京都会館の建設工事費用がまたもや膨張し、今度は契約ベースで102億5700円から111億7200万円となります。
9億1500万円の膨張の主なものは、安倍政権の公共事業の大盤振る舞いや物価高騰により生じている人件費・資材費の高騰や耐震工法変更によります。
私からは、もともと建て替えでなく改修にとどめておけば工事は1年程度で終わりこのような事態は回避できた点を指摘させていただきました。
ところが、自民党や民主党の議員からは、イコモスの指摘による建築価値保存のための計画変更部分を批判する意見が相次ぎ、当局が世界遺産認定に深くかかわるイコモスの指摘の重みについての必死に説明するという場面がありました。イコモスを批難する議員の質疑はひどいものでした。「器」としての京都会館の建築価値を全否定するかのような発言はとくに残念に思いました。イコモスが検討をすすめる最中に解体を強行するなど、イコモスの動きをなるべく軽く扱おうという対応を繰り返してきた京都市当局のこれまでの言動が鏡のように与党会派の意識に反射したのかもしれません。それにしても、世界遺産を多く抱えるこの京都市において、議会がこのような状況でよいのでしょうか。
【京都会館解体強行直前の私の本会議討論より2012.10.1】
世界遺産候補の審査を行うイコモスからの警告も,日本建築学会や京都弁護士会などの専門家機関,そして何より多くの署名を集め,嘆願した市民の声も受け止めず,京都会館の解体を強行することは許せません。元々京都会館は,解体,建替えではなく,1年程度で60億円程度の費用で音響や客席の改善,エレベーターやトイレの増設などを行うというのが京都市の計画だったのではありませんか。当初の計画に差し戻すべきです。
(更新日:2014年12月01日)