2026年3月16日開催の京都市市会文教はぐくみ委員会。とがし豊委員は、不登校児童生徒の経済的負担軽減に向け、学びの多様化学校を遠距離通学費補助の対象に加えるよう強く要求。仙台市の事例を挙げ、就学援助世帯以外への支援の必要性を訴え。また、民間のフリースクール利用者への財政支援や、保護者への情報発信、専門職による寄り添い支援の強化も提言。教育委員会からは「実態把握を進め、制度整備を検討する」「保護者への情報発信を充実させる」との答弁がありました。
■遠距離通学の支援について
とがし豊委員
よろしくお願いいたします。遠距離通学等補助事業実施要綱を拝見たしておりますと、学びの多様化学校がこの制度の対象外となっております。不登校となった子供たちと保護者は先の見えない真っ暗なトンネルの中を手探りで歩いているような心境にあります。学校などで様々な事情で傷ついた心を家や居場所で時間をかけて癒して動き出そうとした時に中学校、洛友中学校に行きつく子供たちがたくさんおります。教育委員会もそのためにこの2つの学校を作り、京都市全域から生徒を受け入れているという風に思います。そうであるならば是非対象に入れていただきたいですがいかがでしょうか?
総務部長
まず、不登校児童生徒への支援につきましては、その必要性、重要性につきましては、私ども十分認識しているところでございまして、そうしたもとで、これまでから相談センター「パトナ」でありましたり、今委員からありましたけども、学びの多様化学校など先進的な取り組みをしてきたところでございます。一方で、遠距離通学等補助金でございますけども、これにつきましては来年度予算で幅の拡充を予算上げさせていただいております。これにつきましては本市が通学区域を設定して、修学先を指定している学校において、徒歩通学が困難となる場合の交通費負担を保護者負担を軽減しようと、そうした制度趣旨のもとこれまで行ってきたところでございまして、そうした中で、通学区域という、制度的前提のない「学びの多様化学校」でありますとか、西京附属もそうでございますけども、そうしたところは一定、個別の必要性、これとは切り離した形で制度の運用をこの間してきたところでございます。また、これまでの制度の延長線上で、今回予算を上げさせていただいているところでございますけども、おっしゃいました、そうした学校も対象にするとにつきましては、今しばらく予算面での整理でありましたり、今、学びの多様化学校のことをおっしゃいましたけども、西京附属との制度的な整理でありますとか、そうした面がまだ課題として残っているのかなという風に思っているところでございます。以上です。
とがし豊委員
西京高校附属中学校についても、私はやはり、京都市全域から通えるという前提で生徒を募集しているということからすると別に対象に入れてもいいんではないかっていう風に思いますし、ま、それを求めているというところです。
ただですね、やっぱりとりわけその学びの多様化学校っていうことで言うと、そこだったら通えるかもしれないと思って、5回のお試し登校みたいなですね、ちょっと頑張ってみて「ここで行けそうかな」と思った子供が入学していくということなんですけど、そういう形で行くこと自身も結構いろんなハードルを超えてくる子供たちなんですよね。で、その時に経済的ハードルがあるっていうところが、やはり私は。近くの子やったら歩いていったらいいんですけども、そうでない子供については、どうしてもバスとかえ鉄道使わなくちゃいけないとなってきますので、是非その点で整理が必要だっていうことで、別になんか否定されてるわけではないと思うんですけど、取り組んでいただきたいなと思うんです。
不登校児童生徒の保護者ということで言うと、やはりあの、子供を家で見なければいけないケースなんかもたくさんあるという状況がある中で子供たちが安心して家で過ごせるようにするために仕事をやめたり、パートになったりとかして、家庭の収入自体が減るケースが多いです。以前、不登校児童生徒の保護者の方が集めたアンケート調査もお示ししましたけど、もう確実に、統計的に、経済的打撃を受けているというふうな状況にあります。そうした中で、居場所とかいろんな形で経済的負担を追いながらもなんとか子供たちのためにやろうとしてるんですけど、やはりそれでもお金が無尽蔵にあるわけではないので、やっぱ経済的な障害っていうのは、非常にこうした不登校児童生徒を巡る保護者の状況で言うと、かなり厳しいものがあるという風に思いますので、その点で是非、考え方を整理していただいて入れていただけたらという風に思うんです。
仙台市さんの「学びの多様化学校への通学補助についてのお知らせ」っていうのがありまして、自宅から学びの多様化学校までの距離が3km以上の生徒で、スクールバス利用の場合は利用料月額半額を10ヶ月分上限で補助しますと。保護者などによる送迎の場合は出席及び通学距離に応じた額を補助するという風になっております。遠距離通学費補助事業実施要綱を改定するか、新たな仕組み設けるということも含めてですね、実質的に同程度の支援が受けられるような措置を是非考えていただきたいと思いますが、ちょっと重なりますが再答弁いかがでしょうか。
総務部長
はい。学びの多様化学校が対象外ということ先ほど申し上げましたけども、私どもも経済的困難によって通学ができないと、そうした事態は避けなければならないという思いもありますので、これまで遠距離通学補助は対象外としながらも就学援助世帯につきましては全額補助、そうしたこともしてきたところでございます。また私どものとして保護者負担のさらなる軽減でありますとか、不登校児童生徒への支援、これはもうどんどん進めていきたいという基本的な立場もございますので、今おっしゃいました、また仙台市の事例出していただきましたけども、今回私どもの大幅な拡充によりまして、政令市の中でもこの通学補助につきましてはかなり踏み込んだ制度であるという風に思っております。そうした中で今おっしゃいました、あの学びの多様化学校で今対象外となっている生徒につきましては、そうした実態把握もしながら、制度の整備を引き続きしていきたいという風に考えているところでございます。以上です。
とがし豊委員
ありがとうございます。就学援助世帯については、支援してるんだという話がありましたけれども、是非、それ以外の世帯につきましても、考えていただきたいと思いますし、今回の遠距離通学費補助の充実自体は大変歓迎いたしておりますので、これ自身は本当に喜ばれる取り組みだという風に思いますので、より充実させていただきたいと思います。その議論の中でちょっとここの部分がどうも納得できないなということで今回質問させていただいております。
とがし豊委員
それから、同じくですね、この遠距離通学費補助金要綱を拝見しておりまして、気になったのが第3条2項の規定において「学校教育法施行令第8条に規定する指定の変更を認められた児童、もしくは生徒、または同令第9条に規定する区域外就学を認められた児童、もしくは生徒についてこの事業の対象としない」と書かれております。文部科学省のホームページ拝見するとこの第8条とは何かっていうことで見ておりましたら「いじめ等への対応」「通学の利便性などの地理的理由」「部活動等学校独自の活動」などの理由により指定校の変更が認められるケースを指します、ということでした。とりわけ「いじめ等への対応」っていうのは非常に切実な問題でありまして、通学距離が長くなるケースは、過去にはなかったのかもしれないんですけど、今後なきにしもあらずだという風に私思ってまして、公共交通の利用も認めるっていう必要が場合によっては出てくるんではないかという風に思います。こうした事例が起こってから対応するのではなくて、あらかじめ対応できるような要綱にしておくっていう必要があるという風に思いますので、もう少し柔軟に運用できる規定などを設けることができないかと思ったんですけど、いかがでしょうか。
総務部長
はい。ただいまご指摘いただきました部分につきましては、一応、そうしたものも含んでおりますけども、多くは年の途中の転居でありましたり、いわゆる区域外就学、そうしたものにつきましては対象外としているところでございまして、今委員からもありましたけども、いじめ等特別の配慮が求められる場合には、もちろんその通学しやすい学校と言いますか、学校変わる場合でも、そうした学校を提示をさせていただいているところでございまして、この間そうした対応もしてきたところでございます。これ直ちに現在その要綱を見直し、そうしたことは考えていないところでございますけども、児童への個別の対応につきましてはしっかりやっていきたいという風に考えておるところでございます。以上です。
とがし豊委員
是非、必要が生じた時にも柔軟に対応できるような要綱っていうのはあってもいいんじゃないかなという風にしていただきまして、今回大変充実されました「遠距離通学費等補助事業」っていうのが、より多くの子供たちにしっかりと手が届くようなものになっていくようにしていきたいなということを要望しておきます。以上です。
■不登校支援について
とがし豊
引き続き今度はあの不登校支援についてお聞きをいたします。
以前にですね、フリースクールや居場所への利用へのこう財政的な支援についてお聞きをしましたところ、「京都市としては、ふれあいの杜の増設だとか、校内サポートルームの取り組みの強化で取り組んでいくんだ」というお話でありました。ただ、しかし現実にはやっぱりそれだけでは必ずしも対応できず民間のフリースクールとか居場所っていうのは依然として、子供たちにとって大変切実な昼間の居場所だとか、学び場という風になっております。もちろん、京都市自身の学校内外での受け皿の一層の充実が必要なんですけれども、ただ現実にやっぱりそういうフリースクールとか、居場所を利用している子供たちがたくさんいるという状況の中で、こうしたところへの支援をする自治体も大変増えてきているんではないかと思いますので、そうした取り組みの強化っていうについても是非検討いただきたいんですけど、いかがでしょうか。
教育相談総合センター所長
はい。フリースクールと民間のそういった子供の学校外の居場所を運営される方への補助ないしは、その利用される方への補助というご質問だという風に受け止めさせていただいております。まず、本市の状況としましても、他都市に比べましても、学びの多様化学校など積極的に公的な部門でのその居場所作りを進めてきたという風に考えております。もちろん他市で、こういったフリースクール等へ補助されてるところもありますし、いくつか出てきているわけですけども、そうしたところの都市と比べましても、本市は積極的な公的な政策を進めてきていると、そういった意味ではやっぱりそれぞれの都市の、政策の特徴があるのかなという風にはまず第一義的に思っています。その上で、先般の市長総括においても議論がありまして、その中で、国においての補助をしっかり求めていくべきではないかということで、他の委員の先生からの指摘とか提案があったところでございます。現状は指定都市教育委員会協議会においてもその国におけるこういったフリースクール等への財政的な支援の制度設計を求めてきているところでございまして、これについては引き続き取り組んでいきたいと思っておりますし、来年度に向けては、京都市独自でもこういった要望を上げていきたいなという風に考えているところでございます。
さらにその上で、本市はどうなのかという部分でございますけれども、来年度、不登校にかかる全体的な調査ということも行わさせていただきますけども、そうした中でいわゆる民間の施設の方にも色々現状とお意見を聞きながらまずは実態把握に努めてまいりたいという風に思います。そうした中で、冒頭申しました、今後京都としてどういった政策に重点的に力を入れていくのか、どういったところを進めていくことが必要であるのかという総合的な観点を検討する中で、今ありましたフリースクール等利用されている方とかですね、そういった方へのその支援のあり方についてもですね、必要に応じて検討してまいりたいという風に考えております。以上でございます。
とがし豊委員
フリースクールにいたしましても、居場所にいたしましても、その子供たちの状況っていうのが、例えば登録してるからと言って、毎回来れるのかと言ったらそうでもなかったりとかするという状況の中で、運営自体も、大変不安定な中で、半ばボランティアに近い形でやっておられるという状況があるところが多いです。そういうことを考えますと、やはり何らかの支援がいるんではないかなと思います。教育委員会でやっている「ふれあいの杜」って僕はもう本当に素晴らしいと思うんですけれども、非常に大事なんですけれども、やはりちょっと居場所っていうところについては、フリースクールで現実にやっぱりそういうのがあっている子供たちもいるということがあるので、是非支援について考えていただきたいという風に思います。これ要望しておきます。
それで、今、「ふれあいの杜」の話をさせていただいたんですけども、確かサテライトを充実いただいたのが2024年の時です。2年前になると思いますけれども、今、確か多分10人ぐらいの登録で1週間に1回ですかね、なんかやっておられると思うんですけれども、実際、サテライト教室を設置してみての現状はいかがでしょうか。
教育相談総合センター所長
サテライト教室だけでなく全体になりますけど、この間、閉校の空き教室を利用したサテライトでありますとか、利用される方について、小学校からも利用できるような拡大の検討でありますとかも進めてきておりますし、できるだけそういった意味では柔軟な形で、ふれあいの杜という形、原籍校に籍を残しながら違う場所で学ぶと、あと学び方も毎日登校もあれば午前だけの、週に1回だけ、いろんな形の形態と言いますかですね。あと教科学習だけではなくて、いわゆる居場所としてゆっくり過ごせるプログラムでありますとか、そうした多様化を色々進めてきておりましてですね、そういった意味では、いろんなお子様が通っていただける環境の柔軟に取り組んできているとこでございますし、そうした意味では、少しずつこういった取り組みを広めていきたいという風に考えているとこでございます。以上でございます。
とがし豊委員
本当にですね、1個ずつ見てたらすごく様々なケースで参加できるような形で非常にプログラムというか、非常に苦心しながら作っておられるんやなっていうのを、見てるだけでも、それ思うんですけれども、そういう中で、本当にこれで救われたという子供たちもたくさんいるわけで、是非、この取り組み広げていきたいと思います。今ちょっと小学生にも広げるって話で、低学年とか今はまだないっていう話ありますけども、そんなんも含めて、子供の状況によってだいぶ違いがありますので、個別の状況なんかを見ていただきながら、そういうのも非常に柔軟に取り組んでいただけたらという風に思います。
とがし豊委員
最後に、不登校支援のに関わりで言うと、不登校児童生徒の保護者の方、もっと早く教えて欲しかったっていう情報が結構あったりとかするんですよね。だいぶ経ってから、それを2年前に知りたかったとか、3年前に知りたかったって話とかが、よくある話で、あるんですけども、そういうやはりその本当に不登校になった時に、担任の先生もちろん相談していただけますけれども、ただやっぱりその担任の先生によって情報量の差とかもあったりもしますし、寄り添ってこう、保護者の方に寄り添いながらその子供たちにも寄り添いながら支援していくっていうことで言うと、もうちょっとスクールソーシャルワーカーだとかそういう方が直接支援いただくとか、子供支援コーディネーターっていうのは新しくこの間配置充実させていただいておりますけども、その方がその子供にあったこの支援コーディネートをするっていうところまでやれないかという風に思うんですけれどもそういったその保護者に対する寄り添いの支援っていうのをま充実していただきたいと思うんです。この間、ある中学校なんかでは養護の先生なんかが中心になって親の会を開かれたりとかして、保護者の方がそれぞれ孤立されていた方が何人か参加をされて、非常に喜ばれたという話も聞きますし、そういった取り組みも大いに各地で広げていただきたいと思います。実際に寄り添い支援するあの取り組みなんかも強化していただきたいんですけど、その点はいかがでしょうか。
教育相談総合センター所長
保護者への情報発信という意味では、今年度の保護者の方向けのAOワンという会を実施させていただきましたけれども、こうした取り組みは全保護者様、スグールに登録いただいている方に直接届くような形にしておりますし、来年度もこの事業実施する予定ですけれども、この発信に合わせて、京都市のいろんな情報を、スグール等で配信するというようなことで、様々の政策に、保護者もアクセスしていただけるように取り組んでまいりたいという風に考えております。また、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、また子育て支援コーディネーター、様々な形で保護者に関わっていただく方も含めてですね、学校の教職員が寄り添うということは非常に大切だと思いますので、これからも取り組んでまいりたいと思っております。以上でございます。
(更新日:2026年03月17日)


