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2026年2月19日文教はぐくみ委員会での「学童・児童館の充実について」の請願審査

2026年2月19日文教はぐくみ委員会での「学童・児童館の充実について」の請願審査

【請願趣旨説明】
◆請願趣旨説明(紹介議員:とがし豊)
「保育・学童保育制度の拡充を願う」1万6,191筆もの切実な署名とともに提出された請願について、紹介議員を代表して説明します。本請願を提出した実行委員会は、保育・学童・児童館の職員、保護者、学者、そして子どもの育ちに関心を持つ幅広い市民の集まりです。
日本政府も批准している「子どもの権利条約」には、子どもに関することを決める際、**「子どもの最善の利益」**を第一に考え、安心して育つ権利を守ることが定められています。しかし、現在の京都市の施策は、この権利を十分に守れているとは言えません。以下の9点について改善を強く求めます。
1,定員払い制の導入: 広島、仙台、大阪などの他都市では、定員割れ対策や待機児童対策として、実際の入所数ではなく「受け入れ枠」に応じた予算を出す仕組みがあります。現行ルールでは、途中入所に備えて職員を先に確保している園の経営を圧迫しており、改善が必要です。
2,保育料・給食費の無償化・軽減。
3,独自予算による配置基準の改善: 国の基準改善に合わせ、京都市としてもさらに予算を増やし、手厚い配置を実現すること。
4,民間職員の処遇改善: 民間保育園等で働く職員の給与等を、市営保育所職員並みに引き上げること。
5,市営保育所の拡充: 災害時や特別な支援が必要な子どもの受け入れなど、公的な役割を果たす市営保育所を各区へ拡充すること。
6,学童利用料の引き下げ。
7,学童の詰め込み解消: 面積基準ギリギリの「ぎゅうぎゅう詰め」を解消するため、施設を増設・分割すること。放課後ホッとひろばを単独学童保育所にし、働く環境も改善すること。
8、団体交渉の再開: 学童・児童館職員の労働条件改善のため、労働組合との話し合いを直ちに再開すること。
9,5歳児検診の検証: 早期発見・早期療育の視点から、実施時期や内容の妥当性を検証すること。

◆当局による補足説明
【保育園・定員割れ対策について】(幼保総合支援室長)
他都市での定員払いは、待機児童対策や特定の定員割れ対策として実施されていると認識している。本市は12年連続、また年度途中の10月時点でも待機児童ゼロを継続しており、同様の取り組みの必要性はない。定員払いは市単独で多額の公費負担が必要となるため困難。代わりに、定員変更ルールを「年1回から2回」に増やすなどの柔軟な対応を行い、実態に見合った給付費が支給されるよう改善を講じている。
【保育料・給食費について】(幼保総合支援室長)
保育料は令和7年度から実施する2人目以降の無償化を含め、約28億円の独自財源を投入し、国基準の約45%にまで軽減している。給食費は本来保護者負担だが、年収640万円未満の多子世帯への免除など、低所得・多子世帯に配慮した上乗せ支援を継続している。
【配置基準・処遇改善について】(幼保総合支援室長)
本市の独自補助に国が追いついてきた状況にあるが、その中でも1歳児の配置改善などの拡充案を市会に提案している。公営と民間の比較については、公営職員は夜勤のある職場や相談業務、本庁業務にも従事しており業務内容が異なるため、単純な比較は難しい。
【市営保育所について】(幼保総合支援室長)
市営保育所は、行政自らが知見を蓄積し、突発的な災害等に対応する役割を担っている。配置については集団活動の機会確保等の観点から検討するが、各区への拡充は考えていない。
【学童保育・児童館について】(子供若者未来部長)
利用料金は持続可能な仕組みにするための改定であり、所得に応じた減免制度を講じているため、見直しの予定はない。「詰め込み」については、国基準(1人1.65㎡)を確保しており、必要な場合は小学校内での場所確保等で対応している。大規模校への新設は考えないが、公的学童のない空白区(西陣中央、藤森)には令和8年度より新設する。団体交渉については、京都府労働委員会の命令に対し取り消しを求め係争中であるため、現在は応じていない。
【5歳児検診について】(子育て支援担当部長)
医師会や専門家、保育・教育現場の意見を聞きながら制度化した。既存の検診も含め、常に最新の知見を取り入れて検証を行っており、今後も早期発見・早期支援に取り組んでいく。

【議事記録】京都市会 文教はぐくみ委員会

○とがし委員

よろしくお願いいたします。今回の請願に関連して、まず保育園の「定員払い」について質疑いたします。

国による公定価格の引き上げに伴い、人件費補助金で負担する部分が減少する仕組みとなっています。これにより、公定価格を上回る人件費を支出している園では、給付費が増えても処遇改善に充てる原資が確保できなくなる構造があります。これが「原資を確保できないのではないか」という恐れとなり、賃上げに二の足を踏ませる「足かせ」になっていると考えます。

国の公定価格は令和5年度から令和7年度にかけて段階的に引き上げられていますが、これに合わせて京都市の人件費補助金の上限も大胆に引き上げるべきではないでしょうか。

○幼保総合支援室長

人件費補助金制度についてお答えします。令和6年度の状況を見ますと、保育士等の大部分において、6割を超える園が既に「収入超過(補助金に頼らず運営可能な状態)」となっています。実態として、給付費が増えればそのまま園の収入が増加する状況にあります。

人件費補助金の上乗せについてですが、本市の新制度は「国制度の充実を確実に反映させること」を目的の一つとして再構築した経過があります。そのため、国が引き上げたからといって、市がそれに合わせて上限をそのまま引き上げるのは難しいと考えております。

一方で、京都らしい保育の実現に向け、令和6年度は経験年数加算の上限引き上げ、令和7・8年度にかけては障害児や1歳児の配置改善など、さらなる処遇改善にも取り組んでいるところです。

○とがし委員

いわゆる「収入超過(X園)」ではない、国の水準を上回って人件費をかけている園(Y園・Z園)において、市の上限設定がブレーキになっているという現場の声があります。

この新制度はスタート当初から「執行残(不用額)」を生む構造であり、年度途中での見直しが何度も重ねられてきました。令和6年度は3億円、令和7年度は3.7億円と小刻みな修正が行われていますが、現場を前向きにするにはもっと「大胆な見直し」が必要です。国の底上げを先取りするような、踏み込んだ処遇改善を行うべきではないですか。

○幼保総合支援室長

国も人材確保の困難さを背景に給付費を増加させていると認識しています。本市の人件費補助金についても、各園で支払われる平均賃金は着実に増加しており、収支状況や積立金の状況も改善傾向にあります。「制度が機能していない」というご指摘は当たらないと考えております。

○とがし委員

しかし、市の実態調査でも全ての園で給与引き上げができているわけではありません。処遇改善の「実感」という点では、単に定期昇給や一時的なボーナスによるものか、将来にわたって展望が持てる「ベースアップ」なのかを丁寧に見る必要があります。市としてその中身を把握していますか。

○幼保総合支援室長

調査では、ほとんどの園が何らかの引き上げに取り組んでいることは確認できています。ただ、一人ひとりの役職や園の考え方、給与体系は異なるため、ベースアップか否かを一律に把握するのは難しい面がありますが、今後も注視していきたいと考えています。

○とがし委員

次に「定員払い」についてです。他都市では、広島市のように4月〜9月の期間のみ、あるいは年度当初のみ定員払いを実施している例もあります。

保育士は急に雇えるものではありません。年度当初から見通しを持って職員を採用し、途中入所の枠を確保するためには、一定の定員払い制は有効な選択肢ではないでしょうか。

○幼保総合支援室長

定員払いについては、待機児童が多く存在した自治体がその必要性から実施しているケースがほとんどです。本市は12年連続で待機児童ゼロであり、直近の10月時点でもゼロとなっています。空き枠を事前に作っておく需要は低下しており、基本的には「利用定員を実態に合わせて下げていく」のが適切な対応だと考えております。

○とがし委員

しかし、仕事や住所地の関係で「途中入所」のニーズは必ず存在します。どこでも満遍なく受け入れ枠を確保するためには、定員払い、あるいはそれに類する措置を検討すべきです。

また配置基準についても、国に先駆けて改善を進めるべきです。給付費の充実や国の基準改善によって生まれた財政的な余力を、さらなる手厚い配置基準に確実に充てるべきではないでしょうか。

○幼保総合支援室長

本市は既に1歳児や4歳児等で国より手厚い基準を維持しています。今回ご提案している1歳児のさらなる拡充も含め、引き続き取り組んでまいります。

○とがし委員

最後に、児童館・学童保育の「ぎゅうぎゅう詰め」の問題です。

大規模な学童では、一斉に帰宅させるだけでも相当な「統制的な時間」が必要になります。これは子どもにとっても先生にとっても、のびのび過ごせる環境とは程遠いものです。国基準ギリギリで運用するのではなく、分割・増設を行い、指導員の目がしっかり届く規模を確保すべきです。強く要望して終わります。

(更新日:2026年03月02日)