子育て支援担当部長による陳情への補足説明
子育て支援担当部長 それではご説明いたします。 陳情第4619号「京都市桃陽病院の今後のあり方について」です。
桃陽病院のあり方については、令和7年12月の文教はぐくみ委員会にご報告の通り、開設から40年以上が経過し施設及び設備の老朽化が進んでいること、少子化などにより患者数は減少傾向にあることなど、様々な課題を抱えております。令和5年度の包括外部監査においても「あり方の検討が必要」との意見が付されていることを踏まえ、「京都市桃陽病院の今後のあり方に関する検討会」を設置し、現在議論をいただいているところでございます。
陳情項目の1つ目、「京都市桃陽病院のあり方に関する検討会メンバーに桃陽病院の職員や創設の歴史を知る委員を加えること」についてです。 検討会には、学識経験者や関係団体の代表だけではなく、桃陽病院にも関わってこられた医師などにも参画いただいているほか、病院(病院長)が事務局として参加し、現場の意見についても資料で紹介しております。なお、病院職員は本件に関する利害関係者の1人であり、公明正大・公平な議論を確保する観点から、委員としての参画はさせておりません。
陳情項目の2つ目、「京都市桃陽病院の今後のあり方検討にあたっては、存続・拡充の方向性を基本として、子どもたちの最善の利益を保証する立場でおこなうこと」についてでございます。 検討会においては、廃止や存続を前提とせず、様々な角度から多様なご意見をいただきながら慎重に議論を重ねており、こうした進め方が子どもたちの最善の利益の保障につながるものと考えております。
なお、陳情者からは本件に関する懇談の場を設けるよう要望されていますので、適切に対応してまいります。 説明については以上です。
「桃陽病院の今後のあり方」陳情審査 質疑応答
とがし豊委員 この陳情第4619号「桃陽病院の今後のあり方」について質疑をさせていただきます。 この陳情では、桃陽病院は1952年以来、子どもたちの療育と教育を両立させ、行政的な縦割りを越えて子どもの権利を保障する施設であり、全国的にも先進的な施設であると書かれています。京都市自身の認識をまず確認したいと思います。
子育て支援担当部長 私どもの桃陽病院についての認識でございますが、昨年の委員会でも報告の通りでございます。 桃陽病院は昭和27年に小児結核保養所として開設したことに始まり、時代の変遷に合わせて、慢性疾患等の小学校児童及び中学校生徒に対し入院治療と療養指導を行うとともに、同疾患の20歳未満の者に対する外来診療を行っているところでございます。 また、隣接の桃陽総合支援学校におきましては、入院療養している児童及び生徒が治療を受けながら義務教育を受けられる体制を整えております。療育と教育を一体的に行う、全国的にもまれな公立の療育施設として重要な役割を果たしてきたところでございます。 しかしながら、開設から40年以上が経過しております。施設・設備の老朽化が進んでいること、少子化などにより患者数は減少傾向にあることなど、様々な課題を抱えているところでございます。令和5年度の包括外部監査におきましても「あり方の検討が必要」との意見が付されているところでございます。こうした状況を踏まえまして、外部有識者を交えたあり方に関する検討会を設置の上、現在慎重に議論をいただいているところでございます。
とがし豊委員 今、慎重に検討されているということなんですけれども、この桃陽病院で子どもたちのケアに関わる看護師、保育士等の意見や、創設以来の歴史を理解している者の知見を踏まえるのはごく当然であり、委員構成の強化を願いたいということで、委員構成を補強してほしいという要望が出されています。 この点で言うと、医師の方も入られているとお聞きをしておりますけれども、小児科や児童精神科のお医者さんなどもいらしたことがあるとお聞きしているのですが、こうした方も含めて委員を充実させるということについてはいかがでしょうか。 また、先ほど現場で働いている看護師、保育士については「利害関係者だから入れられない」というお話だったのですが、何らかの形で直接意見を聞くとか、検討会に反映するということは考えられないでしょうか。
子育て支援担当部長 現場の職員の意見の検討会への反映でございますが、すでに第2回の検討会において実施しております。 具体的に第2回の検討資料に基づいて申し上げますと、あり方の方向性案を検討する上での前提条件としまして、まず令和8年2月25日に桃陽病院の幹部職員からヒアリングを実施した結果ということで、桃陽病院の患者像や入院教育機能の特徴、医療提供体制と経営上の課題、及び今後のあり方に関する認識について、それぞれ幹部ヒアリングを行ったことでございます。 それから、幹部だけではなく職員1人ひとりの声が大事ということでございまして、病院の職員1人ひとりについても意見を求めてきたところでございます。こちらにつきましても、同じ資料でしっかりご紹介しております。 とりわけ評価と方向性というところについて申し上げますと、桃陽病院の存在意義と価値ということで、「入院しながら学校に通える施設として、不登校、発達障害、困難な児童へ安心できる居場所と治療・教育の機会を提供している」といった意見、あるいは「社会的弱者への包括的支援、小集団生活を通じた自尊心回復、社会性・対人関係能力の育成など、行政が担うべき重要な役割を担っている」といった意見がございました。 一方で、「現体制での入院医療は財政的に維持困難」「財政赤字や人員不足の中、医療と教育の無理な一体化は支援の質の低下につながる」といった意見もございました。そういった状況でございます。
とがし豊委員 児童精神科の先生なども、これは検討会などに加わられているのでしょうか。
子育て支援担当部長 児童精神科の医師も参画いただいております。
とがし豊委員 今、あり方検討会にも確かに資料で各意見が出されていたわけなんですけれども、やはりこれだけ現場の実情などをよく知っておられる方なので、病院長は(事務局として)参加されているとのことですが、そうした現場スタッフサイドの声も直接交えて検討がされた方がいいのではないかなということで、この点は要望しておきます。 それから、桃陽病院の今後のあり方の検討にあたっては、京都市が地方自治法に基づく住民の福祉の増進義務、国連子どもの権利条約に基づく子どもたちの最善の利益の保障義務を果たし、間違っても廃止ありきの検討を行うべきではないと指摘されているのですが、再度この点についてどのように受け止めておられるでしょうか。
子育て支援担当部長 まず、病院職員の参画につきましては、先ほどのご説明の通り、病院職員は利害関係者でございます。病院長は事務局として参加しておりますが、職員1人を委員として参画させる予定はございません。 それから、陳情書の中の指摘についてでございます。陳情書の方では、「市による直接の医療機能・臨床機能を主に経済的観点から後退させ続けてきた」とか、あるいは「従来同様の発想でそれが検討されるとすれば、それ自体が子どもの権利を毀損する行い、国際的な子どもの権利に関わる合意に反するものである」とされております。これらは過去の身体障害者リハビリテーションセンター、あるいは急病診療所の見直しについて述べているものだと思われますが、それぞれ利便性の向上などのために見直しをしたものであり、市による直接の医療機能を経済的観点から後退させ続けたものとは一切考えておりません。 さらには、「従来同様の発想で検討されるのであれば、それ自体が子どもの権利を毀損する行い、国際的な子どもの権利に関わる合意に反するものである」とされておりますが、私どもでもそういった認識は一切ございません。
とがし豊委員 私としては、やはりこの桃陽病院を高く評価をされている皆さんから出されている要望であって、今までの流れの中で色々こう公的な機関が次々とリストラされてきているという流れの中で、「利便性」とか「財政」ということで簡単に切られてはならないという思いを持って、そういう危機感を持って要望されているということですので、その辺をやはりしっかりと受け止めていただきたいと思います。 検討会の資料では「病床が過剰」という記載などもあるのですが、しかし例えば、この桃陽病院自身が設置されて以降、絶えずその時々の必要性に応じながら発展してきたという経過があります。今の病院の非常に優れた環境ということを考えますと、例えば「ゲーム依存症」など、この児童精神科の新しい領域での拡充などがあれば、病床の必要性も実は高まっていくのではないかということも考えられるのではないかと思います。この「存続・拡充」の方向性を基本として、ぜひ子どもたちの最善の利益を保障する立場で検討していただきたいという風に思いますけど、いかがでしょうか。
子育て支援担当部長 私どもとしては、子どもたちの権利を最優先として検討していくということでございます。 その上で、病院の存続を前提とする検討をするつもりはございません。廃止を前提とする検討をするつもりもございません。廃止あるいは存続といった前提を置かず、子どもたちに何が大切かという観点から、今後も慎重に検討してまいります。 なお、桃陽病院につきまして、今「ゲーム依存症」の例がございましたが、「何らかの新たな役割ができるのではないか」といったご意見は検討会の中でもございました。一方で、残念ながら桃陽病院の建物につきましては築40年以上を経過しているということで、今後そういった新たな展開をするのであれば、建て替えや大規模な改修といった費用が発生するところでございます。そういった機能につきましても、ここ(桃陽病院)でやるのが最適なのかどうかといった観点からの検討が必要かという風に考えております。
(更新日:2026年05月28日)


