1. 「流す」から「貯める・染み込ませる」への転換
京都市は現在、下水道で雨水を「流す」だけでなく、地面に「貯める・染み込ませる」ことで、下流の河川が溢れるのを防ぐ対策(流域治水)を進めています。
透水性舗装(雨を通す道路): 令和5年度末までに25mプール62個分(約24,900㎥)の浸透量を確保。
浸透ます(雨水を地下へ): 同年度末までに1,250個を設置。
2. 「浸透側溝」の再導入を提案
「下流の整備が進むまで水路を造れない」という地域課題に対し、とがし豊は、道路の側溝自体に浸透機能を持たせる**「浸透側溝」**の普及を提案しました。
課題: 市側からは、過去の事例で道路沈下の懸念があり現在は実施していないとの答弁。
提案: とがし豊は、「技術や知恵で課題を乗り越え、安全性の高い場所から実証的に取り組むべき」と、一歩踏み込んだ対策を強く求めました。
3. グリーンインフラ「雨庭(あめにわ)」の拡充
交差点の植栽帯などを活用し、一時的に雨水を貯める「雨庭」の効果についても質疑。
実績: 市内14箇所で、浴槽550個分(110㎥)の貯留能力を確保。
要望: 景観としての「緑の質」を保ちつつ、小規模な貯留スポットを街じゅうに増やす「グリーンインフラ」の視点をさらに強化するよう求めました。
とがし豊の視点
大規模な防災施設も確かに必要ですが、加えて、小規模な工夫をたくさん積み重ねることが、異常気象から街を守る鍵になります。課題があるからと躊躇せず、最新の技術を取り入れて浸水被害ゼロの京都を目指します。
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【議事録】2024年9月27日に行われたまちづくり委員会の議事録より
◆委員(とがし豊)
よろしくお願いします。私からは、雨に強いまちづくりについて質問をさせていただきます。
まず、冒頭に、能登半島の水害によってお亡くなりになった方々、被害に遭われている皆様にお悔やみとお見舞い申し上げます。
1月1日に発災した地震による被害に続き、二重の被害となられており、物資や救援の手がしっかり届くように、全国からの支援が必要であり、本市におかれても現地の要請に応えて支援していただきたいと、既に支援に取り組まれていると思いますけれども、要望しておきます。
また、私ども日本共産党自身としても、救援と生活再建に力を尽くしているところであることを述べておきます。
災害という点では、何度も、私が住んでいる左京区の桜谷川支流では被害があったんですけども、その後、建設局、土木みどり事務所の皆さんに御尽力をいただいて、崩れた護岸道路の復旧を既に終わったところで、これに続いて、年末までには林業振興課の方で砂防堰堤を整備されるとお聞きしています。町内会の要望に応えて連携して対応していただいた各部局の皆様に、この場を借りて感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
さて、本市の災害への備えの重要な柱の一つが、雨に強いまちづくりの推進であるという風に考えております。
そこで、雨に強いまちづくり推進計画の大きな狙いは何か、この点について、まず御説明をお願いします。
◎土木管理部河川防災担当部長
雨に強いまちづくりの概要でございます。
本市では、平成22年4月に、雨に強いまちづくり推進計画を策定しまして、関係部局、そして区が緊密に連携しながら、河川改修や雨水の幹線の整備に加えまして、防災情報の収集や伝達、それから避難誘導体制の整備など、ハード対策とソフト対策を組み合わせた対策を推進し、浸水被害を最小限にする取組を進めてまいっているところでございます。
雨に強いまちづくりの取組と申しますのは、国の流域治水の考え方を先取りしたものでございますけれども、先ほど委員紹介いただいた雨に強いまちづくり推進指針というのを国の流域治水との整合を図るために、令和3年3月に策定したものでございます。
この取組には、「ながす」「ためる・しみこませる」「くみだす」「つたえる・にげる」「そなえる・まもる」と、こういった五つの基本方針に基づき、取組を進めているところでございます。
以上です。
◆委員(とがし豊)
ありがとうございます。この雨に強いまちづくりの指針なんかも改めて拝見させていただきまして、この計画が策定されたときに、雨の排除だけではなく、貯留、浸透による流出抑制と組み合わせる総合的な対策への転換がなされたということがとりわけ重要であるという風に思っております。
その点で、貯留及び浸透による雨水流出抑制の取組の現状はどうなっているでしょうか。
◎土木管理部河川防災担当部長
今、御紹介いただきました浸水被害を防ぐために雨水を地中の中に染み込ませるというところでございます。こういったものにございましては、例を挙げますと、透水性舗装と言いまして、道路に降った水をそこに流すのではなく、そのまま道路の直下の地面に染み込ます、また、集まった水を浸透ますというますで、同じく、やはり地中に浸透させるということで整備を進めてございます。
整備状況というお話でございますけれども、少し御紹介いたしますと、先ほど申しました透水性舗装、道路に降った水をそのままアスファルトの直下に流すというのにつきましては、令和5年度末時点で、累計で66万4,000平米の整備が完了してございます。
これをちょっと例えて言いますと、1時間当たりに25メートルプールで62個分に相当する約2万4,900立米の浸透量となってございます。
もう一つ申しました浸透ます、いわゆる水を集めてそのますの下から地面に流すというものででございますけれども、これも令和5年度末の累計で約1,250個が本市で設置されてございまして、これも1時間当たりに直しますと200リットルのドラム缶が1,063個分に相当します213立米の浸透量という風になってございます。
以上でございます。
◆委員(とがし豊)
ありがとうございます。今、ちょっと年度ごとの状況、数字ということで言いますと、2019年のところまでということだと思いますので、今教えていただいた数字も合わせて、後ほど資料でこの浸透、何と言ったらいいかな、雨水流出抑制の取組の状況についての資料、貯留も含めて、資料で、後でまとめて年度ごとのものが分かれば教えていただきたい、資料で頂きたい。後でよろしくお願いいたします。
私は、これ着実に取り組まれているという風に思うんですけれども、この浸透の取組ということで言いますと、最近、雨が本当に異常な降り方をするという状況がある中で、やっぱり、町なかであっても、相対的に周辺より低くなって、排水が十分でない地形の所に水がたまって、そこから住宅に水が浸水するというケースが起こっていると。ちょっと山あいなんかでも、結構そういう山に接する所なんかで言いますと、左京区で言えば鹿ケ谷通でもそういう水がどうしても集中してしまう場所がありまして、そこに水路を造ることができないかということで、下流の白川などに流していけないかということで一度相談したことあるんですけども。
ただ、それをすると、今度は下流の方で水がオーバーフローしてしまうのではないかということで、やはり、下流からきちんと整備して、計画的にやっていかなければいけないんだということで、現段階では水路というのはなかなか造れませんよということで、取りあえずは、小まめに排水路の掃除をしていただくということで、何とか今はしのいでいるという状況です。
この場所でできるかどうかは別として、ただ、先ほど御紹介あったような浸透、水の浸透を、例えば浸透側溝というのが、結構色々調べましたらありまして、京都市でも有栖川の方で浸透側溝の取組を結構前にされたりしておりますけれども。この浸透側溝などを普及して、下流に流れる水を抑制しつつも、水の通り道を更に拡充させるということができないかなという風に思うんですね。
そこで、ちょっとお聞きしたいのは、京都市の雨水流出抑制施設設置技術基準というのがありまして、その基でこういう浸透設備とかが設置されているという風に私理解しているんですけども、この基で、実際に浸透側溝だとか浸透ますなどを道路に設置してきた中で、課題や注意している点などあれば、お示しいただきたいと思います。いかがでしょうか。
◎土木管理部河川防災担当部長
今、御紹介いただきました有栖川流域での浸透側溝のお話での課題かと思います。
平成18年度から23年度にかけまして2,100メートルの整備を実施しておるところでございますけれども、浸透側溝から、今度は浸透側溝に水をためて、それから直下に排水するということで、路盤や路床への影響が懸念される。そこで、道路の沈下等に影響するということを懸念されたために、今はちょっと実施しておりませんでして、今後どういった形で整備するのかというのは、また検討課題として我々考えていっているところでございます。
◆委員(とがし豊)
国の方でしたかね、国じゃなくて、民間事業者やと思います、そういう関係の協会の技術基準なんかで見ていると、一応、崖地的な所はできるだけ下げようみたいなことを書いたりとかするんですけど、できないということにはなってないということの中で、やはり、私は、その適地というのは、京都のそういう浸透の状況とかを含めて、適地というのは必ずあるはずだと思いますし、是非、それはちょっと課題があるという風に、懸念があるという風に取組として止まってしまっているんじゃないかなと思っていまして、どこかでそういうかなり安全度が高そうな所とかを選んで、実際的に、実証的に、空洞調査とか空洞が発生していないか小まめに見ながら、そういう実証的な取組も含めて、水を浸透させるという取組、舗装面からの浸透だけではなくて、側溝という形だったら、いろんな所に側溝はありますから、そこで安全に浸水させて、下流に流れるものをちょっとでも減らすという取組を推進していただきたいという風に思います。
それで、次に、今、国土交通省でもグリーンインフラという考え方が採り入れられておりまして、そういう研修会に私も行きましたら、京都市の雨庭というのが例で紹介されておりまして、その辺りのことについてちょっとお聞きしたいんですが。
国土交通省のホームページとかを見ましても、自然環境が有する機能を社会における様々な課題解決に利用するグリーンインフラという考え方というのが示されておりまして、推奨されておりましたが、京都市においても、やっぱり、今言った主要な交差点で雨庭の整備が進んでおります。これも一つのグリーンインフラの一種という風に考えますが、この流出抑制の効果、これが一体どういうものなのかというのをお示しいただきたいということ。
それから、どうしても植栽やった所に、枯山水と言うんですか、石とか置いたりして、どうしても見た感じで言うと緑が減ったという印象を受けるんですけども、そういう中で、もうちょっと緑を残した形での整備はできないのかというお声なんかも聴いておりまして、その点についても御見解をいただけたらと思います。
◎みどり政策推進室事業促進担当部長
雨庭の整備の関係なんですけど、本市が進めています雨庭なんですけど、降雨時には浸透させるということで、州浜と呼ばれる所に水をためていくんですけど、そういう雨水を一時貯留とか、浸透をさせていく機能と、あと修景の機能と、こういう両方を併せ持ったものが、京都市が進めています雨庭という形になっております。
その中で、整備に当たりましては、交差点なんかの植栽帯での整備とか、あと、新たに整備したりという部分もあります。
その中で効果なんですけど、効果としましては、どれだけ雨庭に一時貯留できるかというような数値もありまして、それでいくと、大体110立米、これまで14か所の雨庭を整備しているんですけど、合わせて110立米の貯留ができるということで、一般的な家庭の浴槽でいくと大体550個分ぐらいの量を確保させていただいて、貯留して、浸透しているというような状況になっております。
あと、緑が減っているということなんですけど、当然、植栽帯の中で整備していく部分がありますので、一定緑が減っている部分というのは当然あるんですけど、雨水をためるその州浜と呼ばれる所の部分につきましては、雨庭全体のデザインなんかの工夫によりまして、言いますとデザインの一つなんかとしまして、量は減っていますけど、逆に言いますと、緑の質の向上なんかを図るような形で今現状整備を進めさせていただいているというような状況になっております。
○委員長(兵藤しんいち)
とがし委員。
◆委員(とがし豊)
この自然環境が元々有していた機能を様々な社会課題解決に活用しようというグリーンインフラという考え方をかなり推奨されている先生の話を聴きますと、こういうものというのは、できるだけ、やっぱり、大規模なものを少なくではなくて、小規模なものをたくさん作るのが非常に大事だという風に言っておられますので、そういう意味では、雨庭というのは一つのそういう戦略かなという風に思うんですが。
様々な形でそういう水の浸透をする場所、公園ももちろんそうなんですけども、しっかり確保する必要がありますし、公園なんかとかでも、整備するに当たって、グラウンドに水をためるという発想だけではなくて、水がすぐに出ていかないようにして、ちょっとだけでもためを作って、ゆっくり排水していくということも含めて、様々な小さな工夫も含めて、是非取り組んでいただきたいという風に思います。
そういう意味で、京都市の取り組んでいるこの浸透についても、更に取組を発展させていただきたいと。先ほど浸透側溝の話をしましたけど、ちょっと課題があるからと言って、逃げると言うと失礼ですけど、なかなかちゅうちょしてしまう部分があると思うんですけど、それを技術とか、いろんな人の知恵とかで乗り越えていくということでお願いをいたしまして、終わりたいと思います。
以上です。
(更新日:2026年03月02日)


