活動日誌・お知らせ

【京都を特徴のない都市に変貌させる京都駅前の高層化計画に反対|京都弁護士会】

「京都駅周辺の高層化計画に反対する会長声明」が届く

京都を特徴のない街にしていいのか?
世界遺産を擁するまちの玄関にふさわしい景観なのか?
根本的な疑問をつきつける内容の京都弁護士会より声明文が京都市会議員宛に届きました。
「京都駅周辺の高層化計画に反対する会長声明」です。

声明では「京都の玄関口でのこのような高さ規制の緩和提案をすることは、京都駅周辺にとどまらず、将来的には更に規制緩和の範囲を拡大し、京都の街並みをどこにでもある特徴のない都市に変貌させるおそれのあるものであり、日本有数の世界遺産を擁する都市の誇りを奪うものである」と指摘しています。

全くその通り。
こんな規制緩和はやめるべきだ。

ーーー以下、本文引用ーーー

声明|京都弁護士会 https://share.google/U0lFqWmpUHxL6xsW2
京都駅周辺の高層化計画に反対する会長声明

当会ではこれまで京都市における高さ規制問題に関して、意見書・会長声明を繰り返し発出してきており、京都の景観保護のために高さ規制緩和政策に対しては反対の意見を表明してきたところである。
直近では、2025年(令和7年)11月4日に「京都中央郵便局建替え計画(京都プロジェクト(仮称))に対する意見書」(以下「当会意見書」という。)を発出している。当会意見書は、京都中央郵便局の建替え計画の中で、新景観政策(2007年9月施行)による31メートルの高さ規制を大幅に緩和し、約60メートルの建物を建築することに反対したものである。当会意見書において問題にしたのは、単一の建物の高さの問題にとどまらず、新景観政策の根幹である高さ規制を、都市再生特別措置法の適用により実質的に潜脱する制度構造そのものであった。合わせて、当会意見書では、新景観政策の見直しを含む都市計画の変更については、非公開・少人数の有識者会議方式ではなく、各分野の専門家及び住民・市民(団体)で構成する審議会を設置したうえで、複数案の提示を含めた丁寧な市民意見の聴取を図ることを求めた。
しかしながら、「京都駅前の再生に係る有識者会議」(以下「有識者会議」という。)は、昨年(2025年)12月、上記京都中央郵便局の建替え計画にとどまらず、京都駅周辺の東西約450メートル、南北約300メートルの広い範囲において、建築物の高さ規制の上限を60メートルないし45メートルに大幅に緩和するという意見書案を公表した。
有識者会議は、審議会のような法的な根拠を有するものではなく、市長の選任した6名の研究者により構成され、新景観政策の経過を経験した委員は不在で、開催された6回の会議の半数にあたる第3回から第5回の会議は、非公開で行われるなど、当会意見書が求めた手続きとは大きく異なる手続きであった。
同意見書案は、先に当会が指摘した規制緩和の問題を個別案件の域を超えて、面的かつ恒常的な制度変更へと拡張するものであり、新景観政策の実質的な空洞化につながりかねないものである。
そして、2026年(令和8年)1月23日から2月24日までパブリックコメントを実施し、その結果を踏まえて3月25日に意見書を取りまとめる予定とされている。これを受け、今後京都市は同意見書案を踏まえ、都市計画法に基づき、京都駅周辺の高さ規制の変更を伴う都市計画の変更を行う可能性が高い。
同意見書案には、京都における高さ規制を根幹として位置付けている新景観政策(2007年9月施行)との整合性については全く検討の形跡がみられず、もっぱらオフィスの集積などの経済合理性の観点から、京都駅周辺を東京・大阪のように高層化することを目指すものである。
京都駅のすぐ北には世界遺産の本願寺(西本願寺)、南には京都のランドマークとされている木造建築物としては日本一の高さ(約55メートル)を誇る五重の塔を有する東寺(教王護国寺)が位置し、京都駅周辺は世界遺産の「歴史的環境調整区域」に含まれている。
「古都京都の文化財」が世界遺産に登録されるにあたり、平成5(1993)年に国がユネスコに提出した推薦書において『「歴史的環境調整区域」は、三方を取り囲む山々の自然的・歴史的環境の保全、及び、市街地の工作物等の高さ制限がなされる区域として、京都の歴史的風致景観と都市開発との調和を図り』と記載されており、京都の世界遺産を保全するためのものであるといえる。
しかしながら、同意見書案には、これら世界遺産の保全との関係も全く触れられておらず、歴史的・文化的都市である古都京都の魅力を大きく損なう提案となっている。
京都駅周辺は、日本有数の世界遺産を擁する歴史的・文化的都市の玄関口であるからこそ、既に駅周辺が高層化された東京・大阪等の大都市とは差別化された魅力ある景観を保全・再生することが求められている。このことは、新景観政策策定時の市長談話に「日本の文化首都である京都にとって、優れた景観はむしろ京都の都市格、言い換えれば京都ブランドに一層の磨きをかけ、都市の活力や魅力を向上させ・・・」と述べられているとおりである。
京都駅前を魅力的な空間にしようとする同意見書案のコンセプトについては一定の理解が可能であるものの、京都の玄関口でのこのような高さ規制の緩和提案をすることは、京都駅周辺にとどまらず、将来的には更に規制緩和の範囲を拡大し、京都の街並みをどこにでもある特徴のない都市に変貌させるおそれのあるものであり、日本有数の世界遺産を擁する都市の誇りを奪うものである。
よって、当会は、このような高さ規制の緩和提案に対しては、断固反対の意思を表明し、撤回を求める。

2026年(令和8年)3月2日

京都弁護士会
会長 池 上 哲 朗

(更新日:2026年03月10日)