洛北中学校のコロナ対策を視察。
全校生徒は830人、正規の教職員が47人・非正規含め67人の大規模校。
校長先生、教務主任の先生、養護の先生が現場で熱心に説明してくださいました。
(1)密になる時間と回数を減らす
(2)授業中の換気・マスク・工夫
→グループや対面になる頻度が高い理科の実験には踏み切れない
音楽は壁に張り付いて、マスク着用のままハミング程度
(3)手洗い、消毒
・手洗いを徹底する中で、250人の生徒が昼休みにわずか6個の水道蛇口に並ぶと十分な手洗いに20分以上かかり密になり給食時間がなくなる問題では、各クラスにアルコール消毒液を配布して混雑を緩和。
・個人の机椅子は互いに触らない約束にして週1の消毒に。手すりやロッカーなど毎日消毒。
かなり、考え抜いた対応・工夫がされていました。
(4)生徒が感染した場合に備えた人権教育
・中傷ダメ、コロナをつかった悪口もダメ
(5)学力保障ーー
週1~2回から、週1~3回へ、7時間授業を増やす方向
7時間の日、わりと生徒は平気(5分短縮授業のため)だが先生が大変
<実際現場で感じたこと>
教室内での距離の確保では実際に1メートルの間隔をとることがいかに大変かがよくわかりました。分散登校の時の配置だとなんとかなるかなという感じですが、文科省の作ったモデルケースの図面と比べるも現場はそんなに余裕はないなと感じました。
全体として、学校としてはハード・ソフト組み合わせた工夫がかなりされており、14の約束などの教育的な徹底(写真)を通じて、特に中学生の場合には子どもたちの自覚な感染予防行動になんとかささえられているという印象です。
30人以下学級の3年生と、1年生37人学級・2年生39人学級とを比較するとぜんぜん教室内のゆとりがちがうという印象でした。
さらに、教壇にたってみると30人以下でも厳しくて、やはり欧米並みの20人程度の学級にしないと子どもたち一人一人の様子は把握できないなと感じました。
ちなみに、先生方は最大6時限の授業があるそうですが、マスクをつけての授業は疲労度がすごくて「地獄のよう」だそうで、ものすごく実感がこもったお話も聞けました。長期にわたると一層の配慮がいると痛感しました。
来年度は通常のクラス編成でも2クラス増えそうとのことですが、率直にいって、もう一個学校がいるんじゃないか、と思いました。
部活でイキイキとがんばる子どもたちの姿はまぶしかったですが、熱中症対策と感染予防のバランスを考えた対応をすべく大変苦心されていました。対外試合は当面できない状況ですが、京都市内の動向を考えると子どもたちのこうした活動を継続できるようにするためにも、感染を封じ込める徹底した検査体制の構築が急がれると痛感しました。
※子どもへの感染は現時点では家族からの感染が発端となっており、当たり前ですが、京都市内全体での感染そのものを減らすことが重要となっています。
(更新日:2020年08月07日)