたい。

(とがし質疑)なくてはならない補助。検証と言われるが保育園や働いている方からよく聞いていただいていただきたい。エッセンシャルワーカーに位置付けられている分野。こうしたケアにかかわる労働の処遇改善というものを全国と自治体と力をあわせてやっていただきたい。最後に、請願の5項目目にある低すぎる国の保育士の処遇、配置基準の改善を国に求めてほしいとあるが、この点についてはいかがか。1万4647筆の署名があわせて提出されいている要望です。

(幼保支援室長答弁)配置基準については、職員に関しては独自の配置基準を設けています。職員処遇また保育料の軽減についても、京都市の独自の財源を投入して、そういうことを行っていることを踏まえて、国に対しては、財源の確保ということでこれまでも要望を行っているところです。引き続き必要に応じて要望していく。

(更新日:2021年11月11日)

許せない!低・中所得者狙い撃ちの1億6000万円負担増の学童利用料値上げ案に断固反対の討論

2021年11月5日京都市会本会議場で討論にたつ私

満身の怒りを込めて討論に立ちました。
子育て世代の低所得、中所得を狙い撃ちにした
学童利用料値上げに断固として抗議しました。

「財政難」を口実に福祉を削る一方で
北陸新幹線など旧態依然の箱物政治の横行する京都市。
怒らずして政治家か!

たくさんの子どもたち、保護者、関係者の皆さんの顔を思い浮かべながら討論しました。

継続審議の動議は
反対:自民、公明、民主
賛成:共産、京都、維新、無所属
 僅差で動議は否決に。
 そして、議案も僅差で可決されました。

ーーー以下は原稿ですので若干変わっていますーー

議第100号京都市児童館及び学童保育所条例の一部改正する条例について、日本共産党京都市会議員団は反対の態度を表明しておりますので、その理由を述べます。

第一に、今回の学童利用料の値上げ、保護者負担を1億6千万円ふやすという条例改悪の前提である「毎年500億円の財源不足」という想定そのものが、全く実態からかけ離れたものであることが明らかになったからです。当初京都市からは、この条例改正の前提として、500億円の財源不足になるから「10年以内に財政破綻」しないように「行財政改革」が必要と説明をされました。ところが、10月4日時点の当局自身の財政見通しでは、当初よりも367億円も改善して、財源不足額は123億円であると大幅な修正が行われました。決算段階になればもっとこの額は縮小することになります。前提が崩壊したのですから、保護者負担を増やす提案については引っ込めるのが筋ではありませんか。財政が厳しいというなら、北陸新幹線・掘川地下バイパスなどの大型開発の推進への莫大な税金投入こそやめるべきです。

第二に、コロナ禍によって傷んだ経済や家計をやさしく包み込み応援する政治が必要な時に、所得が低ければ低いほど負担増の幅を大きくするような制度改定はあってはならないということです。利用控えということになれば、子どもたちの放課後の安全や成長・発達の権利を保障できなくなる事態になります。それは、子どもの権利条約にも反する事態ではありませんか。京都市は、D1/D2階層・年収300万円~380万円の世帯については経過措置をとるから2年は大丈夫といいますが、2年後には、D1・D2階層に相当する対象児童のうち160人の世帯の負担は、子ども一人入所の場合は年5万円から14万円への値上げ、2人同時入所の場合は年8万円から21万円へ大幅な値上げとなります。減免対象外であるD3階層の家庭、つまり、親の合計年収が380万円を超える世帯については直ちに負担増が襲い掛かりますが、その額は1人入所で6万1千円の値上げ、二人同時入所で8万9100年の値上げです。今回の衆議院選挙においては、与党からも野党からも、困窮する世帯や子育て世帯へ等の10万円前後の給付を行う提案が行われましたが、そうして得た給付金でさえも、実態としてはまるまる今回の京都市の提案によって奪われることになるのではありませんか。京都市は「値上げは4割の世帯にとどまる」と当初答弁していましたが、質疑の中で、年額で比較すると実は6割の世帯で値上げになることが明らかになりました。8月の利用料負担が一律13000円もの高額な設定になるためです。利用者は、年単位で利用手続きをしており、年額で比較するのが当然であるにもかかわらず、議会への当初の説明ではあえて年額での影響額の情報を隠蔽し、月額での比較しか示さないという、これほど市民や議会を馬鹿にした話はありません。市民への負担増を検討しておきながら、このような京都市の不誠実な姿勢は決して許されません。一部に、富裕層に負担をもとめるのだから別にいいではないかという誤ったとらえ方をしている方がありますが、とんでもありません。ひとり親、共働きで年収300万円、400万、500万円というのは果たして富裕層でありましょうか。低所得層、中所得層を狙い撃ちにして1億6千万円の負担をかぶせるというのが今回の条例案です。

第3に、「受益者負担」という考え方そのものが、子育て支援策になじまないからであります。学童保育は、保護者の保育に欠ける児童の安全を守る場であるとともに、学齢期の児童が自立するための成長支援・健全育成を実践する場であります。まさに、子どもの権利条約にも保障された、子どもたちの発達の「権利」を保障するためのものであって、それを社会が負担するのは当然であり、だからこそ本市においては保護者に負担をお願いするにしても、あくまでも所得に応じた負担にしてきたのであります。また、「受益者負担」の名のもとに子育ての経済的負担を増加させるという今回の条例改悪は「少子化対策」に逆行し、社会全体の利益を損ないます。

ある利用者さんからは、「値上げされたらやめますとは言えない。そこを狙って有無を言わさず強引に決めようとする京都市のやり方に憤りを感じます」という声や、別の方からは「ただでさえ京都市から出ていく人が多い中、なぜ、子育て世代の負担を増やそうとするのか理解できない」という声など、切実な声が寄せられています。子育てにかかわる経済的負担が増えれば、少子化に一層拍車がかかり、人口構成をさらにいびつにし、社会全体の持続可能性を損ないます。「行財政改革計画」の中に「若者に選ばれる1000年都市」なるスローガンを書いていますが、全国で1・2を争うような高い学童保育利用料への値上げは、「財政の持続可能性」どころか、「都市としての持続可能性」をどんどん細らせるものであって、断じて認められません。なお、京都市がこの料金の値上げと施設職員の処遇をリンクさせる議論を行っていましたが、本来京都市の福祉行政の一環である以上は、公務員に準じる施設職員の処遇を目指すのは当然のことであり、職員の処遇と保護者負担をリンクさせるのは間違っています。

第4に、「受益者負担」の具体化として、「応益負担」という考え方を持ち込み、より子育て支援が必要とされる家庭に、より重い負担をかぶせるという問題です。現在、午後6時までの利用と午後6時半までの利用でわずかに料金に差があるだけで、基本的には世帯収入により保育料が定まっています。例えば、㈫が定休日で、火曜日は子どもを通わせていないけど、土曜日は仕事が繁忙期であるため学童を利用せざるを得ない世帯も、土曜日が定休日で学童を利用しなくてもよい世帯も同じ利用料金となっています。ところが、今回の改悪案では、午後5時までと午後6時半までの利用とで料金に格差をつけるという極端な線引きが持ち込まれ、土曜日を利用せざるを得ない家庭にはより重たい負担をかぶせるという新たな線引きが持ち込まれました。土日定休以外の人の子育てにかかる経済的負担をより重くするなど到底認められません。

第5に、学童保育の現場や保護者や子どもたちの意見を聞かずに、この改悪を強行しようとしているからです。
 
 現場からは、学童での行事は頻繁に土曜日に開かれているが、平日しか利用しない子どもたちを対象外としなければならないのか、仕事の都合で急に土曜日に利用せざるを得なくなる場合などもあるがどうしたらいいのかとの声があがってきました。そこで、委員会審議でこれを質すと、そもそも京都市当局は土曜日に行事があることも把握しておらず、あわてて、これから施設側と調整すると答弁しました。まさに、学童保育の現場の館長さん、職員さんたちとなんら意見交換さえもせずにこの制度設計が行われたことが露呈しました。大規模学童では、表向き5時までの利用となっていても、集団帰りする際に、遠くの児童のグループから順次帰宅するために最後のグループが5時までに出発できないケースもあります。この実態を問われた京都市は、5時を超えても認めると述べ、5時という線引きが現実的でないことを認めました。それならば、今まで通り6時のままでよいではありませんか。これらの観点からも、平日と土曜日の線引き、6時から5時への区分時間の変更については、行うべきではありません。

本日、本会議場にも回付されている請願においても、1万4647筆もの署名が合わせて京都市に提出されており、今回の応益負担をやめるべきだと求められています。こうした市民の声を受け止め、そして、現場に意見を聞いて、一から出直すべきです。

第6に、市民の間に対立をあおるという手法でもって、「行財政改革」なるものを進めるという手法が許せないという点であります。敬老乗車証の議論では、子どもの通学定期券の負担と敬老乗車証の負担を比較することによって、さも高齢者が子育て世代よりも優遇されていると描き、世代間対立を誘発する情報発信がなされました。その一方で、今回の学童利用料の値上げにあたっては、学童に子どもをあづけざるを得ない家庭や子どもを「受益者」と見立てて、それ以外の人々と対立させているのであります。誰もが、子ども時代を経験し、大人になり、高齢者になる。自分と血のつながりのない様々な世代の人々に支えられて誰もが生きており、それをまるごとささえるのが社会保障であり、その受益者は社会であるというに認識にたつべきです。行政がやるべきことは、人々を対立・分断させることではなく、相互理解と連帯、支えあう社会の必要性を世に訴えることではないでしょうか。

最後に、本市会冒頭にオンラインで行われた議員研修において、西村宣彦先生が行われた講演の一部をご紹介します。西村先生は、講演の締めくくりにあたって、夕張の教訓として「地域再生の視点を欠いた緊縮財政で、財政再建が進んでも、地域の未来づくりの基盤になる「人」「希望」「誇り」が深い傷を負うと、地域の持続可能性が損なわれてしまう恐れがある」「緊縮財政下でも、例えば質の高い保育への支出などや、弱者への配慮、例えば低所得高齢者の交通権の確保等にも留意が必要」と述べられました。
これからの京都のまちの持続可能性を考えたときに、緊縮財政のもとであっても、学童保育利用料の値上げや応益負担の導入は撤回すべきであります。
先輩、同僚議員の皆様、ぜひ、この議案は廃案にしていただきますことを心からお願いして、反対討論とします。

(更新日:2021年11月06日)

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