紹介議員による趣旨説明
玉本なるみ委員(紹介議員)
紹介議員として、趣旨の説明をさせていただきます。
請願者から趣旨説明を預かっておりますので、代読して説明いたします。
全国で不登校児童生徒が増え続けています。京都市としても同様に高止まりの状況が続いています。
何よりも子どもたちに丁寧に寄り添うことが強く求められています。
しかし、学校現場では病休に入る教員が後を絶ちません。育休・産休の代替がなかなか配置されない実態もあります。
学校内のやりくりで現場は疲弊しています。
また、時間外勤務の問題もなかなか改善せず、教職員も苦しんでいます。
子どもたちの心身の状況に寄り添い、丁寧な教育活動を行うためには、教職員を増やすこと、小人数学級にすることが必要です。
現在、各学校には非常勤講師・非常勤職員が多数配置されるようになってきました。
しかし、担任が密に連絡を取ろうとしても、非常勤では時間の確保が難しく、結果として時間外勤務を助長することになります。
子どもたちにしっかり関われるようにするためには、正規の教職員を増やすことが不可欠です。
育児短時間勤務を取りながら学級担任をしている教員が、月50時間もの長時間勤務となり、育児部分休業に変更して担任を続けることを選択した例もあります。
これも教員が十分に配置されていないことの現れです。
それぞれが教育の意義を感じ、懸命に子どもたちと向き合っています。
学校設備についても、体育館へのエアコン設置やトイレの洋式化など、行政が責任を持つべき課題は多くあります。
すぐに対応できないこともあるとは思いますが、何よりも子どもに直接関わる教職員の増員を強くお願いしたいと思います。
子ども基本法が施行され、子どもの声を聞き取り、学校づくりに反映させることが行政の重要な役割となっています。
教職員の悲鳴、不登校となっている子どもたちの声を受け止め、学校が本来の役割を果たせるよう、教育条件の整備をお願いします。
本請願には3094筆の署名が添えられています。
ぜひ重く受け止めていただき、ご議論いただきますようお願いいたします。以上です。
当局説明
教育委員会総務部長
それでは、請願第396号についてご説明いたします。
まず、小学校・中学校・高等学校の全学年における30人以下学級の早期実現についてです。
本市では、中学校3年生において30人学級を独自予算で実施しているほか、高等学校においても教育活動の特色を踏まえ、法定基準を上回る教員配置を行うなど、小人数教育の推進に取り組んでおります。
しかしながら、教職員定数の改善は教育施策の根幹であり、本来は国の責務として実施されるべきものと考えております。
この認識のもと、本市独自の取り組みに加え、指定都市市長会や指定都市教育委員会協議会を通じて、小中学校における35人学級の実現や、さらなる定数改善について要望を重ねてまいりました。
その結果、令和3年度から約40年ぶりに学級編成標準が引き下げられ、小学校での35人学級が段階的に実施され、令和7年度に小学校6年生まで完了いたしました。
さらに令和6年12月には、令和8年度から中学校での35人学級実施が示され、令和8年度予算案には中学1年生分の経費が計上されています。
今後も国の動向を注視しつつ、小人数学級の取り組みを推進してまいります。
なお、本市独自で小中全学年に30人学級を導入する場合、毎年度約50億円の予算が必要となります。
また、教員不足をさらに深刻化させる恐れもあり、現状では現実的ではないと考えています。
次に、全員制中学校給食の自校方式・親子方式での実施についてでございます。
本市では、全員制中学校給食の実施に向け、これまで検討を進めてまいりました。専門の調査会社による調査や、学識経験者、PTA代表等からなる検討会議での議論、また議会からのご意見も踏まえ、給食センター方式を中心に、一部民間調理場も取り入れる形で、令和10年度の夏休みから全市一斉に開始することといたしました。
その中核となる給食センター整備事業につきましては、令和6年11月にPFI法に基づく債務負担行為を設定し、また令和7年10月には市会において株式会社みやこの学校給食サービスとの事業契約締結をご議決いただき、現在、給食センターの設計を進めているとともに、各中学校における配膳室の改修工事に向けた現地調査および設計を進めているところでございます。
請願にございます自校調理方式につきましては、これまでの検討の中で、約9割以上の中学校において校内に給食調理室を整備する敷地の確保が困難であることが判明しております。
また、親子調理方式につきましても、約7割以上の中学校において、小学校の調理能力の限界により必要な食数を調理できないことが明らかとなっております。
このように、実現可能性も含めて総合的に比較検討した結果、給食センター方式を採用したものであり、今後、一部の中学校にのみ自校方式や親子方式を導入する予定はございません。
引き続き、高度な衛生管理やきめ細かなアレルギー対応、全員制実施が可能であり、スケジュール面やコスト面でもメリットの大きい給食センター方式の利点を最大限活用しつつ、本市がこれまで積み上げてまいりました小学校給食や選択制中学校給食のノウハウを生かし、安全・安心はもとより、だしにこだわった和食や手作りを重視した調理、地域食材の活用など、季節感や京都の食文化が感じられる給食の実現に取り組んでまいります。
次に、学校施設における空調整備およびトイレの洋式化についてでございます。
小中学校の空調整備につきましては、平成16年度から17年度に中学校、平成18年度にPFI方式により小学校の普通教室への設置を完了し、全国に先駆けて整備を進めてまいりました。
特別教室につきましても、平成25年度に音楽室、図書室、コンピュータ教室への設置を完了し、その後も整備を進めた結果、設置率は80.5%となり、国や京都府の平均を上回り、指定都市の中でも上位に位置しております。
一方で、普通教室の空調設備は設置から約20年が経過し、老朽化が進んでおります。さらに近年の猛暑や換気を伴う運用により設備への負荷が増加し、不具合の発生も増えている状況です。
今後、教育活動への影響が生じる前に更新を進めるため、PFI方式による大規模更新に向けた事業者公募・選定手続きなどを進めてまいります。
体育館の空調につきましては、これまでは立地条件により通風が確保できない場合などに限って設置してきましたが、近年の猛暑や避難所としての役割を踏まえ、その必要性が高まっていると認識しております。
国の交付金制度も創設されたことから、令和8年度から令和15年度までを目途に、空調未設置の体育館および武道場への設置を進めてまいります。
まず、令和10年度までの3年間で中学校・高等学校等を先行整備し、その後小学校についても前倒しを含めて整備を進めてまいります。
学校トイレにつきましては、安全で快適な教育環境に不可欠であるとの認識のもと、老朽化対策やバリアフリー、感染症対策、避難所機能の向上などを踏まえて整備を進めてまいりました。
特に洋式化については重要課題として取り組み、令和元年度末に洋式化率60%を達成し、その後も向上を進め、令和7年度末には76.6%に達する見込みです。
現在残っている和式トイレのうち、普通教室付近や体育館など使用頻度・防災上重要な箇所については、令和10年度末までに原則すべて洋式化する計画です。
最後に教育の無償化についてでございます。
小学校給食につきましては、国の交付金制度を活用し、令和8年度から無償化を実施するための予算を計上しております。
市立高校の学習用端末については、国のGIGAスクール構想の対象外であるため保護者負担としておりますが、令和4年度から新入生を対象に補助制度を実施しております。
具体的には、住民税非課税世帯には上限4万円、年収約472万円未満の世帯には上限2万円として、端末購入費の3分の2を補助しております。
また、教材費については、教育効果と保護者負担のバランスに配慮するよう各学校に働きかけておりますが、完全無償化には多額の財源が必要であり、現状では困難です。
一方で、デジタル教材やアプリの活用による代替など、負担軽減に向けた取り組みを進めており、今後も保護者負担の軽減に努めてまいります。以上でございます。
請願審査
とがし委員
まず、30人学級についてですが、予算の質疑でも小人数学級について質問させていただきました。
先ほどの説明では、全学年で30人学級を実施する場合、約50億円が必要とのことでしたが、学年ごとではどの程度になるのか教えていただきたいと思います。
特に、小学校1年生・2年生については、京都市は以前、40人学級の編成基準の中で35人学級を先行実施していました。同様に、小学校1・2年生のみ30人学級を実施する場合、どの程度の費用になるのかご説明ください。
教育委員会総務部長
先ほど申し上げた50億円は、令和8年度から小学校1年生から中学校3年生まで、すべてで導入した場合の費用です。
小学校のみで、正規教員を配置した場合は約23億円です。これを単純に6学年で割ると、1学年あたり約4億円弱となります。
とがし委員
ありがとうございます。
ただ、小学校1・2年生は特に児童数の減少が進んでいると感じていますし、保育園や幼稚園からの接続学年でもあります。
より丁寧な指導が必要な学年として、重点的に30人学級を導入する考え方については、どのようにお考えでしょうか。
教育委員会総務部長
小人数教育については、京都市としても全国に先駆けて取り組んできましたし、その教育効果も認識しています。
ただし、学級編成基準については、まず国において措置されるべきものと考えています。
財政的にも市単独での対応は難しいため、現在進んでいる35人学級の流れの先に、国での対応を期待しています。
とがし委員
しかし、財政状況が変わってきている中で、今こそ教育に投資すべきではないかと思います。
不登校児童生徒の増加もあり、学校全体が厳しい状況にあります。
教員と子どもが丁寧に向き合える時間を確保することが重要です。
35人学級と20人規模では、コミュニケーションの質が大きく異なります。
実際に現場でも差があると感じています。
少なくとも35人学級の解消など、一歩でも前進する取り組みが必要ではないでしょうか。
国への要望だけでなく、京都市独自の努力もお願いしたいと思います。
教育委員会総務部長
教員体制の充実は重要と認識しています。
令和6年度からは、欠員に備えて講師を50人確保するなど、教員不足対策を進めており、一定の効果も出ています。
学級編成基準だけでなく、いじめ・不登校、ICT対応など様々な教育課題がありますので、総合的な教員体制の充実に引き続き取り組んでまいります。
とがし委員
よろしくお願いします。
次に教育無償化について伺います。
高校でのタブレット端末の保護者負担軽減について、非課税世帯に4万円、一定所得以下に2万円の補助がありますが、それを超える世帯でも負担は大きいです。
京都府とも連携し、公立・私立を問わず支援を拡充すべきだと思いますが、協議はされていますか。
教育委員会担当部長
端末補助については、京都市は現在の制度で実施しています。
京都府は府立高校に対して別の制度・基準で実施していると認識しています。
とがし委員
子どもにとっては公立・私立の違いは大きくありません。
同様の支援が受けられるよう、連携をお願いしたいです。
授業で必須となっている以上、負担軽減は必要です。
私立高校についてはいかがでしょうか。
教育委員会担当部長
教育委員会としては市立高校が対象です。
私立高校の運用については詳細を把握していませんが、国の無償化の動きは認識しています。
とがし委員
最後にトイレの洋式化について要望します。
学校だけが改善が遅れている印象があります。
学校こそ優先的に整備されるべき場所です。
子どもたちの教育環境として、大人社会以上の環境整備を目指すべきです。
引き続き取り組みをお願いします。
(更新日:2026年03月18日)


