2020年8月19日 教育福祉委員会 とがし質疑・答弁 文字起こし
〇とがし:まず最初に資料1をご覧いただきたいと思います。京都市内感染者数に対する感染経路不明者数の割合が、7月1日以降の7日間移動平均、直近7日間の平均の変化をみますと、趨勢として3割から5割・6割ということで右上の方向へと増えてきている。7月31日の京都府新型コロナウイルス感染症対策本部会議の資料においても感染経路不明者の動向に大変着目しておりまして、その行動の分析を行っていらっしゃいます。で、感染経路不明者における陽性者の多い地域への訪問歴及び訪問時の行動歴についての調査では、75%が訪問歴のない方であり、73%が「会食」の履歴だとか、あるいは、「接待を伴う飲食」の履歴もないとのことでありました。無症状のまま、感染をひろげているというケースが実は市中にはかなり広がっていて、その一部で先ほど質疑がありましたけど、息苦しいだとか、嗅覚異常があるとかで、けっこう重い症状になってから自覚されて、相談センターに連絡して、あるいは医院にかかって、PCR検査をうけて、陽性となり、感染経路不明の感染者となっているのではないかと読めるわけです。京都府や京都市が、やはり「従来通り」に3密対策を強調していますけども、これにとりわけ「宴会」とか「接待を伴う飲食」による感染拡大に警鐘を鳴らという、これだけではですね、今後の感染拡大を食い止めることができなくなってきているのではないか、と考えますが、この点はいかがでしょうか。
→医療衛生推進室長:この間、これを第二波と呼んでいいのかどうかわかりませんけども、6月の後半から徐々にまた市内の患者発生というのが増えてまいりまして、えー、右肩上がりで8月にかけてあがってきたというような状況があることは確かでございますけれど、あの、初発患者というのは感染経路がわからないわけでございますから、感染者が増えるということはすなわち感染経路不明の患者さんが増えていくというのはこれはいわば当たり前のことでございます。とりあえずはまず、これまでもやってきたような三密であるとか、それから、手洗いであるとか、咳エチケットであるとかそういった個人の予防というのはさらに徹底していくという取り組みが、感染拡大の防止には何よりも必要と考えているところでございます。
〇とがし:当たり前という認識がどうなのか、と思いますけど、京都府の対策本部でも感染経路不明というのに着目しているわけでありまして、この点について京都市としてもしっかりと対応必要になってくるという風に思います。いくつか、3点ほど提案したいと思っていますが、その前提としてですね、まず、感染症対策を現場で支える医療衛生企画課、すなわち、京都市保健所の職員の超過勤務の事態は、依然としてやはり厳しい状況にあると認識しております。前回要求した委員会資料でも、7月平均で122時間の時間外勤務をされていて、最大で207時間もの時間外勤務が続いているということで、大変過酷な状況であると思うんです。で、8月1日の組織改正で若干の改善ということが試みられているわけですけど、まだまだ不十分ではないかと思うんです。そこで、資料2を見ていただきたいんですが、京都府下の陽性率、直近の1週間の平均の推移は府は緑で、赤は京都市ですけど、ちょっとぐらふにさしていただいていますけど、じりじりとこれは増える傾向にあるということで、7月20日以前のところからすると、やはり、ずいぶんと陽性率というのは高くなってきていて、この数値が大変高くなっていってしまうと、検査が追い付いていないということになるわけであります。で、いう状況の中で、事前にお聞きしましても、若い世代への感染拡大の状況や経路不明の増大から考えてやはり一層検査体制を充実というのが不可避であると思います。厳しい局面を迎えていると考えます。市長は持続可能な行財政審議会におきまして「必要な人員を確保」してきたかのように述べていらっしゃいますが、これ、実態を見れていないという風に思うんです。コロナの感染拡大に耐えうる京都市の職員体制を一刻も早く構築しないと、今の、今なんとかもっている保健行政そのものも守れなくなるのではないかと大変な危惧をもっています。これまでの感染症対策とはまったく違った様相となっているコロナの実態を踏まえた職員の増員が必要だと考えますがいかがですか。
→保健福祉部長:はい、いま先生がご指摘いただきましたように、8月1日に職員体制の強化ということで、4名の担当係長を配置するとともに感染者の発生状況に応じて迅速に応援の職員を派遣できる仕組みを構築させていただきました。具体的にはあの8月1日から14名の応援職員を配置することによって総勢35名の保健所の体制を組むという形になってございます。8月以降の超勤の状況というのは詳しくわかりませんけども、あの、陽性患者もたくさんでておりますんで、にわかには超勤が減るという状況にはございませんし、我々といたしましても、前回の委員会でご報告させていただきましたが、職員の前倒し採用についても検討していただいておりますし、それだけではなくてあらゆる手段手法を使って超勤を減らす、今働いている職員さんの負担を少しでも減らしていくということで常に検討させていただいているところでございます。以上でございます。
〇とがし:職員の増員を本格的にやっていただきたいということをとして3つ提案したいんです。①一つは、クラスター対策の対象を5月7日に本市が打ち出した基準からさらに広げていく必要がある、ということです。8月17日までの4日間だけでも、「濃厚接触者」からの感染だけではなくて、「接触者」からの感染というのが8人相次いで明らかになっています。その点で、感染経路不明の方の状況なども考えても、従来の濃厚接触者をたどる方式の限界をしめしていて、本市が基準を拡大して、病院、福祉施設、家庭、職場については「接触の疑いがある人」も対象に含めて広く検査を行うという戦略は基本的に当たっている部分があるかなと思うんです。ただ、その中からどう今後の感染防止につないでいくかが課題になってくる。一般的なクラスター対策の対象の線引きの在り方を、この感染状況の実態にあわせて発展させる必要が出てきているのではないか、ということです。接触者を特定するにあたり、本人が症状を自覚した「48時間前」よりも、さらに前にさかのぼる見直しを行って、本人が属する職場・学校についてはなるべく全体を調査の対象に加えるということが必要になってきていると思います。
②もう一つは、市中感染から、医療、介護や保育などの福祉施設、学校などの営みを守るためにですね、そこで働く職員の定期的なPCR検査の実施の検討をはじめるべきだ、ということです。世田谷区や千代田区では、医療や介護施設職員へのPCR検査への動き出てきているということです。
③3点目には、京都市としても京都大学病院の提言をうけとめて、サーチ&アイソレイト対策の実施に踏みこんでいくと、いわゆる戦略的PCR検査をやるべきだということです。京大病院に協力を要請すべきと考えますがいかがですか、以上3点について質問させていたただきます。
→医療衛生推進室長:新型コロナウイルス感染症の患者につきましては、8割の方が誰にもうつさず終わっていくと、いうような状況がございます。そうした状況の中で、効率的に感染の連鎖というものを、広がりというのを抑えていくためにクラスターというのは絶つ、囲い込んでつぶしていくというクラスター対策というのがわが国では早くから取り入れられているところでございます。今もそうした形でクラスターの感染経路というのはしっかりと終えている状況でございます。まずはそれをしっかりとやっていくということが効率的に感染の拡大ととめていける状況になるのかなと思っているところでございます。それから、医療介護保険などの現場における定期的なPCR検査ということでございますが、何度も申し上げていますが、PCR検査というものはワクチンでもありませんし治療できるわけでもない。一回検査をしたからといってこれからかからない、感染していないということを示すものでもない、繰り返し検査をやっていくということである程度の網をはるというやり方もあると思いますが、どういう風にしていくのかなかなか難しいところがある。実際にJリーグでは、選手やスタッフに一週間に1回の検査をしているわけですけれども、その中で例えばあるチームではクラスターが起こってしまったという事態もございます。よほどうまいこと設計していくことが必要かなと思っております。それともう一つ対策としてはいわゆるTTI、テスト・トレース・アイソレーション(検査・追跡・隔離)というのをやっていく必要があります。ただ単に検査しただけではなくて、そのあとをどうするのかということをしっかりと考えて検査をしていく拡大するのであればそのあとのことを考えて拡大する必要があるだろうと思っております。京大さんのお申し出は大変ありがたいなあと思っておりましてそれについては、例えば、我々が必要とする検査について、今般では市立病院の院内感染で一時多量の検査が必要なときにお手伝いいただきましたけれども、ああした形でこれからもご協力いただきたいと思っております。先生がおっしゃっているような形でのご協力というのは、今のところ考えておりません。以上でございます。
(更新日:2020年08月20日)