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請願審査「保育・学童保育の充実」の審査で”保育士の処遇改善と定員払い制度の導入を強く要求”|とがし豊委員の2026年2月19日文教はぐくみ委員会での質疑より


(請願質疑)

 1万6千筆超の請願を背景に、保育現場の切実な課題を追及しました。国の公定価格引き上げに伴い市補助金が減る構造を指摘し、上限額の引き上げによる確実な処遇改善を要求。また、年度途中の入所ニーズに応え、保育士を安定雇用できるよう「定員払い制」の導入を提案しました。当局は現状の制度で機能していると強弁しましたが、私は学童保育の過密解消や配置基準のさらなる改善も併せて強く求めました。

とがし豊委員

○とがし豊委員

よろしくお願いいたします。まず、保育園の定員払いについてお聞きしていきたいと思います。今回の請願に関わって質疑をしたいと思います。

国による公定価格の引き上げに伴って、その分、人件費補助金で負担する部分が減少する仕組みになっているということで、先ほど説明もありました。国の公定価格が上がり、人件費を支出している園においては、給付費が増えても処遇改善に充てる原資が確保できなくなるという構造もあるということであります。

やはり、実際に原資が確保できないケースもあれば、あるいは原資が確保できなくなるのではないかという恐れから職員の採用に二の足を踏んでしまう、これが足かせになっているのではないかと思います。

国の公定価格が、令和5年5.2%、令和6年10.7%、令和7年5.3%と引き上げられておりますが、それに見合った人件費補助金の上限の引き上げが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。


○幼保総合支援室長

人件費補助金制度についてのお尋ねでございます。

まず制度の状況についてですが、1月の委員会でもご報告させていただきましたとおり、人件費等補助金制度上、令和6年度は保育所等の大部分を占める保育士等の職について、6割を超える園が既に上限に達している状況でございます。

そのため、6割の園が実態としては収入超過の状態となっており、補助金制度上の状況にかかわらず、給付費が増えればそのまま園の収入が増加する実態があると認識しております。

また、人件費補助金の上乗せ拡充についてのお尋ねでございますが、旧制度の課題として、国の給付費と市の補助金を別々に運用していたことから、国制度の充実が確実に反映されないという問題がございました。

こうした課題の解消を目的として制度を再構築した経過を踏まえますと、国が引き上げたからそれに合わせてという対応は、なかなか難しい面があると考えております。

一方で、本市におきましても、保育現場の課題の解消や、望ましい京都らしい保育の実現という観点から、令和6年度には平均経験年数加算の上限引き上げや3歳児加算の新設、令和7年度には障害児配置の充実、さらに令和8年度に向けて一時預かりの充実など、さらなる処遇改善にも取り組んでいるところでございます。


○とがし豊委員

ありがとうございます。

いわゆる国の基準に見合った人件費が現場の保育士に十分に降りていない構造があるという話でした。国の基準よりも上回っている園では人件費補助金の効果が発揮されると思いますが、現場から聞く声としては、京都市が定める上限が足かせとなり、原資が確保できなくなるのではないかという懸念があるということであります。

この新しい人件費補助金制度については、スタート当初から執行残・不用額を生み出す構造になっていると、私はこれまでも質疑の中で指摘してまいりました。

年度途中での見直しも重ねられてきましたが、令和6年度には3億円、令和7年度には3.7億円の見直しが行われております。

小刻みな見直しではなく、より大胆な見直しが必要ではないかと思います。国の給付費によって保育現場に関わる費用が底上げされていく状況の中で、京都市としても国の動向を踏まえながら、前倒しで処遇改善に踏み込んだ取組が必要ではないかと思いますが、この点についての認識はいかがでしょうか。


○幼保総合支援室長
国の給付費が年々増加している背景には、人材確保の困難さがあると認識しております。

人件費等補助金制度が機能しているかという点につきましては、平均人件費は着実に増加しており、各保育園において支払われている人件費は増加している状況にございます。

また、人件費収支や事業活動収支につきましても、黒字となっている園が増えているなど、積立金の状況も改善傾向にございます。

こうした状況を踏まえますと、人件費補助金制度が機能していないというご指摘は当たらないのではないかと考えております。


○とがし豊委員

しかし、京都市が行った実態調査においても、全ての園で給与の引き上げができているわけではありません。

処遇改善をしっかり底上げしていくことは非常に重要であります。以前はモデル給与の提示もされていましたが、平均経験年数が増えたことによる定期昇給なのか、ベースアップなのか、あるいはボーナスなのかという点については、丁寧に見ていく必要があると思います。

こうした点について、京都市として把握されているのでしょうか。


○幼保総合支援室長

給与の実態調査などでは、多くの園で賃金の引き上げが行われていることは確認しております。

ただし、個々の職員の役職や各園の考え方、給与体系が異なるため、一律に把握することは難しい面がございます。

実態調査の中で確認できる事項については、今後も確認していきたいと考えております。


○とがし豊委員
ボーナスは一時的なものであります。将来にわたって働き続けるためには、やはりベースアップが重要だと思います。その点を政策として誘導することが必要ではないかと思います。

次に定員制についてです。自治体によっては、例えば広島市では4月から9月の間のみ定員払いを行うなどの方法をとっているところもあります。

保育士を急に雇うことはできませんので、見通しを持って採用できてこそ定員枠を確保することができると思います。

そうした観点から、一定の定員払い制度も一つの選択肢としてあり得るのではないかと思いますが、いかがでしょうか。


○幼保総合支援室長
定員払い制度についてのお尋ねでございます。

定員払い制度を導入している都市につきましては、直近まで待機児童があったなどの事情を背景として導入されているケースが多いと認識しております。

一方、本市におきましては、待機児童ゼロが12年連続となっており、今年度につきましても10月時点で待機児童ゼロという状況でございます。

このような状況を踏まえますと、空き枠を事前に確保しておく必要性は低下していると考えております。

利用児童数が減少傾向にある中では、あらかじめ定員枠を設けるのではなく、利用定員を実態に合わせて見直していくことが基本的な対応になると考えております。


○とがし豊委員

途中入所のニーズは必ずあります。勤務先や自宅との距離などによって保育園を選ぶ事情もありますので、どこでも満遍なく途中入所枠を確保することが必要ではないかと思います。

一定の定員払い、あるいはそれに類する措置について、京都市として検討していただきたいと思います。

また、配置基準についても、今回1歳児について取り組まれるとのことですが、国の基準自体が低いという問題があると思います。給付費の充実などによって京都市の財政的余力も生まれていると思いますので、さらなる配置基準の改善に充てていただきたいと思います。

最後に、学童保育の過密の問題です。

大規模な学童になると、子どもを順番に帰すだけでも多くの時間を要し、子どもにとっても職員にとっても大きな負担になっています。

目の届く範囲の規模で保育できる環境を整えることが、子どもにとっても職員にとっても良い環境になると思います。

児童館や学童保育所の増設を進め、子どもたちが安心して過ごせる環境を確保していただきたいことを強く要望して、終わります。

(更新日:2026年03月16日)