2026年3月6日、京都市会予算委員会で、少人数学級の推進と不登校支援の拡充を求めました。文科省の調査を引き、中2・中3への35人学級の前倒し実施や20人程度の少人数化を提案。教育委員会は財源等の課題から国の動向を注視すると回答しました。また不登校対策では、行き渋りを含む実態調査の実施や、標準授業時間数を見直すなど「子どもに合わせた学校づくり」を要望。教育委員会は、新事業を通じて多様な声を反映させる意向を示しました。
少人数教育等の実施
とがし豊委員
よろしくお願いいたします。私からは、少人数学級の推進と不登校の問題支援について質疑をしたいと思います。まず少人数学級についてなんですけれども。令和7年12月に文部科学省初等中等教育局が発表した「少人数学級及び外部人材活用に関する効果検証のための実証研究(中間まとめ)」では、「学級規模が大きいと、学力、社会情動的スキル面、学校への適応の多くの項目に対して望ましくない方向に影響することが統計的に明らかとなった。統計的に有意な累積効果が認められ、複数年度にわたることによって影響がより大きくなった。学級規模が大きいと、教師の在校等時間、教師の心理面、児童生徒への指導面、学級の様子等の項目に対して望ましくない方向に影響することが統計的に明らかとなった」と指摘をし、少人数学級の推進の有効性が改めて示されました。
京都市では中学校1年生まで35人学級が進みましたけれども。中学校2年生についても35人学級に前倒しで実施すること。それから全学年で30人学級を実現して、ほとんどのクラスをぜひ20人程度に抑えるような取り組みを求めたいんですけれども。その点はいかがでしょうか。そして、実施するとすればどれほどの財源が必要となるでしょうか。
総務部長
はい、少人数学級でございます。学級規模によって教員の働き方に繋がる部分、そうした部分は確かに確かにあると思いますし。本市といたしましても、全国に先駆けて単独予算で少人数教育をこの間先行的に進めてきたところもございます。現在でも中学校3年生の30人学級を単独予算で実施しているところでございます。
この度35人学級が中学校で導入されまして、これが年次進行で3年を掛けて35人学級になるというところでございます。我々のこれまでからの要望が実ったというところでございますので、まずはこれの着実な実施を国に対して求めていきたいと考えているところでございます。
また、国の制度の完成を待たずにすべてを少人数教育にするということですが。このためにはやはり国の措置がない中での担保の措置が必要になってくるものでございます。これを仮に、中学校で35人学級を先行的に実施しようということになりましたら、中学校については現在1学年だけ実施していませんので、1学年につき加えて約12億円の単独予算の経費が必要になってくるという試算もございます。これは直ちに実施することについては現在は困難でございますので、引き続き国に要望していきたい、そのように考えているところでございます。
とがし豊委員
この文部科学省の調査によると、やっぱり影響が累積していくということが言われておりますので。その点で、京都市も文部科学省の学級規模の資料を見ますと、中学校の場合、半分ぐらいは30人以下の学級になっているんですけれども、31人から35人の学級が251学級で、36人から40人の学級が246学級になっているということで。おそらくこの半分は今度35人学級で改善されると思うんですが、残る半分のところが改善されないということで。影響が累積していくわけでありますし。私は12億円であったとしても投じるべき、しかも翌年には国からきちんと財政措置が来るわけですから、単年度であっても歯を食いしばってでも12億円を捻出して、前倒し実施するというのはやるべきだというふうに思いますし、それぐらいの取り組みをしていただけたらなと思います。
ただ、今から急になかなかできないという話かもしれませんが、こういう改善を求めたいと思っています。この間、私ども議員団で要求した資料で令和6年度の政令市平均の1学級当たりの児童生徒数を見ていましたら、現在、小学校の方は27.75人で、中学校は31.95人ということなんですけれども。実はこれが、令和元年度の数字が当時の教育長答弁で残っていたんですが、それを見ていたら小学校は平均で28人で、中学校は約31人ということで。結局、着実に学級編制基準は改善されてきているのに、平均としては実際にはなかなか改善されていないということで言うと、現場の負担感というのはやっぱり変わっていないのではないか。密度の関係で実際には改善していない部分があるのではないかというふうに思います。
私も当時、子供が3年生で35人学級から40人編制に変わる変わり目がありましたけれども、1クラスが27人ぐらいだったのが38人になってしまうんですね。この38人の密度ってものすごいものがあって。小学生でもそうですから、中学生は本当に大変だと思います。不必要な我慢を強いられなければいけないし、先生も言いたくもない注意をしなければいけないということになりますので。制度としてはすぐにできなくても、現場としては校長先生の裁量でできる限り少人数の編制に踏み込んで取り組めるような配慮をしていただきたいなと思うんですが、この点いかがでしょうか。
総務部長
はい、学級編制についてでございますけれども。35人学級や30人学級というのはそれが「上限」ということですので、直ちに平均の数値に表れない部分もありますけれども、制度としては着実に進んでいる状況かなと思っております。
それから学校の裁量で自由にといった定数についてですが、これも我々として国に学級編制基準とともに要求をしていることでございまして。いじめ、不登校、保護者対応、ICT対応など、様々な教育課題に対して、各学校の状況に応じて、学校の判断で加配をTT(チームティーチング)に使ってもいいし、チーム担任に使ってもいいし。そうした加配のさらなる増については、国に対しても今後もしっかりと要望していくところでございます。以上です。
とがし豊委員
はい、よろしくお願いいたします。
不登校支援・多様な子どもを包摂する学校づくりの調査研究事業
とがし豊委員
それでは次に、不登校についても質疑をさせていただきたいと思います。
不登校支援~多様な子供たちを包摂する学校づくり調査研究事業~というのが今回行われます。不登校児童生徒の保護者などを中心に作られた「京都不登校について考える会」と「京都社会保障推進協議会子供部会」の皆さんが、教育委員会に対して3年前、2023年8月1日に陳情書を提出されていました。教育委員会議に回付されたとお聞きしています。
「行き渋り・不登校の子供たちのための対策とともに、明日も行きたくなる学校への改善を求める」と題した陳情書でありますが、この第1項目が、行き渋り・不登校の児童生徒の実態調査の抜本的な改善でありました。実態をしっかり掴んでいただいてこそ、子供たちにふさわしい対策ができるという思いからです。
具体的には、年間30日以上の欠席の不登校児童生徒だけではなく行き渋りの子供たちも含めた調査が必要だということ。行き渋り・不登校の要因や背景についての丁寧な調査、子供にストレスを与えるようなことになってはいけませんので丁寧な形で、という意味ですが、これをしっかり掴んでいただきたいと。子供たち、保護者、学校の先生方の意見を聞くということが要望されていました。保護者も先生方も非常に悩みながら取り組まれているところなんですけれども。今回予算化された「不登校支援~多様な子供たちを包摂する学校づくり調査研究事業~」では、どのような調査を行われるでしょうか。
教育相談総合センター所長
はい。新規予算でお願いしている事業でございますけれども。今委員から「学校へ行き渋りの子供も含めて、また保護者の方にも」ということで、聞き取り調査またアンケート調査を、ということでございましたけれども。本市の方で今検討している段階で、具体的にはプロポーザルによる提案内容を見て決めていきたいと考えておりますけれども、各学校に在籍している子供たちも含めて調査をしていく、また保護者の方に対してもICT等、回答していただきやすい形も取りながら意見を聴いていくと。また関係機関を含めて、不登校支援に関わっておられる団体等についても、意見聴取していくようなイメージを持って取り組んでいきたいと考えているところでございます。
とがし豊委員
在籍している子供たちということで言っていただきましたけれども、ぜひ実態がリアルに浮き上がるような調査をしていただいて、それにふさわしい学校にしていただきたいと思います。理念として「子供を学校に合わせるのではなく、子供に合った学校」という姿勢で取り組んでいただきたいと思います。
それで、学校の本丸というべき授業について、授業時間数のことをお聞きしたいんです。現場の先生方にお話をお聞きしましたら、「小学校でも午後になったらもう子供がぐったりしている」という話も聞きまして、確かに学校がしんどいという声はよくお聞きするところです。
学年ごとの標準授業時間数と、年間授業時間数の最小・最大・平均時間という実績資料を用意していただきました。これを拝見しましたところ、小学校1年や3年については標準時間数でされているのかなと思うんですが、小学校4年では標準時間数通りの1,015時間の学校もあれば、最大1,085時間という学校もある。平均で言うと1,047時間。5年生は標準が1,015時間というところ、1,111時間というところもあって平均では1,042時間になっている。6年生は1,015時間のところ、最大1,108時間ということでありまして平均では1,043時間となっているということです。
全体として、文部科学省が想定するよりも、京都市の学校は詰め詰めになってしまっているのではないか。子供たちや先生方の負担になっているのではないかと懸念しております。学びの多様化学校の場合には標準時間数の確か7割でカリキュラムを組んでいると聞いていますが。その実践から考えますと、標準時間数そのものもやっぱり見直しが要る課題ではないかと思ったりもします。一方で学校現場では工夫の中でこうした時間になっている部分もあるかもしれません。こうした授業時間数についても、今回の調査や学校のあり方の検討の中に俎上に上がってくるんでしょうか。
教育相談総合センター所長
国の方が示す標準時間数があって、地域の学校においては子供たちに必要な力を付けたり必要な体験をしたりする上では、一定の時間数の確保が必要になってくるというふうに思います。ただ一方で、今回学習指導要領の見直しもされていますが、その中で各学校が子供の実態に合わせて授業時数を柔軟にしていくということで、来年度から調査研究事業も始まっていきますけれども。
今回の予算をいただいている調査研究の結果を踏まえながら、また、その結果も踏まえて学校のあり方については総合的に見ていく必要があると考えております。文科省の調査研究等の取り組みも含めて、様々な施策を並行して取り組みながら、今後の学校の時間数等についても考えていきたいと思っております。以上でございます。
とがし豊委員
ぜひお願いします。数字だけにとどまらない工夫もあるかもしれませんので、丁寧に検討いただけたらと思います。
それで、その次に、学びの多様化学校の授業体験の申し込み数と出席者数の推移資料もいただきました。これを見ておりますと、令和8年度5月からの前期転入学の申込者が、洛北中学校で57人と。5回の体験授業の出席数というのも35人から41人ということで、かなりの出席率やなと思いながら見ておりました。洛風中学校は定員が55人でしたけれども、すでに令和6年度の数字では60人在籍となっています。また洛友中学校は、3学年で定員15人ということですけれどもすでに令和6年度で17人の受け入れとなっています。前年度転入学希望が28人と、体験授業の参加は24人ということで、これも結構な出席率となっています。
体験授業に参加するだけでも結構なハードルであるんですけれども、「この学校だったら通えるかな」ということで、かなり勇気を出して一歩踏み出した子供たちが体験授業に参加しているわけでありますから、何らかの形でしっかり受け止めていただきたいと思うんです。なるべく希望されるお子さんを受け入れようと努力されていると思うんですが、この人数を見ますと現状の受け皿だけではもう限界に来ているのではないかと率直に思います。
その点では学校を抜本的に改善するか、もしくは学びの多様化学校や「ふれあいの杜」を増設するなど、さらなる公的な受け皿が必要になってくるのではないかと思います。フリースクールや居場所などの支援も当然要ると思いますが、この公的な受け皿の確保についていかがでしょうか。
教育相談総合センター所長
はい。学びの多様化学校でございますけれども、全国の公立学校で37校あるうち、本市は政令市でも唯一、複数校を設置しているところでございます。またこの間、「ふれあいの杜」につきましてもサテライト教室の増設や対象を小学生に広げるなど、取り組んできておりますし。公的な居場所としてオンラインの居場所ということも取り組んできております。
現時点において、洛風中学校、洛友中学校につきましても、基本的な定数はあるんですけれども、できる限り希望するお子さんについては通えるように教室を工夫しながら取り組んでおりますので。転入したくてもできないというお子さんがいるような状況ではないと認識をしております。一方で、先ほどの標準時間数のことも少し絡むかもしれませんけれども、こうした学びの多様化学校で取り組んできた内容を横展開していくことも大事かなと思っておりますので、そうした取り組みを進めていきたいと考えているところでございます。以上でございます。
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(更新日:2026年03月13日)


